夫婦2人の老後の生活費はいくらかかる?内訳や平均をご紹介

遅くても65歳で定年を迎える日本社会。平均寿命のことを考慮しても、そこから15年は老後生活を送ることになります。そうなった時、心配になってくるのはお金のこと。老後にお金で困らないようにするためにも、老後の生活費はいくらかかるのか、内訳はどのようになっているのか、今からしっかりと把握しておきましょう。

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夫婦2人の老後の生活費の平均金額は?

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景気が伸び悩む今日このごろ、気になるのはお金のこと。とくに最近では、少子高齢化に加え年金支給年齢の引き上げ検討など、先行き不透明な話題ばかり耳にします。

仮に65歳で定年を迎えたとしても、現代は人生100年時代、軽く見積もってもあと15年ほどは老後生活を送ると考えるのがよさそうです。

だとしても、その後は年金だけでやっていけるの?生活費はどれくらいかかる?と疑問はもりだくさん。

そこで、生命保険文化センター(公益財団法人)が3年ごとに実施する「令和元年度 生活保障に関する調査(速報版)」(https://www.jili.or.jp/press/2019/nwl4.html)をみると、夫婦2人の1ヶ月あたりに必要な最低日常生活費は約22万円です。年間で264万円、15年でなんと3,960万円です。

さらにゆとりある生活を送るためには、1ヶ月あたり約36万円かかるという調査結果もあります。

夫婦2人の老後の生活費の内訳

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最低生活費に22万円必要、と聞いてもピンとこないかもしれません。多いのか少ないのか、そのあたりは個人の暮らしぶりにもよりますが、生活費はいったいどういう内訳になっているのでしょうか。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)家計の概要」世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf)によると、65歳以上の世帯の平均的な支出額は約25万です。

その概算内訳は、食費に7万円、住居に1.5万円、光熱・水道費に2.1万円、日用品に1万円、洋服に7千円、医療費に1.5万円、交通・通信費に2.8万円、教養娯楽費などに2.4万円、その他の項目を合わせると6万円となっています。

最低限必要な生活費約22万円に対し、現代社会の実際の平均的支出は約25万円。3万円がすでにこの段階で不足しているという見方もできます。

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しかし22万円というのは、本当にギリギリで生活できる数字ではないでしょうか。日々暮らしていれば、おつきあいなどさまざまな費用がかかるもの。22万円でおさまるとは思えません。実際の25万円の平均的な支出のほうが、現状をとらえています。

決して贅沢をしているわけではなく、静かに生きていくだけでもこれだけの金額が毎月かかるのです。
さらにこの調査の住居に1.5万円というのは、おそらく持ち家でローンを返済し終えた場合の金額です。賃貸ならもっとお金がかかってきます。医療費も、1.5万円ではたしておさまるでしょうか。身体の具合が悪ければ入院や手術など、さらに高額になるかもしれません。万が一、介護が必要な状態になったらどうでしょう?

ざっとみるだけでも、老後に夫婦2人なら25万円でじゅうぶん暮らせるという自信をなかなか持てそうにありません。

平均というのは、すべての数字を足して頭数で割った数字です。とてつもなくお金持ちやその反対がいれば、平均値も大きく影響されます。もっと余裕がある夫婦もいるかもしれません。反対に、かなり生活が苦しい夫婦もいるはずです。

平均値と比べるよりも、いま実際にそれぞれの項目にいくらかかっているか、きちんと家計簿などで見直すのも大切ですね。

夫婦2人の老後の収入・年金はどれくらい貰える?

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それでは老後の収入や公的年金はどうなるのでしょうか?公的年金は、加入年金の種類や加入期間によって貰える金額は変わってきます。自営業かサラリーマンかによっても同様です。

厚生労働省の平成31年度の新規裁定者(67歳以下の方)(https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000468259.pdf)の例をみてみましょう。

夫婦2人分、国民年金では月額約13万円。夫婦2人分、厚生年金では月額約22.1万円です。もしくは、「ねんきん定期便」で自分の年金額の試算をみてもよいですね。

最低限必要な生活費22万円(生命保険文化センターの調査より)に対し、厚生年金はなんとかカバーできる金額です。しかし、ゆとりある生活を送るのに必要な金額は、約36万円。ざっくりみても約14万円は不足しています。また自営業の場合は、そもそもの最低限必要な生活費に月額で9万円不足しています。

自営業やサラリーマンにしろ、公的年金だけでは老後の生活を安心して送れるとは言いがたい状況です。

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公的年金以外の収入で考えられるのは、退職金、貯金の取り崩し、満期になった保険の解約返戻金、パートやアルバイトの賃金、株の運用益、不動産収入などが考えられます。

老後の収入を増やすためのもっとも現実的な選択肢は、働き続けることです。国民年金の額が厚生年金に比べて低いのも、定年のない自営業やフリーランスの人は、老後も働き続けると想定されているからでしょう。

パートやアルバイトで夫婦2人がそれぞれ働くことで、収入は必ず増えます。少子高齢化社会では、65歳以上は立派な働き手です。さらに株や投資などで資産を増やしていってもよいですね。

いずれにせよ老後の収入は、公的年金プラスアルファで考えるほうが確実といえそうです。

収支から考える、夫婦2人の老後の生活費シミュレーション

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さて、ここまでは平均的な数字から、老後の生活費についてみてきました。では、実際に自分たちの老後をどうシミュレーションすればよいのでしょうか?

まずは、絶対にはずせない生活費、住居費について考えましょう。持ち家か賃貸かによって異なりますが、ここでは賃貸とします。老後に住む地域によって差はあるものの、10万円程度はみておく必要があるでしょう。

次は食費です。子どもがいるときと、夫婦2人になってからでは大きく違う項目です。ここは2人で1日2千円、1ヶ月で6.6万円ほどと想定します。この段階ですでに16.6万円です。

さらに必須の水道光熱費、通信費がかかります。そして交際費、医療費や教養娯楽費など、増減可能なその他の生活費がかかります。「項目が多すぎて老後のことなんて、先すぎてイメージできない!試算できない」と落ち込む必要はありません。

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いま実際にかかっている費用を仮に入れてみます。現在子どもにかかっている習いごと代や塾代は不要になるはずです。ママ友とのランチ会などの回数も減るでしょう。また車を持っていれば、手放すかもしれません。保険代も払い込みが終わるものがあるでしょう。

夫婦2人で最低限必要な金額の22万円から16.6万円をひくと、使えるお金は5.4万円です。ゆとりある暮らしを送るための36万円から16.6万円をひくと、19.4万円。実際の平均的な支出の25万円では8.4万円。

加えて公的年金の収入額も考えます。公的年金は、なかなか増えることはないと推測されます。すると、サラリーマンなら貰えるのは月額22.1万円ほどです。

退職金が貰える会社なのか、貰えないのか。それによっても老後の計画は左右されます。

また老後の生活費をシミュレーションするには、自分たち夫婦が公的年金だけで生活していくのか、アルバイトなどで働き続けるのかによって、1ヶ月に使える金額設定が大きく変わってきます。今から資産形成や貯金して、自分年金をつくっていくのか、などさまざまなパターンも考えられますね。

夫婦2人での幸せな老後のために、今からしっかりと準備を

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一生懸命がむしゃらに働いて現役時代をすごし、ようやくゆっくりと趣味などに打ち込み余生を送る……そのためには、現役のうちからしっかりと老後を見据えておく必要があります。

できることなら、老後は旅行なども楽しみ、節約に追われることなくのんびり暮らしたいもの。さらに孫がいれば、おこづかいだって渡したいのが人情です。

老後を迎えてから「お金がたりない!」と慌てるのではなく、夫婦2人でケンカせずに仲良く幸せに毎日をすごすためにも、老後の収入と支出のシミュレーションは今のうちからやり始めましょう。

ギリギリのラインで暮らすよりは、少しでもお金にゆとりがあるほうが、いざというときに安心です。投資や株で資産を形成するにも、ある程度の時間が必要です。気づいた今がチャンス。必ずくる老後の暮らしに向かって、恐れることなく準備していきましょう!

 

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