子育てに疲れた。育児うつになる前にママに試して欲しいこと

育児うつ(子育てうつ)に悩むママは多い

出産後、女性の生活スタイルは大きく変化し、心や体への負担が大きくなります。毎日、一生懸命、育児に時間を費やし、疲れ果ててしまう母親もめずらしくありません。

なぜ母親に大きな負担がかかってしまうのか。その原因のひとつに、夫の家事・育児にかける時間の少なさがあげられます。

内閣府の男女共同参画局が2019年に行った調査によると、妻と夫の1日の平均家事時間と平均育児時間は以下のとおりです。

<一日の平均家事時間>

妻(平日)263分 (休日)284分

夫(平日)37分 (休日)66分

<一日の平均育児時間>

妻(平日)532分 (休日)680分

夫(平日)86分 (休日)322分

この調査でも分かるように、依然として母親に負担が大きいのが実情です。夫の長時間労働も家事や育児に参加できない理由にあげられますが、家事や育児は母親に任せる、という意識が男性にあることも否めないでしょう。

また、男性の育児休暇取得率は、6.16%(2018年厚生労働省 雇用均等基本調査より)。今回が過去最高の数字ということです。この調査でも、多くの母親に子育ての負担がかかっていることが分かります。

専業主婦の場合は、家の中で子どもと過ごす時間が多くなり、多くの人、新しい人とふれあうことも少なく、気持ちの切り替えが難しくなります。

さまざまな負担を抱える中で、心身に不調をきたし、育児期間中にうつ病(育児うつ)を発症したとしても、不思議ではありません。

育児うつ(子育てうつ)ってどんな症状?

毎日、子どもの世話と家事ばかりで、気分転換が難しく、イライラが募り、いつの間にか、育児うつに陥ってしまう可能性があります。育児うつとはどんな症状なのか、紹介していきます。

気分が落ち込んだまま

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授乳、おむつ替えに寝かしつけ。離乳食作りに子どもの遊び相手もしなくてはいけません。その合間に家事も一人でこなす。毎日毎日、子育てに忙しく、友達に会う気持ちも起きない。

特に専業主婦で、夫の協力が期待できないワンオペ育児の状態にあると、気を休める時間がありません。毎日の子育てでストレスをためてしまい、気分が落ち込んだままになってしまうことがあります。知らず知らずのうちに、育児うつとなってしまうのです。

イライラする

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近くに頼れる人がおらず、一人で子どもの世話をしなければいけないと思っている母親は要注意です。母親も、一人でゆっくり出かけたり、友達と会ったり、読書をして、息抜きする時間が必要です。

しかし、育児うつになってしまうと、子どもが食べ散らかしたり、おもらしをしたり、遊んで遊んでと何度も言ってきたり、子どもの当たり前の行動に対して、激しくイライラして、子どもに暴言を吐いたり、きつく叱ったり、手をあげてしまいそうにもなります。

夫が妻のイライラに気づき、優しい言葉をかけてくれたり、家事を手伝ってくれたりすれば、イライラもやがて解消し、うつにもならないはずです。

しかし、夫自身も仕事で余裕をなくしていたり、子育てに関心がない夫であれば、母親は、イライラする自分を止められない罪悪感を抱きながらも、子どもにあたってしまいます。そんな悪循環を繰り返しながら、育児うつの症状が進行してしまいます。

やる気が出ない

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子どもの相手をしなくてはいけないと分かっていても、気力がなく、テレビばかり見せている。おもちゃはもう何日も散らかしっぱなし。洗い物や掃除などをする気が起きない。

出産前は、テキパキと家事をこなし、こまめに掃除をしていた女性が、今は汚い状態でも平気になっている。これも育児うつの症状と言えるでしょう。

眠れない

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妊娠後期になると、お腹が重く、夜ぐっすり眠ることができなくなります。さらに、出産直後から母親は、赤ちゃんの世話もしなければならず、確実に寝不足に陥ります。1歳近くになるまで、しっかりと眠ることは難しいかもしれません。

そのようなつらい時期に、育児うつになってしまうと、さらに眠れない時期が続いてしまいます。夜しっかり眠れないと、日中は子どもの世話や家事でゆっくり横になることができずに、疲れやストレスを溜めたまま過ごすことになります。疲れているはずなのに、眠れないのは、育児うつの症状のひとつです。

育児うつ(子育てうつ)になる前に試して欲しいこと

子育て中の母親が、育児うつにならないために、母親はどのようにして、身を守ったらいいのでしょうか。深刻な状態になってしまう前に、しっかりと頭に入れて、試して欲しいことを紹介します。

子育ては夫婦で行うものだという考えを共有しておく

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子育てに夫の協力は欠かせません。妊娠や出産に関して、どうしても夫のほうが知らないことが多いのではないでしょうか。育児は楽しいもの。その一面しか見ていないかもしれません。

しかし実際には、母親は毎日寝不足で、育児や家事に追われ、ゆっくり体を休めることが難しいのです。

夫にどんなことができるのか、夫婦で話し合ってみましょう。育児休暇が取れないか、時短勤務ができないか、検討してみましょう。休日は、母親が一人になれる時間を作るのは、とてもいい考えです。また夫が「子どもの世話が苦手だ」というならば、家事を多めに担ってもらうなど、工夫してみて下さい。

子育ては夫婦で行うもの。そういう雰囲気が家庭内にあれば、母親が育児うつで苦しむことがなくなるはずです。

市町村の子育てサービスを確認する

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「ネウボラ」という母親を支援するためのしくみをご存じですか。フィンランド語で、「助言の場」という意味で、妊娠中から就学前まで、保健師や行政の担当者が切れ目なく、子育て中の母親をサポートするというしくみです。また、担当者を同じにすることで、母親と長くつき合い、親しみを持ってもらおうとしています。

産前産後にヘルパーを派遣してくれたり、母親教室や育児教室などのイベントがあったり、子どもの発育の相談なども気軽にできます。また地域によっては、土日も対応してくれるところがあるようです。

子育てについて、小さな悩みが大きくなってしまう前に、ぜひ利用してみましょう。

子育て支援センターなどへ参加してみる

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日中、子どもと二人だけという母親は、地域の子育て支援センターなどに足を運んでみてはいかがですか。「人見知りだから行きたくない」という母親の声も聞かれますが、子育て支援センターには、子育てを終えた50代、60代の女性が支援員をしており、気さくに話しかけてくれます。子どもの遊び相手や、母親の話し相手になってくれます。何気ない会話で笑ったりすると、心が軽くなったり、いい気分転換にもなります。子どもも、たくさんの友達に会えて、楽しく過ごせます。初めは緊張するかもしれませんが、「行ってよかった」と思えるはずです。

また自宅の近所にある保育所やこども園でも、園庭開放や季節のイベントなどが行われているはずです。母親の気分転換にもなります。ぜひ調べてみて下さい。

たくさんの人に子育てに関わってもらおう

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育児に疲れてしまっても、すぐに「助けて」と言えない母親がいます。「他人に迷惑をかけたくない」、「自分で何とかしなきゃ」と、毎日頑張ってしまうのです。

育児うつになってしまうと、回復までに相当の時間がかかります。

母親が自身の変調に気づいたら、まず夫に正直に話すことです。「一人になれる時間がほしい」、「眠りたいので、子どもをみていてほしい」と相談しましょう。夫は気づいていないかもしれません。一人で抱え込まずに、悩みを共有することはとても大切です。

また地域には、子育て支援事業や読み聞かせの会など、母親を孤立させないための支援が必ずあります。上手に利用してみましょう。

育児うつになるほど、我慢する必要はありません。声をあげると、たくさんの人が応えてくます。たくさんの人に関わってもらい、たいへんな子育ての時期を乗り越えていきましょう。

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