【DVから抜け出せない理由】それは「共依存」のせいだった

DVと共依存の関係

DVはよく知られていますが、共依存という言葉は聞いたことのない方もいるかもしれません。共依存とは、お互いが過剰に依存しあっている状態を指します。

共依存状態にあるカップルには、DVが多く見られます。DVする側の男性、される側の女性をもう少し詳しく解説し、共依存についても説明していきたいと思います。

DVをする男性によくみられる特徴

DVをする男性は、見た目や周りからは「まさかあの人が」と言われるような男性が多い傾向にあります。いわゆる、外面がいいタイプが多く、見た目も一見温和そうに見えることが多いです。

周囲の人にも優しく、評判がいいのですが、それは優しいいい人を演じているだけで、実際は自己否定感が強く、他人を信用することができない面があります。

付き合うまではとても優しく、尽くしてくれますが、いざ交際が始まると、徐々に豹変します。彼女のすることに対して否定的な言動が多くなり、自分の言っていることが正しい、と思わせようとしていきます。

DVをする男性の中には越えてはいけないラインがあり、それをパートナーである女性が越えた時に、暴力という行為に出ます。そのラインは人それぞれですが、「ほかの男と遊びに行った」「自分の意見に逆らった」など、異常なほどの嫉妬や、自分を否定されたという思い込みが多いです。

暴力に対しても、「お前のためを思ってやっている」「暴力を振るわせるお前が悪い」と、女性側の責任にしようとする発言が見られます。

DVをされる女性によくみられる特徴

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DVを受けても相手と離れることができない女性にも、いくつかの共通点があります。相手に過剰に尽くしてしまう、愛されたいという欲求が強い、必要とされたいという気持ちが強いといった点が見られます。

相手のために何かしてあげたいと尽くすことは悪いことではありませんが、DVをされている女性には、過剰なほど相手に尽くす傾向があります。これは、尽くすことによって彼には自分がいないとダメなんだと、相手にも自分にも言い聞かせる行動の現れです。また、尽くすことによって相手に認められたい、必要とされたいという愛情を求める行為でもあります。

相手のために尽くすのではなく、自分自身の満足のために尽くしているのです。DVを受けても、「この人には自分がいなければダメなんだ」「自分ならこの人を変えて暴力を止めさせることができる」という気持ちから、離れずに一緒にいることを選択しています。

共依存同士は惹かれ合う

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こういった性質をもつ二人は、自然と惹かれ合います。どちらも幼い頃の家庭環境から「アダルトチルドレン」の状態であることで、自分を認めてほしい、愛してほしいという欲求を持っています。お互いを必要とする良い関係のようにも思えますが、ここが共依存の怖いところです。

共依存の恋愛で、男性は回避依存という状態であることがほとんどです。回避依存の男性は自分に自信がなく、それを悟られまいとして振る舞う傾向にあります。恋愛関係においては、相手よりも優位に立つことを望み、相手を支配することで、安心を感じます。

回避依存の男性は

回避依存の男性は、精神的に自立できていないため、人との関係が深まると、この人に見捨てられるのではないか、裏切られるのではないかという不安を抱くようになります。その不安を消すために、相手を支配しようと考え、それがDVに繋がっていきます。

ここに、はまってしまうのが、共依存気質の女性です。どんなことにも耐えることで、愛情を示そうとします。「好きだから殴る」というような、通常では考えられないようなことも、共依存では受け入れてしまいます。「自分だけが彼を理解している」と思い、エスカレートする要求や暴力にも耐えることになっていってしまうのです。

共依存と回避依存のカップルは、女性が共依存、男性が回避依存であることが多く、男女が逆になっている組み合わせもありますが、どちらにしても共依存と回避依存は強烈に惹かれ合います。

共依存の人は自分を犠牲にしてでも相手に尽くしたいという考えがあり、回避依存の愛情を試すような行為を受け入れることで、自分は必要とされていると満足するのです。

回避依存の人は、いつ相手が離れて行くかと内心はビクビクしているのですが、共依存の人が自分の要求を受け入れることで、ますます愛情を試す行為がエスカレートしていきます。

DVは愛情の裏返しではない!

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DVをする男性は、暴力を悪いことだとは思っていません。「相手のためを思ってやっている」「暴力をふるわせる相手が悪い」と思っています。

女性は、日頃周囲には人当たりのいい一面しか見せていない彼の暴力は、「自分には本当の姿を見せてくれている」と感じ、やはりこの人には自分しかいないのだという思いを強めます。

これが共依存の思考です。

共依存関係ではお互いにこういった関係性を隠そうとします。周囲の人が知れば当然そんな関係はおかしいとなりますが、それがよけいに共依存関係の絆を深めることになります。反対されればされるほど、共依存の女性は「この人をわかってあげられるのは自分しかいない」という思いを強めていくのです。

DVには蓄積期、爆発期、安定期(ハネムーン期)という周期があると言われています。

蓄積期、爆発期、安定期(ハネムーン期)について

蓄積期では女性を支配しようとする行動、言動が見られます。思い通りにいかないことへのイライラを蓄積していく時期です。

爆発期では、これまで溜めていた不満が暴力という形で現れ、さらに女性への支配を強めようとします。

爆発期で暴力をふるった後は、反省の言葉を口にしたり、もう二度とこんなことはしないなどの言動が聞かれたり、異常なほど優しくなったりします。この時期を安定期、またはハネムーン期と呼んでいます。

謝罪や優しくなるといった行動がない場合もあるようですが、どちらにしても男性は溜まっていた不満を暴力で発散しているため、精神的に安定した時期に入っていきます。そして、また蓄積期へと繰り返されていくのです。

DVは、決して愛情ではなく、相手を支配しようとする行為なのです。

DVを当たり前の行為と思わないで

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通常であれば、DVを受けた時点でこんなことはあり得ないと離れて行くのでしょうが、共依存の女性の場合は、相手が言った暴力の原因はお前にあるという相手の言葉をそのまま受け止め、自分がさらに尽くすことで相手を更生させようという考えになります。

DVを受けているにもかかわらず、「本当は優しい人だから」と別れようとせず、相手をかばうような言動が見られる人は、共依存であると言えるでしょう。

DVは自分より力のないものを暴力で支配しようとする行為なのだと、しっかりと認識しなければいけません。DVを受け入れたり、許したりすることの無いようにしてほしいものです。

共依存から抜け出すためには

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共依存から抜け出すためには、まず自分が共依存であることを認めなければいけません。共依存の人は相手に何かをしてあげることで愛情を得ようとしますが、本来愛情とはそういうものではありません。

共依存を抜け出すためには、まず自分自身が自分を認めてあげる必要があります。簡単なことのようですが、共依存の人にとってはとてもハードルの高いことです。

いまのパートナーと共依存状態にあり、DVを受けているなら、別れることをおすすめします。どんなに自分自身が変わろうと思っても、相手も依存状態ならば、自力で抜け出すことは困難です。別れることすら難しいということも充分に考えられます。

共依存から抜け出さないと、次のパートナーもDVだった…ということはあり得ることです。共依存から抜け出さない限り、そういう人を選んでしまうのです。

共依存であることを認め、自分自身を大切にしてあげる。まずは、そこから始めてみましょう。

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