痩せるには睡眠が大切な理由
今までも睡眠で痩せる理由については、食欲関連ホルモンや成長ホルモンの観点から重要性が語られてきました。近年ますます睡眠と肥満の関係の研究がすすみ、中には食事や運動よりも睡眠が1番大切だとする専門家もいるほどです。
2018年に、睡眠になんらかの問題があると、肝臓の脂肪代謝をつかさどる酵素の遺伝子が変化し、肝臓に脂肪を蓄えることが解明されました。今までは食べ過ぎや飲みすぎや運動不足が肥満の原因と言われていたため、脂肪の蓄積を防ぐためには食事や運動だけで頑張っていましたが、最近は本格的に睡眠を見直す流れになってきています。
2018年に「スタンフォード式最高の睡眠」や2020年「最強の睡眠」2020年「シリコンバレー式超ライフハック」での睡眠法が話題になり、健康やパフォーマンスの質を意識する人たちの間では、肥満予防においても睡眠を整えることの大切さの認識が広がっているのです。それでは具体的にどういった理由があるのでしょうか。
睡眠で痩せる理由最新情報~医学が証明~
最新の医学が証明した痩せる理由がわかる3つの論文結果を次にあげます。エビデンスを探っていきましょう。
①質のいい睡眠がとれないと脂肪を溜め込みやすくなる!
これまでは、睡眠不足で太る理由は、起きている時間が長いために食べ過ぎたり、口にものを入れる回数が増えたりすることで、総摂取カロリーが増えるからだとされていました。
2018年に、マウスに好きなだけの高脂肪食と砂糖水を与え自由に動けないようにして、糖質の高い飲み物を飲み、脂肪分たっぷりおいしい食事をたらふく食べて、運動もしない人と同じような環境に置いた研究がなされました。
睡眠を邪魔されたグループと自由に睡眠をとったグループで比較した結果、睡眠を邪魔されたグループで以下のことが判明しました。
不眠のグループの変化
- 血糖値が上昇
- 肝臓の脂肪量が増加
- 肝臓の脂肪代謝をつかさどる酵素の遺伝子が変化
- ストレスがかかると多く分泌されるホルモンが上昇
- 脂肪を合成する遺伝子の発現が上昇
一般的に脂肪のつく順番は、まず皮下脂肪、次に内臓脂肪、そして肝臓なので、肝臓の脂肪量が増加しているということはマウスは肥満であると考えられます。
血糖値の上昇も全体的な肥満に繋がります。普段の食事で糖質を摂取して血糖値があがると、体は血糖値を安定させるためインスリンを出します。このインスリンは脂肪を作り出す働きがあるため、血糖値の上昇は脂肪を蓄える原因のひとつとなります。そのため血糖値の急激な上昇でインスリンを過剰に出さないような、糖質制限やロカボダイエットが有効となると言われているのです。しかしこの2018年の研究結果からは、食べる量や運動量が変わらなくても睡眠不足だと、より太りやすくなることがわかりました。
また、睡眠を妨げられると、強いストレスを生み痩せることを妨げるうえ、遺伝子レベルで脂肪の合成がすすむことが判明しています。いくら辛いダイエットに励んでも睡眠がおろそかだと痩せないのです。
参考:
睡眠障害が肝臓の脂肪蓄積を増加させることを解明 ~たった1回6時間の睡眠を失うことが糖尿病リスクの増加につながる~ | プレスリリース | 東邦大学
②21時以降に寝る子は太りやすい!
睡眠とエネルギー代謝は密接な関係にあり、睡眠の短さが肥満と関連していることはよく知られています。
2020年、有名な小児医学専門誌のペディアトリックに掲載された論文によると、同じような体型の子間での研究で、21時以降に寝る習慣の子は21時までに寝る子よりウエストが太くBMIも高くなっていました。睡眠時間が短いと太りやすいと言われていましたが、睡眠時間の長さだけでなく床につく時間も肥満に関係することがわかったのです。
③睡眠の質が低いと太りやすい食習慣になる!
体によくない食事の習慣が太る原因になるということは周知の事実です。2020年からは食習慣を決めるのは実は睡眠だったということがわかってきたのです。
2020年にHeart Associationという循環器雑誌が明らかにしたのは、睡眠の質の低い人たちは高カロリー食を食べがちで、ダイエットに効果的な良質の脂質である不飽和脂肪酸の摂取量が少ないことでした。
研究者は、睡眠の質が悪いと空腹シグナルが刺激されたり、満腹シグナルが抑えられたりするために過食につながるとのべています。更に食べすぎることでますます不眠を招き、悪循環に陥ることもわかったのです。
今までの睡眠では痩せない理由
今までの睡眠では痩せない大きな理由のひとつとして、古いままアップデートしていない間違ったダイエット法があります。考えられる理由は主に3つです。
①摂取カロリーを減らしてしまう
「痩せるためには食事制限1番だから野菜中心の食事や食事制限やってます」とはよく聞く話ですが、実は摂取カロリーの制限が質のよい睡眠を妨げていることになるのです。
摂取カロリーを減らしてはいけない理由
- 血糖値の急激な低下
- たんぱく質不足
- 脂質の不足
急激な食事制限では糖質が不足して、睡眠中の血糖値が急激に下がるため、血糖値をあげようとコルチゾールというホルモンが通常より大量に放出されます。このコルチゾールが緊張を引き起こし、深い眠りを妨げてしまうのです。コルチゾールが出続けることで、今度は血糖が高くなりすぎたり下がりにくくなったりする不具合に繋がります。
食事制限によりたんぱく質が不足した場合は、安眠ホルモンであるセロトニンの材料となるトリプトファンが不足します。トリプトファンは食物を摂ることでしか得られない必須アミノ酸です。
そのほか、たんぱく質は眠気を誘い、興奮した神経を休めて、機能の回復をはかる役割があり、質の良い睡眠のために欠かせないものです。脂質もホルモンの膜を作る働きがあるので、不足すると睡眠に関わるホルモンまでも不足してしまいます。
○○食べるだけダイエットや○○置き換えダイエット、極端なカロリー制限は、質のよい睡眠に大切な栄養素が充分に取り込めません。必要栄養素をとるために適正カロリーでバランスのよい食事を心がけましょう。今までの睡眠では痩せない理由のひとつに、我慢してまで頑張っている食事制限があったのです。
②仕事帰りや寝る前に激しい運動をしている
夕方以降に激しい運動をしてはいけない理由
- 交感神経が活発になる
「痩せるために通い始めたジム。でも筋トレをした日は寝付けない、眠りが浅いな」といったことを体験する人も多いのではないでしょうか。
筋トレや激しい運動は、筋肉に過度なストレスを与えている状態です。体へのストレスによって交感神経が活発になり、睡眠時間になっても興奮状態で落ち着かないため、寝付きが悪くなります。また、夜に運動すると体深部の体温が大幅に上昇し、下がるまでには4~6時間かかるため、睡眠に悪影響をもたらします。筋トレはなるべく午前中や遅くとも午後までに 済ますのがよいと言われています。寝る前は副交感神経に切り替える軽いストレッチやゆったりしたヨガがいいでしょう。今までの睡眠では痩せない理由のひとつに、仕事帰りや夜に行う激しい運動があったのです。
③カロリー消費のために夜にも活動している
夜も活動してはいけない理由
- 食欲抑制ホルモンが減少
- 食欲増進ホルモンが増量
「そういえば睡眠時間の少ない人は痩せているかも?痩せるためにはカロリー消費が大切だから、ただ寝てるなんてもったいない、夜にも活動しなきゃ!」と遅くまで起きているかもしれませんが、実はそれが逆効果でした。
睡眠時間を短くしても、夜はカロリー消費量が多少増えたところで、1日を通してみると全体のカロリー消費量や脂質利用量には影響ないことが2017年の研究でわかりました。それどころか、食欲抑制ホルモンが減り食欲増進ホルモンが増えることで、空腹感や食欲増加し肥満につながるのです。
まず7時間の睡眠時間の確保をして、それから行動時間を割り振るようにしましょう。今までの睡眠では痩せない理由のひとつに、カロリー消費したいあまりの夜ふかしや睡眠不足があったのです。
④痩せるために色々なことを我慢している
痩せるために我慢してはいけない理由
- ストレスホルモンが増量
- 腸内環境の悪化
「ダイエットは、美味しいものは我慢、お腹が空いても我慢。ただでさえ人生ストレス多いのに、ますます我慢の連続な日々…。だけど、誘惑に耐えきれず、ついお菓子に手を伸ばしてしまった。罪悪感でいっぱい、あー自己嫌悪、こんな自分が嫌になる」「毎日続けているウォーキング、こんな寒い朝は行きたくない、サボっちゃおうかな?そうすると消費カロリーが足りなくなっちゃう。行かなきゃ、でも行きたくない。毎朝葛藤している、ああ、ストレス」
ダイエットでは、このようにストレスを溜めてしまいがちなうえ、自分を責める自己否定感情も強くなりやすいでしょう。この時、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されて、代謝率は下がり、血糖値は上昇し、脂肪を溜め込みやすくなります。睡眠は脳ストレスを一番解消してくれます。ストレスが質の良い睡眠を妨げる原因になるとともに、質の良い睡眠は脳ストレスを解消するという双方向での作用があるのです。
また、脳と腸は密接に関係していると言われています。ストレスを感じると腸内細菌の種類が減るため痩せにくい体になってしまいます。我慢や葛藤などのストレスを感じたらリラックス法を心がけましょう。ですが原因が取り除かれない限りストレスは続きます。ここで今のダイエットを見直してみませんか。
このようにダイエットの我慢でストレスを溜めてしまうことが、痩せない睡眠の理由になっていたのです。
参考:睡眠時間の短縮が肥満リスクを増加させるメカニズムを解明
睡眠で痩せる3つの理由
従来から睡眠ダイエットや、痩せる睡眠法がダイエッターの中でも話題になっていました。睡眠で痩せる理由は、気の問題でもこじつけの話でもなく、医師や専門家らが説く医学や科学で裏付けられているものなのです。詳しくご紹介します。
痩せる理由~食欲~
従来から、充分な睡眠をとる方が、その間不要なものを食べなくてすむので太りにくい理由だと言われていました。しかし睡眠不足が食欲を増進させることが、科学的理由として裏付けされたのです。夜間帯起きていると、お腹が空きやすくなり、つい冷蔵庫を覗き込んでは口にしてしまうということがありませんか?睡眠不足だと空腹を感じやすくなり、特に夜はぼんやりした状態なので理性も働きにくく、日中より食べてしまいやすくなりがちなのです。睡眠不足だと脂質と糖質の多い高カロリーの食品がより多く欲しくなることがわかっています。
つまり充分な睡眠な時間をとることで食欲の増進が抑えられ、余分なカロリーをとらなくなるのが睡眠で痩せる理由となります。特に、睡眠時間の中でも深い睡眠が減ると、糖質や脂質などを多く含む不健康な食べ物への欲求が高くなることから、深い睡眠がダイエットを助けることがわかりました。
痩せる理由~睡眠と代謝低下~
ひと晩しっかり眠ると1日あたり300kcalの脂肪を消費しますが、寝不足だと90kcaにとどまってしまいます。寝不足の人はしっかり眠る人より、1日あたり210kcal、1か月で6300kcal分もの脂肪が分解されずに蓄えられることになるのです。つまり、質の良い睡眠が痩せる理由のひとつです。
人は睡眠不足が続くと代謝に異常が起こります。善玉コレステロールが低下し、ウエストのサイズが増えたり、高血圧になったり中性脂肪増加や空腹時血糖値の上昇などを来したり、さまざまな悪影響を及ぼすのです。
充分な睡眠をとることで、この代謝機能を正常に維持することが、睡眠で痩せる理由になると考えられています。
痩せる理由~睡眠ホルモン~
睡眠で痩せる理由として、睡眠ホルモンが密接に関わっていることもあげられます。
6つの睡眠関連ホルモン
- メラトニン
- セロトニン
- コルチゾール
- レプチン
- グレリン
- 成長ホルモン
【メラトニン】
睡眠ホルモンと言われるメラトニンは寝付きを良くするほかに、細胞の新陳代謝を促進する作用があります。また、このメラトニンは、痩せる脂肪細胞といわれる褐色脂肪細胞を生産してくれることが知られていて、アンチエイジングやダイエットでも注目されているホルモンです。メラトニンは周辺の明るさで分泌量が変化し、夜になっても電気の光りを浴びていると分泌量が低下し、睡眠が障害されると共に痩せにくくなるのです。日中は太陽光をなるべく見て、夜になったら光は暗くすることが大切になります。メラトニンは夜にしか分泌されないため、夜によく寝て充分分泌させることで痩せる睡眠に繋がります。
【セロトニン】
セロトニンはメラトニンを作る材料になり、睡眠には欠かせないホルモンのひとつです。また、セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、気分を安定させるとともに食欲抑制効果で過食を防ぐ役割もあります。セロトニンはたんぱく質のトリプトファンという成分と補酵素のビタミンB6で合成されるため、カツオやマグロ、豆・豆類やバナナ、乳製品がよいとされています。
また、セロトニンは一定のリズム運動で増加するので、ウォーキングや深呼吸、リズムを刻む音楽で体を動かしたりゆらしたりすることも効果的です。無意識にしてしまう貧乏ゆすりやペン回し、机をトントントンと叩くことなどもセロトニンを出そうとする体の反応なのだそう。セロトニン不足させないことが、痩せる睡眠につながります。
【コルチゾール】
コルチゾールはストレスを感じた時に分泌される副腎皮質ホルモンです。過剰にストレスを感じると、コルチゾールが大量に分泌され、その影響で血糖値が上がります。高くなりすぎた血糖値を下げるために肥満ホルモンと言われているインスリンが大量に分泌し、その結果糖と脂肪が体内に蓄えられるのです。
また、コルチゾールは朝にたくさん分泌される特性もあるため、朝の目覚めを助ける働きもあります。
寝る前にストレスを抱えたままにしていると、コルチゾールの量が多くなり痩せる睡眠の妨げになってしまうのです。
【レプチン・グレリン】
レプチンは食欲抑制ホルモンと呼ばれ満腹感を与えてくれます。レプチンが少なくなると、空腹を感じやすくなるばかりでなく、甲状腺ホルモンを低く保もとうと代謝を下げる働きがあるため太りやすくなるのです。
グレリンは食欲増進ホルモンと呼ばれ、体のエネルギーが不足した時にエネルギー補給をさせようと食欲を増進させます。同時に、飢餓に備えるエネルギー貯蔵のために脂肪を蓄える働きもあり増加すると太りやすくなってしまいます。睡眠時間が短いとレプチンが低下しグレリンが増加するため、痩せる睡眠には充分な時間の長さが必要になるのです。
【成長ホルモン】
成長ホルモンは子供の頃に多く分泌し、骨や筋肉など組織の成長を促すホルモンです。大人になると分泌量は減り、運動をしている時か寝ている時にしか出なくなってしまいます。成長ホルモンは特に睡眠中のノンレム睡眠中に大量に分泌されていて、寝ている間に新陳代謝を促すと共に、脂肪を分解しエネルギーを作り出しています。入眠直後に訪れるノンレム睡眠の質をよくすることで、成長ホルモンが多く分泌するため痩せる睡眠となるのです。
このように、寝ている時には睡眠ホルモンが作用していて、一連の働きが痩せるための鍵を担っています。深い睡眠を妨げることなく充分な時間寝ることが、痩せる睡眠に大切なのです。
痩せる睡眠のために避けるべきことと12の誓い
痩せるためにはいかに睡眠が大切なのかという理由がわかりました。次は痩せる睡眠のための方法を知っていきましょう。ここでは、痩せる睡眠のために避けるべき12のこととその理由、具体的な方法ご紹介します。痩せる睡眠のために、次の12の誓いを心に刻めば、より一層質の良い睡眠を目指す気持ちが強くなるはずです。毎日目を通して意識することで、格段に効果がアップします。
ブルーライト
1.睡眠の2~3時間前、もしくは21時までにスマホやパソコン、テレビを見るのは終え、それ以降は液晶画面を見るのは辞めます。
ブルーライトを辞めるべき理由
- 強い光で睡眠ホルモンのメラトニンが減少する
ブルーライトを発する端末は、電源を切るか寝室には持ち込まないようにするのがいいのですが、どうしてもという場合は、ブルーライトカットのメガネを使用するか、ブルーライトフィルターやブルーライトカットモードを使うように工夫するのもいいでしょう。テレビの液晶もブルーライトを放つLEDが使用されているので、テレビも切ります。できればバスルームの照明も暗めにしてください。夜はLEDではない間接照明などのライトメインで過ごすことで、メラトニン分泌を抑えましょう。
アルコール
2. 寝る2~3時間前、もしくは21時以降はお酒を飲むのは飲みません。
アルコールを辞めるべき理由
- アルコール分解過程でレム睡眠を邪魔する
- 利尿作用で目がさめる
- いびきをかきやすく取り込める酸素量が低くなる
- 寝汗をかきやすい
- 耐性ができやすい
アルコールは前頭葉の働きを抑えるため、多少の緊張は取れて寝付きがよくなりますが、睡眠の質はかなり低下します。ぐっすり寝ているつもりでも、質が悪いのでその分体は長さを必要としますし、寝坊したり寝起きが悪かったり眠気が残ったりすることも多いはずです。
寝酒が習慣になっていると寝酒を辞めることで一時的に寝付きにくくなるものの、1週間もすれば元の調子に戻ってくるでしょう。それでも飲まずにおれない、1日でも我慢できない、量も増えてきているとしたらアルコール依存症予備軍であるかもしれません。専門医への相談をおすすめします。
カフェイン
3.覚醒作用のあるカフェインが多く含まれる飲料である、玉露やコーヒー紅茶、ほうじ茶、エナジードリンク、栄養ドリンクなどは午後以降は飲みません。
カフェインを辞めるべき理由
- 睡眠物質のアデノシンをブロックする
午後のコーヒータイムは、カフェインレスのコーヒーやカフェインが入ってないハーブティーなどをおすすめします。カフェインは摂取してから30~60分間で効果が出はじめ、その後5~8時間後まで体内に残ります。長い人だと10時間は持続しますので、せめて寝る8時間前までにすませるようにしてください。1日のカフェインの上限は300mlなので、コーヒー100mlで約3杯だとオーバーになります。コーヒー好きの方は、飲む分量に注意しましょう。
体温の上げすぎ
4.寝る直前の入浴や42℃以上のお湯につかること、または30分以上お湯につかることは辞めます。寝る前の激しい運動や汗をかくことも避けます。
体温をあげすぎてはいけない理由
- 交感神経が働く
- 深部体温が下がるまでに時間がかかる
人は眠りに入る時に、まず手足から熱を放散させて体の深部の温度を下げ、続いて脳の温度を下げて脳を休める深い眠りに入っていきます。手足の温度が高く深部の温度が低い、この差が大きいほど眠りやすさが強くなっています。寝る直前に体の芯から暖め体温をあげすぎると、体の内部の温度が低くなりにくいので眠りが浅くなるのです。室温を上げ過ぎたり、電気毛布をつけっぱなしにしたりしても目が覚めやすくなります。
入浴はぬるめのお湯で寝る90分前に。やむなくシャワーの場合は足首を温めるよう集中的にお湯をかけます。お風呂上がりは靴下は厳禁ですが、足首は冷やさないようにレッグウォーマーを履くといいでしょう。手足の血管が広がり足裏表面からの熱放散が増え、体の内部の温度が低下しやすくなります。
SNSやメール
5.睡眠の2~3時間前にはSNSやメールを見るのは辞めます。
SNSやメールを辞めるべき理由
- 刺激が脳を興奮させる
- 返信や内容が気になり寝付けない
SNSはさまざまな情報が入ってきます。予期せず、怒りを覚えたり悲しくなったりしてしまう情報までもが目に飛び込んでくることもあるでしょう。また、LINEやメールでは、気が重くなるような仕事の話が送られてきたり、返信がなかなか来ずそわそわして気になったり、わたしたちの感情を刺激する事が多いはずです。こういった刺激で脳が興奮し、その結果なかなか寝付けなくなったり、逆にネガティブな気分になったり質のよい睡眠を妨げる原因になるのです。
また、寝る前に文章を書くなどの言語化をする作業は、脳の言語野を興奮させ睡眠に影響を及ぼすので避けましょう。寝る前は自分がリラックスできることや、頭を使わないでよいことを行う時間にしてください。
30分以上の昼寝
6.昼寝は15~20分程度とし、30分以上にならないようにします。
30分以上の昼寝を辞めるべき理由
- 深い睡眠が出現し起きづらくなる
- 深睡眠から急に覚醒すると脳が覚醒しきれずミスを誘発
昼寝をすると逆に夜に眠くなくなるのでは?と思うかもしれませんが、実は逆です。体内のリズムに従った昼寝によって、むしろ夜の睡眠の質は高まり、朝の目覚めも良くなることがわかっています。
2014年には厚生労働省が午後の作業能率を改善するために、短時間の昼寝を勧めました。最近では、積極的に仮眠をしてパフォーマンスの質を高めようという認識が広がってきています。しかし、睡眠があまり深くならないように30分までに抑えることがコツです。
エンタメ系の読書
7.寝る前の読書では、興奮を誘うような漫画や推理小説、過激な表現の雑誌など、エンタメ系の本や雑誌は避けます。
エンタメ系読書を避ける理由
- 刺激が脳を興奮させる
- 途中で切り上げにくくなる
読者を引きつけるように工夫を凝らされたエンタメ系の本。国民を惹きつけてやまないアニメの漫画本では、ついつい次の話が気になって読むのが止まらなくなります。夜ふかしする人も続出していますよね。そのような内容の本だとドキドキワクワクするために脳は興奮状態になり、寝付きが悪くなったり脳の興奮が覚めにくく眠りも浅くなってしまうのです。
本を読むときは、ちょっと硬めの内容の本や、落ち着いたエッセイなどがおすすめです。また、趣味の雑誌やお気に入りの写真集などで幸せな気持ちになれるものもよい睡眠を促してくれるでしょう。資格取得の教材や勉強の本などは、寝る前に読むことで記憶の定着がしやすくなるので是非取り入れてみてください。
ベッドパートナー
8.夜寝る時には、できるだけ1人1つの寝床が好ましいと覚えておきます。
人と一緒に寝るのを辞めるべき理由
- 相手の脳の覚醒に伴って、深い眠りの最中でも遮断される
睡眠の邪魔をするのは実は一緒に寝ている人だっということが、2020年にオックスフォード大学の医学雑誌で科学的に裏付けされました。相手の脳が覚醒すると自分も眠りから覚めてしまう、同じ睡眠のパターンを辿っている事が明らかになったのです。
小さい頃から親兄弟とベッドで寝ていた人などを除き、長い間1人で寝ていた人にとっては睡眠がベッドパートナーに影響されてしまいます。これは睡眠において環境が大切なことを示しているとも言えるでしょう。
人はエアコンの冷風が吹き出す瞬間に、寝返りを打ったり睡眠深度が変わったりすることかが判明し、睡眠に何らかの影響与えていることもわかりました。エアコンの風が当たらない場所で寝るように言われていたことも、その根拠が明らかになっているのです。睡眠時の環境を整えるのは大切なことです。
ベッドで何かする
9.ベッドでは寝る以外のことをしません。
ベッドで寝ること以外を辞めるべき理由
- 脳が寝ること以外の場所と誤って認知する
人間の脳は、場所とその場所で行った行為をセットで記憶します。ベッドでスマホを見たりゲームをしたりすると、脳はここは眠る場所と認識しづらくなり、寝付きの悪さや睡眠の質の悪さにつながります。テレワークでも仕事中にベッドが目に入る場所で仕事をすると、集中力を欠くばかりでなく、睡眠の質に影響を及ぼすことがわかっています。
休日の朝はベッドでモーニングが贅沢な楽しみと思っていたかもしれませんが、実は質のよい睡眠にはよくなかったのです。ベッドは眠るだけの場所にしましょう。せめてデジタル機器を持ち込まない、ベッド上で仕事をしない、仕事の服のまま寝ないなど心がけたいものです。
眠くないのにベッドにはいる
10.寝る時間がきたからと、眠くないのにあわててベッドには入りません。
眠くないのにベッドに入るべきではない理由
- 脳がベッドに入ってもすぐに寝ない場所と誤って認知する
眠くない時にベッドに入って横になっても、あれこれと考え事が浮かんできて余計寝付けなくなったことはあるかもしれません。このようなことが続くと、脳はベッドイコール考え事をする場所と認識してしまい、ますます寝付きを妨げてしまいます。もし15分以上たっても眠れない場合は思い切ってベッドから出て、眠気が来てからベッドに入るのを繰り返したほうがよいのです。
睡眠の準備として、寝る前は就寝時間にこだわりすぎず、心に余裕を持って気楽に過ごしましょう。リラックスして副交感神経を優位にすることで自然な眠気を誘うことがポイントです。ベッドに入ったらすぐ眠りにつくということを脳に覚えてもらうことが大切なのです。
寝る前3時間以内の食事
11.夕食は寝る前3時間以降には食べません。
寝る前に食べることを辞めるべき理由
- 消化吸収にエネルギーを要する
- 胃の不快感で目覚めやすい
- 消化不良になる
寝る前の食事は、寝る前の3時間前にはすませておきましょう。睡眠中身体が消化吸収に集中することになり、脳や身体を休めることができないため、睡眠の質が下がります。特に脂肪分の多い食事は、消化に時間がかかってしまうので、夕食にステーキや揚げ物を摂ることは控えたほうが好ましいでしょう。刺激物である香辛料も胃に刺激を与え、質のいい睡眠を妨げます。消化のよい炭水化物である白米やうどん、脂質の少ないたんぱく質食材である白身魚、鶏肉、豆腐などの料理をメインにするのをおすすめします。
炭水化物不足
12.夕食には適切な量の炭水化物を摂り、糖質不足にはしません。
糖質不足を避けるべき理由
- 低血糖でインスリン分泌過多になる
糖質制限ダイエットで夕食時に炭水化物を抜く人は多いのですが、逆に安眠を妨げる原因にもなってしまいます。人は血糖値があがると眠気がくるので食べた後に眠くなった経験は誰にでもあるはずです。質の良い睡眠をとるには、低血糖を避けるため適切な量の炭水化物が必要なのです。
糖質制限をしている場合は、朝昼に糖質をカットし、夕食には適度な量の炭水化物を摂取しましょう。冷えた白米やゆでたじゃがいものでんぷんは、腸内細菌の餌になるレジスタントスターチで、腸内環境を整え免疫系を調整する快眠及びダイエット食材になるのでおすすめです。また、主食であるごはんやパンは抜いても、デザートにトリプトファンが多くて消化のよいバナナをつけることもおすすめです。
いつも夜中に空腹で目覚める場合は、夜寝る30分前にスプーン1杯のはちみつを摂取します。穏やかに血糖をあげ、インスリンの過剰分泌を抑えて低血糖からくる空腹感を防いでくれます。
痩せる睡眠の3つの方法
痩せるための睡眠で、特に押さえておきたい3つの具体的な方法をご紹介します。自分をもっときれいにしてくれる心地よい睡眠を大切にすることは、自分を大切にすることにつながります。痩せる睡眠のために毎日のルーティンに取り入れる以下の3つの方法は、最高に気持ちよくて楽しみな時間になるでしょう。生活における優先順位が痩せる睡眠のための3つの事になれば、きっと気づいた時には、痩せるばかりでなく身も心も美しくなっているはずです。
睡眠で痩せるための入浴
痩せる睡眠のための入浴で、押さえておくポイントは、就寝90分前に38~40度のお湯に約15分程度つかることです。お風呂の入り方に正しい手順はあるの?と疑問に思うかもしれません。基本は自分の好きな方法でいいのですが、より効果的な手順もお伝えします。
①まず掛け湯およびシャワーを浴びる
②湯船に腰まで浸かり一呼吸置いてから肩までつかる(3~5分以内)
この時軽く体を温めることで毛穴が開き、汚れが落ちやすくなります。また、洗髪をする時に体が冷えにくくなる効果も。
③湯船を出て髪を洗う
頭皮の毛穴も開いて皮脂汚れも落ちやすく美髪にも繋がります。地肌をゆっくりと揉みほぐしながらマッサージ。ゆっくりした呼吸にあわせてリラックスすれば更に効果的です。
④約40℃のお湯に15分ほどつかる
気持ちを落ち着けてゆったりと。一日頑張った自分の体をいたわりながら、全身の緊張を解きほぐします。はあーっと深いため息をついて、体はもちろん、顔や額や頭までも力が抜け、体中がゆるむのを感じてみてください。全身の血液の循環がよくなり体の隅々まで栄養素がいきわたります。
⑤体を洗って流す
手足の先から体の中心に向かって洗うと血液やリンパの流れを助けてむくみも改善されます。
⑥浴室内で体を拭く
ボディクリームもこの時塗ると保湿力を高めます。ここでフェイスパックすることもおすすめです。
⑦お風呂から出たら水分補給も忘れずに
この後90分後にお布団に入りましょう。
睡眠で痩せるためのストレッチ
寝る前のストレッチを習慣づけている人は多いかも知れません。頑張りすぎて逆に睡眠の質を落としている場合もあるので確認が必要です。ここでは続けやすく自分に優しいリンパストレッチをご紹介します。
・痩せる睡眠のためのストレッチの4つのポイント
- 5分間程度
- 痛くしない
- 動きは少なめ
- 体幹中心、特にリンパのある付近を伸ばす
リンパ節中心のストレッチで、硬くなったリンパ節周辺の筋肉がほぐれ、深層からのアプローチでリンパの流れがスムーズになります。寝付きがよくなるとともに代謝があがり痩せる睡眠につながるのです。また、リンパ節はリンパ液の中の細菌やウイルスに感染した細胞などの異物をキャッチし、処理してくれるフィルターのような役割があります。ウイルスの気になるこの時期は、リンパの流れをスムーズにしておき免疫機能を高めることも大切です。
下のポーズからその日の気分にあったものを選んで、5分程度おこないましょう。
・おすすめのポーズ①脇をのばすストレッチ
腋窩リンパ節の筋肉を伸ばします。日常生活ではほとんど脇は閉じられています。夜のストレッチでは、両手を遠く頭上にあげ、脇を思いっきり解放してリンパ液を流しましょう。横に体を倒して体側を伸ばすとより効果的です。
・おすすめのポーズ②胸を開くストレッチ
鎖骨下リンパ節の筋肉を伸ばします。正座になり両手を後ろにつきます。体重を徐々に両手に移すよう、体を後方に倒していきます。はじめにお腹、そして胸、デコルテ、首の順に体が伸びるのを感じながらゆっくり行いましょう。
日頃のデスクワークやスマホチェックでは、背中が丸まり首が前に出て、腕が内側に閉じた姿勢をついついとってしまいます。そうすると、胸の筋肉が縮こまって血液の巡りが悪くなり、凝りやフェイスラインの崩れの原因になるのです。
夜のストレッチでは、胸を反らせるように解放して、鎖骨下リンパ節を刺激しリンパ液をながしましょう。首も伸びることで、頚部リンパ節も同時に刺激できます。
★この姿勢が辛いようなら、下のポーズがおすすめです。
両手を背中の後ろに組んで、肩甲骨を寄せるように両手を斜め下後方へ引きます。同時に首を伸ばすとよりストレッチが効きます。
このポーズもやりにくいと感じた時は、下のポーズでも大丈夫。
両手を思いっきり開いて、なるべく肩甲骨を後ろに寄せるイメージで胸を大きく開きましょう。普段なかなか腕を開いたり肩甲骨を寄せることがない場合、このような簡単なストレッチでも効果があります。
・おすすめのポーズ③お腹と股関節を伸ばすストレッチ
腹部リンパ節と鼠径リンパ節の筋肉を伸ばします。
鎖骨下リンパ節のストレッチの姿勢から、ゆっくり両肘を折りたたんで状態を床に預けていきます。鎖骨から首にかけて心地よい伸びを感じていきましょう。日常では体の前面を縮める姿勢が多く、反らす動きはかなり少なくなっています。体の前面をのばすことで、太もも、股関節、お腹、胸が伸びて、滞りやすいリンパ液の流れがスムーズになります。
上の画像の状態から背面を床につけ、両手を頭上で組み、よりストレッチを深くしていきます。体の自然な重さに身を任せゆっくり深い呼吸をすると、じわじわと体の前面が伸びてきます。特にふとももから股関節にかけてほぐれていくのを感じるでしょう。時間をかけることで体の深い部分までじっくり効き、リラックス効果も高くなるのです。
体が辛い場合は、下の図を参考にするとよいでしょう。
初心者の場合は、図の上のように背中に枕を当てて体が痛くないように調整します。痛みを感じることはせずあくまでも心地よさを大切にし、自然にポーズが取れるよう自分にあった高さをみつけましょう。
それでも足や腰に負担がかかると感じるならば、下の画像を参考にしてください。
片足は前にまっすぐ伸ばし、もう一方の足は折り畳んで足の裏がお尻の横に来るように座ります。両腕を床について体を支えながら軽く後ろに上体を倒していきましょう。痛くなったらその手前で止め、気持ちいい場所を探してください。大丈夫なようであれば両肘を折りたたんで、更に体を床に近づけストレッチを深めていきます。
鼠径リンパ節の筋肉を伸ばすストレッチのもう一つのバージョンです。後ろに伸ばしている側の鼠蹊部や太ももの前側が、ストレッチできます。
片方の脚を折り曲げ、前に出してお尻を座らせます。反対の脚を長く後ろに伸ばしていきます。骨盤が傾かないように、おへそを正面に向けるように意識してみましょう。この時お尻がかなり浮いてしまう場合は、伸ばす足は無理せずに身体の横の方に持ってきて体側に近づけます。お尻に枕をひいて調整しても大丈夫です。後ろに引っ張っている側の足の鼠径部が伸びているのを感じてみます。無理せず痛みのない範囲でゆるめることが大切です。
上半身はまっすぐ起こし、頭のてっぺんが天井の方に引き上げられているように伸ばしますが、これが辛い場合はすぐに下の画像のポーズにうつることをおすすめします。
上のポーズから両手を少しずつ前に滑らせながら、上半身を倒していきます。この時息を吐きながら、ゆっくりと痛くないように落としていくことがポイントです。大丈夫なようであれば、両手もべったり床につけ顔は左右のどちらか横にして、力を抜いていくのがおすすめです。頭の上で両腕を抱えてもいいでしょう。できなければ下までべったりつける必要はありません。痛くない範囲で体を前方に倒していくようにしましょう。
・おすすめのポーズ④膝裏と裏腿を伸ばすストレッチ
膝下リンパ節の筋肉を伸ばすストレッチです。
両足を前方に伸ばし、後ろに傾きがちな骨盤を、床に対して垂直になるイメージで立て、坐骨でどっしり座ります。息を吸って背筋を伸ばし、ゆっくり息を吐きながら上体を、股関節からお腹、胸、顔の順に自然に前に倒していきましょう。脚の親指を掴むか、画像のように足の裏に回した手首を掴みます。
頭は脚につかなくても大丈夫、痛い時は膝を曲げていても大丈夫、自分のベストポジションを探します。その場所から、自分の体の重みで息をは吐くと共に自然に任せて力を抜いていくと、じわじわと前屈が深まります。膝裏、ふともも、ふくらはぎの伸びを感じていきましょう。
膝裏が硬いと、立った時や歩く時、膝が曲がり老けた印象になります。裏は自分では見えないため見落としやすい箇所ですが、意識して体全体の背部をストレッチしていきましょう。
・おすすめのポーズ⑤背中を伸ばすリラックスストレッチ
上半身を前に倒して伸びることで、背面の筋肉を緩めていくリラックスストレッチです。
正座で両手を床の前の方についたあと、ゆっくり息を吐きながら手を前に滑らせるように股関節から上半身を前に倒していきます。おでこがつくまでゆっくりと背中の伸びを感じながら行いましょう。そのまま力を抜いて、しばしリラックスしてください。
自律神経は背骨に沿って走っています。背中から腰にかけて大きくストレッチされるので、自律神経のバランスを整え、副交感神経を優位にし、安眠効果が期待できるポーズです。
・おすすめのポーズ⑥背中を丸めるリラックスストレッチ
背中を丸めてまるで胎児のように自分を優しく抱きしめるリラックスストレッチです。
仰向けに寝転び、両膝を立てたら両手で両膝を抱きかかえ、優しく太ももをお腹側に引き寄せます。ゆりかごのようにゴロンゴロンと揺れても気持ちがいいのでおすすめです。お腹に適度な圧迫を加え、腸に優しく刺激を加えることで、質のよい睡眠のための「セロトニン」の分泌を促します。顎を引き首のストレッチを行うと、交感神経を支配している僧帽筋が緩み、副交感神経優位になりやすく快眠につながります。
・おすすめのポーズ⑦股関節とお尻を緩めるリラックスストレッチ
上のポーズに引き続いて行えます。股関節を開放し下半身を緩めるリラックスストレッチです。
両足の裏を小指側から両手で掴み、体の力を抜いて自然な重みで膝が脇の方に落ちていくようにゆっくり呼吸します。すねが床に対して垂直になるように心がけますが、自分が気持ちいいと思う場所で維持することが大切です。
股関節を開いてあげることで、日中足先にたまりがちな血液やリンパを中心部に戻し、むくみをやわらげます。その他、脳を落ち着かせ、ストレスや疲労を和らげ深い睡眠に導く効果があります。
・おすすめのポーズ⑧最後に屍のポーズで全身を緩めリラックス
全身の筋肉や神経を休ませる究極のリラックスポーズです。
手足を楽に広げて仰向けに寝て、ゆったりした深い呼吸と共に体が緩んでいくのを感じてください。体や手足が自然に重たくなり、床に吸い込まれるイメージで身を任せます。
体全身の筋肉の緊張を解きほぐし、精神を穏やかに安定させ、深い睡眠へといざないます。このまま眠りについても大丈夫です。
★ポイント
体は、深呼吸の吐く息でゆるんでいきます。深いゆったりとした呼吸で吐く息を長めにし、自分の体の重みでゆっくり自然に体が伸びていくのを感じてください。力で体を曲げたり伸ばしたりすると、逆に筋肉は緊張してしまいます。ポーズはあくまでも参考にして、ご自身の心地よいところでとどまりそこから徐々に力を抜いていくとよいでしょう。
力が抜けて気持ちよさを感じられるようになると、毎日の寝る前のストレッチが楽しみでしょうがなくなります。痩せたいという気持ちより、今日も気持ちよくなりたいという気持ちになれば、もうダイエットは成功です。あとは変化を楽しみに待っていてください。自然に理想の体型になれるでしょう。
睡眠で痩せるためのメンタルに優しいこと
1日が充実したよい日になることを誰もが願ってやみません。その1日1日の積み重ねが自分の人生になるからです。いい1日を決めるのは、前日の夜寝る時にいかにリラックスして、幸福感で満たされた気持ちで入眠できたかということです。そして充実した1日を過ごすことは、痩せるためにもっとも必要なことなのです。
【メンタルに優しい3つのこと】
- ベッドの周りは自分だけの癒やし空間を作る
- 夕食以降は不必要な情報はシャットアウト
- 考え事はしない、気になることも全て明日に回す方が吉
寝室やベッドの周りは、見るだけで心が安らいだり、いい気分になるようなお気に入りのものを置いてリラックス空間を作りましょう。世間で言われている癒やしグッズにこだわる必要はありません。自分が見て気分がよくなるならば、それがあなたの癒やしグッズです。
夕食後はなるべく不必要な情報を入れず、刺激を減らして脳を興奮さることはやめましょう。電話やラインなどの他人とのコミュニケーションも、仕事のことであれ夜にはキッパリ辞める方がいいのです。何も考える必要がない状態に整えるのが好ましいでしょう。ご家族も巻き込んで、夜はマッサージのしあいっこ、他愛もない話題での団らんなどのリラックスタイムを作ってしまえばいいですね。
日記書くことも、感情の上がり下がりを刺激するきっかけにもなるので、簡単なメモ書きくらいがおすすめです。反省や振り返りも、感情を絡めず淡々と作業のように行う方が、脳を興奮させず質のよい睡眠のためになるのです。
こうして自分を1番優先し、自分を1番大切にすることが脳を落ち着かせることにつながります。このような状態でベッドに入ると、なんだかほっとした穏やかな気持になっていることに気づくはず。
ベッドにはいったら「あぁ幸せ」「あぁ気持ちいい」と、いい気分を味わいながら眠りについてください。
いい気分で1日を終えることが、ダイエットにとっても何よりも1番大切なのです。
痩せる睡眠の3原則
痩せる睡眠のための3原則
- 充分な長さの睡眠時間
- 毎日同じ入眠時間
- 朝の目覚めがよく、昼食後以外に眠気が来ない程度の睡眠の質
年齢、体質などによって個人差がありますが、おおよその目安として次のことを参考にしてください。
7時間以上の睡眠
最適な睡眠時間は7時間だということが、複数の研究で明らかになっています。しかしながら、日本人の睡眠時間は4減少を続けていて、現在経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、最も睡眠時間が短い国となってしまいました。また、睡眠時間を精密に測定した研究では、平均約1時間自覚していない睡眠不足が存在するということがわかっています。わたしたちは慢性的に睡眠不足に陥っているのです。
7時間の睡眠をとることで、眠気の解消だけではなく、血糖値の安定、ストレスホルモンであるコルチゾールの低下など、痩せるために必要な体のバランスが整います。7時間はベッドにいられるよう、時間を逆算して寝る時間を決めみてください。
質のいい睡眠
質のいい睡眠の3つの条件
- 朝の目覚めがいい
- 日中は昼食後以外眠気がない
- 15分程度で寝付く(8分以内は疲れすぎ)
特に寝入って90分間のノンレム睡眠の深さが眠りの質を左右します。この時に成長ホルモンが一番多く分泌し、逆に深い睡眠がとれないと成長ホルモンは分泌されません。記事内の具体的な痩せるための睡眠法を行って睡眠の質を高めます。
その他に
- 寝る10前に換気をし二酸化炭素濃度を下げる
- ベッド周辺に木質のものを置く
- たばこの煙を避ける
- 寝る前に自然の風景を見る(写真でも効果的)
これらのことも研究結果で睡眠の質を上げることがわかっています。
起床時に体のリズムにそって自然に目覚めることが大切です。寝ている最中、目覚まし時計で無理やり起こされてますます起きれなくなる、何度もスヌーズ機能を繰り返し結局寝坊、朝から頭が思い、目覚めが悪いということを経験したことがあるのはないでしょうか。スッキリ起きれる目覚ましに変更しましょう。
・おすすめの目覚ましのかけ方
- 起きる20分前…小さめの音で短め
- 起床時間…大きめの音で長め
起きたらまずカーテンをあけ、起床後4時間以内には日光を浴びるようにしましょう。窓の在るキッチンに立ったり、窓際で朝ごはんを取ったり5分くらいは窓から入る光を浴びるのがおすすめです。
同じ入眠時間
ゴールデンタイムと言われている22~深夜2時の時間にはこだわらず、毎日同じ決まった時間に寝ることが大切になっています。昔は成長ホルモンは22時から深夜2時にしか出ないと言われていましたが、実は入眠後の深いノンレム睡眠で最も多く分泌されます。たとえ朝6時に寝たとしても、そこから深い睡眠がとれたなら成長ホルモンは大量に分泌されているからです。夜勤や徹夜明けなどで朝方に寝る場合は、遮光カーテンで外界の光を遮り、室内を真っ暗にして寝るとメラトニンの分泌は抑えられます。
究極の痩せる睡眠のためのアイテム
痩せるための睡眠のためのアイテムを紹介します。お気に入りのグッズを集めて睡眠の快適化をはかっていきましょう。
アイマスク
素材を第一優先して、チクチク、ゴワゴワせず肌ストレスを感じないものにします。おすすめはシルクです。保湿効果もあるので目元のシワ対策にもなるでしょう。
ノイズキャンセリングイヤホン
エアコンの音や電源を切る音ですら睡眠の妨げになることがわかっています。耳栓やイヤホンでもOKですが、睡眠用のノイズキャンセリングイヤホンは効果も絶大と大人気。80%以上の人が睡眠の改善を評価しています。
目覚ましライト
強制的に音で起きる目覚まし時計ではストレスなり、朝をゆううつにしてしまう元凶でもあります。光で自然な起床を助ける目覚ましライトは、広範囲を照らし2500ルクス以上のものがおすすめです。
いびき対策口閉じテープ
睡眠中の口呼吸を予防し、鼻呼吸で深い眠りにするとともに、日中の浅かった呼吸も深くなると評判です。肌に優しいテープを使用していますが念の為にパッチテストでかぶれなどをチェックしてください。
いびき対策鼻腔拡張テープ
こちらも睡眠中の呼吸を深めて睡眠の質を高めます。スキンケア後だと油分でとれやすくなるものもありますので、レビューを参考に検討してみては。
蒸気アイマスク
パソコン作業で目が疲れると比例して脳もかなり疲労します。眼の周辺筋肉をじんわり温めてほぐすため、気持ちよさで寝落ちする人続出です。
入浴剤
使うと使わないのでは体の奥からの温まり方が違います。アロマ効果でリラックス効果も促進され自然な心地よい眠りを誘うでしょう。
今日から睡眠時間がダイエットタイムに変わる
ダイエットでは結果を早く求めるが為に、自分に厳しくしてしまいがちです。しかし、本当にダイエットの成功にとって大切なことは、自分をいじめることではなくて、自分を大切にすることでした。食事や運動は努力している感じがあるのに比べ、睡眠は直接的に痩せる結果に繋がる実感がわかりにくく、おざなりになりがちです。忙しい日々の中、優先順位はついつい家の事や仕事になり、睡眠の時間は削られてしまっていましたよね。痩せるためには、質の良い睡眠が大切なことが理解できた今、あとは痩せる睡眠法を実行するだけです。
綺麗に痩せるだけでなく、日々のパフォーマンスの質も向上するため、あなたの生活はより充実し、生き生きした人生を送れることになるでしょう。