オーストラリアでもコロナウイルスは感染を広げている
皆様はお元気ですか?ご家族、お友達、仕事関係の仲間たちは、元気ですか?
新型ウイルスコロナがここまで世界各国で感染が拡大するとは、誰も予測していなかったことでしょう。そして今現在も感染被害を完全にストップすることができていません。
日本と反対側の南半球に位置する世界最大の島国、オーストラリアでもコロナウイルスは異常なスピードで感染を広げて行きました。恐ろしいほど、オーストラリアの人々の生活を変えて行きました。
2019年、オーストラリアで最大規模の被害だと言われる森林火災が発生し、数百人の人々が家屋、仕事、家族、家畜を失い、数万匹の動物たちが火傷を負い、亡くなっていきました。その被害が回復する間もなく、2020年3月よりコロナ感染拡大が始まったのです。
誰もが自分とは関係のないことだと考えていました。しかし、急速な感染スピードと深刻な状況を知ることにより、現状をしっかりと受け入れて対応していく必要が出てきました。
オーストラリア政府も迅速な決断、サポートを開始、オーストラリア国民と経済を守るためにあらゆる政策が打ち出されました。
オーストラリア国内のコロナ感染進捗状況
オーストラリア国内のコロナ感染進捗状況・第一波
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新型ウイルス「コロナ」が中国で流行になっている話は、2019年12月、既にオーストラリアに届いていました。12月下旬には、中国からの観光客受け入れをストップする案がオーストラリア政府内で提案され、2020年1月にその案が執行されました。一年中、中国からの観光客を大量に受け入れているオーストラリア観光業界にとっては、大きな打撃の始まりでした。
2020年3月には、世界各国でコロナ感染拡大が認識され、オーストラリアの最も大きな都市であるシドニー、メルボルンでも他の都市、州を遥かに上回るスピードで感染者数が増加していきました。
2020年4月には、海外からの訪問規制だけでなく、各州のボーダー(州境)が封鎖され、オーストラリア国内での移動ができない状況になりました。出産のため実家を訪れていた母親、仕事で他の都市に滞在していたビジネスマン、多くの人々がしばらくの間家族と離ればなれになる非常に寂しい状況に強いられました。
オーストラリア国内のコロナ感染進捗状況・第二波
オーストラリア国民誰もが望んでいなかったことが今現在、オーストラリアで起こっています。コロナ感染拡大、第二波の悲劇です。
感染者数の減少により、2020年6月から少しずつあらゆる生活規制の緩和が行われ、2020年7月上旬には各州のボーダー(州境)も開通されました。
しかし、その後2週間も経たない内にメルボルンにて新たなコロナ感染者が確認され、その数は停まることなく日々急速に増加し続けています。
そして、メルボルンだけでなく、シドニーでも新しいコロナ感染者が増加し始め、再び各州のボーダーが封鎖されることになりました。
規制緩和でやっと仕事を再開、復帰できた人々が再び職を失い、自宅待機しなければならなくなりました。この状況をどのように乗り切るか、終わりが来る日はあるのか、誰もが不安と恐怖に戦いながら生き続けています。
オーストラリア政府からの保証、補助制度
就労者に対する保証
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コロナ感染拡大により、オーストラリア国内では多くの人々が仕事を失いました。特に観光業界が盛んなこの国にとって、海外からの観光客を受け入れられないということは、予想を遥かに超える業種に打撃を与えています。
この厳しい状況をサポートするため、オーストラリア政府は仕事を失った就労者に対して、金銭的補助を行う政策「ジョブキーパー」と「ジョブシーカー」を発表しました。
- ジョブキーパー: ある程度の規模の企業に対し、フルタイム、パートタイム、カジュアル(12ヶ月以上)就労者を保持するために1従業員あたりAS$1500(2週間毎)がオーストラリア政府から支払われる制度。企業の判断によって、どの従業員にどの金額が支払われるか決められる。
- ジョブシーカー:コロナ感染拡大が原因で仕事を失った人々に対して、オーストラリア政府から直接補助される制度。個人の状況によって、補助金額が異なる。
この2つの政策は、オーストラリア国民、永住権保持者のみが対象となっています。どちらも素晴らしい政策なのですが、この制度を悪用し、仕事が再開しても復帰せず、国からの補助金を授受し続けているオーストラリア国民が多いことも現実にあります。実際に働いていた時の給与より高い金額を手に入れられるからです。
現在のラオスでのCOVID-19の流行に関するステータス情報
留学生に対する保証
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学生ビザ保持者が学校封鎖によって対面式授業に参加できない状況が発生しています。また、十分なオンライン授業も行われず、予定していた期間内に学校を卒業できない可能性がある留学生もいます。オーストラリア政府は、そのような留学生に対して、無料で学生ビザの延長を認める政策を発表しました。
また、バイトを失い、生活に困っている留学生に対し、無料で食事を提供する学生寮や飲食店が数多く手を上げています。留学前にはあまり気づいていなかったかもしれませんが、このような厳しい状況になっても海外の生徒を心からの親切でサポートしてくれるオーストラリアの人々の素晴らしい人格と温かい気持ちを多くの留学生が感じています。
生活関係に関する補助制度
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オーストラリアで暮らしていくには、日本よりも遥かに高額な光熱費がかかります。多くの人が知っているようにオーストラリアは、大きな島国でありながら水不足の問題を常に抱えており、また電気代もビックリするほどの高額です。
そのため、全家庭の光熱費を補助するため、オーストラリア政府は1世帯あたりAS$200を一度だけ支給する政策を発表しました。オーストラリアで暮らす人々にとって、非常に有り難い補助金政策なのです。
エッセンシャルワーカーと呼ばれる仕事に就いている人々は、2020年3月〜7月まで携帯電話料金が無料になりました。病院、介護施設、食料補給関係の職種がその対象です。
オーストラリアでは、駐車違反者に対して厳しく、罰則金も非常に高額です。しかし、2020年3月〜7月まで全国の各駐車場が無料になりました。少しでも国民の負担を減らすよう考えられたオーストラリア政府の対応です。
オーストラリア政府が打ち出したコロナに関する規制・禁止事項
人々の距離
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オーストラリアの人々は、とてもフレンドリーなことで有名でしょうが、コロナ感染を防ぐため、家族以外の人との距離を1.5m以上保つようオーストラリア政府が発令しました。
これにより、スーパーマーケットや各ショップへの入場制限が行われ、人々の接触を可能な限り防ぐよう、入り口と出口が完全に隔離して設置されています。誰かとすれ違うとき、笑顔で挨拶する人々が多いオーストラリアで、今現在、気軽に話しかけることもできなくない、哀しい状況になっています。
レストラン、カフェ
2020年3月より、店内での飲食が禁止され、テイクアウトのみ許可されました。支払方法は、現金の取り扱い禁止、クレジットカードのみが使用できます。
2020年6月より、1店舗5名までの店内飲食が許可されました。しかし、お客様同士の距離は、1.5m以上保つことが必須です。家族経営などの小さなショップにとっては不可能なことであり、未だに再開できない店舗も多くあります。
2020年7月より、1店舗20名までの店内飲食が許可されました。もちろん、1.5mの距離規制は続いています。この頃より、多くの都市で活気が戻り始め、人々の笑顔も街中に溢れてくるようになりました。
イベント
ウエディングパーティーは5名までの参加者、お葬式は10名までの参加者と規制されました。これでも規制が緩和された時の数字です。
2020年3月〜5月は、一切の参加者が許されず、ウエディングパーティーにおいては、新郎・新婦だけであっても開催すら禁止されていました。
オーストラリア国内で実際に発生したコロナ関係の犯罪
マスク
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日本では、冬のシーズンや花粉が大量に発生するシーズンに多くの人々がマスクを着用しているでしょう。オーストラリアでは、ほぼその習慣がありません。オーストラリアの南側、ヴィクトリア州、ニューサウスウエルス州では、冬のシーズンとても寒い気候が続きますが、マスクを着用する人をほとんど見かけません。
しかし、このコロナ感染拡大により、特に第二波が起こっているメルボルンではマスク着用が義務づけられることになりました。先日、この政策に対して意義を唱え、マスク着用を促した店舗スタッフに対して抗議した女性客が逮捕され、AS$200の罰金が課せられました。
外出
コロナ感染拡大第一波の頃、2020年3月〜5月、オーストラリア政府は国民に対して不要不急の外出は控え、自宅で過ごすよう警告しました。
この政策により、バイクで友人宅へ向かっていたドライバー、道路脇に車を止めて仮眠していたドライバーがパトロールしていた警察に不要な外出だと判断され、それぞれAS$360の罰金が課せられました。
自主隔離
海外からの移動者、コロナ感染の症状がある者、コロナ感染者と接触があった者など、コロナ感染を調べる検査受診および14日間の自宅隔離、もしくは自己負担によるホテルでの隔離が義務づけられています。
しかし、警察の抜き打ちの調査によって、隔離を行っていなかったことを発見された人々がそれぞれAS$3600の罰金を課せられました。
残念なことに、今現在も800人以上の自宅隔離要請者が所在不明な状況です。
違法入州
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2020年7月、コロナ感染拡大第二波が起こっているメルボルンからの移動が禁止されているにもかかわらず、2人のアフリカ人女性が偽りの名前と滞在場所を使い、メルボルンからシドニーへ入りました。
更に悪いことに彼女たちは、コロナに感染していることも隠していたのです。
この状況を発見したオーストラリア政府が、警察と共にオーストラリア国内全土に情報を発信し2人を確保、今現在病院で隔離しています。
しかし、2人は警察に確保されるまでの間、レストランやカフェなどを訪れており、その同じ場所を訪れた別のオーストラリア人がコロナに感染してしまったことが確認されました。それぞれのレストランとカフェは消毒のため封鎖、その場所を訪れた人々も自宅隔離を強いられています。
更に悪いことに、この2人は教師であり、勤務する小学校にも行っていました。直ちに小学校は封鎖され、全学生および教師、スタッフがコロナ感染検査を受けました。教師という職に就きながら、また一社会人として恥ずべき行動をした2人にオーストラリア国内だけでなく、世界中から批判の声が集まっています。
オーストラリア政府によると、2人はそれぞれ最長5年間刑務所へ送られることになっています。
スーパーマーケット
日本国内でも一時期、トイレットペーパーが店舗から消える現象が起きていましたが、オーストラリアでも同じ状況が起こっていました。
あるスーパーマーケットでトイレットペーパーを大量に確保した女性客とそれを奪おうとした別の女性客との争いがSNS上にアップされ、オーストラリア国内全土でのニュースとなり、最終的にこの事件が裁判所まで送られました。
また、別のスーパーマーケットの倉庫前で待ち伏せしていた2人組の男性は、倉庫担当者が扉を開けた瞬間担当者を襲い、倉庫に侵入してトイレットペーパーを盗んで走り去る映像がニュースに流されました。残念ながら、この2人組はまだ逮捕されていません。
ホームパーティー
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自宅に友人10人以上を招き、ホームパーティーしていたオーストラリア人が参加者含め、全員逮捕されました。パーティーを開催した主催者は、このパーティーだけでなく、その逮捕後も再度ホームパーティーを開催および再び逮捕され、2回目の逮捕ではAS$36000以上の罰金が課せられました。
自宅に家族以外の者が集まることが規制されている状況での出来事です。
野外パーティー
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バックパッカー用宿泊施設のバーベキューエリアで飲み会をしていたグループ、またクイーンズランド州のビーチでピクニックしていたグルーブ、それぞれの参加者全員が逮捕され、一人当たりAS$600の罰金が課せられました。
家族以外の人との距離を保っていないこと、不要な外出が原因です。
オーストラリアのビーチなどには、いつも多くの人がリラックスして過ごしていますが、今現在、ほとんど人がいない状況で、多くの人数が集まると目立つだけでなく、オーストラリアにはあらゆる場所にCCTV(防犯カメラ)が設置されており、ビルの屋上であっても常に監視されていることを今回の事件で多くの人が認識したことでしょう。
オーストラリアでの就労および学校の状況
就労関係
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約170万人以上の人々が、コロナ感染拡大が原因で仕事を失いました。観光大国であるオーストラリアが海外からの観光客を失い、ボーダー封鎖により国内旅行客を失い、ホスピタリティー業界は悲惨な状況に追い込まれました。
2020年10月にオープンを予定していた5スターホテルは、一度もお客様を迎えることなく、今も封鎖されたままです。このホテルに就職が決まっていた人々は、仕事を開始することもなく無職になりました。
今回のコロナ感染拡大が要因で、オーストラリアの大きな航空会社の一つは自己破産を申請し、あるアメリカ企業に買い取られました。また、別の最も大きな航空会社が約6000人の従業員解雇を発表し、今現在も航空業界で生き残るため、必死に戦っています。
その一方で、オーストラリアでは看護師および介護福祉士の数が不足しています。彼らは、非常に過酷な労働状況に追い込まれているにも関わらず、コロナ感染者の命を救うため、サポートの必要な老人たちを守るため、日々必死に戦っています。
学校の状況
コロナ感染拡大が始まった頃、すべての学校が直ちに封鎖され、自宅学習に切り替えられました。オンライン授業や両親のサポートによる自宅学習が行われており、このためにパソコンやタブレットを新しく購入する家族が増えました。
また、子供たちが自宅待機になったため、オフィスに出勤できず、自宅勤務に切り替えた両親が増えたことも事実です。その中には、家族の総合収入が減り、家計が厳しい状況に陥っている家庭もあります。
コロナがもたらした人々の変化
今回の新型ウイルスコロナ感染拡大により、世界中で多くの人々の生活に大きな影響をもたらしました。オーストラリアも同じ状況です。
いつも笑顔を絶やさず、フレンドリーで親切なオーストラリア人であっても、突然仕事を失い、自宅待機・外出禁止政策で人とのコミュニケーションを図れず、精神的に追いやられた人も多くいます。そして、非常に悲しいことに自らの命を絶った人もいます。
また、普段真面目に働き、一生懸命家族を守っていた人が収入を失ったことで、築いてきたものを全て手放すことになりました。そして、残念なことに家族を守るために強盗などの犯罪を犯してしまった人もいます。
コロナ感染者をケアする立場の人々への差別
献身的に患者のために働き続けてきたある女性が、コロナ感染症状を自覚しても検査キットが不足しているからと他の患者のために自らの検査を諦め、自ら自宅隔離することを決意しました。後日、その女性が自宅で亡くなっていることが発見され、コロナに感染していたこともわかりました。わずか20代で終えた人生でした。
彼女のようにコロナ感染者をケアする立場で働いている人々を差別する、非常に悲しい現象がオーストラリアで起こっていることも事実です。看護師として働く母親を持つ子供たちが、幼稚園や小学校で他の保護者からバイ菌扱いされています。コロナは、人々の身体を蝕んでいるだけでなく、大人の心も蝕んでいるのです。
気持ちが明るくなる出来事も
このようにコロナ感染拡大で悲しい出来事が多い日々、オーストラリアではほんの少し気持ちが明るくなる出来事もあります。人々が自宅隔離し、街中から車が減ったことで空気汚染が減ったことで、珍しい種類の蝶蝶や鳥たちが私達の近くまで訪れてくれています。
また、自宅で仕事をするようになった父親たちが、子供たちとのコミュニケーション時間が増えたことで新しい発見、楽しさを知りました。
今現在もコロナ感染拡大問題は治まっていません。世界中の専門学者たちが、治療薬の開発に勤しんでいます。私達がこの状況をどう過ごして行くか、しっかりと脚元と前を見据え、責任ある行動を取って行く必要があります。
コロナ感染拡大によって、多くの人々の生活環境が変わりました。しかし、本来の私達自身の心までコロナに変えられないよう、命ある限り顔を上げて、一歩ずつでも前に進んで行きましょう。