ポジティブの押し売りにうんざり!ネガティブがそんなに悪いの!?

ポジティブが押し売りされる理由

そもそもポジティブとは?

ポジティブはポジティブ・シンキングの略です。「前向きに楽観的でいればうまくいく」というような考え方で、対義語はネガティブ。19世紀半ばのアメリカではじまった、比較的新しい思考です。

ポジティブ・シンキングは、ビジネス書や自己啓発セミナーでよく見受けられる考え方です。良い結果を出すには、まずポジティブでいることが推奨されます。何事にもポジティブがスタンダードとされています。

押し売りの理由

いつでもどこでも「元気を出そう」などと言う人は、ネガティブな人間からうんざりされています。どうしていつでもポジティブを周りに押しつけてくるのでしょうか?

理由は簡単です。たいていは良かれと思って、ポジティブをすすめているのです。

ポジティブであればいい結果が生まれると信じているから、落ち込んでいる人間や怒っている人間にも、ポジティブを押し売りしてきます。ネガティブな人間としても気持ちは嬉しいのですが、無下にできない分、よけいにイラっとくるようです。ありがた迷惑というやつですね。

そしてひねくれたことを言えば、ただ自分が優越感に浸りたいから、ポジティブを押し売りする人もいます。「ポジティブにいこう」と言いながら、うまくいかない人間を見下しているケースもあるのです。

ここがイヤ!ポジティブの押し売り

ポジティブの押し売り①もっと明るく

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「『もっと明るくいこうよ』と言ってくる上司がイヤ。人格否定をされているようで」(28歳・経理)

「落ち込んでいるときに『暗いぞ!』と言われると、イラっとくる。暗い人の話も聞いてよー!」(22歳・販売)

「明るく」と、性格に関わるものを強要されると辛いです。そして感情は自然と沸いてくるものなので、つねに明るくいようすれば、暗い感情にふたをすることになります。

辛いときはただ話を聞くか、なにも言わず静かに見守ってほしいもの。早々にポジティブなことを言われると、話を切りあげられたようで、がっかりしてしまいます。

ポジティブの押し売り②楽しくやろうよ

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「アイデアが出なくてピリピリしていたら『楽しくやろうよ!』って同僚に言われた。そういう上から目線はいらないから具体案をください」30歳・広告)

楽しくしたくてもできない場合があるのは、理解してほしい所です。そして職場とあれば、具体的なアイデアを出してくれるほうが、よっぽど助けになりますね。

ポジティブの押し売り③ポジティブに行こう

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「やたらポジティブを連呼する、歩く自己啓発書みたいな人は苦手。しかも本人は、他人のためにやっていると思っているのが…」(24歳・デザイン)

話を聞くやいなや、ポジティブを連呼する人はいます。常にポジティブ、常に笑顔でいるのは、嘘っぽいと取られるケースもあり。

ポジティブの押し売り④キラキラ

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「知り合いのSNS『キラキラの明日にいけるカナ?』だって。なんで普通の明日じゃ駄目なんだろう」(32歳・看護師)

SNSは「見せたい自分」を切り取って投稿する人が多く、キラキラという単語やスタンプでいっぱいです。キラキラしようよ!と呼びかける人もいます。

ポジティブワードの中でもひときわ抽象的な「キラキラ」。キラキラ輝くものには憧れるものの、自分がキラキラ輝くのはごめんだという人間もいます。一瞬だけ輝くのも精一杯なんです。

ポジティブの押し売り⑤ネガティブだと不幸になる

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「『ため息をつくと幸せが逃げるよ』とか言われるのが苦手。ため息をつく自由くらいくれよー!って思っちゃう」(25歳・美容師)

ネガティブを全否定する姿勢こそが、ポジティが押し売りだと嫌がられる理由です。「夢は叶う」「努力は報われる」世間にはポジティブな言葉であふれているものの、実際にはそうはいきません。

日々のニュースを見ればわかるように、この世は気の持ちようではどうにもなることが、たくさんあるのです。ポジティブであろうとネガティブであろうと、残念な結果になるときはあります。

ネガティブは悪?

ネガティブは感情

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まずネガティブなのは資質であり感情ですから、すぐにポジティブになる必要はありません。むしろネガティブな面を「こう思うのは仕方ない」と認めるほうが、早めに立ち直れます。ネガティブな人間は、明るい場所より暗い場所で心を休められるのです。

それからネガティブな面を受け入れられれば、過剰な期待をしなくなります。物事がうまくいかなかったときは「駄目で元々だった」と、切り替えが早くなるからです。感情にふたをしないほうが、引きずらないのです。

リスク回避にはネガティブ

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ポジティブが良しとされる風潮ですが、ネガティブになることで前へ進める人もいます。ネガティブだからこそ乗り切れる場面もいっぱいあるのです。たとえばネガティブであれば、慎重になってリスクを回避しようとします。

ポジティブ好きの中には、ただリスクに備えるのがイヤだから「なんとかなる」と言っている人間もいます。現実を直視して対策を立てるのが苦手なのです。

自動車を運転するときは「だろう運転」よりも「かもしれない運転」が推奨されますよね。「大丈夫だろう」「いけるだろう」というポジティブな楽観思考は、事故につながる恐れがあります。

そして「影から人が出てくるかもしれない」「雨でタイヤがすべるかもしれない」という慎重な姿勢は、安全運転の基盤とされています。自分に都合のいい想像ばかりしないことは、周囲と自分を守るのに大切なことなのです。ネガティブ=悪ではありません。

ネガティブとポジティブ、自分に合ったスタイルを選ぶために

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前向き、楽観的、積極的であることがポジティブとされています。ポジティブは19世紀半ばのアメリカからはじまった考え方です。今や日本でも浸透している考え方ですが「行きすぎたポジティブは危険」という意見もあがっています。

人のことを思ってポジティブなことを言っても、感謝どころか「押し売り」だと疎まれるケースもあります。自然体でポジティブなら良いのですが、ネガティブな人間を否定したり、ポジティブを押し売りするのはよくありません。

ネガティブな人間が常にポジティブでいようとすれば「自分はポジティブになれない。ネガティブで駄目な人間だ」と自分を卑下しがちです。自分とかけ離れた理想をかかげるのは、よくないのです。

合わない服を着るのは辛いもの。自分の性質や感情と正しく向き合うのは、自分をコントロールする上でも重要です。女性ならホルモンバランスの影響で辛いときもありますし、そうポジティブにこだわらなくていいと思います。

うまく感情と向かいあえれば、今よりも生きやすくなると思います。ネガティブは悪いことではありませんから、目をそらさなくていいのです。無理にポジティブでいれば、現状把握が遅くなります。

ポジティブ思考もネガティブ思考、どっちも生きるのに必要なものです。それぞれに良い点・悪い点があります。ポジティブ:ネガティブ=7:3くらいが理想の方もいれば、ポジティブ・ネガティブ=3:7くらいが理想な方もいます。

大切なのは自分に合ったバランスを見つけ、問題解決に取り組むことです。

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