ソリタリーとは、友達といるより一人でいたい人
たいていの人は「人間は一人では生きていけない」「友達は多い方がいい」と言うものです。実際に友達がいれば、おしゃべりしたり遊んだり、旅行をしたり、一緒に盛り上がって思い出をたくさん作ることができるでしょう。友達がいれば一致団結して目的を達成したり、絆を深めることもできるでしょう。
友達がいれば寂しくない。多くの人にとって、友達がいるメリットはとても大きいものだと思います。学校教育の現場でも、休み時間にみんなで過ごすのを勧められ、一人で過ごす子を心配するような傾向すらあり、社会人になってもそれは続きます。
特に女性はどちらかと言うと受動的で集団行動を好むので、グループで行動したり、食事の場でも全員が合わせて同じメニューをオーダーする等という場面が見られます。また、人とおしゃべりをすること、共感し合うことでエネルギーを補給する人が多くいます。
しかし、「友達や恋人といるよりも、一人でいたい」という「ソリタリー」と呼ばれる人が増えています。「ソリタリー」とは、英語のソリテュード(Solitude)から発生した言葉で、孤独や一人でいることを好む人、友達がいなくても幸せな人、また、人と一緒にいることが向いていない人のことをいいます。同じ「孤独」を表す単語でも「lonely」とは違い、独りでいることを好む前向きな意味合いが強いのがソリタリー(solitary)です。
ソリタリーと内向型(内気な人)やHSPの人(繊細な人)は違います。内向型の人のように、不安が強く失敗を怖がる傾向はありません。また、HSPの人のように、人の機嫌を損ねたくない意識から疲弊してしまうこともありません。ソリタリーは人の機嫌が怖くありません。
ソリタリーの人は、自分の考えが何より大事です。人から何か言われるのが嫌いで、別に人が一緒にいなくても平気です。だから1人が好きなのです。孤独が怖くない!我が道を行く!一匹狼がいい!そう強気でいられる人で、ソリタリーは全人口のおよそ2%だそうです。
一人でいたいソリタリーの特徴
https://www.pexels.com/ja-jp/
- 1人〇〇を楽しいと思える
- 1人でも忙しく行動できる
- 自分で考え計画的に行動できる
- 指示や意見、アドバイスを嫌う
- 1人でも寂しさを感じにくい
ソリタリーチェックリスト
全10項目中、該当数が多ければ、一人でいたい『ソリタリー度が高い』と言えます。
- 1人〇〇を好んでするか
- 人のアドバイスや指示を素直に受けられない
- 自分で決断できるし、決断したい
- 計画して計画通りに行動することができる
- 求められないと意見を言わない
- 人に聞く前に自分で調べる
- 無理に恋愛したいと思わない
- 自分から人を誘うことはない
- 人と一緒に物事を作り上げようと思わない
- 1人なのに毎日充実している
参照元:
ココヨワ【判明】ソリタリーとは?1人が気楽な性格の特徴、日々の過ごし方・生き方を解説
一人でいたい、ソリタリーの特徴とは
一人でいたいソリタリーの特徴①友達を必要としない
https://pixabay.com/ja/
ソリタリーの人は1人でいる状態でも十分満足しているため、友人や恋人を作りたいというモチベーションが低く、基本的に友達はいらないと考えています。友達がいても、あまり積極的に交流を持ちたいと思いません。約束をした日が近付くと憂鬱になったりします。
普通の人は、人と関わることで楽しさを感じたりするものなのですが。ソリタリーの人はそれが逆に苦痛で仕方がなかったり、一人の方が心が落ち着いたりする人のことをいいます。
ソリタリーにとっての真の友達は自分自身。他に、犬や猫、馬などを心の友としている人も数多くいます。
一人でいたいソリタリーの特徴②一人を楽しめる
ソリタリーは一人の時間を「孤独」とは全く考えません。常に思考し、趣味や仕事で自分の時間、世界観を楽しみます。自分をうまく律することが得意なので、時間管理や生活管理、健康管理もばっちりです。
自分のしたいことに没頭し、次々とやるべきことを自分で決められるため、一人でいても飽きることがありません。もちろん、買い物やグルメ、旅行、カラオケ、焼肉、キャンプなども一人で存分に楽しめます。
複数名で焼肉に行ったら、デメリットばかりです。ことごとく自分の思い通りになりません。みんなに合わせて食べたいと思うもの以外を注文しなくてはいけなくなるし、自分のペースで食べられず、だらだらと続くおしゃべりに付き合わないといけません。この時間をもっと有効活用して、他のことができるのに!と感じてしまうのです。
ソリタリーは自己完結型で、自分だけで行動したり、考えたりすることで満足します。楽しい経験をするのにわざわざ他人と関わる必要はないと考える『究極のマイペース』なのです。
また、性的衝動からわざわざ人と関わることもなく、相手がいなければそれでOKなので、禁欲的とも言えます。
ソリタリーは、自分で迷いなく何でも決められる決断力、目標に対して道筋を考えられる思考力が飛び抜けて優れています。また情報収集能力が高く、1人で地道な努力ができる人が多いのです。
一人でいたいソリタリーの特徴③他人の干渉を嫌う
ソリタリーにとっては自分が最高の友達です。友達は多い方がいいという価値観や、恋人がいて当たり前、結婚して子供を産むのが当たり前、友達や恋人には気を使って当たり前という既存の価値観を嫌います。もちろん、そのような価値観を押し付けてくる人も苦手です。また他人からソリタリーであることを否定されたり、口出しされることは、大きなストレスとなるでしょう。
ソリタリーの特徴を知らない人は、一人で寂しくないのだろうか?誰とも話をしなくても寂しくないの?と不思議に思うのではないでしょうか。いいえ違います。ソリタリーは、むしろ自分の意見がわかってもらえず、行動を否定されたり、無理に誘われたりするような、相手と分かり合えない時にこそ寂しさを感じるのです。
一人でいたい人を、「孤独な人」「ぼっち」などとネガティブに言う人もきっと多いはず。しかし、ひとりが好きな人だって世の中にはたくさんいるのです。
ソリタリーは失敗してでもいいから、自分の意見で行動したいと思ってます。自分の段取りを邪魔されたくないし、自分で責任を取ればいいと考えています。
一人でいたい「ソリタリー」は孤独とは無縁
ソリタリーは友達や他人と一緒にいるよりも、「一人でいたい」気持ちが強い人です。ソリタリーにとって、一番のベストコンディションは一人でいる状態なのですから、そもそも人と一緒にいることに向いておらず、団体行動ができません。
ソリタリーは多くの人が持つ”寂しい”という感情には共感できません。一人で習い事をして、一人で食事して、一人で映画を見ても、何も寂しくなんかないのですから。多趣味で1人の予定をたくさん持っていて、行動的なソリタリーは多くいます。毎日様々な予定を組んで、その都度都度その場所のコミュニティーに顔を出して、せっせと活動し、風のように去っていくのです。前後に仲間と喫茶店でわちゃわちゃおしゃべりするなんて時間がもったいない!楽しいことを集中的に楽しんで、次の予定に向かうのです。一人が好きだからといって、家に引きこもって孤独にしている…というわけではありません。
中には、人付き合いに疲弊した経験がトラウマになり、はっきりとソリタリーとして自覚する人も少なくないようです。
「人に気を遣いたくないんです。誰かと一緒に遊びに行くのもいちいちお伺いを立ててスケジュール調整して、行けば行ったで何かと面倒で嫌になるんです。私にとって一人ほど気楽なことはありません」(30歳・プランナー)
「友達と一緒にいると、しなくてもいいことに時間がかかりすぎる。したくないことも、自分一人抜けると不審がられたり、悪く言われたりしてバカみたい。LINEの既読スルーで文句言われたり、次の予定を聞かれるのも全部面倒くさいです」(24歳・派遣社員)
芸能人にもいる、一人でいたいソリタリー
https://pixabay.com/ja/
ソリタリーの人は、フリーランスなど一人でする仕事に就いている人が多いようです。中には、住み慣れた都会を離れ、田舎や大自然の中でソリタリー生活を楽しむ人も少なくありません。
「5年前に東京から西日本の田舎に引っ越しました。田舎の一人暮らしは快適です。どんな僻地でもAmazonは使えるので不便もないです。メールやSNSで十分仕事のコミュニケーションがとれるし、人と直接合わなくても問題ありません。ペットの犬がいるだけで十分幸せ。ネットやスマホがあれば友達は必要ありません」(37歳・デザイナー)
芸能人では、ソロキャンプが話題の芸人「ヒロシ」さんの生き方もソリタリー的特徴があります。一人でキャンプを楽しむために山を買ったというヒロシさんは、ソロキャンプの魅力を「一人でキャンプに行けば、嫌になったら途中で帰れるし、誰かに合わせて我慢する必要がない」と話していました。
また、最近結婚したばかりの女優の壇蜜さんも、夫婦がお互い仕事で自立して依存せず個人の生活を尊重するソリタリー的な結婚生活を送っていることで知られています。
他にソリタリーとして知られているのは、人嫌い、交際嫌いを自認した作家の萩原朔太郎さんや、一人でいるところをパパラッチされることが多々ある映画俳優のキアヌ・リーブスさんなどもソリタリーではないかと言われています。
ソリタリーは一人でいたいけど、人嫌いではない
https://pixabay.com/ja/
孤独を愛し、他人と関わるのを避けるソリタリーに対して、「変わった人」「人間嫌いなんだ」と変人扱いする人はまだ多いことでしょう。学校生活や旅行など、団体行動ができないと白い目で見られることが多く、ソリタリーにとっては生きづらい環境であることは確かです。
先ほど述べたように、ソリタリーにとって、一番のベストコンディションは一人でいる状態なので友人が絶対必要ではありません。人とはベタベタせず個人を優先する距離感を望みます。
少しネガティブな言い方になりますが、ソリタリーの人は、自分の予定の優先順位が高いのです。ですから、観たいテレビ番組があるから…などといった、他人から見たらびっくりするほど自己中心的な理由で誘いを断れます。 全く悪気はなく、自分にとって大切な時間を選択する『究極のマイペース』さんの真骨頂とも言える選択です。
ソリタリーは性格であり、気質です。個々の人に対して常識やコミュニケーションも十分持ち合わせていますが、基本は一人が好きなのです。ソリタリーは一人でいることに、孤独感や寂しさを感じることはありません。他人との関わりを好みはしませんが、人が嫌いというわけではないし、他人を完全拒否しているわけではありません。ソリタリーの友人関係は『ドライ』です。
友達を始め、他人とのつながりを求めない強さは、自分への信頼感があってこそ。精神的に安定し、自立した人であることが多いのも特徴です。
一人でいたいソリタリーだけど、パートナーがいる人も
https://pixabay.com/ja/
友達は必要ないというソリタリーでも、恋人がいたり、結婚したりすることは少なくありません。パートナーになるのは、ソリタリーであることを共有できる人であることがほとんどです。
特に異性に対する性的衝動が薄く、どちらかというと草食系が多いソリタリー。相手がいなければいなくても構わないというスタンスなので、同じタイプのパートナーと巡り会えれば、仲が良い友達夫婦として長続きするでしょう。いくら愛する人と生活できるとはいえ、ソリタリーは一人の時間が確保できないと疲れてしまうことからも、個人個人の部屋を作るなど多少の工夫は必要かもしれません。また、自分の予定の優先順位が高いことにおいても、理解してもらえる相手が必要です。恋人や家族と一緒に過ごす時間を強要しないことはもちろん、それでお互いの人生が豊かになると思える相手に巡り会えたら、その人を逃してはいけないでしょう。
自分たちが予期できないさまざまな関係性に巻き込まれてしまうため、子供はいらないという夫婦も少なくありません。友達がいなくても、恋人さえいればそれで十分。ソリタリーの結婚は価値観を共有する相手を見つけるかどうかにかかっていると言えそうです。
「ソリタリーであることを受け入れてくれる人と結婚しました。寝室は別、お互いの部屋もあって一人の時間を大事にするライフスタイルです。たまに一緒にご飯を食べたり、出かけたり。気を使わず一緒にいても無理がない相手とのご縁に感謝しています」(28歳・会社員)
一人でいたい。ソリタリーならではの悩みも
https://pixabay.com/ja/
ソリタリーは、心の中で、あるいは日記など、ものを書くことで自分自身と常に対話をしていることが少なくありません。普通の人であるならば、自分の考えを述べる時に周りの反応を過剰に気にしたりするものなのですが、ソリタリーの人というのは基本的に周りを気にしないで堂々と自分の意見を述べたりします。人が考え付かないような意見などを堂々と述べたりすることからも、作家や芸術家、研究者などにソリタリーが多いようです。
変化に対応するバランス感覚もすぐれているため、一人でいることに孤独を感じることはなく、本当の友達は自分の心の中にいると考えることができるのです。それが彼らの作品を生み出すパワーとなるのではないでしょうか。
しかし、ソリタリーならではの悩みも多いようです。特に、ソリタリーにとって、職場の仲間や友達との付き合いの中で葛藤や引け目を感じるのはつらいことかもしれません。
「あの人は誘っても来ないからと、仲間の飲み会に誘われなくなるのはちょっと寂しくて傷つく。でも仕方ないかなとも思う。友達関係を意識すると、自己矛盾がありすぎてつらくなる」(26歳・メーカー)
「干渉せず見守ってほしいと言ったら、絶対に甘えに聞こえるでしょうね。でも誰かと時間を共有しすぎる世間の付き合いが私にはとても苦痛です。仕事の付き合いで飲み会に行っても2時間が限界。早く一人になりたくてどんどん悲しくなってくるんです」(34歳・建築)
「今後自分が歳をとって、老衰なんかでどこにも行けなくなると想像するのは怖い。孤独死かなといつも考える。そうなる前に安楽死したいと思ったり、ネガティブなことをずっと考えてしまうこともある」(37歳・ライター)
「『ぼっち』とか『閉じてる』とか言われてるのは耳に入ってくるけど、その通りだからまぁいいかと思う反面、何だか分かり合えないなという虚しさも感じる。同じソリタリーと共感し合いたいと思うこともある」(30歳・プログラマー)
ソリタリーは一人でいたいという意識と裏腹に、心の奥では他人との交流を求めている自分に葛藤を感じたり、逆に他人との深いつながりが持てない自分に引け目を感じてしまうこともあるようです。
集団に属さないというだけで、無性に生きづらさを感じるのも、ソリタリーであるゆえの悩みだと言えるでしょう。
https://pixabay.com/ja/
ソリタリーが対人関係で起こしやすい問題として、ソリタリーの感情表現不足があげられます。精神医学のジョン・オールドハム教授は“The New Personality Self-Portrait”という著書でソリタリーの特徴をまとめ、ソリタリーの”リハビリ”プランとして、他人の感情をよく読み取ることを心掛けよ、とアドバイスしています。
オールドハム教授はまた、ソリタリーに向いている仕事としては、クリエイティブ職、エンジニア職があるとした上で、ソリタリーに他人ありきの仕事は避けるべし!とアドバイスを送ります。
ソリタリーは会社で働いていても、同僚との長話や電話に興じることなく、忠実かつ真面目に仕事をこなすため、それなりに成功を収めることができます。ただ、それが管理職など他人をマネージメントする仕事になると、苦手意識が伴います。自己完結型のソリタリーにとって、他人を動かす、結果が他人ありきという状態は、ひどく耐えがたいものがあるのです。ソリタリーだとしても、それを理由にキャリアを諦めないでほしい。ソリタリーであっても、別の性質が掛け合わさっていることもあるから、そちらの長所に注目して、可能性を見出してほしい、とオールドハム教授は言います。
ソリタリーに向いているキャリア
https://pixabay.com/ja/
- セルフスターターが求められる職場
- フリーランス
- 検査・品質管理
- メディア運営・インフルエンサーマーケット
- アドバイザー
セルフスターターとは、企画から営業、事務仕事まで、1人で何でも担当できる人のことです。普通は難しい仕事のため求人票にははっきりと書けませんが、事業が始まりたての職場のことが多いです。そんな風にまだ方向性が決まってない中で、自由に結果を出していいと裁量を任される職場の場合、ソリタリーは水を得た魚のように働けることがあります。
旅行や自由時間の過ごし方の例でもあげた通り、ソリタリーは常に自分で考えて実行できます。自分でできることは自分でやりたい気質でもあり、結果を出せばある程度自由でも良いと言われれば、天職だと思えるでしょう。ソリタリーは傷つきやすいHSPと違い、電話応対等も平気です。段取りもできるので、目標に対して着実に行動でき、営業職もこなします。
https://pixabay.com/
ソリタリーにとってもちろん一番向いているのが、高いスキルを軸に会社に属せず働くフリーランスです。上司もいないため口出しされることもないため向いていますが、一瞬で食べていけなくなる厳しい世界です。団体行動ができないから…と、自分の特性をネガティブに捉えて諦めることはありません。長所と得意なことがとことん活かせる仕事も十分に存在するのです。
また、ソリタリーの人の独特なセンスや目の付け所の特異性には定評があります。服装についても人と違うので注目されやすく、YouTuberやインスタグラマーなど、インフルエンサーマーケットで成功しうるのです。しかし、より多くの人と繋がることで有名になって収益を得ることが求められるSNSの世界は、友達が要らない群れたがらないソリタリーにとって辛い環境かもしれません。常にもっとこうしたほうが収益が増えるとアドバイスされることも、ストレスに感じます。
良いパートナを見つけて分業することで、運営に成功することが可能になるでしょう。黙々と継続的に個人ブログを運営し意見を発信することや、クリエーションを公開する作業を根気よく続けることは得意なので、いろいろなやり方を試す価値があります。
多様性の時代を生きるソリタリーは、一人でいるのが何より自由で幸せ
https://pixabay.com/ja/
友達と一緒にいるよりも、一人で行動するの好きなソリタリー。ソリタリーは協調性がない!単独行動しかできないから悪い!というものでは決してありません。人付き合いで消耗しすぎてしまうなら、ひょっとするとあなたもソリタリーかもしれません。
自分をソリタリーだと認め、ソリタリーが楽しく生きることにシフトするのが大切です。また、ソリタリーはその長所をうまく活かしながら社会や人と関わっていくことが大切です。
多様な性質を受け入れる世の中になりつつある中で「あの人は人嫌いみたい」と誤解されて、様々な人との出会いをなくすことは、様々なチャンスを逃すことになり、もったいないことです。あなたの才能を生かすのには、多少のバックアップやチャンスが必要なのですから!
変わり者だなと思いつつも声をかけてくれる人には、精一杯誠実な対応を心がけましょう。自分の苦手な分野を知らせて、理解してもらい、助け合いながら生きることは、ソリタリーといえども必要なことなのです。