更年期はどんどん太る?痩せない更年期女性のためのダイエット

太るのは更年期が原因?なかなか痩せないと感じたときのチェック項目

更年期とは、閉経前後5年の45~55歳の時期なります。いつまで更年期にいる感覚があるのかは人それぞれですが、平均して50後半には落ち着くと言われています。更年期に太るとなかなか痩せないようになり、若い頃の太り方とは違いを感じてくるものです。そして、更年期に太る原因と、若い頃に太る原因には違いがあります。若い頃は主に、単純に摂取カロリーが消費カロリーを上回ることが太る原因となっていました。

「こんなに太るのは更年期が原因なの?」と疑問に感じたら以下のチェック項目を確認してみてください。

  • ウエストのくびれがなくなってきた
  • 以前よりむくみやすくなった
  • ブラジャーのハミ肉の量が多くなってきた
  • お尻の後ろは扁平で横に大きい
  • 下っ腹がベルトにのる
  • 二の腕がたるむ(ふりそで)
  • 全体的に締まりがない
  • 腰回り中心に脂肪がついてきた
  • 昔は下半身太りだったのに、上半身にも脂肪がついてきた
  • 運動しているのに痩せない
  • 食事を抜いても太る
  • 首や肩に脂肪がつき、首が短くなった
  • 痩せてもすぐリバウンドしさらに太る

以上の症状が5つ以上見られたら、それは更年期太りです。放置していると以下3つのリスクが上がり、生活習慣病や命の危険にさらされることになります。

  • 脳卒中発症リスクが2倍になる
  • 心筋梗塞の発症が2.5倍になる
  • 癌発症のリスクが5~7倍になる

参考:年代別健康づくり「各年代で気をつけたいこんなこと」

自分の健康や命、大切な家族を守るためにも、なかなか痩せない更年期のダイエットを諦めてはいけません。

更年期になぜ太る?痩せない3つの原因

更年期に太る原因は、加齢によって引き起こる身体機能の変化と、更年期特有の環境の変化があげられます。若い頃の太る原因とは違ってくるものです。詳しくご紹介します。

更年期に太る原因基礎代謝の低下

更年期に太る原因のひとつめに基礎代謝の低下があげられます。基礎代謝は1日の消費エネルギーの6~7割をしめていますが、加齢と共に落ちていきます。基礎代謝量の消費の割合は、肝臓が27%と大幅に占め、次いで脳と筋肉です。肝臓に負担がかかると肝機能が低下し基礎代謝が落ちるため、普段から飲酒や食べすぎに気をつけることが前提です。

筋肉量は30代を超えると年1%ずつ減少し、更年期では20代の15~25%も低下することになります。更年期は必然的に消費カロリーが減るため、若い頃と同じ生活を送っていても太るのです。

痩せるために、ランニングやエアロバイクなどの有酸素運動に精を出してきたかもしれません。有酸素運動は赤筋を鍛えますが、白筋は鍛えられません。筋肉の90%以上が白筋で、加齢とともに減少するのも白筋なので、更年期からは有酸素運動だけをしていてもなかなか痩せないのです。赤筋は日常生活で維持できるとされていますが、現代の更年期女性は、家電の発達普及で家事で全身を動かすことが減り、コロナ自粛やテレワークで外出も減り、赤筋も低下しています。ズボンを履くときにぐらつく、椅子に座ってもよい姿勢を保つのが辛い、など気にかかってきたなら赤筋まで衰えている可能性が大きいのです。

更年期になるとなかなか痩せないのも、基礎代謝が若い頃と比べて低下しているためです。

更年期に太る原因女性ホルモンの減少

更年期に太る原因のふたつめに、女性ホルモンの減少があげられます。

女性ホルモンのエストロゲンは、太る原因に関与します。

  • 脂肪の代謝
  • 食欲抑制やエネルギー代謝を増やすホルモン(レプチン)の分泌促進
  • 食欲亢進ホルモン(グレリン)の調整

定期的な生理周期では、生理が終わる頃、エストロゲンの分泌の影響で食欲が落ち着いたり、むくみがひいたりする上、ダイエットに適している状態になります。このようにエストロゲンは、女性の脂肪の増減に大きな影響を及ぼすのです。女性ホルモンのエストロゲンが減少することで、血液内の悪玉コレステロールや中性脂肪が増加して、内臓脂肪がつきやすくなり、食欲のコントロールはしづらくなります。同時にエネルギー代謝も低下し太るのです。

また、女性ホルモンの低下で、自律神経やこころにも大きな変化をもたらします。イライラ、うつっぽい、感情的になりやすいなどの精神的作用で、過食に走ったり、疲れで寝込むなど、太る原因となる生活行動をとってしまう引き金にもなるのです。

更年期になりなかなか痩せない場合、肥満からくる病気や日常生活の支障などが深刻化してきたら、女性ホルモン補綴治療なども視野に入れるケースもあります。

更年期に太る原因環境の変化

更年期の太る原因のみっつめに、更年期特有の環境の変化があげられます。老化による身体的イメージの変化、親の病気や介護、子供の進学や独立、老後の不安、仕事での重責など多くの問題が山積みになってくる時期です。加齢によって不眠の傾向がでてきたり、身体機能低下で活動量も減ったりすることで、生活習慣が変化することもあります。こうした様々なストレス要因が、ますますどんどん太ることになり、なかなか痩せない体にしてしまうのです。

更年期に痩せるために押さえる3つのポイント

更年期に痩せるためには、太る原因を理解した上対策を練ることが大切です。若い頃のように単純に数日食事を減らしたり抜いたりすれば痩せるというわけではありません。次の3つのポイントを押さえておく必要があります。

更年期に痩せるためのポイント➀筋肉量の低下を阻止する

更年期の女性は、普段通りの生活を続け何も対策をしなければ、筋肉は衰えていく一方です。人間の機能は使わなければ不要だと判断され、退化していくものです。筋肉ももちろん使わなければ衰えていきます。

更年期になるとお腹や腰回りの脂肪が目立ってきた上、脂肪が頑固でなかなか落ちません。わたしたちの体は内蔵を守るために筋肉でしっかり保護されますが、筋肉が落ちてくると脂肪を蓄えて内蔵を守ろうとします。逆にしっかり筋肉で覆われていれば、脂肪は不要になるためつきにくくなるのです。気になる部位の筋肉をしっかり動かして刺激をくわえ、筋肉が必要だという信号をおくり続けることで筋肉量の低下を阻止することができます。

そして筋肉作りに最も大切なのは、実はトレーニングより栄養なのです。激しい筋トレで筋肉隆々なボディービルダーたちでも、筋肉肥大は栄養8割筋トレ2割と心得ています。わたしたちは食事を減らすことを辞め、食事と真剣に向き合うことがもっとも大切なことなのです。

更年期に痩せるためのポイント②ストレスが1番の敵と心得る

更年期の女性は、食事や運動に気をつけているのに全く痩せないことはほとんどですが、実はその元凶がストレスにあります。体はストレスを受けると、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)別名ストレスホルモンを分泌します。コルチゾールが体に及ぼす影響は次の5つです。

  • 筋肉の合成をする成長ホルモン分泌を抑制
  • 食欲抑えるセロトニン分泌を抑制
  • 食欲を抑えるレプチン分泌を抑制
  • 血糖値の上昇
  • 脂肪の合成

このように、コルチゾールの値が高くなると、筋肉はつきにくくなるとともに食欲が亢進し、簡単に太るのになかなか痩せない体になります。また、血糖値があがることでインスリンが上昇し、体内に余っている糖質を脂肪として蓄えるのです。

コルチゾールによって作られた脂肪はお腹周りにつきます。狩猟時代のストレスは、食糧が得られない危機でした。そのために食糧にありつけなくても生き延びれるように、お腹に脂肪をためこみ内蔵を守ったり、エネルギーの備蓄をしたりして生存するよう遺伝子に組み込まれているのです。

現代の更年期女性は、ストレスを避けて通れません。コルチゾールを高めない工夫としては、

  • 避けられるストレスは極力避ける
  • 抗ストレス作用のある栄養素を摂る
  • ストレスを溜めにくいこころのあり方を身につける
  • ストレス解消になることを習慣にする
  • 質の良い睡眠を充分にとる

といった対策が何よりも大切なのです。

更年期に痩せるためのポイント③食事は制限ではなく質が鍵

痩せると決めてまずやるのは、カロリー制限や食事量を減らすことでしょう。これは更年期女性にとって、もっともやってはいけないことで、ますます痩せない体になってしまいます。

今や糖質制限ダイエットはスタンダードになり、多くの人が結果を出しています。その一方、代謝が悪くなりリバウンドしやすくなる、インスリンの働きが弱まり、糖質を摂ったときにインスリンがうまく働かず、血糖が下がらないなどの危険性をはらんでいます。体の働きが低下する更年期においては、慎重になる必要があります。

カロリー制限をすると、少ないカロリーでも生活を維持できるように、体はますます低燃費になってしまいます。通常の食事制限や生活おいて不足したカロリーは、脂肪を分解する前に、筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。筋肉量が低下するとともに代謝が下がるのです。また、少ないカロリー内では、食事でまかなう必要栄養素、特にビタミン・ミネラルが大幅に不足し、エネルギー代謝や脂肪分解がうまくいかなくなってします。

ファスティングダイエットなどの著しくカロリーを制限するものでは、食欲増進ホルモンのグレリンが過剰分泌し、なんと1年は下がらないという研究報告があります。更年期女性が痩せるためには、食事量やカロリーを制限するのでなく、適切なカロリーの中で、何を摂り何を摂らないかの選択に重きを置くほうがずっと効果的なのです。

痩せないのは食事が原因?更年期でも痩せる食事

更年期女性が痩せない原因の大きなものは、食事のとり方になります。ダイエットといえば、思い浮かべる食事は女子力の高いもの。サラダ、フルーツ、豆製品、こんにゃくや寒天のローカロリー食材、カロリーゼロ飲料に、栄養が気になるからバランス食のクッキーやシリアル。ついには早く痩せたいからファスティングダイエット。これでは更年期女性は痩せないどころか太る一方なのです。

更年期女性がきれいに痩せるためは、必要な栄養素を良質な食材で摂ることがポイントです。今までの食事や生活でわたしたちの体は作られました。医学や栄養学は日々進歩して、食の世界でも過去の常識は覆され、新しい常識が生まれています。なかなか新しいものを取り入れる時間も気力もないのが更年期ですが、以下にあげる4つを読むだけで突破口は開かれるきっかけになるかもしれません。

痩せるために摂る糖質

更年期女性が痩せるために摂る糖質は、量の計算など難しく考えず、血糖値・インスリンを制すと覚えておくとよいでしょう。痩せるために摂る糖質(炭水化物)のおすすめは3つあります。

  • 低GLの糖質
  • 一度加熱して自然に冷ました炭水化物
  • 精製されていない糖質

糖質を摂るとインスリンが上昇し、このインスリンが脂肪を蓄えやすくします。それは、インスリンに脂肪やたんぱく質などの栄養素も同時に取り込んで血液に送り出す性質があるからです。

糖質と脂質を同時に摂ることで、より脂質が吸収されやすくなり、スピーディーに体内に運ばれていきます。消費エネルギーで使われず余ったものが脂肪として蓄えられます。逆に、糖質単体では特に怖がる必要はなかったのです。

また、糖質と脂質を一緒に摂ったとしても、血糖の上昇が穏やかであればインスリン分泌も緩やかになり、脂質の吸収も穏やかです。そのため、血糖の上昇を穏やかにする成分や食材が注目されているのです。

低GL値の糖質について詳細をご紹介します。

★低GL値の糖質

GI値とは

食材がどのくらい血糖値をあげるかという指標の数値です。GI値が高いほど血糖値の上昇が高くなり、低いものは穏やかになります。しかし、GI値は血糖の上昇だけを図るもので、1食に摂る量と含まれている糖質量は考慮されていないのです。

GL値とは

食材の量で計算したもので、GI値だけでの判断より正確に血糖値の影響がわかり、海外ではGI値より主流になっています。

血糖は、低GIでも量が多ければ上がり、高GIでも少量ならそこまで上がらないようになっています。毎回食事の糖質量を図る方にはGI値が使いやすいですが、初心者はGL値を参考にする方がやりやすいでしょう。

こうして見ると、オートミールはGL値が高いのにダイエット食として有名なことを不思議に思うかもしれません。オートミールはたんぱく質やビタミン・ミネラルが豊富です。インスリンを分泌することで、これらの栄養素の吸収が高まるため、効率的に栄養摂取ができることでダイエットで注目されることになったのです。

白米は、たんぱく質やビタミン・ミネラルがわずかですから、インスリンを多く必要としません。その割にインスリン分泌が増えるという理由で敬遠されいています。

このように更年期のダイエットは、糖質量そのものより、血糖値の急上昇に注意して糖質を選ぶようにします。吸収を高めたいたんぱく質やビタミン・ミネラルを摂取するときには、我慢せずに高GL値の炭水化物をとっても大丈夫なのです。

参考:
《GL値一覧あり》新たな指標 GL値 知識のアップデート
380食品のGL値・糖質量・カロリー比較リスト【見やすいグラフつき】

★一度加熱して自然に冷ました炭水化物

冷やご飯がインスリンの急上昇を抑えることは有名で、冷やご飯ダイエットなるものがあります。炭水化物を加熱して、自然に約5℃までを冷ますと、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)に変化します。レジスタントスターチは、消化吸収されにくい上カロリー量も低く、食べるだけでカロリーを消費する「食事誘発性熱産生」を促すことにもなるのです。

また、レジスタントスターチは食物繊維と同じ働きをし、腸内環境を整えてくれます。吸収もゆっくりなので昼食に食べると夕食までの空腹感を抑えたり、夕食の血糖値の上昇を抑えたりする効果もあるのです。レジスタントスターチのカロリーは、小腸で消化されないため、炭水化物のカロリーの約半分になります。小腹が空いた時のおにぎりも我慢しなくて大丈夫なのです。

★精製されていない糖質

精製されていない炭水化物は、複数の信頼できる研究で健康によいと報告されている5大食品の中のひとつで、積極的に摂りたい炭水化物です。

茶色の炭水化物は、精製される段階で取り除かれる、体に必要なビタミン・ミネラルや抗酸化物質、良質の脂質や食物繊維などが豊富に含まれています。これらの栄養素が密接に絡み合い、代謝のアップを促します。慢性的に不足すると、代謝の回路が回らなくなってしまうので、簡単に太るのになかなか痩せない体になっていきます。砂糖も精製された白砂糖やグラニュー糖より、未精製の黒糖やてんさい糖などがよいです。

また、果物を摂る時も精製されたフルーツジュースより、酵素が破壊されていない生のフルーツが体にはよいので、果物を不必要に避けることはNGです。甘いものは更年期女性のストレスをやわらげることもあります。我慢せずに新鮮な果物や和三盆糖で作られた和菓子、焼き芋を適量とっても大丈夫なのです。

次に1日に必要な糖質量と脂質量をご紹介します。

・1日に必要な糖質量

糖質は総カロリーの50~65%にするのが望ましいです。糖質を摂りすぎては、余剰分は筋肉や肝臓に蓄えられ、使われなかったら脂肪へと変換されます。今まで糖質を摂りすぎてきた場合や、体脂肪率35%以上の場合など、明らかに糖質過剰な場合には炭水化物抜きダイエットが有効ですが、そうでなければ1日200~300gを目安に摂取します。その内容をなるべく上記の糖質で補うことがおすすめです。

痩せるために摂る脂質

脂質はカロリーが高く、太るからと極端に制限してしまいがちですが、実は更年期にとって大切な栄養素になります。脂質のはたらきは4つです。

  • 細胞膜の材料になる
  • ホルモンの材料になる
  • エネルギーになる
  • 脂溶性ビタミンの吸収を助ける

脂質は摂取量が不足すると、細胞膜やホルモン生成ができなくなってしまい、ビタミンAやEなど脂溶性ビタミンの吸収も悪くなります。特に糖質と脂質を同時に制限することは絶対にやってはいけません。病気や不調に直結し、生命活動の維持にまで危険を及ぼすことにもなります。また、脂質不足は代謝に関わるホルモンにも影響がでて、なかなか痩せない原因にもなるのです。

参考:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」

具体的に日常で心がけることは、

  • トランス脂肪酸が多く使われるジャンクフードは避ける
  • 揚げ物はオメガ6脂肪酸が多く、酸化しやすいから避ける
  • 肉の脂身は脂質の過剰摂取を招きやすいので控える
  • 加工食品を控える
  • 市販のドレッシングを避ける

たまに食べたくなる揚げ物は、時間のたったお惣菜や、何度も利用した古い油を利用した店舗のものではなく、オリーブ油で揚げたものをすぐ食べるなどの工夫すれば我慢しなくても大丈夫なのです。

・1日に必要な脂質量

脂質は1日の総カロリーの20~30%にするのが望ましいです。動物性脂肪の飽和脂肪酸は17%以下とします。オメガ6脂肪酸は穀類や野菜などにも含まれているため、意識せずとも普段から多く摂取しています。惣菜やレトルト、冷凍食品、お菓子やパン、シリアルバーなども原材料に植物油と記載されていたらオメガ6脂肪酸が多く含まれているものを使用しているので、控えたほうがよいです。

女性が1日に摂取する脂質の量は44~80gが適正とされています。なるべく良質の脂質で補うよう意識して心がけましょう。なかなか痩せない停滞期には、むしろフィッシュオイルを摂ってオメガバランスを整える方法もあるのです。

痩せるために摂るたんぱく質

更年期女性が摂るべきたんぱく質といえば、イソフラボンが含まれる大豆製品メインと思われがちですが、実はアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質がおすすめです。アミノ酸スコアとは、食事からでしか摂取できない必須アミノ酸を、バランスよく含む割合を指数化したものです。

このように、大豆製品だけでたんぱく質を補うと、必須アミノ酸のバランスが崩れてしまいます。アミノ酸スコア100の製品をメインとして、大豆製品で不足を補うと考える方がいいでしょう。

たんぱく質をしっかりとっていても、摂取量がそのまま体内に吸収され、有効的に働くわけではありません。なるべく余分なカロリーを増やさず効率的にたんぱく質を摂取するには、上記のポイントを押さえておくとがおすすめです。たんぱく質は筋肉の低下を防ぐために不足してはならない栄養素です。他にも体の組織を生成するため、不足すると肌や髪がガサガサになったり、爪が弱くなったりと美容にも悪影響を及ぼします。なかなか必要量のたんぱく質をとるのが難しいときでも、アミノ酸スコア100の食材を、吸収率の高い方法で摂取すれば大丈夫なのです。必要時はアミノ酸サプリを利用してもいいでしょう。

・1日に必要なたんぱく量

たんぱく質は1日の総カロリーの13~20%にするのが望ましいです。49歳までは13~20%、50~64歳までは14~20%が目安になります。更年期は消化吸収力が弱まるため、ときに未消化のたんぱく質が腸内に溜まり発酵して、匂いのきついおならがでやすくなることもあります。自分にあったたんぱく源と量を見つけることが大切です。

更年期女性がダイエットをするなら、1日あたり体重×1g~1.5gの良質なたんぱく質をとりましょう。体重50kgの場合は50g必要になる計算です。更年期がなかなか痩せない原因に、たんぱく質不足とはよく言われることですが、摂りすぎると機能が衰えてくる更年期には肝臓や腎臓に負担になる可能性もあるので、適量を心がけまょう。

痩せないのは運動不足が原因?更年期の脂肪を落とす運動

更年期になると、膝や腰が悪くて運動に制限がでて若いときとは違った悩みが生まれるものです。なかなか痩せない原因に、加齢からくる機能的な運動不足があげられます。また、同じ運動をしていても、関節の可動域が狭くなり若い頃に比べて運動効果も低くなるものです。脂肪を効率的に落とす運動は、更年期の体にあった方法がベストです。

更年期の脂肪を落とす運動➀骨盤底筋を鍛える体操

更年期の悩みに、尿漏れやおしっこが近くなる、いきんだあと肛門部が膨らむ、おならが自然にでてしまう、座ってる時足を閉じ続けるのがきつい、下腹がポッコリ、など特有の症状が出てきます。これは骨盤底筋群が衰えている証拠です。放おっておくと、子宮脱や膀胱脱、脱肛になる可能性が大きくなります。

骨盤底筋体操は、直後からウエストが減った、すぐに姿勢がよくなったなど即効性があるため、更年期女性にはモチベーションがあがって継続しやすいのも特徴です。決まった時間に行わなくても、お出かけ前のウエスト引き締めとして取り入れることができるなど、気軽さの上でもおすすめの体操です。継続しないと一時的な効果ですぐに戻りはしますが、なかなか痩せないウエスト周りに効きます。

★骨盤底筋体操

  1. タオルをくるくる巻いて直径4~5センチ、長さ20センチ程度のポールを作ります。
  2. いすの上に置いてタオルポールの上に座面に対して垂直になるように座ります。背もたれにつかないよう浅めに座るのがコツです。
  3. 恥骨と尾骨が座面に対して水平になり(骨盤が立つ)ポールの中央にのると背筋が自然に伸びます。その位置を探します。
  4. そのポールを恥骨から尾骨のお尻全体で挟み、100%の力でしめつけます。
  5. 力を抜き0%にします。このとき上半身の姿勢が崩れないように、お尻の力だけを抜きます。
  6. 再び100%の力でしめつけ、今度は50%力を抜き、50%のままではさみます。
  7. さらにそこからまた50%の力を抜きます。4の状態からすると25%の力ではさんだ状態です
  8. 7の状態で大きく息を吸い、お腹を意識します。軽くお腹に力が入ります。
  9. 7の状態を維持したまま息を吐きます。このとき骨盤底筋群が収縮したり伸展したりしています。
  10. 3~5回繰り返して全部の力を抜きます。
  11. 7の状態を作りす。両手を胸の前で合掌し、ゆっくり息を吸いながらそのまま頭上にもちあげます。
  12. 7の状態を維持したまま息をゆっくり吐きながら、手を横を通って下におろします。
  13. これを3~5回繰り返します

タオルポールを取ると、坐骨でどっしり座れる感覚があるはずです。まだポールが股に残っている感じがするなら効いています。

更年期の脂肪を落とす運動②朝の空腹ウォーキング

更年期の女性が1番取り掛かりやすいのがウォーキングです。とはいっても更年期女性は自律神経の乱れで朝が弱かったり、家族のことが優先で時間がとれない悩みもあります。脂肪燃焼のためには20分以上歩くことという定説の前では、ウォーキングすらも無理と諦めてしまうこともあったでしょう。また、過去にウォーキングをして、全然痩せないと感じたこともあったのではないでしょうか。そこで時間にはとらわれず効率的に脂肪を燃やす、更年期のためのウォーキングをおすすめします。

  • 朝起きてすぐ空腹のままウォーキング
  • 手をふるときは前に出すのではなく、後ろに引くことを意識
  • 心拍数が120前後~130(会話ができる程度)になる速度で
  • 呼吸を意識、浅くならない、とめない
  • 余裕があるときは骨盤底筋体操をしてから行うとなお効果的

★脂肪をエネルギーに変える

起床時は前日の食べ物が消化吸収されて、体内の糖分が枯渇しています。通常は糖質をエネルギーにして体を動かしますが、糖質がないため、エネルギー源をたんぱく質か脂質に切り替える作用が働きます。持久力運動である有酸素運動は、主に脂質をエネルギーとし、脂質を中性脂肪から補うため、脂肪が燃焼されるのです。

20分以上続けないと脂肪が燃えないと言われるわけは、エネルギーが糖質から脂質に切り替わる時間がおおよそ15~20分のためです。しかしアサの空腹時の、体内に糖質が枯渇しているときは、すぐに脂質をエネルギーにする回路に切り替わるため時間は関係ありません。

なかなか痩せないとウォーキングも億劫になりますが、脂肪燃焼の仕組みがわかると、歩きだしてすぐに脂肪が燃えていると納得できてモチベーションもアップするでしょう。

★心拍数120前後が1番脂肪が燃える

脂肪が効率的に燃焼する速さは、更年期女性であれば心拍数が120前後で、会話しながら歩ける速さです。スピードが早いから脂肪が燃焼するわけではありません。足腰が気になり早く歩けず心拍数が思うようにあがらないときには、肘を後ろに引くように手をふるとてです。背筋や肩甲骨周りを刺激でき、全身運動になるので心拍数の調整ができます。

★ウォーキング前に筋トレ?

通常はウォーキング前に代謝をあげるため、スクワットなどの筋トレがすすめられますが、更年期にはハードルが高くなることもあるので、骨盤底筋体操がおすすめです。骨盤底筋体操をすると、下腹部に力をいれやすくなり姿勢も整うのでウォーキングの効果をさらに高めます。

★燃えた脂肪は水と二酸化炭素で排出される

ウォーキングで燃えた脂肪、つまり中性脂肪は84%が吐く息16%が汗や尿になって排出されます。ウォーキング中は深く大きい呼吸を意識しましょう。出かける前や終了後には、たっぷりと水分補給をすることを忘れてはいけません。無酸素運動の筋トレだけをしていても脂肪は燃えないと言われるのはこのためです。

★続けられることが1番

朝のウォーキングが無理なときは、日中や夕方のお腹が空いたときにちょっと歩く方法でも大丈夫です。なかなか痩せない更年期女性のウォーキングは、気軽に楽しく継続しやすいことが大切なのです。

更年期の脂肪を落とす運動③お腹と肩甲骨周りのストレッチ

更年期女性が太ると真っ先に気になるパーツは、お腹周り腰回りの脂肪です。そしてなかなか痩せないのも特徴です。他にも特徴的なのがブラのハミ肉が気になるおばさんっぽい背中です。

★お腹周りのストレッチ

ストレッチで気になる部位の筋肉を伸び縮みさせることで、長年使われずに凝り固まった筋肉が徐々にほぐれ、血行がよくなります。継続すると滞っていた老廃物が流れ、むくみがわらぐことを実感するでしょう。ストレッチが苦手、やり方がわからないという場合は、筋膜リリースローラー(フォームローラー)を使うのもおすすめです。お腹や腰回りをゴロゴロすると、翌日~3日後くらいには腰回りがスッキリするのを感じるはずです。なかなか痩せないお腹周りは、まずむくみを取り除いてむくみ改善を感じるとモチベーションもあがります。

★肩甲骨周りのストレッチ

更年期女性が太ると、背中にぼってりお肉がのりまるみがでてくる上、肩甲骨も消えてしまいます。大きい筋肉の背筋を鍛えて代謝アップをしたくても、背中は1人では難しいパーツのひとつです。

しかし、背中の意識は難しくても肩甲骨を動かすことは意識しやすいものです。そこで、更年期女性は積極的に肩甲骨のストレッチをするのがおすすめです。普段なかなか使わない部位を刺激すると、軽いストレッチでも汗ばむことがあります。特に肩甲骨周囲は代謝があがりやすいと言われていて、なかなか痩せない更年期にはぴったりです。

両手を後ろに組み、後ろに引きながらぐーっとできる限り肩甲骨を寄せます。同時に胸が張り、大きな筋肉である大胸筋や前肩が伸びるのを感じるでしょう。次に両手を前で組み、胸の前遠くまでぐっと前に伸ばします。その時おへそを見るようにしながら猫背を作り、肩甲骨を思い切り開きます。これを深い呼吸とともにゆっくり行います。ヨガのポーズのキャットアンドカウや、アップドック・ダウンドックなどもおすすめです。

更年期のためのダイエットで老けずに痩せよう

更年期の太る原因やなかなか痩せない原因は、主に更年期の体の機能や環境の変化によって引き起こるもので、若い頃の原因とは違ってきます。若い頃と同じようなダイエット方法では痩せないばかりか、ますます太ることになりかねません。そこで、更年期に適したダイエット法に切り替えることが必要になってきます。更年期女性が1番気になるお腹周りや背中といったパーツを、なるべく早く改善させるためには、効率のよい方法であることが大切です。また、なぜそうなるのか、なぜそうするのかを知ることで、結果を信じられるようになり、モチベーションがアップするのです。

継続するには即効性も大事です。実際脂肪が落ちたわけではないけれど、すぐにむくみがとれたり、ウエストがスッキリしたり、姿勢がよくなったりするのはとても嬉しいものです。なかなか痩せないからと無理をすると老けこむ原因になるので、更年期ダイエット法で老けずにきれいに痩せて、いつまでも若々しくいたいものですね。

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