【体験あり】男性が育児休暇は取りにくい?育児休暇制度とその実態とは

ここ10年ほどでも大きく変わった男性の育児参加意識。自分の子供をパートナーと共に慈しみ育児の戦力になることを自然に実践する人が、特に若いパパ世代に増えています。育児休暇を取りたいと考える人も多いでしょう。本稿では男性の育児休暇について体験談も交えて調べてみたいと思います。

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育児休暇制度は男性ももちろんとれる!

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「育休」と言う言葉が実は「休暇」と「休業」のふた通りあることをご存知でしょうか。一般的によく似た意味で使われる「育児休暇」と「育児休業」ですが、実は内容や意味合いが違い、取りやすさも異なります。もちろん男女ともに利用できます。

「育児休業」とは

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育児休業とは「子を養育する労働者が法律(育児・介護休業法)に基づいて取得できる休業制度」のことです。法的に国から裏付けがされてる労働者の権利ですので、休業を取得するための条件(雇用の形態、期間、申請手続きなど)を満たせば、取得できます。

また、法で定められた休業ですので収入を保障されます。具体的には「育児休業基本給付金」や「育児休業者職場復帰給付金」といった、収入減少の補償です。だいたい手取りの8割程度にはなるそうです。

そこで気になるのはどのような条件か?という点でしょう。

①原則として1歳に満たない子供を養育する男女労働者

=パパでもママでもOKですが、原則、赤ちゃんの親が対象。

2歳以上の子のためには原則取れません。

②同一の事業主に引き続き1年以上継続して雇用されている

=今の職場で1年以上働いていること。

③子供が1歳6ヶ月になる日の前日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

=子供が1歳半以上になっても仕事を続ける意思があるということ。ただし、保育園が決まらなかった場合などのため、2歳まで延長できるようになりました。

非正規労働者でもこの三つの条件を満たせば育児休業を取れることもありますが、日雇い労働者は対象外です。また、正規雇用でない人には労使協定で認められない場合もあります。

「育児休暇」とは

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転じて育児休暇は、育児休業の条件から外れても、企業が個別に自社の従業員に提供している育休制度や、自主的に休みを取ってそれを育児に当てがう行為ことです。法律で保障されている権利ではないので、育児休業と違い給付金などはありません。無給、あるいは自主的に有給休暇を消化して育児に取り組むということになります。

芸能人や自治体の首長の”育休”取得が時折ニュースになりますが、諸条件を考えると、彼らの場合は「休暇」の方であると思われます。収入が保障されないことを鑑みれば、より勇気を要する決断と言えるかもしれません。

男性ももちろん取れる育児休業

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「育児休業」については、2010年6月の法改正によって男性の取得を促進するため、以下の内容が追加されました。

・父母が共に育児休業を取得する場合、1歳2ヶ月(現行1歳)までの間に年間育児休業を取得可能とする。

・父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする

・配偶者が専業主婦(夫)であれば、育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する

男性の育児休業の権利もまた、より強固に守られるようになっています。

男性の育児休暇の実態とは?

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「育児休暇」は定義や制度が曖昧で内容が統一されていないこともあり、厚生労働省がデータとして追跡・公表しているのは「育児休業」のみです。

「一定以上の期間、同じ企業で、多くは正社員として働いている労働者」という、比較的立場が安定していて育休を取りやすい(はずの)人たちのみ実績であると言えるでしょう。

ここでは「育児休業」の実態を、厚生労働省から発表されている2018年度の資料から説明したいと思います。

それでも”女性が8割”の実態

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女性の育休取得率は少しずつ減る傾向にありながらも、ここ10年間も80%以上を維持しています。その一方で、男性の育休取得率は少しずつ増加傾向にはあるものの、2018年時点でもなお6.16%に留まっています。

また、育児休業を利用したいと思いながら利用できなかった男性は35.3%に上ります。長期(3〜6ヶ月)の育休を取った男性は職場に復帰できなくなるなどの「パタハラ」が起こるケースがあることも、男性の育児休暇取得への壁になっています。

育休を取らなかった理由

育児休業を取らなかった理由は、このようになっています。

・女性

1位 職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だった

2位 業務が繁忙で職場の人手が不足していた

3位 会社で育児休業制度が整備されていなかった

・男性

1位 業務が繁忙で職場の人手が不足していた

2位 会社で育児休業制度が整備されていなかった

3位 職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だった

同じ項目が多少の順番を替えて3位までを占めています。

ワークシェアリングが進んでいない日本の現状の中で、職場の忙しさや手の足りなさは慢性的な問題であることが推察されます。また、制度の不備は本来あってはならないことですが、それを従業員側から指摘しにくい文化も見て取れます。

男性の育休は短期間になりがち

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女性の育児休業の約9割は6ヶ月以上(10ヶ月から12ヶ月以上となる群が最多)と長期にわたることがほとんど。その間に保育園に入園するためのいわゆる保活に勤しんだり、出産で受けたダメージを回復するための期間だと思えば、決して長すぎるということはありません。

その一方で、男性が育休を取ったとしても非常に短いことも特徴です。なんと5日未満の人が6割近く。8割以上は1ヶ月未満で復職しています。

これでは積極的に育児を分担したい男性陣にも、産後の大変な体を引きずって育児をしている女性陣にも、不満が残るのではないかと感じます。男性の育児休業の取得には、まだまだ課題が多いということが言えるでしょう。

男性の育児休暇取得体験談

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しかし、まだ少ないとはいえ、育児休暇を取った男性たちの体験談を探してみると「取ってよかった!」という声がほとんどです。実際に育児休暇を取った男性の体験談を見てみましょう。

  • パートナーの負担を減らせてよかった。

ただでさえ多い育児仕事を夫婦二人で子供の状況に合わせてフレキシブルに対応できる。ワンオペだとこうはいかない。

  • 情報共有ができる。子供の服のサイズから、体調のこと、心配事についてなど、逐一同じレベルとタイミングで情報共有ができるので、しっかりと育児に関われて自覚が生まれる。

 

  • 育休をとれなかったら妻一人でこの不安やストレスの中で子育てしなければならなかったと思うとゾッとする。取ってよかった。

 

  • 子供の貴重な乳幼児期にそばにいられたことは大切な宝物

 

  • あまりのタスクの多さに、妻の凄さを改めて実感。やってるつもりだった自分を反省した。

 

  • 妻に同時期に育休をとるよう頼まれた時は正直疑問を感じたが、同時期に取って正解だった。それだけ初めての育児は悪戦苦闘の連続で大変だった。でもこの半年は、家族みんなにとって最高に幸せな時間の一つになった。

 

  • 2人で相談しながら育児に向き合えた事で、夫婦の信頼関係が強くなった。

 

大半がこのようにポジティブな体験談で溢れていました。元々育児に対して意欲的な男性が育児休暇を取っているため自然な結果ではありますが、まれにネガティブな体験談もありました。それは

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  • 会社に何度問い合わせても育児休暇手当が下りず不安。こんなことなら取らなければよかった。

 

というもの。この体験談で気になるのは「育児休暇手当」という言葉です。国から保障されている「育児休業」の制度に育児休暇手当というものは無いので、勤務先独自の「育児休暇」ルールであることが推察されます。

このような体験談とならないよう、自分が「育児休業」を取れる条件に当てはまっているのか、当てはまらないのであれば勤務先のどのような制度をどのような手順で利用できるのか、事前にしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

男性が育児休暇を取りやすい世の中へ

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育児休暇を取って妻と同じように育児に取り組みたい男性が確実に増えているにもかかわらず、なかなか増えていかない現実。まずは雇用者側が体制を整え、管理者にもパタハラ禁止や育休取得促進の考え方を教育するなど、社会全体が成長していく必要があると感じずにはいられません。

それにはまず、男性に仕事の責任範囲が偏重している現状も、変化していかなければならないでしょう。ワークシェアリングなどを推し進め、働き手の仕事の分担が弾力的であれば、一人が長期にわたって休んでも組織へのダメージが抑えられます。そしてそれはとりもなおさず、働く女性たちがさらに活躍のチャンスを得られる可能性や、男性もまた偏重的な重圧や働き過ぎから解放されることを示します。

男性の育児休暇取得が女性と同じぐらいできるようになった日本は、この男性にとっても女性にとってもメリットが大きいのでは無いでしょうか。

 

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