子供の為に考え直してみない?家庭内別居が子供の成長に与える深刻な問題

家庭内別居の原因や、家庭内別居の実態とは

家庭内別居とは、夫婦関係は破綻しているにもかかわらず同じ家に住み、一方で寝起きや食事や会話などの諸々の共同作業全体を共有しない状態のことです。縁あって結婚し、その多くは子供をもうけながらも家庭内別居になる原因やきっかけは何でしょうか。

家庭内別居の原因

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家庭内別居とは、なぜ起こるのでしょうか?

調査したところ特に多いのは

・喧嘩や冷戦状態

・無関心、関係のマンネリ化

・性格の不一致

・スキンシップや性交渉不足

などから、「何となく」家庭内別居にいたるパターンのようです。より深刻な原因としては、パートナーの不倫やうつ病、モラハラやDVなども挙げられます。これらの場合、家庭内別居では済まなくなることも珍しくはありません。特にDVとなると命に関わる場合もあるため、相談した周囲の人から脱出を勧められることも多いことでしょう。

家庭内別居の実態

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実際に家庭内別居している人の情報を総合すると、このような状況のようです。当てはまるものはあるでしょうか?

配偶者への気持ちが冷めている

完全に気持ちが冷めているので、何をしていようがお互いに無関心です。愛情は全くないので、もちろんスキンシップもありません。

会話はない

「いついつに学校行事があります」などの事務連絡のみで、会話とは言えない状態の人が多いようです。会話でどうにか改善しようという段階はとうにすぎているといったところでしょう。

同じ空間にいない

会話どころか、お風呂や食事時なども時間をずらして、顔を合わせないようにします。一緒に何かをするなんてとんでもない。とにかく別々の生活サイクルで行動し、顔を見ないで済むようにしている人が多いようです。

家庭内別居が子供の成長にもたらす深刻な問題とは

家庭内別居の原因や実態を見てきましたが、家庭に子供がいる場合、悪影響はないのでしょうか。調べてみると、やはり成長過程の子供達にとって「親がそれで良ければよし」などととは言い難いようです。

両親の顔色を伺うようになる

会話の仲立ちをさせられたり(「〜ってパパに言ってきて!」など)、常に緊張状態を強いられ、両親の顔色を常に伺うようになります。子供は心のどこかでやはり両親が仲良いことを願うもの。これ以上二人が揉めないようにと大人の顔色を伺い、のびのびと生活できません。

不安が強くなる

両親に笑顔や会話がないため、子供は不安やストレスを抱えるようになります。後述しますが、そのストレスが様々な心身の不調につながる大元となるようです。

自分を責める

両親の不仲を日々察しながら生活している中で、「なぜこんなことになったのか。きっと自分が悪い子だから両親が幸せそうじゃないんだ。いい子でいよう」と考えるようになる子も多く見られます。その心理で、友達とのコミュニケーションの中でも言いたいことを全て飲み込み、コミュニケーション能力の低い子になってしまうケースがあります。

体調不良

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両親の家庭内別居からくるストレスによって、自律神経に乱れが生じてしまうこともよくあります。自律神経の乱れは、頭痛、腹痛、吐き気、めまいなど、様々な体調不良を招いてしまいます。

家庭内でのストレスはどこへ向かうのか

家の中で過剰にいい子でいようとすると、そのストレスが他人や社会に向かうことがあります。先生に意味もなく反抗して学級崩壊を招いたり、クラスメイトに暴言や暴力を向けるケースもあります。こうなるとかなり大きな問題につながってくるのです。

家庭内別居は子供が大人になってからも問題を引き起こす

両親が家庭内別居をしている家庭で、ストレスフルに育った子供達が、やがてどのような大人になっていくのかも気になる点ではないでしょうか。詳しくご紹介します。

人間関係を築くのが難しい

家庭内別居に限らず機能不全家族で育つと、一般的に人間関係を築くのが難しくなることが多いです。例えば何かトラブルが起きた時に相手を許せない、あるいは逆に被害妄想が強く出てしまうなど、円滑で穏やかな人間関係を築く力が弱いケースが多々あります。そしてこのコミュニケーション力の弱さが、引きこもりなどにつながることもあるのです。

精神的に常に飢えている

家庭内別居の状態で育つということは、両親から同時に愛情を注がれる機会が無いか、有っても非常に少ないということ。その結果として、常に満たされない思いを抱えてしまうことになります。それが例えば買い物依存症やパチンコ依存症などの依存症につながりやすい傾向があるのです。

家庭運営の困難さ

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社会生活まではすんなりとこなせて恋愛も普通にできた人でも、家庭を築いた時に初めて問題が生じるケースもあります。パートナーが家族となった途端に感情のコントロールなどが難しくなったり、子供の育て方がわからない、配偶者への適切な接し方がわからない、などの弊害が出てしまうのです。そうなって初めて、子供時代の両親の不仲の影響に気づく人もいるようです。

鍵は子供時代の心の安定

家庭内別居中の夫婦は、子供の学校行事などもどちらかが片方ずつ出席して二人揃わないようにしたり、子供と遊ぶ日をお互いに取り決めをして、二人で一緒にかち合わないようにするケースが多く見られます。これが、子供の心に不安定さを招く一つの原因ともなります。

それでは家庭内別居をしながらも子供への影響を避ける手段は無いのでしょうか。

無いわけではありません。ただそれにはなかなかの忍耐を必要とします。それは

「子供の前では仲のいいふりに徹する」

ということです。

子供のバースデーや旅行などの最低限の家庭内イベントを共にするなど、定期的な「仲のいいふり」は必要でしょう。家庭全体のためというより、子供達への愛情を態度で伝えていることにもなるからです。

家庭内別居しつつ悪影響を回避するには

大人になってから家庭運営に支障が出る可能性を考慮すれば、子供時代はその子の一生関わるものです。「最低限の仲のいいふり」は、親の教育の範囲であり責任でもあると捉えたほうが良いでしょう。将来子供が家庭を築いた時にお手本とできる、家庭の形や子供への愛情を示しながら育てるにはどうすればいいのか、考えておく必要があります。

家庭内別居は最終手段

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本稿では子供がいる家庭の家庭内別居について考えてきました。それゆえにどうしてもネガティブな情報が多くなってしまいましたが、実は家庭内別居自体は悪いことばかりでもありません。むしろ、離婚するほど憎み合っているわけではない二人が、距離をおいたことでお互いにストレスが減り、何かのきっかけでまた普通の家庭生活を営み始めるケースもあります。

また、家庭内別居が自分の人生や幸福感を深く掘り下げて考えるきっかけになり、夫婦の再構築や逆に円満な離婚に繋がる場合もあり、家庭内別居すべてが不幸せで緊張に満ちたものと言うわけではありません。

ただ、やはりその家庭の中でしか生きられず、両親が仲良しであることを願う子供達にとってはそれはあずかり知らぬ話です。

もし家庭内別居したいと思いつめてこのページを見てくださったのなら、一度立ち止まって考え直してみませんか。家庭内別居は、本当なら離れたい夫婦がしばらく処分保留とするための最終手段です。再構築するのか、あるいは離婚か、あるいは考え抜いての家庭内別居とするのか…。子供達を中心に、なるべくみんなが幸せになれる道を、今一度模索する必要があるかもしれません。

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