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【夏の会談話】会いたい気持ちが強すぎて、死者をこの世に留まらせるのかもしれない
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ブランコに乗った少年

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通勤路

私は、月曜日から金曜日まで、電車を利用して約1時間の場所にある会社に通っています。残業は週に1〜2回ほどありますが、それほどきつい仕事ではありません。

数年前から、駅から徒歩15分ほどの距離にあるアパートで一人暮らしをしています。アパートと駅の間には小さな公園があり、週末の天気がいい日は、いつも沢山の子供たちが遊んでいます。

残業を終えて

ある日、残業を終えて駅から家路に向かっているとき、ブランコが揺れている音が聞こえてきました。何気なく公園を見ると一人の少年がブランコに乗っています。しかし、その日は特に気にかけず、公園を通り過ぎました。

ブランコ少年

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その後、私が残業を終えて帰宅するとき、その少年の姿を公園でみかけることが多いことに気づきました。少年の保護者のような大人たちは、公園の中に見かけません。もしかして、家の鍵をなくしたのかもしれない、家に入れなくて困っているのかもしれない、そう思うと声をかけずにいられませんでした。

再会

私は、ブランコに乗っている少年のそばへ行き、声をかけました。

「こんばんは。いつもブランコで遊んでいるよね。家に帰らなくていいいの?」

「僕の家、わからないの。」少年は答えました。

女性「そうなの?困ったね。僕は、何歳かな?」

少年「5歳だよ。」

女性「お名前は何ていうの?」

少年「・・・。」

女性「そうなのね。お母さんはどこにいるのかな?お母さんに会いたいよね?」

少年「うん。」

そして、少年は真っすぐ視線を私に向けて、私の服の裾を掴んで言いました。

「お母さん。僕だよ。会いたかったよ。」

時間が止まりました。その少年は、5年前流産してしまった私の子供でした。死者となっても母に会いたいという思いを強く持ち、5年の月日で成長した姿になったのです。

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私が会いたい人

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中学校

私は、小さな田舎町の公立中学校に通っていました。中学生らしい少しヤンチャな生徒は数人いましたが、大きな事件などなく、毎日平和な学生ライフを過ごしていました。

一人の女子クラスメートが奇怪な行動、言動を発するようになるまでは。

女子クラスメート

彼女は、とても控えめで、恥ずかしがりやの小柄な女の子で、愛らしい笑顔がとてもキュートで、男女問わず人気者でした。その彼女が時々、下をうつむいたままブツブツ独り言を呟くようになったり、笑顔が消え感情のない表情で一点を見つめたりすることが度々起りました。その姿は、普段の彼女とはまるで別の人格、死者のような雰囲気を醸し出していました。

新しい友達

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私達には、彼女に何が起ったのか全く理解できませんでした。最初は、そっと見守るだけでしたが、しばらくすると、別の人格の彼女とも会話ができるようになりました。その別の人格の彼女の名前は、「みどりちゃん」、本来のクラスメートとは違う名前でした。

その翌週に実施された修学旅行先でも、彼女は本来の人格ともう一つの人格の両方を表しました。私達は、できる限り先生や他の生徒たちに見つからないよう、「みどりちゃん」が現れたときは、彼女を囲んで隠してみたり、夜中に宿泊部屋から夢遊病のようにフラフラ外に出てしまいそうになる彼女を必死で止めて、ベッドに戻したりしました。

新しい友達との別れ

ある日、教室で数人の友達とおしゃべりしているとき、救急車が学校の敷地内に入ってくることに気づきました。急いで窓際へ行き、外を見るとセーラー服の女性が運ばれていくことが確認できました。そのクラスメートでした。彼女は急に発作が起き、一時心肺停止状態になっていたのです。

救急搬送中の出来事を、彼女に付き添った女性教師から聞きました。

意識を取り戻した彼女がその女性教師に

「私の名前は、みどりです。死者になっても友達に会いたくて、この身体に入りました。だって、この女の子は、私が会いたい友達とそっくりだからです。」と伝えました。

女性教師は、それまでの経緯を全く把握していなかったにも関わらず、落ち着いて彼女の話を受け止め、優しく問いかけました。

「この子は、私の大切な生徒の一人なの。返してもらえるかしら?」

みどりちゃんは、涙を流しながら答えました。

「はい。沢山の方々に親切にしてもらい、とても幸せな時間を過ごせました。さようなら。」

その言葉が終わると同時に、私のクラスメートは、再度意識を失いました。

忘れられない出来事

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クラスメートは、病院での検査で、特に異常も認められず、翌日学校に登校してきました。これまでの数週間に起った出来事を彼女は全く覚えていませんでした。私達は、死者であっても私達と友達のようにひと時を過ごした「みどりちゃん」のことを忘れません。彼女は、死者となった自分を受け止められず、親友に会いたい気持ちが強く残り、私達の場所へやってきたのでしょう。

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僕の彼女に会いたいですか?

バイト仲間

私のバイト仲間の一人は、木造建てのアパート2階で一人暮らしをしています。彼は、バイト生活でそれほど豊かではありませんでしたが、友達は多く、いつも楽しい日々を送っていました。

彼が変わっていく

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特に健康面で何も問題なかった彼が、時々体調を崩してバイトを休むようになりました。

心配した私達が、彼を元気づけるためにアパートへ行くと、少し顔色が悪そうだった彼も喜んで招き入れてくれ、みんなで持ち寄ったお菓子やピザを食べて楽しく過ごしました。そろそろお開きにしおうと洗い物をキッチンに運んだとき、私は首筋にヒンヤリした風を感じ、キッチンを見回しましたが窓もドアも開いていなく、きっと古いアパートだから隙間風だろうとその時は気にしませんでした。

彼を見舞って

それから間もなく、彼はバイトを連絡なく休むようになり、姿を見せなくなりました。

私ともう一人のバイト仲間が心配して彼のアパートに行くと、すっかり痩せ細り、精気の感じられない死者のような彼がそこにいました。私達は部屋に入れてもらい、少し話をしてみると、最近彼女ができたことを打ち明けてくれました。彼女はお見舞いに来ないのかと尋ねると、いつも彼女は僕と一緒にいるよと彼が答えました。

僕の彼女に会いたい?

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彼は、私達にか細い声で聞きました。

「僕の彼女に会いたい?紹介するよ。」

彼はそう言って、キッチンに私達を連れて行き、冷蔵庫を指差して言いました。

「彼女は恥ずかしがりやさんだから、隠れているのさ。」

冷蔵庫の後ろは、人間が隠れるほどの隙間はありません。それでも恐る恐る冷蔵庫の後ろを覗いてみました。

目が合いました。長い黒髪の細身の女性がそこにいました。あり得ないスペースなのにも関わらず、人のような物体を感じました。以前感じたような冷たい風がそこから吹いていました。人間ではないもの(死者)が彼の精気を奪っていたのです。

あなたは誰か愛する人を亡くした経験がありますか?

死者は身体が亡くなっても、心は愛する人たちのそばにいるのです。あなたが愛する人に会いたくて寂しくなったら、その方のことを考えてあげてください。考えているとき、その方もあなたの心に寄り添っています。

もし、小さな命を天国に送ったとしたら、その小さな命のことを考えるたびにその子は天国で成長しているのです。ほんの一瞬の時間であったとしても、すぐに命が尽きる運命(死者になる)だと理解しながら、その小さな命はあなたをお母さんとして選んで宿っていたのです。

お別れしなければいけなかった方々(死者)に会いたいと思ったとき、どこにも行く必要はありません。ただその場で、亡くなった方々(死者)のことを思い出してあげるだけでいいのです。

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