自律神経を整えるには温泉が効果的!理由とオススメの温泉

温泉が自律神経を整えてくれる理由とは?

温かい湯船に浸かってホッと一息。疲れた心をときほぐし、体もゆったりとリフレッシュできる温泉は、日本人のDNAにしっかり組み込まれた癒しの方法です。

温泉に入ることは、血流が良くなることだけでなく、体のコリや疲れを取り除いたり、悩みやストレスを洗い流す効果もあります。体が限界に達する前に、温泉ですっきりとしてみませんか?

忙しい現代に生きる私たち。多くの人が抱えていると言われる自律神経の乱れも、温泉に浸かることでずいぶん緩和されるそうです。

温泉と自律神経の関係を調べてみました。

自律神経とは

「自律神経って何?」と聞かれても明確に答えるのはなかなか難しいですよね。自律神経とは内臓や血管などの働きをコントロールしたり、リンパの流れを良くして体内環境を整える神経です。

私たちの意思で自由に動かすことのできる神経には、知覚神経(体や内臓の感覚の動きを伝えるために信号を送る神経)や運動神経(脳や脊髄のような中枢から筋肉・内臓などに刺激を与え、動きを伝えるために信号を送る神経)があります。

これに対して自律神経は、私たちの意思とは関係なく働いているため、内臓や血管を自分の意思で自由に動かすということはできません。

自律神経には、交感神経(起きている時や、興奮・緊張している時の神経)と副交感神経(寝ている時や穏やかにリラックスしている時の神経)があります。この2つの神経は、1つの器官に対して互いに相反する働きをしています。

私たちが無意識のうちに呼吸をしたり、食べたものを消化するため胃を動かしたり、体温を維持するため汗をかいたりするのは、自律神経が働いているからなのです。

自律神経が乱れる要因とは

本来ならば交感神経と副交感神経はバランスよく働いており、乱れることはありません。しかし忙しい現代に生きる私たちは、このふたつの自律神経のバランスを乱す要因をたくさん持っているのです。

  • 精神的なストレス
  • 身体的なストレス
  • 昼夜逆転している生活
  • 女性ホルモンの減少で起こる更年期障害からの乱れ

これらのひとつでも当てはまるものがある場合、自律神経のバランスが崩れている可能性があります。言い換えれば、自律神経は日々の生活に大きく関わっているのです。

自律神経が乱れるとどうなるの?

相反する2つの神経がバランスよく働いている時は大丈夫でも、ちょっとしたことが原因となって自律神経が乱れてしまうことがあります。自律神経の乱れが原因と思われる症状には以下のものなどがあります。

自律神経失調症

精神的にダメージを与える出来事が引き金となって、心や体に不調が表れる症状です。不安や緊張感が増したり、吐き気、動悸、不眠、めまいなどがあります。

自律神経失調症とは気づきにくい、頭痛、肩こり、手足のしびれなどもあり、症状は人によって大きく異なるので、症状のひどい人や、長く続いているひとは、専門家に診てもらうことをお勧めします。

神経性胃炎

昼夜逆転の生活や、仕事などで過度なストレスがあったり、過労が重なったりすると起こる症状が神経性胃炎です。自律神経がバランスを崩すと、胃酸が過剰に分泌され、胃の不快感を引き起こします。

過敏性腸症候群

自律神経のバランスが崩れると、腸のぜん動運動に異常が起こり、慢性的な下痢や便秘などを引き起こすこともあります。何週間も下痢が続いたり、一時的に治ったものの、再発するという症状を繰り返すこともあります。

検査でも特に異常が認められない場合は自律神経の乱れとも考えられます。

メニエール病

ストレスなどが原因で自律神経のバランスが乱れると、内耳のリンパ液にも異常が生じます。ぐるぐると回るめまいや、耳鳴り、耳の聞こえが悪くなるなどとともに、吐き気などをもよおすこともあります。

過呼吸症候群(過換気症候群)

精神的なストレスを過剰に感じてしまうことが引き金となり、突然浅く速い呼吸を繰り返す症状が現れます。このため動悸や酸欠状態のような息苦しさを感じます。めまい、手足のしびれや筋肉のこわばりなどが起こることもあります。

症状はこれだけというわけではありません。人によって現れ方はさまざまだと言われています。過度なストレスを感じていたり、思い当たる原因がある場合には、無理をせず医療機関を受診することをおすすめします。

自律神経と温泉との関係

古くから日本で行われていた「湯治(とうじ)」と呼ばれる習慣があります。温泉に入って入浴したり、温泉水を飲むことを病気の治療として行っていたものです。長期逗留して治療に励んだ文豪などの話は有名ですよね。

温泉に入ると体が温まり、血流が良くなります。リラックスする効果もあるので副交感神経が働いて気分も落ち着きます。ただし湯治の効果は副交感神経を働かせるだけが全てではありません。

体が温まったら一度湯船から外に出て、少し経ったらまた湯船に入るという「反復浴」を繰り返すことが大切です。

こうすることで温泉成分を皮膚から浸透させていき、温泉に含まれる有効成分を体内へ取り込むことができるようになります。

各温泉には、それぞれ効能があります。自律神経に効く温泉を選び、ゆっくりと湯に体を浸すことで、凝り固まっていた体も心も柔らかくほぐれてきます。これが温泉が自律神経のバランスを整えるのに役立つ要因と言えるでしょう。

自律神経を整えるための温泉の入り方

低めの温度の温泉を選ぶ

「温泉は熱い」というイメージはありませんか?、だいたい何度ぐらいの温泉が交感神経を整えるのには効果的なのでしょうか?

一般的に人が感じる「熱めのお風呂」というのは42℃前後でしょうか。この温泉に入ると、交感神経が刺激され、血圧が高まり、血管の拡張、心拍数の増加なども起こると言われています。

これに対して、38℃以下のぬるい温泉では、副交感神経が働いて気持ちが落ち着いてきます。ぬるめのお湯には胃腸の働きを促進する効果があると言われており、とくに体温と同じ位の温度(35〜37℃くらい)が体への刺激も少なく、血圧、脈拍も安定するそうです。

せっかく温泉に来たのに、熱すぎるお湯に入るのは、かえって交感神経を優位にしてしまいかねません。副交感神経が働き、リラックスしたい場合にには、温度が低めの温泉を選んで行くと良いでしょう。

熱い湯と交互に入る

ぬるめの温泉にゆったりと浸かり、副交感神経が働いてリラックスした状態になると、自律神経の働きも良くなります。

逆に42℃以上の熱い湯に入っていると、交感神経が優位になってしまい、血圧も心拍数も上がって筋肉は硬直し、リラックスというよりも体が興奮した状態になってしまいます。

これを聞くと熱い温泉には入れないのではと思われるかもしれませんが、そうではありません。

熱い湯の温泉でも必ず「水風呂」のようにぬるめの水温の浴槽は付いています。熱い温泉の熱い湯とぬるい湯に交互に入って交感神経と副交感神経のバランスを整えることができれば、自律神経も整えられるのです。これを「冷温交代浴」と言います。

「冷温交代浴」を行うことで自律神経の乱れを整えて、リラックスした気分を味わうことができます。熱い湯から冷たい湯に入ることで血管の収縮作用が起こり、血流が良くなって、疲労回復が早まったり冷え症の改善にもつながります。

ただし妊娠中の方や、高齢者、高血圧、心臓などに疾患のある方などは「温冷交代浴」は避けるか、医師に相談するようにしてください。

自律神経を整えるのに効果のある温泉は?

「自律神経を整える=交感神経と副交感神経のバランスを整える」ということになります。リラックス効果のある副交感神経が働きやすいのは、ぬるめの温泉ですが、熱めの温泉にも必ず水温の低いお風呂も付いているので、交互に温浴すればバランスが整えられます。

また、温泉の成分によっても自律神経を整えるのに効果のある温質があります。以下に挙げた温泉はその代表例なので、ぜひ参考にしてみてください。

自律神経を整えるのに効果のある温泉①単純温泉

「単純」と書かれているのを見ると、効果が少ないように思われがちですが、そうではありません。温泉の効能成分が薄い温泉のことを単純温泉と呼びます。

効能成分が薄い温泉というと、入浴しても効果がない温泉のように思われるかもしれませんが、刺激が少ない、体に優しい温泉なので、子供から高齢の方まで家族揃って安心して入れる温泉を表しています。

温泉にはさまざまな種類があって、効能成分の強さも多種にわたっています。温泉に入ることに慣れていない人が、急に刺激の強い温泉に入ると、その刺激に肌が負けたり湯あたりを起こしたりすることも考えられます。

温泉初心者の方や、温泉の刺激に不安がある方は、まずは単純温泉に入ることをおすすめします。単純温泉は日本で一番多い温泉で、肌触りが柔らかく、肌への刺激が少ないのが特徴です。

単純温泉に入ることで効果のある症状としては、自律神経不安定症、不眠症、うつ状態、リウマチ性疾患、脳卒中、骨折、外傷、病後の回復期に適するといわれています。

代表的な温泉地には栃木県:鬼怒川温泉、岐阜県:下呂温泉、神奈川:箱根湯本、大分県:湯布院、新潟県:湯沢温泉などがあります。

自律神経を整えるのに効果のある温泉②酸化炭素泉

「二酸化炭素」の名前のつく通り、炭酸ガスを含む温泉です。この温泉に入ると、炭酸の気泡が肌につき、肌に刺激を与えて毛細血管を広げる働きがあるため、血行が良くなったり、血圧を下げる作用があると言われています。

比較的湯温の低い温泉でも、血液の循環が促進されて保温効果もあるため、体が温まりやすくなります。心拍数を上げなくとも血液の循環が良くなるのが特徴です。

効果がある症状としては、心臓病、動脈硬化、高血圧、神経痛、切り傷、筋肉や関節の痛み、冷え性、更年期障害、自律神経不安定症、不妊症など血流が関連しているような症状に効能があります。

代表的な温泉地としては、青森県:みちのく温泉、大分県:長湯温泉、兵庫県:有馬温泉などが挙げられます。

温泉が近くに無い人は、入浴剤+お風呂でも効果あり

自律神経を整えるために温泉がとても効果があることはわかりました。でもすぐには行けなかったり、温泉に行くための時間を作り出せない忙しい方も多いですよね。

でも諦めないでください!温泉が近くに無くても、温泉の効果を作り出すことはできるのです。それは自宅でのお風呂の時間。入り方次第で効果がアップしますよ!

ぬるめのお湯にゆっくりがポイント

まずは浴槽に40℃以下のぬるめのお湯を溜めましょう。湯温が42℃以上になってしまうと、昼間に活動するための交感神経のスイッチが入ってしまうので、自律神経を整え、副交感神経を存分に働かせたいときには、ぬるめのお湯にすることがポイントです。

また、ぬるめの湯船にゆっくりと浸かる際には、首までしっかり浸かってみましょう。首には自律神経に関わる神経が多くあります。これらを温めて血流を良くすることで、さらにリラックスできるのです。

もちろん長時間入っている場合は、途中で湯船から上がったり、水分補給をすることも忘れないでください。

香りも自宅の浴室ならではの楽しみ方

さらに緊張をほぐすために、入浴剤を入れて香りでリラックスというのもいいですよね。心地よい香りは、自律神経を司る脳の中の「視床下部」へ伝わっていき、気持ちを安定させて呼吸も楽にしてくれることでしょう。

おすすめはラベンダーやヒノキ、ローズなどですが、香りの好みは人それぞれです。お気に入りの香りをかぐことで、心からリラックスできることが大切です。

たとえ温泉まで行けなくても、自宅の浴室で好きな香りとぬるめのお湯に癒されてゆったり過ごしてみましょう。乱れていた自律神経のバランスも少しずつ整ってくることでしょう。

温泉に入って自律神経を整えましょう

自律神経の乱れに伴う体の不調は、目に見えて症状がわかるわけではないために、周りの人の理解を得られなかったり、孤立してしまったり、精神的にも辛いものです。

そんな時には自律神経を解きほぐしてくれる効能のある温泉に出かけてみましょう。日常を忘れてゆっくりと大きな湯船に身体を浸からせることで、悩みや体の不調も回復してくることでしょう。

温泉に行かれない場合は、自宅の浴槽でも温泉効果は作り出せます。お気に入りの香りを入れてゆっくりと湯船に浸かれば、きっと効果が表れますね。

一度で劇的な変化は見られないかもしれませんが、温泉に通うことでその効果はきっと現れてきます。現在悩んでいたり、つらい症状の方も、次の休みには温泉へ出かけてみてはいかがでしょうか。

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