
太るのは更年期が原因?なかなか痩せないと感じたときのチェック項目

更年期とは、閉経前後5年の45~55歳の時期なります。いつまで更年期にいる感覚があるのかは人それぞれですが、平均して50後半には落ち着くと言われています。
更年期に太るとなかなか痩せないようになり、若い頃の太り方とは違いを感じてくるものです。そして、更年期に太る原因と、若い頃に太る原因には違いがあります。
若い頃は主に、単純に摂取カロリーが消費カロリーを上回ることが太る原因となっていました。
「こんなに太るのは更年期が原因なの?」と疑問に感じたら以下のチェック項目を確認してみてください。
□ウエストのくびれがなくなってきた
□以前よりむくみやすくなった
□ブラジャーのハミ肉の量が多くなってきた
□お尻の後ろは扁平で横に大きい
□下っ腹がベルトにのる
□二の腕がたるむ(ふりそで)
□全体的に締まりがない
□腰回り中心に脂肪がついてきた
□昔は下半身太りだったのに、上半身にも脂肪がついてきた
□運動しているのに痩せない
□食事を抜いても太る
□首や肩に脂肪がつき、首が短くなった
□痩せてもすぐリバウンドしさらに太る
以上の症状が5つ以上見られたら、それは更年期太りです。放置していると以下3つのリスクが上がり、生活習慣病や命の危険にさらされることになります。
・脳卒中発症リスクが2倍になる
・心筋梗塞の発症が2.5倍になる
・癌発症のリスクが5~7倍になる
出典:https://cs.sonylife.co.jp/lpv/pcms/sca/ct/healthcare/generation/50s.html
自分の健康や命、大切な家族を守るためにも、なかなか痩せない更年期のダイエットを諦めてはいけません。
更年期になぜ太る?痩せない3つの原因
更年期に太る原因は、加齢によって引き起こる身体機能の変化と、更年期特有の環境の変化があげられます。若い頃の太る原因とは違ってくるものです。
更年期に太る原因基礎代謝の低下

更年期に太る原因のひとつめに基礎代謝の低下があげられます。
基礎代謝は1日の消費エネルギーの6~7割をしめていますが、加齢と共に落ちていきます。基礎代謝量の消費の割合は、肝臓が27%と大幅に占め、次いで脳と筋肉です。
肝臓に負担がかかると肝機能が低下し基礎代謝が落ちるため、普段から飲酒や食べすぎに気をつけることが前提です。
筋肉量は30代を超えると年1%ずつ減少し、更年期では20代の15~25%も低下することになります。更年期は必然的に消費カロリーが減るため、若い頃と同じ生活を送っていても太るのです。
痩せるために、ランニングやエアロバイクなどの有酸素運動に精を出してきたかもしれません。有酸素運動は赤筋を鍛えますが、白筋は鍛えられません。
筋肉の90%以上が白筋で、加齢とともに減少するのも白筋なので、更年期からは有酸素運動だけをしていてもなかなか痩せないのです。
赤筋は日常生活で維持できるとされていますが、現代の更年期女性は、家電の発達普及で家事で全身を動かすことが減り、コロナ自粛やテレワークで外出も減り、赤筋も低下しています。
ズボンを履くときにぐらつく、椅子に座ってもよい姿勢を保つのが辛い、など気にかかってきたなら赤筋まで衰えている可能性が大きいのです。
更年期になるとなかなか痩せないのも、基礎代謝が若い頃と比べて低下しているためです。
更年期に太る原因女性ホルモンの減少

更年期に太る原因のふたつめに、女性ホルモンの減少があげられます。
女性ホルモンのエストロゲンは、太る原因に関与します。
・脂肪の代謝
・食欲抑制やエネルギー代謝を増やすホルモン(レプチン)の分泌促進
・食欲亢進ホルモン(グレリン)の調整
定期的な生理周期では、生理が終わる頃、エストロゲンの分泌の影響で食欲が落ち着いたり、むくみがひいたりする上、ダイエットに適している状態になります。このようにエストロゲンは、女性の脂肪の増減に大きな影響を及ぼすのです。女性ホルモンのエストロゲンが減少することで、血液内の悪玉コレステロールや中性脂肪が増加して、内臓脂肪がつきやすくなり、食欲のコントロールはしづらくなります。同時にエネルギー代謝も低下し太るのです。
また、女性ホルモンの低下で、自律神経やこころにも大きな変化をもたらします。イライラ、うつっぽい、感情的になりやすいなどの精神的作用で、過食に走ったり、疲れで寝込むなど、太る原因となる生活行動をとってしまう引き金にもなるのです。
更年期になりなかなか痩せない場合、肥満からくる病気や日常生活の支障などが深刻化してきたら、女性ホルモン補綴治療なども視野に入れるケースもあります。
更年期に太る原因環境の変化

更年期の太る原因のみっつめに、更年期特有の環境の変化があげられます。
老化による身体的イメージの変化、親の病気や介護、子供の進学や独立、老後の不安、仕事での重責など多くの問題が山積みになってくる時期です。加齢によって不眠の傾向がでてきたり、身体機能低下で活動量も減ったりすることで、生活習慣が変化することもあります。こうした様々なストレス要因が、ますますどんどん太ることになり、なかなか痩せない体にしてしまうのです。
更年期に痩せるために押さえる3つのポイント

更年期に痩せるためには、太る原因を理解した上対策を練ることが大切です。若い頃のように単純に数日食事を減らしたり抜いたりすれば痩せるというわけではありません。
次の3つのポイントを押さえておく必要があります。
更年期に痩せるためのポイント➀筋肉量の低下を阻止する
更年期の女性は、普段通りの生活を続け何も対策をしなければ、筋肉は衰えていく一方です。
人間の機能は使わなければ不要だと判断され、退化していくものです。筋肉ももちろん使わなければ衰えていきます。
更年期になるとお腹や腰回りの脂肪が目立ってきた上、脂肪が頑固でなかなか落ちません。わたしたちの体は内蔵を守るために筋肉でしっかり保護されますが、筋肉が落ちてくると脂肪を蓄えて内蔵を守ろうとします。逆にしっかり筋肉で覆われていれば、脂肪は不要になるためつきにくくなるのです。
気になる部位の筋肉をしっかり動かして刺激をくわえ、筋肉が必要だという信号をおくり続けることで筋肉量の低下を阻止することができます。
そして筋肉作りに最も大切なのは、実はトレーニングより栄養なのです。激しい筋トレで筋肉隆々なボディービルダーたちでも、筋肉肥大は栄養8割筋トレ2割と心得ています。わたしたちは食事を減らすことを辞め、食事と真剣に向き合うことがもっとも大切なことなのです。
更年期に痩せるためのポイント②ストレスが1番の敵と心得る

更年期の女性は、食事や運動に気をつけているのに全く痩せないことはほとんどですが、実はその元凶がストレスにあります。
体はストレスを受けると、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)別名ストレスホルモンを分泌します。コルチゾールが体に及ぼす影響は次の5つです。
・筋肉の合成をする成長ホルモン分泌を抑制
・食欲抑えるセロトニン分泌を抑制
・食欲を抑えるレプチン分泌を抑制
・血糖値の上昇
・脂肪の合成
このように、コルチゾールの値が高くなると、筋肉はつきにくくなるとともに食欲が亢進し、簡単に太るのになかなか痩せない体になります。また、血糖値があがることでインスリンが上昇し、体内に余っている糖質を脂肪として蓄えるのです。
コルチゾールによって作られた脂肪はお腹周りにつきます。狩猟時代のストレスは、食糧が得られない危機でした。そのために食糧にありつけなくても生き延びれるように、お腹に脂肪をためこみ内蔵を守ったり、エネルギーの備蓄をしたりして生存するよう遺伝子に組み込まれているのです。
現代の更年期女性は、ストレスを避けて通れません。
コルチゾールを高めない工夫として
・避けられるストレスは極力避ける
・抗ストレス作用のある栄養素を摂る
・ストレスを溜めにくいこころのあり方を身につける
・ストレス解消になることを習慣にする
・質の良い睡眠を充分にとる
といった対策が何よりも大切なのです。