家事が嫌いでも大丈夫!
家事と一括りで言っても、たくさんの内容があります。
改めて辞書を引くと「家事」とは家庭生活を円滑に営んでいくうえに必要な諸作業と定義されいます。また、具体的には料理・裁縫・育児・洗濯・清掃・生活用品の購入・家計の切盛りなどとされています。
最近話題の「名もなき家事」
しかし最近では「名もなき家事」という言葉が話題になっています。細かくて見えにくい、でも絶対的に必要な家事の数々のことです。例えばトイレットペーパーの芯を捨てて新しいものをセットするとか、シャンプーやリンスを補充することといった、ちょっとしたひと手間がこれに当たります。もっと細かく考えると、使った食器を洗う前に水に浸すことや、乾いた食器を元の場所に戻すことなど、はっきり名前が付けられない名もなき家事は100以上あると言われています。
明治の文豪・幸田露伴を父に持つ作家の幸田文(あや)さんは、著作でこう記しています。『(父は)家事に追われるというのは何とも惨めなことで、家事はこちらが先に立って追いまくるべきものだと云う。』
そう、家事は一度始めると、あれもこれも次々とやる事が増えていきキリがありません。明確な達成基準のある仕事とは違って、家事には終わりがないのです。「家事は苦手」や「家事が嫌い」と思いながらも、追われるように嫌々家事を行なっている人も多いのではないでしょうか。
無理をして嫌いな家事を完璧にこなそうと思う必要はない
しかし、無理をして嫌いな家事を完璧にこなそうと思う必要はありません。家事をする事が嫌いでストレスに感じるなら、いっそのこと家事をやめてみてはいかがでしょうか。
最初は「家事をやめるなんて」と罪悪感を抱いてしまうかもしれません。しかし、その場合の家事とは100以上あると言われている名もなき家事を含んだ、非常に曖昧な定義なのです。一度リストアップしてみて仕分けしてみると、案外やらなくてもいい家事や、家族と分担できる家事、外注できる家事がたくさん見つかるのです。
また、名もなき家事に気づいていない人もたくさんいます。お互い気持ち良く暮らすために必要な協力があることを知ることは大切なことです。ぜひ一度整理してみましょう。
そして、自分でやらなくてもいい事と自分でやる事とを見極め、やらなくてもいい家事をしない事を選択することによって、時間に余裕が生まれます。こうすることで、億劫だと思う気持ちが高まって「家事が嫌い」と思うほどに至っていた心境に変化が訪れ、いくらか気持ちが楽になるのではないでしょうか。
やらなくてもいい家事の具体的な内容について、これから詳しくご紹介します。ぜひ家事をやらないという選択を上手に取り入れ、ストレスフリーな暮らしに近づきましょう。
嫌いな家事が減るとこんなメリットがある
嫌いな家事が減ったり無くなる事で、様々なメリットが生まれます。ここでは、家事をやらない事によってどんなメリットがあるのかをご紹介していきます。
嫌いな家事が減るメリット①家事のストレスから解放される
https://pixabay.com/ja/
「家事は全部私がやらなくてはいけない」というストレスから解放されるのが、一番大きなメリットではないでしょうか。家事に対する億劫な気持ちが積み重なるのは、大変なストレスとなります。いくつかの家事を自分でやらないことを選択することで、家事からのストレスから解放され、嫌な気分で過ごす時間が無くなります。
「家事は全部自分でやるもの」という固定概念を捨ててしまえば、きっと気持ちがとても楽になりますよ。
嫌いな家事が減るメリット②時間の有効活用
https://pixabay.com/ja/
「家事をするだけで一日終わってしまった」「そういえば最近は自分のケアをするのすら忘れてしまっている」「最近の流行ってなんだろう?」こんな風に後悔したり悩んだりしている人はいませんか?
いくつかの家事をやらない事で発生した余暇は、自分自身の権限で自由に使える時間へと変えることができます。家族のためにひたすら費やしていた時間を、自分がやりたい事に使えるようになるなんて、夢のように思える人もいるかもしれません。休憩したり、スキンケアタイムにしたり、はたまた読書や映画鑑賞をしたり。自由時間を少しでも過ごすことで、心に余裕が生まれます。こうして時間を有効に使えようになるのも、家事をやめるメリットです。
家事は無限にある一方で、時間は無限にあるものではありません。せっかくなら嫌いな事よりも好きな事に時間を使いたいですよね。そんなお悩みも家事をやらない事で一気に解決に向かいます。
嫌いな家事が減るメリット③家事を負担だと思わなくなる
https://pixabay.com/ja/
家事をやらなければ、家事が嫌いな気持ちが少し解消される可能性があります。全ての家事を自分でやらなくてはと思いこむのをやめ、必要最低限の家事だけ行えば、心理的な負担も減るのです。
「家事は大変だし時間がかかる」という感覚から「家事はすぐ終わる」に変化するだけでも、家事に対する嫌悪感が減ります。ここまでは自分でやるけれど、ここから先は気が向いたときにやれば大丈夫!といった調子で、今まで当たり前にやっていた家事にグラデーションをつけてみましょう。自分の得意不得意や、家族の健康を害さない程度を基準にして、そこから先は誰かに手伝ってもらうことや、気が向いたときに頑張ればいいことだと思うのです。
例えば、一番大切で簡単な家事は換気です。家族の健康のために窓を二箇所開けて空気を入れ替えただけでも、一つの家事を達成しています。掃除機をかけるのは気が向いた時でもいいし、誰かに頼んでいつかやればいいのです。「家事は気軽にできる」という認識へと変わって行けば、家事に対する自信に繋がっていくかもしれません。
家事が嫌いなら「やらない家事」を選択しよう
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」①洗濯する回数を減らす
https://pixabay.com/ja/
いくらたらいに水を張って手洗いしていた時代から進歩したとはいえ、洗濯はたくさんの工程を行う必要があります。洗濯機で洗い終わった後にも洗濯物を干す作業や、畳む作業、アイロンかけなど、洗濯物が多いとそれに付随してやる事も多くなってしまいますよね。
洗濯する回数を減らす
そんな時には、洗濯物を減らして洗濯する回数を減らしましょう。一番効果的なのが、大判のバスタオルではなく、かさばらない小さめのタオルに変えることです。単純に洗濯機の中のボリュームが減らせますし、バスタオルは干し場所を占拠するのが問題です。ある人は洗濯物を干すスペースが狭く、日当たりの悪い家に住んでいることから、より乾きやすさを求めて手ぬぐいを選びました。それで「すぐ乾き衛生的な布であれば拭くものは何でも良いのだ」という結論に至ったとのことです。バスタオルの衛生観念については、人によって様々かとは思うので、できる範囲でボリュームを減らしてみましょう。
家中にある不要なマットやカバーを廃止にするのも手
また、家中にある不要なマットやカバーを廃止にすれば、洗濯物の量はかなり減らせます。実家で使っていたような厚手の便座カバーやマットは必要ですか?食卓周りなど、敷物の上に敷物を使ったり、弁当風呂敷に包んだ上に手提げ袋に入れていませんか?
肌に直接触れない服は、何度か着てから洗いましょう。その方が、生地が痛みません。花粉など見えないゴミが気になる場合は、洋服ブラシをかけるという手入れ方法もあります。
寝具のカバーも、衛生状況に応じて洗濯回数を減らしてみましょう。中には枕カバーを使わないで良い素材の枕を選ぶなど、徹底してカバーを削減している人もいます。
このように、使わなくても大丈夫な物は使用するのをやめて、極力洗濯する回数を減らせば、作業量が大幅に減少できます。何より洗濯の回数を減らすことは、労力だけでなく、水と電気の節約にもなるので、いいことずくめです。
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」②食器や調理道具は必要な数だけにする
https://pixabay.com/
料理中、サイズ違いで同じ道具が手に届く場所にあると、次から次に新しいものを使ってしまいがちです。使ってはシンクに置いて、また手を伸ばして…気がつけばシンクがいっぱいになっていて、洗うのが面倒になるなんて人はいませんか?
食器や調理道具は、兼用できるものがたくさんあります。にもかかわらず、流行っているから…みんな使っているらしいから…などと云う理由で増えがちでもあります。食器や調理道具はむやみに多く取り揃えていると、よほど整頓上手な人でない限り、整理するのが大変です。逆に食器棚や引き出しを開けた時目に入る光景がスッキリしている方が、台所に立って作業するモチベーションが上がります。
食器が多すぎる人は大抵「お客さんが来たときに困るから」と家族の人数より多すぎる数のお皿やコップを買おうとします。本当にそんなに高い頻度でお客さんは来るでしょうか。柄が揃っていないと恥ずかしいなんてことはあるでしょうか。そんなことより、欠けた器をいつまでも食器棚に置いたままにしていないでしょうか。
食器や調理道具は基本的に日常で使う物だけを置いて、使わない食器は持たないようにするのをお勧めします。調理中に皿を用意する時や、棚の中の掃除をする時など、物が少ないと時短にも繋がります。一旦よけてまた戻すといった手間が省けて、お皿やコップが欠けるリスクが下がります。キッチンの清掃もしやすく、衛生的です。
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」③食洗機や床掃除機を活用する
https://pixabay.com/ja/
自動食器洗浄機や自動床掃除機があるなら、ぜひ機械に任せてしまいましょう。
料理の後の食器洗いを嫌いと思う人は多いようです。お腹がいっぱいでみんながくつろいでいるのに、自分だけ立って洗い物をするなんて辛いですよね。食器洗いは必ずしも手洗いしなくてはいけないという事はありません。食器洗浄機で洗える物はどんどん活用しましょう。住宅を設計するタイミングでビルトイン食洗機を導入できればベストですが、キッチンのサイズに合わせて後から導入できるコンパクト設計の食洗機もあります。共働き家庭や小さな子どもがいる家庭だけではなく単身者でも、食器洗いと食器拭きにかかる労力を削減できるメリットは大きいです。
床掃除機も食器洗浄機と同様で、仕事へ行く時や外出のタイミングでスイッチを押しておけば、帰宅後はすっかり綺麗な状態になっています。これを使えば、自分で掃除機を持って歩き回る必要がなくなります。
これらの便利で完璧に機能する機械を導入することのメリットは、この面倒な作業を家族の誰がやるか、押し付け合う嫌な時間が発生しなくなることにあると言う人がいます。また、洗い方や掃除の仕方など、相手のやり方に口出ししてしまい、結局やってくれなくなるというよくある失敗談があります。この点においても、機械は完璧にやってくれますし、人より上手にこなしてくれる時代になっているのです。活用しない手はありません。
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」④洗濯物を畳まない
https://pixabay.com/ja/
家族の誰がやるか、押しつけあいになりがちな家事の代表に、洗濯物畳みがあります。疲れて帰宅した部屋に洗濯物の山が待ち構えていたら、うんざりしてしまいますよね。
そもそも衣服は、畳んでしまわなくてはいけないなんてことは全くありません。干した場所からクローゼットへ、ハンガーのまま移動して収納してしまえば良いのです。畳む手間が省けるだけなく、畳みジワを防ぐことができます。ハンガーにかけられない衣類や下着、タオルなど細々したアイテムだけ畳めば良いので、時短にも繋がります。
ハンガーにかけて収納しておく事で、何がどこにあるのかがわかりやすいと言うメリットもあるので、朝の忙しい時間帯に洋服を探して時間を要する心配もありません。
クローゼットの場所や収納方法は、見直すことによって生活のクオリティがぐっと上がります。収納アドバイザーたちの著書など参考に、家族の生活動線を見直してみましょう。大きく一箇所にしたり、季節物を別にするなど、知恵の働かせどころです。共働き家庭で家を建てる人が、洗濯から物干し、クローゼットまでの導線を最短距離にして設計する例も多々あります。
ハンガーのまま収納することを前提に、他にも工夫した分だけ労力の軽減になるので、見直せば見直すだけ快適な生活につながるでしょう。
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」⑤ネットスーパーを活用する
https://pixabay.com/ja/
毎日何かと必要な物は出てきますが、その度に買い物へ行くのも大変ですよね。かといって切らしていると家族が困ってしまいます。共働きの場合、スーパーの品揃えが良い時間に買い物に行けません。そもそも重い物を持ち運ぶのは体力的に大変で、買い物は負荷の大きい家事と言えます。
そんな負荷の大きい買い物はネットスーパーを利用すると、様々なメリットがあります。食品や日用品まで全て揃い、また自宅まで配達してくれるので、重い荷物を持って移動する手間が省けます。乳幼児を抱えた世代や、高齢者の場合、送料無料の場合もあります。実店舗での買い物で一番厄介な、夕方などの混雑する時間帯のレジ待ちも不要ですし、駐車場の空き待ちのイライラも発生しません。また、今はアプリを利用すれば特売もチェックできます。
唯一の問題は、生鮮食品などは配達時間に在宅する必要があることが多い点です。置き配など業者によってサービスが異なりますが、宅配ボックスのあるマンションを選んで住んだり、戸建てでも玄関前にボックスを設置することで、徹底してネットスーパーを利用すると決めている人がいます。省きたい労力の中で、買い物の度合いが高い人は、ネットスーパーを最大限に活用しましょう。
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」⑥外食やテイクアウトを取り入れる
https://pixabay.com/ja/
「今日は仕事で疲れたな」「食事作るのが嫌だな」と思ったら、無理して一から十まで食事を作る必要はありません。半製品を活用したり、外食やテイクアウトなどを利用して、食事作りをお休みしてはいかがでしょうか。
スーパーの冷蔵・冷凍食品売り場にある半製品をストックしておくことは、特にお勧めです。解凍した後で鍋に移し、油を加えて加熱するだけで魚介のアヒージョが作れたりします。また、玉ねぎを加えただけでエビチリが作れたり、白菜を加えただけで八宝菜が作れたりします。ほんの一手間を加えるだけで、見た目にも鮮やかな主食を作ることができるのです。こうした便利な商品を活用することで、一品増やすこともできますし、今までチャレンジしたことのなかったメニューを試すこともできます。
最近は、食べたい物やレストランの食事をデリバリーしてくれるサービスが人気です。最初は仲間内の集まりの際に利用して、今では休日のブランチや夕飯など、気軽に頼むようになった人の話を多く聞きます。
このようなサービスを気軽に利用すれば、「やらなくちゃいけない」という重い気分からきっと解放されますよ。
家事が嫌いな人におすすめの「やらない家事」⑦家事代行サービスを上手に利用する
https://pixabay.com/ja/
人には得意不得意があります。一人ではうまくいかないことはたくさんありますし、一緒に住む人と得意不得意がうまくマッチするとは限りません。お互いに苦手なことを押し付けあって、嫌な雰囲気になる時間は不快でもったいないのは皆同じで、できればいつも仲良く過ごしたいものです。それを実現するために、思い切って家事のプロに家事を行なってもらうという方法があります。最近は、乳幼児のお世話に明け暮れるママから、バリバリ働く単身者まで、家事代行サービスを依頼する人が男女問わず増えています。
家事代行サービスは、部屋の掃除を依頼するケースもあれば一週間分の食事の用意をして貰うというケースなど、依頼者のニーズに合った家事を行ってくれます。家に帰って寝るだけの多忙な日々を送っているビジネスマンでも、住んでいる部屋があって、暮らしている限り、細々とした家事は発生します。そういった部分的なサポートを依頼することもできますし、一日の家事を全部依頼する事もできます。家事をプロに頼むことで、自分自身は仕事に専念することができますし、逆に一日ゆっくり休む事もできます。
このような家事代行サービスを上手に利用すれば、仕事が忙しくて手が回らない時の心強いサポートをしてもらえたり、心も体もリフレッシュすることもできます。また、家事に課金することの付加価値として、プロならではの技でどんなところもピカピカにしてもらえるという特別な技術が期待できます。自分では手が届きにくい場所や掃除しにくい場所を定期的に掃除して貰うなど、ハウスクリーニング的な依頼をしてその良さを実感したのちに、食事のヘルプなど他のオーダーを増やしていく利用者も多いようです。
苦手なことを後回しにしてしまうとき、誰でも罪悪感を感じます。また、億劫だと思う気持ちが高まると、嫌いになってしまいます。家事代行サービスを導入することで、毎日少しずつ積み重なる「困ったな」を解消することができ、家事への抵抗感を軽減することができるのです。
「やらない家事」を取り入れて気楽に家事を楽しもう!
https://pixabay.com/ja/
誰だって、嫌いな事に時間を費やすよりも、少しでも自分のやりたい事や楽しめる時間を増やす方が毎日楽しく過ごせますよね。また、一緒に住む人と嫌なことを押し付け合う不毛な時間は、誰にとっても望ましいものではありません。
家事が嫌いなら、思い切ってやらないという選択をしてみましょう。やらないと言うと開き直っているみたいで語弊があるかもしれませんが、自分ではやらない家事を見極めることから始めてみましょう。無理して全て自分で背負わずに、時には一緒に住む人と協力しあったり、高性能な機械やサービスなどに頼ることがとても大切です。
家計において節約を重要視している場合、最初は抵抗を感じるかもしれません。また、サボりなのではないかと後ろめたく感じる人もいるかもしれません。確かに思い切った判断になるかもしれませんが、投資した分、ストレスや諍いごとがなくなるのは確かです。その後に待つ快適な日々を考えると、全く無駄ではありません。また、かかる金額はつまり今まで負担していた労力に相当する金額なのですから、今まで頑張って担当していた自分や相手を敬う気持ちに繋がります。
また、自分の時間ができる事で、他にやりたい事ができるようになったり、日頃の疲れを取るための休息ができます。時間と心のゆとりが生まれると、嫌いだった家事に対するアレルギーも軽減されていき、気軽な気持ちで家事を行う事が可能性になります。ゆとり時間に読んだ雑誌記事を参考に、新しい料理にチャレンジするやる気が湧いてくることもあります。憧れの住空間の写真を見つけたら、それに近づけられるよう整頓する習慣がつくかもしれません。そうして少しずつ苦手なことができるようになり、さらには家事嫌いを克服できるかもしれません。
自分一人でやらなくてもいい家事はたくさんあります。家事に追われるプレッシャーに苦しむことなく、毎日を楽しく過ごしましょう。