余分な脂肪が付きやすく落ちにくい50代
50代になり、10代や20代の頃と比べて「なかなか痩せないな…」「お腹周りが気になる」なんてこと、増えてきていませんか?それには、ちゃんとした理由があったのです!50代にして迎える「更年期」こそが大きな原因といえるでしょう。
太っていると、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まります。あなたの身体の中で、どのようなことが起きているのかご紹介いたします。また、50代にあったダイエット方法などもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
自分の『肥満度』を知ろう!
自分の肥満度をしっかりと数字で知ることは大切なことです。ダイエットを行っていく上での変化は体感よりも、数字として見る方がわかりやすいのでおすすめします。
この「肥満度」をチェックする方法は、下記の2種類です。
- BMI
- 体脂肪率
どちらも聞き覚えのあるものでしょう。
◎BMI (Body Mass Index)
日本語ではボディマス指数(ボティマスしすう)と言われています。身長や体重の数字から算出される、カラダの大きさを表す指数です。
求め方は、体重÷(身長×身長)=BMI
出てきた数値が、18.5~25未満だと標準体重、25以上であれば肥満と言われています。18.5未満だった場合、低体重ということになります。
◎体脂肪率
体脂肪率は、体脂肪計で計ることで数値を知ることができます。体脂肪計で計る際に気をつけなければならないことがあり食事の直後や、水分量で数値が変わってきます。そのため、食事の2時間後に計ることで正しい数値を出すことが出来ます。
一般的に健康的と言われる体脂肪率の数値が
- 男性:10~19%
- 女性:20~29%
といわれています。
男性は、20%以上が軽度、25%以上で中度、30%以上で重度の肥満。女性は、30%以上で軽度、35%以上で中度、40%以上で重度の肥満とされています。
では50代で太りやすくなってしまう原因は何でしょうか。詳しくご紹介します。
50代で太りやすくなってしまう原因とは?
50歳前後で起こる「閉経」の時期を挟んだ10年を「更年期」と言います。女性にとって更年期は、思春期、出産に並ぶ太りやすい時期です。それは一体なぜなのかを、ご紹介しましょう。
①女性ホルモンの低下
更年期には、女性ホルモンが急激に減ってしまい、閉経をすぎるとほとんどなくなってしまいます。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、体内のコレステロールを低く保つ働きがあり、内臓脂肪をつけにくくしてくれます。これによって、女性を心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患から守っています。
しかし、このエストロゲンが減少することでカラダの中では、脂肪が皮下脂肪ではなく、内臓脂肪として蓄えられるようになります。その為、更年期に今までと同じような食生活や運動量で過ごすとは「太りやすい生活習慣」となってしまい、痩せづらいと感じるのです。
②基礎代謝の減少
まず、基礎代謝とは「生命を維持していくために必要な最低のエネルギー量。何もしていなくても消費されるエネルギーのこと」を指します。生命を維持するというのは、内臓を動かしたり、体温を維持するエネルギーのことで一番消費量の高いのが「筋肉」です。加齢とともに、骨格筋量が減少していきます。つまりは、基礎代謝量も低下してしまうことにつながります。
基礎代謝の低下を防ぐ、または上げる為には筋力トレーニングをすることが大切になってきます。
次に50代でのダイエットのポイントと注意点をご紹介します。
50代でのダイエットのポイント・注意点
まず「ダイエット」と聞いて、あなたはどのような想像をされるでしょうか?
- 体重を落とす
- 見た目を細くする
- 内臓脂肪を減らす
- ぽっこりお腹を引き締める
などとダイエットの捉え方は、人によってさまざまです。このように目的が違えば、その目的に合った運動や食事をしなければなりません。そのため、50代の方が運動選手のような食事制限をしたり、運動をすることは向いていませんし、おすすめが出来ません。無理をしても、それがストレスとなり継続が難しくなり「リバウンド」に繋がってしまいます。また、体調を崩しかねません。そのことを踏まえた上で、自分のライフスタイルや体調に合わせた運動を行うことこそが最適で、効果のある「ダイエット」となります。
①ダイエットの敵は「ストレス」
太っている方の多くは「満腹中枢」が麻痺しています。そのため、ダイエットを始めようとして食事の量をいきなり少なくすると、ストレスに繋がります。ヒトはストレスが溜まると、「糖分」を摂りたくなってしまいます。また無茶なダイエットは、リバウンドはもちろんのことカラダを壊してしまったり、健康的な痩せ方でないと逆に老けて見えてしまうこともあります。「美しく」あるために、毎日たのしく過ごすことが大切だということを理解しておきましょう。必死にダイエットをするのではんく、少しづつダイエット要素を取り入れ、楽しみながら行いましょう。
②サプリメントに手助けしてもらおう
歳をとるに連れて代謝機能は低下していきますが、50代になると代謝機能が著しく低下していきます。そのため、少しくらいの運動ではなかなか痩せることが出来ないのが現実です。痩せやすいカラダづくりの手助けとして「サプリメント」を試してみるのもよいです。
脂肪燃焼系や、糖質・脂質の吸収を抑えるサプリメントなどを服用することはいけないことではありませんが、あくまでサポート役です。サプリメントは使用法を誤ると、期待できる効果が得られないだけでなく、下手をすれば健康を害することもあります。正しい知識の下、使用するようにしましょう。心配であれば、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
③食生活を見直そう
あなたの食事方法を少し改善することで、太りにくいカラダを作りをしましょう。ここでキーワードとなってくるのが「糖質」と「インスリン」です。どちらも耳にしたことのある単語だと思いますが、簡単に紹介します。
【糖質】
ヒトが生きていく際のエネルギー源は、主に糖質と脂肪です。安静状態では、糖質と脂肪がほぼ半々の割合で消費されており、運動を行う際は、運動の強度が上がるにつれて糖質の消費される割合が高くなります。特に、持久的な運動では「糖質」は多く消費される為、必須栄養素ともいえます。
【インスリン】
膵臓(すいぞう)から分泌されるものです。食事をすると、血中の糖度すなわち血糖値が上がります。この血糖値が上がった段階で膵臓からインスリンが分泌され、糖をカラダの各方面へと運んでくれます。このインスリンの働きによって、血糖値がゆるやかに下がっていくのです。
上記で、食事によって血糖値が上がると述べましたが食事方法や内容によっては、血糖値がグンと上昇する場合があります。急に上がると、カラダはどのような反応をするのでしょうか?カラダは正常値に戻そうとインスリンを大量に分泌します。インスリンが大量にあると、カラダは「糖がたくさんあるのなら、溜めておこう」という反応をします。これで溜め込まれた糖は脂肪となりので、結果的に「太る」ことに繋がります。
血糖値を急激に上げる食事は、「太る」ということが分かりましたね。では、血糖値を上げない食事方法をご紹介します。
50代に効果のあるダイエット方法
50代には50代にあった方法があります!ホルモンとの関係や、身体機能などを考慮した上でのオススメしたいダイエット方法です。ご自身のライフスタイルや、身体と相談して自分ならできそうなものを、少しずつ試してみてください。
【食事】大豆食品で女性ホルモンを補おう
更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンが減少することが分かりました。このエストロゲンに似た働きをするのが、大豆に含まれる「イソフラボン」といわれています。イソフラボンが、減少した女性ホルモンを補ってくれます。大豆イソフラボンは、大豆製品によって含まれる量が異なります。【大豆・大豆製品100gあたりに含まれる大豆イソフラボンの量】をご紹介いたします。
- きな粉 266mg
- 大豆 140mg
- 納豆 74mg
- 味噌 50mg
- 油揚げ 40mg
大豆イソフラボンの摂取目安は、70~75mgが上限とされておりサプリメントなどの健康食品で摂取される場合は、30mgが上限と設定されています。大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをするだけでなくそのほかにも、女性に嬉しい効果がたくさんあるので積極的に取り入れて損はありませんよ!
- 更年期障害の症状の緩和・予防
- 肌にハリ・弾力を与え美肌に!
- 乳がんの発症率を下げる
- 腸内環境を整え、便秘解消
- 脂肪燃焼効果や中性脂肪を抑えダイエット効果
などなどたくさんの嬉しい効果があります。
【食事】糖質の摂り方に注意しよう
炭水化物ダイエットというものが流行りましたが、実際のところ糖質はとりすぎても、とらなさすぎてもリスクがあります。炭水化物を制限しすぎると、逆に食欲が増してしまうことがわかっています。またイライラの原因となったり、不整脈にも繋がります。その為、炭水化物を控えるのではなく他の栄養とのバランスをとるように心がけてみましょう。日本人の食事摂取基準は、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~60%が基準です。
▶︎血糖値の上昇を抑える食べ方をしよう!
血糖値が急に上昇すると、結果として脂肪として蓄えられてしまいます。血糖値を上昇させないように、食べ方に気をつけてみましょう。
- 早食いをせず、落ち着いて食べる(20回を目安に噛むようにしましょう)
- 食べる順番は野菜から。次に肉や魚。最後に糖質を多く含むご飯などを食べる
糖質は、肥満という面では悪い物のように感じるかもしれませんが運動をする際には、糖質はなくてはならないものです。極端に控えるのではなく、バランスよく摂取することを心がけましょう。
【食事】食生活を見直しましょう
◎食事は3食しっかりと摂りましょう!
1日の半分以上のエネルギーを、夜食から摂ることは肥満に繋がりやすいです。中には、忙しくて朝食を抜いてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?消化管の吸収能力は、昼間よりも夜間の方が高い為、夜間に摂取したエネルギーはそのまま蓄えられてしまう傾向にあります。なので、忙しくても朝食を摂ることを心がけ、夜食は食べ過ぎないようにしましょう。
◎腹7分目を心がけましょう
50代になったら、よく聞く「腹八分目」よりすくない「腹七分目」を目安に食べましょう。加齢に伴って、消化機能が低下しているため、ちょっと足りないなと思うくらいがちょうどいいのです。
◎野菜をたくさんとりましょう
歳を重ねるとともに、体に必要なビタミンやミネラルが減っていきます。なので、野菜をたくさん食べるようにしましょう。野菜はたくさん食べても太りにくいので、おすすめです!
【運動】ちょこっと運動で代謝アップ!
「50代が痩せにくい」といわれている一番の理由が、全身の筋肉量が40代から緩やかに落ちてきているからだといわています。運動を行い、筋肉を増やして代謝を増やしましょう!これこそが、最強のアンチエイジングといえます。筋肉が1kg増えると、基礎代謝は50Kcal増えるといわれています。運動を行うと筋肉量が増えるのはもちろんのこと、基礎代謝の改善、内臓脂肪が燃焼しやすくなります。
いざ運動をしなければならないと思うと億劫になる方も多いでしょう。どの年代でもいえることですが、たまに行うハードな運動よりも、毎日コツコツと1分間のストレッチを継続的に行う方が効果的です。また日常的な動作の一つ一つを大きくするだけでも関節の可動域が広がり、柔軟性も高まります。少し意識するだけでも、カラダにとっては大きな変化です。
- 洗濯物を干す時に腕を思い切り伸ばしてみる
- 料理中、手持ち無沙汰な時間を利用して、軽いスクワットや踵の上げ下げ運動
- 歩く時は、腕を大きく振ってみる
- エレベーターやエスカレーターを我慢して、階段で運動量アップ
などなど、生活の中で無理なく、すこしづつ取り入れてみましょう。こまめに動くことが筋肉量だけでなく、代謝アップにも繋がりますよ。
【食事】食事で代謝アップ
筋肉をつけるためには、食事で筋肉をつくる栄養を摂ることも大切です。その栄養素は肉やお魚、卵などに含まれる「たんぱく質」です。歳とともに、内臓の機能も低下していきますので無理をして食べる必要はありません。しんどさを感じたら、プロテインという手もあります。運動をしたら、筋肉生成の為にしっかりとたんぱく質を摂りましょう。
基礎代謝を上げてくれる食べ物をご紹介します。
◎基礎代謝を上げてくれる食べ物
- 体温を上げる:唐辛子、生姜、玉ねぎ、かぼちゃ、ゴマ
- 代謝を高める:魚介類、鶏肉、豚肉、大豆、麩、落花生
- 代謝をサポートする:豚肉、レバー、納豆、牛乳、卵
- 代謝促進:昆布、わかめ、イワシ、パイナップル、鮭
ぜひ参考にして、献立に組み込んでみてください。
【運動】基礎代謝アップストレッチ
効果的に基礎代謝を上げるには、肩甲骨周りのストレッチがおすすめです。肩甲骨まわりには、「褐色脂肪細胞」があります。この「褐色脂肪細胞」というのは、脂肪をエネルギーとして燃やす働きがあります。発熱して体温を高く保つ役割があり、刺激して活発にさせれば発熱して基礎代謝も上がります。
【ゲッタマン体操1】
- 頭の上で、肘を伸ばし両手を合わせる
- 手のひらを外側に向け、肘を曲げ後ろにひきながら胸の高さまで下ろす
- もとの位置(頭の上)にゆっくりもどす
【ゲッタマン体操2】
- 両腕を肩の高さで前に出す
- 両肘を曲げながら肘を後ろに引く(胸を開くように)
- ゆっくりと元の位置にもどす
【ゲッタマン体操3】
- 肘を伸ばした状態で、両腕をお腹の前でクロス
- 頭の上にあげる
- クロスした腕をほどき、手のひらを向かいあわせる
- 肘を伸ばし腕を後ろに引きながら下ろす
各3回程度繰り返しましょう。肩甲骨が開いたり閉じたりしているのが感じ取れるストレッチです。くれぐれも無理のない範囲で行ってくださいね。
基礎代謝を上げるツボ
基礎代謝を上げるツボには「中脘(ちゅうかん)」と「気海(きかい)」の二つがあります。
中脘(ちゅうかん)
みぞおちとおへその真ん中、おへそから指4本上がったあたりにあるツボです。
気海(きかい)
おへそから指二本分下がったところにあるツボです。
人差し指の腹の部分で、やさしく1日に3回押しましょう。
努力は裏切らない!ダイエットは継続することが大切です
50代のダイエットは、無理をしないことが何よりも大切です。運動も継続できるものを、食事もストレスのかからないバランスの良い献立を選択しましょう。50代のダイエットは、見た目の変化だけでなく体内にも良い変化を起こしてくれます。心血管疾患などにならない為にも、こういった生活を心がけてみませんか?健康第一に考え、「美しい」女性になりましょう!必死なダイエットよりも、たのしみながらダイエット要素を取り込んで心身ともに変化のある生活習慣にしましょう。