ストレスと自律神経の関係性とは
ストレスは自律神経を乱す大きな要因です。ストレスがたまると自律神経が乱れ、症状が悪化すると自律神経失調症になります。ストレスの感じ方には個人差がありますが、ストレスは健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるのです。
自律神経に関係のあるストレスですが、ストレスとはそもそもなんなのか、まだどんな症状があるのか紹介していきます。
ストレスとは
ストレスは外部からのさまざまな刺激で人が感じる緊張です。ストレスは人によって個人差がありますが、ストレスには良いストレスと悪いストレスがあります。
良いストレスとは良い緊張感のことです。「明日の学校の運動会が楽しみ」というような緊張は良いストレスです。しかし「運動会のリレーで結果が出せなくて、みんなに迷惑かけたらどうしよう…運動会行きたくないな」などは悪いストレスです。
このように良いことも、悪いことも、人間にとってはずべてがストレスになります。
ストレスの種類
ストレスには良いストレスと悪いストレスがありますが、ストレスと聞くとやはり悪い想像をしてしまいますよね。ストレスにはいろいろな種類がありますが、どのようなストレスがあるのでしょう。
①環境のストレス
環境のストレスは主に天候による気温や暑い・寒いなどの季節の変化などがあります。また雑音や騒音も環境のストレスの部類に入ります。
暑すぎたり、寒すぎたりして自分に合った快適な天候ではないとき、人はストレスを感じています。季節の変わり目や、1日の気温差が激しいときに体調を崩しやすいのはこのストレスが関係しています。
②化学的なストレス
化学的なストレスはカフェインやアルコールの過剰摂取、またタバコを吸う人や添加物の食品も体に化学的なストレスを与えています。
カフェインやアルコールなど適度に摂取するのは問題ありませんが、度を超えてしまうと眠れなくなったり、摂取できないことでイライラしたりすることがあります。このようにストレスが溜まって行き、自律神経を乱す原因にもなります。
③心身的なストレス
心身的なストレスとは体に直接緊張や刺激がかかることです。通勤・通学なども心身的なストレスですし、女性は出産などをすることで体にストレスがかかります。
このように通勤・通学など普通の日常生活でも人間はストレスを受けながら生活しているのです。
④精神的なストレス
1番想像がつきやすいのが精神的なストレスです。人間関係や夫婦関係、また女性は姑問題や育児などでの精神的ストレスが挙げられます。
精神的なストレスは深刻なものになると、体に悪い影響を及ぼします。自律神経などもこのような精神的ストレスに弱いのでとくに注意が必要です。
ストレスの初期症状
ストレスで生じる初期症状は、個人差がありますが普段はあまり気にならないレベルです。少し体調不良かな?と思う人もいるでしょう。どのような症状があるのかを見て行きましょう。
- 食欲がなくなる。
- 手足が冷える。
- 眠りが浅い。
- めまいがよくする。
- 頭が重い。(頭痛がするなど)
- 朝の目覚めが悪い。(なかなか起きられないなど)
- 腰痛がひどくなる。
- 肩がこる。
- 目が疲れやすくなった。
慢性ストレス
初期症状を経て、徐々に進行して症状が悪化してしまうと慢性ストレスへと移行してしまいます。慢性ストレスになると、自分でも自覚が出るほど体調が悪化してしまうので注意が必要です。
慢性ストレスはどのような症状があるのか見て行きましょう。
・食欲がない。好みのものも食べられない。
・なかなか寝付けない。寝てもすぐに目がさめる。
・体重が急に減った。
・風邪を引きやすくなった。また風邪を引いてもなかなか治らない。
・仕事や勉強に集中できない。
・人と会うのが面倒になってきた。
・些細なことでイライラする。
・便秘や下痢を繰り返したり、胃腸の調子が悪い。
・疲れやすくなった。
・休んでも疲れが取れない。
このような症状が出ると慢性ストレスになっている可能性があります。このストレスが自律神経を乱す原因となるので生活習慣を見直すなどの対応が必要になってきます。
自律神経とは
自律神経はストレスなどで交感神経と副交感神経がうまく機能せず起こってしまう精神的な病です。ひどくなると自律神経失調症になり、治療が必要になってきます。
自律神経の症状
自律神経の症状は個人差がありますが、下記のような症状が現れます。
- 不眠
- 胃の不調
- ほてり
- イライラ
- 落ち込み
などさまざまな症状が現れ、通常の生活を送ることが困難になるので注意が必要です。
ストレスが自律神経に与える影響は?
ストレスが自律神経に与える影響は大きく分けて精神的なものと、心身的なものの2種類になります。この2種類にどのような影響を与えるのか詳しくみていきましょう。
精神的な影響
自律神経は交感神経と副交感神経の切り替わりで保たれています。交感神経は活発な活動に働きかけ、逆に副交感神経は落ち着かせる神経に働きかけます。人は朝起きたときに交感神経が働き、夜にかけて副交感神経へと切り替わって行きます。
ストレスがたまり、自律神経に影響を及ぼすと、精神的な疲れ、イライラ、不眠、ほてり、多汗症など精神的な影響が現れます。
心身的な影響
心身的な影響は頭痛、便秘や下痢を繰り返す、冷え、肩こり。腰痛、などの症状が現れます。ストレスを受けると脳からの伝達でホルモンが分泌されます。このホルモンがストレスによって分泌されると血圧の上昇や、免疫力の低下、さらには血糖値が上がりやすくなります。
このようにホルモンバランスが崩れ、交感神経と副交感神経が乱れると、体の不調やトラブルが現れる可能性が高くなります。
あなたは大丈夫?ストレス度をセルフチェック
ここでは自分がどのくらいストレスを感じているのかセルフチェックしてみましょう。
- 風邪を引きやすい。
- 体調を崩しやすい。
- 集中力がない。または続かない。
- 頭が重い。
- ぼんやりして頭の回転が止まってしまう。
- 忘れっぽくなった。
- 疲れが取れない。
- すぐに疲れる。
- 体が重い。
- 何をするにも面倒。または興味がなくなった。
- 朝起きるのがツラい。
- 寝つきが悪く、眠りが浅い。
- 耳鳴りがする。
- 口腔内が最近荒れやすい。
- 舌が白くなっている。
- 手足がいつも冷たい。
- 汗をかきやすくなった。
このセルフチェックで3つ以上当てはまる項目があった人はストレスがたまりやすい状態になっています。これ以上ストレスがたまると自律神経にも影響が出て来るので注意が必要です。
ストレスをできる限り軽減する方法は?
人は生きているだけでなにかしらのストレスを感じています。ストレスは悪いストレスばかりではないので、良いストレスも感じながら脳に良い刺激を与えてあげることも必要です。
でもできれば悪いストレスは避けたいですよね。ここではストレスを軽減できる方法を紹介していきますので、ストレスで悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
運動
ストレスを軽減させるために適度な運動は効果があります。よく運動でストレスを発散させると言いますが、運動をして心肺機能をあげると免疫力が上がります。適度な汗をかくことで、自律神経も整い、夜の寝つきがよくなるでしょう。
運動は、たくさん酸素を取り入れる有酸素運動が効果的です。運動で交感神経を刺激して、自律神経を整えることが、ストレスを軽減させることにも繋がります。
睡眠
眠れなかったり、寝つきが浅いとストレスがたまります。しかし、生活習慣を見直し、眠れる環境を作ってあげることで質の良い睡眠がとれ、ストレスが軽減されます。
朝は早起きし、太陽の光を浴びて、きちんと食事を取るように心がけると交感神経が正常に働きます。日中は適度な運動を取り入れて、夜は早めに休むことで自然と副交感神経へと切り替わっていきます。
質の良い睡眠は疲れも取ってくれるので、日頃の生活習慣が乱れている人は見直すよう心がけましょう。
呼吸
運動するときにたくさんの酸素を取り入れるため有酸素運動が効果的ですが、これは呼吸も大きく関わってきます。人は緊張すると自然と呼吸が浅くなってしまいます。浅い呼吸のままにしておくと、動悸や過呼吸の原因にもなってしまいます。
呼吸が浅いと感じたら、深く呼吸をすることを意識して、体に酸素をたくさん送ってあげましょう。酸素をたくさん取り入れることで、血液濃度が上がり、代謝が良くなるので、疲れも取れやすくなりますよ。
ストレスの根本的な原因を探る
ストレスが原因で体にさまざまな不調が現れている実感がある人は、そのストレスがどこからきているのか考えてみましょう。ストレスの根本的な原因を探ることで、自分でも対処できる可能性があるからです。
人間関係で悩んでいるのなら、誰かに相談するなど一人で抱え込まないようにしましょう。夫婦関係に悩んでいるのなら、きちんと夫婦で話し合ったり誰かに相談することで少し気がラクになるかもしれません。
ストレスは感情の起伏も激しくなる傾向があるので、感情のコントロールがうまくできるようストレス発散を心がけましょう。
自律神経に良い食材
自律神経を整えるのに効果のある食材があります。自律神経失調症の予防のためにも積極的に取り入れてみましょう。
自律神経が乱れるとビタミンB群が減ってしまうので、普段から食事に取り入れていくとよいでしょう。
豚肉、鶏レバーなどの肉類
肉類は疲労回復に大切な栄養素です。とくに豚肉はビタミンBが豊富に含まれており、このビタミンBが不足してしまうと、運動などで体を動かすときに筋肉の疲労が蓄積され疲れやすくなってしまいます。スポーツ選手なども運動したあとは必ず食べると言われているので疲れやすい人は積極的に取り入れましょう。
ほうれん草、ブロッコリー、小松菜などの緑黄色野菜
野菜は旬なものを取り入れるようにして、できるだけ火を通さず生で食べる、または蒸して食べる方法がおすすめです。加熱しすぎると必要な栄養素が溶け出してしまう可能性があるので注意が必要です。野菜は抗菌作用があり、免疫力も上げてくれるので積極的に取り入れましょう。
バナナ、いちご、オレンジ、キウイ、グレープフルーツなどのフルーツ類
フルーツはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。疲労回復や体に蓄積されている糖を分解して体の外に排出してくれる役割もあります。糖分が体にたまると疲れやすくなったり、体内の老化が進んでしまいます。フルーツの中にも糖分は含まれていますので、食べ過ぎには注意しましょう。
そのほかの食材
・豆腐、豆乳などの大豆類
・牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品
・サンマ、サケ、サバなどの魚類
食事は朝食も抜かずにきちんと食べて、バランスの良い食事を取ることを心がけましょう。
ストレスに効く漢方薬
ストレスに効く漢方薬なども薬局で購入できるので、自分に合った症状に効く漢方を薬剤師と相談してみましょう。
些細なことが気になる人
普段から神経質で些細なことが気になる人に用入られてる漢方薬です。疲れやすかったり、動悸を感じる人などで気分が落ち込む人におすすめです。また不眠症や目の疲れにも効果が期待できます。
イライラして怒りっぽい人に
イライラして怒りっぽい人や、神経質ですぐに怒ってしまうという人におすすめの漢方薬です。消化器や胃腸が弱っている人にも効果があります。また女性特有のイライラ、更年期障害や、月経のときのイライラにも効果を発揮します。
イライラして眠れない人
精神的な不安があり、夜眠れない人や、寝つきが悪い人におすすめです。神経が高ぶってイライラしたり動悸がある人に用いられてます。
貧血などの疲れがある人に
貧血の人は疲れやすく、疲れが取れにくい傾向があります。疲れが取れなくて気分が落ち込みイライラする人におすすめの漢方薬です。イライラが続くと不眠の原因にもなりますので早めの対処が必要です。
漢方薬の注意点
漢方薬は副作用が少ないので、安心して飲んでいる人は多いでしょう。しかし、何日も服用しているのに改善しない場合は飲み続けるのはやめて、病院などで医師に相談しましょう。
ストレスを軽減し、自律神経を整えていきましょう
ストレスと自律神経は関係しています。ストレスがかかりすぎると自律神経が乱れて体にさまざまな症状が現れます。自律神経が乱れる前に、どんなことで自分がストレスを感じているのか理解することが大切です。
ストレスは避けることができません。うまく付き合っていくために、運動をして発散し、ときには漢方薬などに頼るなどしてストレスをうまく軽減できるよう工夫しましょう。