赤ちゃんとコミュニケーションが取れるベビーサインとは?
ベビーサインとは、赤ちゃんでもできるジェスチャーを使った手話のようなものです。アメリカの児童心理学者によって1989年に初めて提唱されました。以来、アメリカはもちろん、日本でも赤ちゃんとコミュニケーションを取りたい多くのママやパパに実践されています。
赤ちゃんの発語は「だー」などの喃語から始まり、一語文、二語文…と進んでいきます。このステップは脳だけでなく、肉体的にも舌や声帯などが未発達という要素も大きく影響しています。肉体的に未熟な赤ちゃんでも操れる言葉が、ベビーサインなのです。
赤ちゃんとコミュニケーションが取れるベビーサインのやり方
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ベビーサインのやり方はとっても簡単!
「日常生活の中で、その言葉を口にする時に、ベビーサインを添える」
これだけです。
無理して教え込むのではなく、あくまでも生活の中に状況に応じてサインをプラスします。赤ちゃんはその言葉が使われるシチュエーションで、サインの意味や動き、言語の音をセットで自然に覚えていきます。
教えるのはまずは1語からでもOK!
例えば「おっぱい(ミルク)」「飲む」「眠たい」「もっと」など、頻出用語から始めるのが良いですね。ママやパパも一つずつ覚えて、気長に見せていきましょう。
赤ちゃんとコミュニケーションが取れるベビーサインの効果
それではベビーサインによってコミュニケーションをとる効果はどんなものでしょうか?
ベビーサインの効果①赤ちゃんの気持ちがわかる!
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乳幼児を育てていると、我が子の訴えがわからなくて途方にくれることもしばしばありますね。お腹が空いた、痛い、眠たい、もっと食べたい…。
そんな時にベビーサインを覚えていれば、サインを使って明確に教えてくれます。また、嬉しい気持ちや自分の関心事もサインで教えてくれるので、親子で楽しい気持ちを共有できるというメリットもあります。
ベビーサインの効果②赤ちゃん自身のストレス軽減
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赤ちゃんの成長は、時にはちぐはぐ。しばしば脳の発達の方が肉体的な発達を上回り、「訴えたいことがあるがアウトプットできない」という、赤ちゃんにとっては苦しいストレス状態が発生します。
このギャップを埋め、ストレスを軽減してくれるのもベビーサインのメリットです。
ベビーサインの効果③親子の絆が深まる
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赤ちゃんの気持ちがわかればママやパパも嬉しいですが、何より赤ちゃん自身も確実に自分の言いたいことが伝わった喜びと満足感を感じるものです。赤ちゃん自身が自発的なサインでママやパパが的確に対応してくれれば、赤ちゃんの信頼や安心感も増します。
これは何にも代えがたいメリットであると言えるでしょう。
また「飛行機が飛んでいるよ」「ありさん可愛いね」などの気持ちを伝えてくれるようになると我が子の世界を垣間見ることができ、育児がぐっと楽しくなります。
ベビーサインのメリット・デメリット
他にもあるベビーサインのメリット!さらに、心配されているデメリットも一度考えてみたいと思います。
ベビーサインのメリット①コミュニケーションが取れる
ベビーサインで意思疎通ができることで赤ちゃんとの絆が深まり、育児が楽しくなります。また、気持ちを理解してあげられるので赤ちゃんのストレスが軽減されるというメリットもあります。
ベビーサインのメリット②発語の時期が早くなる
ベビーサインを使うことによって、言葉が出てくるのが早くなるメリットがあると言われています。経験者の一人としても実感があるのですが、0歳児の頃から「泣く以外に伝え方がある」と理解している影響が大きかったように見受けられました。
我が家だけでなく、ベビーサイン実践者からは、言葉が早いという実感の声が多く聞かれるようです。ベビーサインの大きなメリットの一つです。
ベビーサインのメリット③健康管理などに役立つ
体の痛い箇所を教えてくれたり、調子の悪いところを教えてくれたりするので、すぐ具体的な異変が把握でき、初動の対応の速さや質がアップするというメリットがあります。
ベビーサインのメリット④癇癪が減るかも
発語できないストレスを軽減できるため、癇癪が減ることがあります。これも私の実体験ですが、娘が1歳代の頃、まさに「言いたいことが親に伝わらない」ことが頻繁に起こりました。その結果、凄まじく荒れ狂うような雄叫びと癇癪が…。何度も「チダァーウ(違う)!!」という絶叫を聞かされました。
そこで、もしかしたらこういうことが言いたいのかな?と推察してサインを教えてみました。するとすぐに使うようになり、しばらく癇癪が収まったのです。
以後は、
- 言いたいことと言語能力のギャップが生じる
- 癇癪大絶叫
- それを埋めるベビーサインを教える
- 癇癪が収まる
のループをしばらく繰り返しました。
もっと早く色々なサインを教えておけばよかったです…。
ベビーサインのデメリット①言葉が遅れる?
デメリットとして一番囁かれているのが「言葉が遅くなるのでは」ということです。発語がまだのお子さんのことを「ベビーサインで伝わるから喋らないのでは」などと言われて悩む方がいるようです。
しかし、一般的にはベビーサインを活用することで言葉が早くなる傾向のようです。ある程度の月齢になれば肉体的にも成長しているので、サインより口で言った方が早くなり、通常はひとりでに話し言葉に移行します。「言葉が遅くなるデメリット」は、個人差の域を超えないと見て良いようです。
また、ママやパパが赤ちゃん時代に言葉がのんびりタイプであったならば、単なる遺伝の場合もあります。少なくともベビーサインが原因で発達が遅れるということは極めて考えにくく、デメリットがあるという説は現段階では根拠が薄そうです。
言葉が遅い場合、ベビーサインのデメリットを気にするよりも、赤ちゃんが自分から何か言わなくても先回りして対応していないか、発語の意欲を削いでいる要素がないか、普段からたくさん話しかけられているかなど、今一度振り返ってみる必要があるかもしれません。それで問題がなければ自信を持って様子を見ましょう!
ベビーサインのデメリット②なかなか覚えてくれないストレス
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これはベビーサイン自体のデメリットとは言えませんが、懸命に教えているのに赤ちゃんが関心を持たないと親のストレスになることがあります。赤ちゃんがなかなか覚えない時に無理して教えようとすると、コミュニケーションそのものを嫌がるなどのデメリットも生じるかもしれません。
ベビーサインはあくまでも赤ちゃん自身の伝えたい気持ちをサポートするためのもの。「今は必要と感じていないんだろうな」と鷹揚に構えて、教えることが親子のストレスにならないように気をつけましょう。
(参考)我が家の場合
・一人目
ねんねの赤ちゃんの頃からベビーサインを教えていた長男は言葉がかなり早く出ました。また、サインを使えば二語文三語文も作れるので、発語で二語文を出す相場の時期より半年は早かったです。
「絵本」のサインで読み聞かせを所望してくれたり、泣くだけでなく「おひざ 痛い」などと伝えてくれるので、わかりやすくて助かりました。特にサインを教えるデメリットは感じられませんでした。
・二人目
長男の育児に追われて長女の方はサインを教えることが後手に回り、癇癪が凄まじかったのは先述の通りです。発語も特に遅れはないものの、息子ほどは早くはありませんでした。
長女に関しては、教えられなかったデメリットが大きかったなあと反省しています…。(今ではむしろ長女の方がおしゃべりですので、赤ちゃん時代のほんのいっときの話です)。
・総括
我が家ではベビーサインをしっかり活用できれば言葉が早く、メリットを享受できました。ですが、同じ子供で試したわけではありませんので、個人差の範囲といえるかもしれません。
教育的効果やメリット・デメリットよりも、赤ちゃんとの会話できる喜びや、ストレス軽減になること自体を純粋に楽しむことを主眼におくのが良いのでしょう。
ベビーサインを使って赤ちゃんとの会話を楽しむためには
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ベビーサインのメリットに惹かれ、早速教室に…と思う方もいると思います。もちろんそれでも良いですが、大切なのはどこで教わるかではなく、日常生活に取り入れること。
まずは身の回りの数語からじっくり…となると、本やWEBなどで少しずつ教えていくのでも充分です!私自身、本を1冊買い、子供の言いたいことや使いそうな言葉をピックアップして教えましたが、それで充分事足りました。
また、目的はコミュニケーションをとることですので、決まった型にこだわる必要もありません。究極的には自作でも構いません(サインが複数あると混乱するというデメリットが出てきますので、コロコロ変えることは厳禁です)。我が家の長男は「痛い」というサインをどうしても覚えず、結局子ども自身でサインを作っていました。そんなゆるい感じでも、お互いに伝わればOKです。
赤ちゃんの世界を楽しみましょう
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幼い我が子が伝えてくれる気持ちや世界。本来は知りようもなかった小さい子の「言いたいこと」を知ることができる喜びと感動は、素晴らしいものです。
ベビーサインは我が子を「泣く一択」のストレスから救い出し、親子の困惑を減らし、絆と親子が育ち合う喜びを共有できる素晴らしいツールです。赤ちゃんから見たキラキラとした世界を共有し、気持ちが通い合う喜びを味わってくださいね。