子なし夫婦は年々増えている?
「結婚したら子供は持つもの」「子はかすがい」。40代の方ならば、耳にしたことがあるはずです。日本に古くからある、結婚や子供に対する考えで、一昔前ならば、それに異を唱えることは少なかったでしょう。
また、広報誌やテレビCMなどでは、40代夫婦と子供2人の家族を、よく目にするでしょう。現在、日本で一番多い世帯は、夫婦と子供2人と思う方が多いかもしれません。
しかし今、そのモデルが壊れつつあるのです。
2017年に行われた国勢調査では、日本で一番多い世帯は、単身世帯で、34.6%なのです。意外でしたか。その次に夫婦と子供ありの世帯(26.9%)、子なし夫婦の世帯(20.1%)と続きます。それを、平成12年度の調査と比べると、夫婦と子供ありの世帯は、31.9%、子供なし夫婦の世帯は、18.9%でしたので、子なし夫婦が増加していることが明らかです。
DINKsを選ぶ夫婦も急増中!
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子なし夫婦を意味するDINKs(ディンクス)。Double Income No Kids(共働きで子なし)を表す略語です。子供を産み育てる経済力はあるけれども、あえて子供のいない人生を積極的に選択した夫婦、と言うことができます。1980年代にアメリカで始まり、日本には、1990年代に伝わってきた、と言われています。
昭和の時代に結婚した世代からみると、考えられないかもしれません。結婚したら、2人、3人と子供を持って当然。子供を育てることが女性の生きがいだ、と考えられていた時代でした。子なしの夫婦は、肩身の狭い生活を強いられたことでしょう。
しかし、時代は変わり、さまざまな価値観を共有しよう、という時代になりました。夫婦と子供ありの世帯の減少したように、結婚したら子供を産まなくてはいけない、という呪縛から、女性は解放されつつあるのかもしれません。
40代の女性のなかには、出産、子育てよりも、仕事を選びたい。子育てだけが生きがいじゃない。子育てよりもやりたいことがあると考えている方もいます。子供は苦手という女性だっています。
誰もが好きな生き方をしてもいいのです。DINKsという、子なし40代夫婦の生き方だって、ありです!
子なし40代夫婦のリアルな生活
DINKsと聞くと、お金に余裕があって、セレブのような生活をしている夫婦をイメージするかもしれません。子なし40代夫婦のリアルな生活をご紹介します。
結婚歴10年のAさん
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Aさんは結婚前に、ご主人に子供を持たないことをはっきりと伝え、それを受け入れてくれたので、結婚をされたそうです。
Aさんは学生のころから、旅行が好きで、今も気ままに出かけたりして、そこに生きがいを感じています。
お仕事も旅行ライターさんをされているので、趣味と仕事がリンクしている感じですね。
「子供がいたら、もちろん楽しいこともたくさんあるけれど、子供がいれば、諦めなくてはいけなくなることも多かったと思う。40代になって、仕事の経験値も増してきて、ますますやりがい、生きがいを感じているところ。仕事や自分の好きなことを、あきらめなくてよかったし、今の生活に、生きがいを感じています。」
Aさんはこのように感じているそうです。
結婚歴6年のBさん
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Bさんは、40代に入ったいまでも、子供が苦手なのだそうです。
「女性なら誰でも子供が好きなはず、子育ては女性の生きがい」という固定観念が受けいれられず、もしかしたら一生結婚しないかも、とも思っていたそうです。
そんなBさんですが、今のご主人とは職場で出会ったそう。最初は、付き合うことに乗り気ではなかったそうですが、ご主人に押し切られたそうです(笑)
当時、お二人は30代後半。交際を深めていくうちに、彼は私と結婚したいのかも?と感じることが増えてきたそうです。Bさんは、結婚願望がなかったので、迷惑をかけるかもと思い、子供が苦手なことを、正直に話しました。
彼はBさんの気持ちを理解してくれて、交際して2年過ぎたころに、「子供が欲しいから結婚するんじゃない。一緒に生きる相手がほしい」とプロポーズされ、Bさんは結婚を決意したんだそう!とっても素敵ですよね!
「今、子なし夫婦ですが、とても幸せで、仕事と彼との生活が、私の生きがいです。」と、Bさんはおっしゃっています。
結婚歴5年のCさん
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Cさんは子供を育てるのは、大変なお金がかかると知って、子供を作ることに躊躇していたそう。現在Cさんご夫婦は共働きなので、お金に余裕があり、仕事帰りに夫婦でお酒を飲んで帰ったり、旅行に出かけたり、とても楽しく生活しているそうです。
Cさんが勤めているのは小さな会社で、育児休暇がない(雰囲気的に認められていない)のだそう。そういった会社だと、子供ができたら、辞めることになるでしょう。40代になり、再就職も難しいはずです。
「主人の給料だけでは、生活が苦しくなるのが目に見えているし、家計をやりくりして、子供を育てることもできるかもしれないけれど、今の生活レベルを維持したい。今年、念願のマンションを購入します。そこで、ゆっくりと静かに暮らすのが、私たち夫婦の生きがいです。」
経済感覚がしっかりしているCさんならではの価値観ではないでしょうか。
結婚歴11年のDさん
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Dさんは、32歳で同じ年のご主人と結婚されました。いずれ子供ができると思いながらも、恵まれずに、36歳から不妊治療を始めましたが、体外受精まで進みましたが、結局、妊娠には至りませんでした。精神的にとてもつらく、ご主人と相談して、40歳になったのを機に、子供を持つことをあきらめたのだそうです。
「今は、仕事に没頭しています。子供のいない人生ですが、主人とは、不妊治療を乗り越え、さらに絆が強くなったと感じています。夫婦2人、時間はたくさんあります。レストランで食事をしたり、キャンプをしたり、温泉旅行に行ったり、充実した日々を送っています。子供がいない人生もありかな、と思っています。」
Dさんのように子供を持つことを望んでも叶わなかったという方もたくさんいらっしゃるでしょう。踏ん切りをつけるのは難しいことかもしれませんが、その後の人生を前向きに捉えていらっしゃるDさん、とても素敵ですね。
子なし40代夫婦の生活の楽しみ方と生きがい
子供を育てることばかりが、結婚生活ではありません。いろいろな楽しみや生きがいを持つ、40代子なし夫婦がいます。いろんな夫婦がいて、さまざまな生きがいがあるのが、当たり前。そんな価値観を、改めて感じさせてくれます。
都内在住のAさん
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Aさん夫婦は、都内に住んでします。Aさんは32歳でご主人と結婚されました。
妻であるAさんは、出産、育児のために、自分の生きがいである仕事のキャリアを中断してしまうことに、とても抵抗を感じたそうです。
「入社以来、積み上げてきたものを、手放したくない。男性だってそう思う人、多いはずです。私にとって、仕事はかけがえのないものです。これからも、キャリアアップを見据えて、仕事に集中していきたいです。」
このように意気込みを語ってくれました。
Aさんは今でも時々、小学生くらいの子供を見ると、自分も母親になれたかも、と心がざわついたり、40代前半になった今、妊娠できる最後のチャンスがあるかも、と思うことがあるそう。
でも、自分で選んだ道は後悔していないし、良き理解者であるご主人に心から感謝しているのだそうですよ。
地方在住のBさん
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妻であるBさんは、地方で小学校の先生をしています。約20年の教員生活を振り返り、子供が本当にかわいくて、間近で成長を感じることのできることが教師としての仕事が生きがいであり、天職だと話してくれました。
では、子供が好きなBさんは、なぜ自分の子供を持たなかったかのでしょうか。
そこには、多くの働く女性に共通する悩みがありました。
自分の親がベストですが、近くに子育てを手伝ってくれる人がいないと、残業や子供の急な病気に対応できない。夫が育児休暇を取得できない。さらに、教師という仕事上、つわりや体調不良でも、担任が急に仕事を休めない、という事情がありました。
ご主人ともよく話し合い、子供を持たないという結婚生活を選択されました。
都内在住のCさん
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最後にご紹介するのは、都内在住のCさん夫婦です。幼いころから、両親が不仲な家庭で育ち、楽しい思い出は、ほとんどないというCさん。早く家を出たいと思い、高校卒業してから、実家を離れ、一人暮らしをしてきたそうです。
Cさんは40代になった今でも、子供を持つ幸せが理解できないのは、不仲だった両親の下で育った影響ではないかと、振り返ります。
ご主人と出会ったのは、30歳のころ。当初、結婚なんて考えていなかったそうですが、交際半年ほどでいきなりプロポーズされ、戸惑ったそうです。
Cさんは、別れを覚悟で、自分の育った環境、子供が欲しくないことなどを正直に話したところ、彼は、別れを口にするどころか、彼女の誠実さに心を打たれそうです。
Cさんは、彼の両親に、孫の顔を見せてあげられずに、申し訳ない気持ちを今も、持っていると口にしますが、彼と彼の両親が彼女の気持ちを第一に考えてくれ、子なし夫婦になることに理解をしてくれたそうです。
子供を持つことだけが結婚ではない。彼と彼の両親の心の広さを感じました。
夫婦の数だけ、価値観があります!
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結婚して、子供を産む。結婚したけれども、子供は産まない。どちらも夫婦が自由に決めることができて、どちらも正しい選択です。結婚したら子供を産んで当たり前、という日本に古くからある価値観に誰も縛られたくないでしょう。
夫婦の在り方、人としての生きがいは、人それぞれです。夫婦が仲良く、円満に人生を送ることができたら、子供の有無にかかわらず、それが最も大切なことでしょう。
40代。まだまだ先は長いです。一番大切な人と、一緒に暮らしていく楽しさや生きがいを、毎日感じていたいですね。