冷え症やのぼせは自律神経の乱れが原因?自律神経と体温調節の関係性

自律神経と体温調節の関係性

人の身体は、体温を維持するために、筋肉の稼働や、心拍数の促進、肝臓などの内臓の代謝などにより産み出されます。そして、血液によって運ばれる間に、余分な熱エネルギーは呼気などから放熱されるようになっています。

しかし、季節に関わらず手足が冷えてしまう、または、暑くないのになんだかのぼせてしまうなどの症状がある方は、ただの寒がりや暑がりではなくて、自律神経の乱れが原因かもしれません。

実は、自律神経と体温調節には深い関係性があります。

「交感神経」と「副交感神経」

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まず、自律神経とは、「交感神経」と「副交感神経」に分けられ、内臓器官に関わる重要な神経となっていて、心臓や胃腸、肝臓、血管などの働きを調節している重要な神経となります。

この2つの「交感神経」と「副交感神経」は、バランスをとりながら働いているので、どちらかが活発になってしまっても問題なのです。

交感神経が活発になっている状態とは

身体が冷えてしまったり、暑くもないのにのぼせてしまうのは、交感神経が活発になっている状態です。汗腺や血管のほとんどを支配している交感神経が活発になると、心拍数が増えたり、汗が出るといった症状がでてしまいます。

また、身体は、発汗によって体温が上がりすぎるのを防いでいます。これは風邪を引いた時と同じような感じで、自律神経が乱れると、身体が暑く感じて異常な発汗が起こります。特に、寝ている間に寝汗をよくかくようになり、何度も着替えたりしなくてはいけないことも。

自律神経が乱れるとさまざまな器官に支障がでる

逆に自律神経の乱れで、血管が拡張すると、低体温になりやすいのも特徴です。体温調節が上手くいかず、手足が冷えてしまうという現れることが多くありますが、顔は汗をかく一方で、手足などの末端が冷たいという人もいます。そのため、自律神経が乱れるとさまざまな器官に支障がでて体温調節が上手く働かなくなってしまうのです。

体温調節が上手くいかないと、どのような症状が起こる?

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では、体温調節が上手くいかないと、どのような症状が起こるでしょうか。

体温調節が上手くいかないときの症状①血行不調

体温調節ができないと、血行が悪くなってしまいます。なぜなら、自律神経は血管の周りにあるので、交感神経が活発になると、血管が収縮して血行不良がおこるのです。

血行不良がおきると、肩こりや、冷え、むくみなどの症状がでてきます。また、冷えだけでなく、ほてり感、のぼせ感、異常な発汗がみられるのです。体温が1度下がるだけで免疫力が30%も弱くなるといわれていて、自律神経が乱れると風邪を引きやすくなることにも繋がるのです。

また、体温調節ができず身体が冷えてしまうと、腹痛や下痢、不眠にもなりやすくなります。身体は疲労感を感じているのに、なかなか寝付けなかったり、また眠れたとしても、非常に浅い眠りしか出来ない状態になるのです。

体温調節が上手くいかないときの症状②熱中症

もう1つ体温調節が手くいっていない時に気を付けなければいけないことは、「熱中症」。特に、お年寄りや子供は重症化しやすく簡単に考えてはいけません。体温調節が上手くいっている時には、体温が上がり過ぎたと身体が認識すると、血管が拡張し、皮膚に多くの血液が流れ込むことによって、熱を身体の外に放出してくれます。それにより上がった体温を、下げよう身体が反応しているのです。

しかし、体温調節が上手くいっていないと、身体の外へ熱の放出ができなくなり、体内に熱がこもって体温が上昇します。一次的に身体の体温が上昇することで、けいれんやめまい、ふらつき、失神、頭痛、吐き気といった「熱中症」につながる原因となります。

熱中症は、暑い中にいるときだけでなく、気温が低い日でもなることがあります。家の中でじっとしている時でも、室温や湿度の高さから熱中症になるのです。体温調節が上手くいっていないと、室内での熱中症にも気をつけなければいけません。

このように、知らず知らずのうちに色々な不良を及ぼしているのです。

自律神経を整えて、体温調節する方法

まず、自律神経を整えるためには、身体をゆっくりと休ませることが大切です。あまり考えすぎずに、無になって身体を休ませると、心も穏やかになっていきます。

また、質の良い睡眠やバランスの良い食生活、ストレスの溜めない生活を心掛けて過ごすということも心掛けましょう。

一番効果的なのは身体を温めること

そして、自律神経を整えて体温調節する方法で一番効果的なことは、身体を温めることです。例えば、適度な運動をして身体を温めると、自律神経バランスが正常化して、発汗機能が戻ることが期待できます。他にも寒い時期には、暖かい服装にも気を配ることも重要です。普段から冷えた飲み物を飲んでいる人は、常温や暖かい飲み物に変更することも効果的。

もっと簡単に身体を温める方法

もっと簡単に身体を温める方法は、毎日足浴や湯船につかることです。毎日ゆっくりと湯船に浸かることで、身体が温まるだけでなく気持ちもリフレッシュできますし、体温調節の機能も安定して、自立神経のバランスが整いやすくなります。なんとなく、イライラしていた気持ちも収まり、心も安定するでしょう。

身体の内側からしっかりと温めてあげると、自然と体温調節が上手くいくようになりますよ。

体温調節できないのは、他の病気が原因である場合も

体温調節できないのは、自律神経が乱れているというだけではありません。他の病気が隠れていることも。

他の病気が原因である場合①パーキンソン病

1つ目が、パーキンソン病です。

聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。パーキンソン病とは、日本に15万人もいると言われている難病です。脳の異常のために、体の動きに障害があらわれる病気で、動作が遅くなることや、手足が震える、筋固縮、バランスがとれないなどの症状があります。

他にもパーキンソン病の約半数の方に、発汗や血圧のコントロールがうまくできず、体温調節障害があるといいます。これは、パーキンソン病の症状の1つに比較的早期から自律神経障害があり、身体の機能の調節が上手くできないことがあげられます。

夏場の外出する際は、注意が必要です。

他の病気が原因である場合②甲状腺の病気

2つ目は、甲状腺の病気です。

甲状腺は、喉のつけ根にあるとても小さい蝶のような形をした腺のことです。全身の代謝を高めるホルモンで、さまざまな作用を持っています。この甲状腺のバランスが崩れると、体温調節ができなくなるのです。甲状腺ホルモンの量が出すぎると、バセドー病といい、汗をたくさんかいたり疲れやすく、動悸がしたりします。

逆に甲状腺ホルモンの量が減ると、寒く感じたり、皮膚の乾燥、筋力が低下したりします。このように、甲状腺ホルモンが適切に分泌されない場合には、体温調節ができていないような症状がでてくるのです。体温調節の他に、だるさや甲状腺が腫れる、髪の毛が抜ける、疲れやすくなったら甲状腺を疑った方がよいかもしれません。その場合は、専門病院に行くか、内科で検査してもらいましょう。

他の病気が原因である場合③冷房病

3つ目は冷房病です。
これは病気ではありませんが、体温調節ができなくなり不調をきたすという意味では同じです。冷房病は、冷房でとても冷えている室内と、夏場の30℃以上の屋外との行き来を何度も繰り返していると、きに発生します。

身体に過度の負担がかかることから、自律神経が正常に働かなくなり冷房病になります。身体が対応できる温度差は、プラスマイナス5度と言われているので、冷房の温度を上げるなどして対応しましょう。

あまりに症状が酷い場合には病院へ

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もしも、症状が酷くなかなか改善しない場合には、病院で検査してもらうようにしましょう。もし、検査をして問題なければ、自律神経の乱れで起こっている可能性が高くなります。

そのまま放置しておくと、更に悪化してうつ病やパニック障害、不眠などを併発してしまうことも考えられます。そうなる前に、自分で体温調節がどうにもならないと思ったら、病院で診てもらいましょう。

自立神経は「自律」という文字の通りに、自分の意志で簡単にコントロールできるものではありません。病院で、上手く自律神経をコントロールしてもらえれば、身体の不調も改善して体温調節も自然と治ってきます。そうすると、心の不調も改善していくことにつながります。

自律神経を整えるための方法をしっかりと理解して、症状を改善していきましょう。

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