【自宅で作れる韓国料理】簡単レシピをご紹介します♬

韓国料理の特徴

両国は海峡を挟んでお隣同士ということもあって、日本料理と韓国料理の味付けは、お互いに美味しいと感じるものが多いと言われています。気候風土が類似していること、そして共に中国の強い影響を受けて文化が発展してきたことにより、食材や調味料も似通っているのでしょう。

日本で最も多く使われている調味法は醤油、塩、砂糖ですが、韓国では醤油、砂糖、ごま油で味付けした料理が最多です。

韓国で多く使われる薬味はニンニク、ネギ、ごま、ショウガ、こしょう、唐辛子、コチュジャンです。

真っ赤なキムチに代表される唐辛子、韓国料理と言えば辛い唐辛子のイメージがありますが、この唐辛子、実は日本経由で韓国に伝わったと言われています。

韓国の味の核となる唐辛子が、日本から伝わっていたなんて、ちょっと嬉しい気持ちになりますよね。

歴史的にみると、日本の文化の基盤となるような重要な思想や技術が朝鮮半島を経て日本に伝わっています。

お互いに無くてはならない大切なお隣さん、そんな韓国のお料理を自宅で作って味わってみましょう。

参考文献
「料理本をもとにした韓国料理と日本料理の比較」

自宅で作れる韓国料理①ビビンバ

筆者撮影

日本語ではビビンバと平坦に発音しますが、本場韓国では[pibimpʼap̚]「ピビンパッ」とアクセントがついた有気音で発声されています。

「ピビン」が混ぜることを「パプ」がご飯をそれぞれ意味するというから、素材と食べ方を示す合理的な名称で覚えやすいですね。

ビビンバと言えば、ソウルから南に230キロ下ったところにある全州ビビンバが特に有名で、国の無形文化財にも指定されています。

全州ビビンバは、ご飯の上にのせる具の種類が多いのが特徴的です。

大根、もやし、セリ、カボチャ、緑豆寒天、モジャ(淡水魚)、蟹など全州10味と呼ばれる具材を載せます。

また、全州ビビンバが他にはない深い味わいになるのは、ご飯の炊き方にもこだわりがあるからです。全州ビビンバのご飯は水で炊かずに、牛肉からとったスープで炊きます。

具材にもご飯の炊き方にも凝りに凝ったビビンバを混ぜるときは、スプーンではなくお箸でかき混ぜます。

こうすると、ご飯や食材をつぶさずに、満遍なく味をからませることができます。

自宅で作る時も、試してみてください。

材料(二人分)

【具材】

・ごはん1~2合
・牛バラ肉100グラム
・卵2個
・ニンジン100グラム
・もやし100グラム
・ホウレンソウ200グラム

【調味料】

・醤油大さじ1
・すりごま小さじ1
・ごま油小さじ1
・砂糖小さじ1
・鶏がらスープの素小さじ1
・コチュジャン大さじ1
・焼き肉のタレ大さじ2

作り方

➀ニンジン、もやし、ホウレンソウを1分茹でてから水を切り容器に入れる。

②➀に醤油大匙1、すりごま小匙1、ごま油小匙1、砂糖小匙1、鶏がらスープの素小匙1を入れてから和えてナムルを作る。

③牛肉を焼き肉のタレで炒める。

④ごはんの上に②のナムル、③の牛肉、生卵、コチュジャンを載せて出来上がり。

注)

*キムチを載せても美味しいです。

*焼肉のタレを使った簡単レシピをご紹介しましたが、醤油大さじ1、砂糖小さじ2、ごま油小さじ2、ニンニク1片みじん切りで炒めると、より本格的。

自宅で作れる韓国料理②チジミ

筆者撮影

日韓のお料理本で紹介されている主食の種類を比べると、日本では圧倒的にお米を使った主食が多く80%を占めます。

ところが、韓国ではお米を使った主食、小麦粉を使った主食がそれぞれ40%ずつを占めます。

韓国では家庭で作る主食も、小麦粉を使ったお料理の割合が日本よりもだいぶ多いことが類推できます。

韓国で小麦粉を使ったお料理の代表的なものがチジミです。

チジミは、小麦粉を溶いて海鮮や野菜、キムチを合わせて油で焼いた食べ物です。

日本の長野県でおやつに食べるニラせんべい、中国で朝食に食べる葱油餅は味も作り方もチジミによく似ています。

チジミは韓国の標準語ではプチムゲやチョンと呼ばれますが、チョンは漢字では煎と書きます。中国語では煎はヂィエンと発音し、油で焼くという意味です。たくさんの言葉が大陸から朝鮮半島を経て日本に伝わりますが、中国語、韓国語、日本語の順に比べると、少しずつ発音や意味が変化しながら伝わる様子が分かって面白いですね。

チジミはあり合わせの具材を使っても、自宅で簡単に作れる手軽なお料理です。

ぜひ、試してみてください。

材料(二人分)

【具材】

・片栗粉10グラム
・小麦粉50グラム
・卵1個
・豚バラ細切れ100グラム
・キムチ100グラム、

【調味料】

・ごま油大さじ1
・鶏がらスープの素小さじ1

【タレ】

・醤油大さじ1
・砂糖小さじ1
・ごま油小さじ1
・コチュジャン小さじ1
・酢小さじ1

作り方

➀小麦粉、片栗粉、卵、鶏がらスープの素小さじ1、豚バラ細切れ、水100㏄をボウルに入れよく混ぜる。

②フライパンにごま油大匙1を入れ、①を薄く敷いて片面10分ほど中火で焼けば出来上がり。

③タレの調味料を全部よく混ぜ合わせ、好みでチジミと一緒に食べる。

自宅で作れる韓国料理③プルコギ

筆者撮影

「プル」は火、「コギ」は肉という意味です。

日本のすき焼きのように、韓国料理を代表する肉料理です。

作り方も簡単で、自宅でササっと作るのにピッタリなお料理です。

プルコギは1960年代の朝鮮戦争の攻撃で家を失った韓国の人々が、お醤油で味付けした肉を屋外でコンロを使って焼いて食べたのが起源だそうです。

簡単で美味しくて栄養たっぷりの非常食として始まった家庭料理だったのですね。

戦時中とは違って現在では、お醤油、砂糖、お酒、ごま油、ニンニク、ショウガ、リンゴ、ナシなどを混ぜ合わせたタレに牛肉を漬け込むところからお料理はスタートします。

日本の鶏のから揚げや焼き肉と同じで、タレに漬け込む時間は作る人によってこだわりがあるようです。

30分から数時間、なかには一晩漬けこむという人もいます。

本場韓国では中央が盛り上がった独特な形状の鍋を使って、タレに漬け込んだ牛肉とその他の好きな具材(キノコ、野菜、春さめなど)を調理します。

日本では、牛肉を使ったレシピが多く紹介されていますが、韓国では豚肉や鶏肉を使って作るバージョンもあります。

辛くない韓国料理なので、自宅で小さいお子さんと食べる時にはぴったりのメニューです。

甘くてしょっぱくてご飯が進むプルコギは、キムチやビビンバと並んで世界的にも知られる韓国を代表するお料理です。

材料(二人分)

【具材】

・牛肉薄切り200グラム
・玉ねぎ100グラム
・にんじん50グラム
・しいたけ50グラム
・青ネギ50グラム。

【調味料】

・サラダ油大さじ1
・塩小さじ1/2
・白いりごま小さじ1
・ごま油小さじ1

【漬け込みダレ】

・醤油大匙1、砂糖小匙1、ごま油小匙1、コチュジャン小匙1、ニンニク1片、酒大匙1

作り方

➀漬け込みダレを混ぜ合わせ、牛肉を入れて30分ほど漬ける。

②野菜は全て2ミリ程度の細切りにする。

③フライパンにサラダ油大さじ1を引いて、野菜と①の牛肉を炒め、仕上げに塩少々と白いりごまで味を調える。

自宅で作れる韓国料理④スンドゥブチゲ(豆腐チゲ)

筆者撮影

韓国では鍋料理のことをチゲといいます。スンドゥブは日本のおぼろ豆腐に相当する柔らかいお豆腐、純豆腐を指すので、『スンドゥブチゲ』とは純豆腐の入った鍋料理のことです。

韓国料理の豆腐チゲは、『トゥブチゲ』と言い、これに使用される豆腐は木綿豆腐よりも固いお豆腐です。

ちなみに、豆腐発祥の地、中国のお豆腐は日本の木綿豆腐よりも更に固めで、麻婆豆腐などの炒め料理に使っても崩れにくいのが特徴です。

スンドゥブは豆乳に凝固剤を加えたままの状態で、絞らないので、水分たっぷりでスープに入るとふわふわの食感になります。

スンドゥブチゲは鍋料理で、アサリやシジミといった貝類、肉、野菜を入れて水を入れて煮込みます。豊富な具材から様々な旨味が溶け出したところにふわふわの純豆腐と生卵を落とすので、豆腐に具材の旨味が一体化していきます。

味付けはコチュジャン、唐辛子粉、ニンニク、ごま油などを使います。

韓国料理の鍋物は具材が豊富で味も複雑、暑い夏には食欲増進の、寒い冬には体温を上げて抵抗力を高める効果があります。

まさに、薬食同源の思想を体現したお料理ですよね。

スンドゥブチゲの美味しさは純豆腐のふわふわの食感と旨味との融合性にあり、自宅で再現するのが難しいかもしれません。

具材や調味料を調整しながら、最適な味を模索してみてください。

材料(二人分)

【具材】

・おぼろ豆腐(絹ごし豆腐でも可)1丁
・豚こま切れ肉50グラム
・あさり10個くらい
・玉ねぎ100グラム
・にら30グラム
・卵2個

【調味料】

・ニンニク1片みじん切り
・ショウガ1片みじん切り
・ごま油小さじ1
・コチュジャン大さじ1
・醤油大さじ1
・みりん大さじ1
・鶏がらスープの素小さじ2
・粉唐辛子大さじ1、

作り方

➀玉ねぎは薄切り、ニラは3センチ幅に切る。

②鍋にごま油を入れニンニク、ショウガ、コチュジャンで豚肉を炒める。

③水500mlを入れた鍋を火にかけ、湧いたら玉ねぎ、ニラ、アサリを入れ、醤油、みりん、鶏がらスープの素、粉唐辛子で味付けする。

④野菜が煮えたら豆腐をスプーンですくって入れて、最後に卵を2個割入れる。

自宅で作れる韓国料理⑤冷麺

筆者撮影

冷麺は北朝鮮の首都である平壌が本場として知られています。

麺は蕎麦粉や緑豆粉を主原料とし、つなぎとしてデンプンや小麦粉を入れます。

具材には肉、ゆでたまご、キュウリ、なし、キムチ、などを入れます。

スープは牛骨を煮出した汁にコチュジャン、酢、砂糖、ごま油を合わせたあっさり味の冷たいスープです。

本場で食べるスープはだしの味が効いているため、塩分少なめでもさっぱり美味しくいただけます。

自宅で作るときは、牛骨を煮出したスープを作るのは手間がかかって難しいでしょう。

調味料だけでスープを作る場合は、醤油や塩をある程度使わないと美味しく仕上がらないかもしれません。

材料(二人分)

【具材】

・韓国冷麺or盛岡冷麺(そうめんでも可)2人分
・鶏ささみ100グラム
・ゆで卵2個
・キュウリ50グラム
・キムチ50グラム

【調味料】

・醤油大さじ2
・酢大さじ2
・レモン大さじ1
・鶏がらスープの素大さじ1
・塩小さじ1/2
・ごま油小さじ1
・砂糖小さじ2

作り方

➀鍋に湯を300mlほど入れ火にかけ、沸騰したら鶏ささみと塩を一つまみ入れ、蓋をして火を止める。

②10分したら鶏ささみを取り出し細く割いてから冷蔵庫で冷やす。

③鍋に水400mlを入れて火にかけ、酢とレモン以外の調味料を全部入れてよく溶かす。

④一煮立ちしたら火を止めて酢とレモンを加え、粗熱を取ったら冷蔵庫でよく冷やす。

⑤茹でた麺にキュウリ、キムチ、鶏肉、卵を載せてスープをかけて出来上がり。

自宅で韓国料理を作って韓国文化を満喫しよう!

https://pixabay.com/ja/

世界遺産にも登録されている韓国の味を代表するキムチ。

キムチが真っ赤で辛くて美味しいのは、唐辛子を大量に投入しているからですよね。

17世紀の韓国の古文書によると唐辛子は日本から持ち込まれたため「倭芥子」と呼ぶと書かれています。

唐辛子はもともと中南米の原産ですが、16世紀にポルトガル人によって日本の大分県にもたらされ、その後、秀吉の朝鮮出兵の際に日本兵の手で朝鮮に持ち込まれたと言われています。

歴史で習ったとおり、仏教や騎馬文化など日本の文化の根幹を形成する多くの文化が朝鮮半島を経て日本に伝わっています。

日本と韓国は歴史的に見ても、現代社会でも、食・文化・技術が行ったり来たりして互いの国の発展を促進させています。

自宅で韓国料理を作りながら、両国の食文化の往来と発展に思いをはせるのも、また、楽しいかもしれません。

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