欧米で増加中?!オープン・リレーションシップな夫婦
オープン・リレーションシップという言葉をご存知でしょうか?
アメリカを中心に、ここ数年増えてきている、新しい【夫婦・交際のあり方】なのですが、おそらくその詳細は日本人からしたら、理解不能な関係でしょう。というのも、夫婦でありながらお互いに恋人を作ることを了承している関係なんですから。
「はぁ??」と思いましたよね。一度聞くだけでは、ちょっとなに言ってるのかわからない…となってしまう方が多いことでしょう。
「夫婦なのに?交際しているのに??
別の彼氏や彼女をそれぞれが持つことを許す関係性ってどういうこと?」ってなりますよね。
ただ、離婚率の高い欧米ではオープン・リレーションシップ、宗教的な理由から離婚に対する罰則のある国などでは、【結婚】にとらわれないパートナーシップ制度などの新しい恋愛の関係性が増加しているのは事実です。
特に昨今では同性婚を認める国も増えているのですから、日本の結婚・カップルに対する制度は、事実婚ですらまだまだ受け入れられていない現状ですし、むしろ遅れている一面があるのかもしれませんね。
東洋経済ONLINE|ヨーロッパは「結婚制度に縛られない社会」だ
夫婦なのにオープン・リレーションシップ?不倫じゃないの?
先に明言しておきますが、オープン・リレーションシップは、不倫・浮気ではありません。
でも、「夫婦・付き合っているのに、それぞれ恋人も持つだなんて!欧米人が好きそうな発想…」、そう思う方も多いことでしょう。
普通に日本人の感覚からすると、好き同士で夫婦になったのに?好き同士で付き合っているのに?不倫・浮気でしょ?と思うのも無理はありませんよね。
彼らのLOVEの意味を疑っちゃいたくなりますね…
根本的に❝縛られない生き方❞という発想があるということが、ポイントになってきそうですね!
念のため、誤解のないようにお伝えしますが、彼らにも一夫一妻制という概念があることには違いなく、一夫多妻制を目指しているのではありません。
では、なぜ彼らは結婚をしながら…あるいは好き同士で付き合っていながら、オープン・リレーションシップを肯定し、その関係性を維持できるのでしょう?
2人がオープン・リレーションシップに合意している
オープン・リレーションシップを採用している夫婦・カップルの場合、双方がその関係に【合意】していることが大前提です。
日本人の結婚の感覚と大きく違うのは、欧米では夫婦・恋人になる=常に行動を共にするのは当たり前という認識があること。もちろん、全員ではありませんが。
あなたの友達は私の友達、私の友達はあなたの友達、あるいは、私の晴れ舞台は、あなたの晴れ舞台という関係性なんです。
たとえば、欧米の俳優やモデル、シンガーなど、パーティー・セレモニーなんかに、パートナーと一緒に出席している写真などを見かけませんか?
それです、常に行動を共にするの意味!
そういった関係は壊さない、でも彼氏・彼女をそれぞれ持つこともお互いに合意で了承しているので、問題ないでしょ?といった感じでしょうか。
お互いを認め合った関係ということは崩さないで、お互いのバランスがとれているのであれば、確かに…。とがめられる筋合いはないですもんね。
オープン・リレーションシップだからこそ仲を保てる
一度は夫婦になるほど愛し合った人、認め合った関係、それだけ公表する関係になった人同士ということには変わりありません。
欧米では個人を尊重する風潮があるのですが、違いや人となりを認め合うほどになった仲の人なのですから、【離婚・破局】という結論ではなく、尊重し合って大事にし合えないだろうか?という考え方をする傾向もあるのです。
それがまさにこのオープン・リレーションシップの発想。それなら離婚しなよというのは日本人の意見でしょうが…。
夫婦(夫婦同等)になれたほど認め合えた人なんだから、いがみ合い嫌いになって離婚するのではなく、「お互いの心のバランスが保てるのであれば、そういう関係でもいい」と、関係悪化を避けられる手段にもなりえるのですね。
子どもがいる場合にも、合わないから離婚という選択ではないですし、夫婦のそれぞれが心のバランスを保っていられることで、家庭内(特に子どもの前)での言い争いなどは激減します。
パートナーもオープン・リレーションシップを理解している
パートナー側はどうなるの?という意見・考えがあるでしょうから、ここでご説明しておきましょう。
彼氏・彼女になるパートナー側の方も、同様に結婚に縛られた考えがない人が多いものです。たとえば、結婚は今する気はないけど、彼氏は欲しいなって人もいます。
他にも認め合える人なんだから、別に既婚であろうが良い仲なんだからそれで良いという人も。要はそれぞれ条件が合えば、とやかく言えませんよね。
それに、日本以上に結婚より仕事という女性も多いですし、結婚・恋愛以外に幸せを求める女性も多いものです。
また、昨今日本でも少しずつ増えてきているとはいえ、未婚で子どもを持つ選択も、欧米では当たり前のようになっています。
もちろん離婚してシングルマザーになったという方もいますが、選んでその生き方をしている人は圧倒的に海外の方が多いことでしょう。それでもやっていける社会環境でもありますからね。
オープン・リレーションシップをする夫婦の本音とは
オープン・リレーションシップを採用している夫婦の本音の、ポジティブなものもをいくつかご紹介します。
「何度聞いても理解できない…そんな関係…」と思う方は多いことでしょうが、やはりその関係の方が合うんだという夫婦もいるものです。
でもね?冷静に考えてみてください。黙って不倫・浮気されているくらいなら、オープンに恋人作ることを公認している方が良いのかもしれませんよ?
オープン・リレーションシップをする夫婦の本音①けんかが減る
これまで2人の時はけんかばかりだったのに、お互いに恋人を持つことでイライラすることも減って、むしろ夫婦としては、不仲になる要因が減ったという意見があります。
こそこそ隠れて実は浮気されてたなんてことを、後から❝バレる❞ような流れで知る方が、よっぽど傷つきませんか?
オープン・リレーションシップをの場合、元からお互い同意しているのですから、嘘や騙すようなことをされているわけではありませんからね。
これは夫婦の愛情がないからお互いに彼氏・彼女を作るという話ではなく、縛られないフリースタイルな関係とでもいいましょうか。そのため、お互いに嫉妬はなしで、夫婦として良い関係を保っていられるのです。
オープン・リレーションシップの場合、❝嫉妬はしない❞、❝家庭は壊さない❞というようなルールを決める夫婦が大半で(ルールについては追ってご説明いたしますね!)、お互いがストレスを軽減できているということでしょう。
オープン・リレーションシップをする夫婦の本音②拘束されない
そもそも、オープン・リレーションシップは、一人にしぼれない・遊び人という話ではありません。
ただ、❝夫婦とはこうあるべき❞という思想から自由になった関係ともいえます。夫婦になって起こりうる問題、たとえば、セックスレス。こういったものは、相手にその気がない以上、どうしようもないトラブルになってしまうんですよね。
どちらかが我慢するしかないなんて、かなり酷なことではないでしょうか?
オープン・リレーションシップの場合、彼氏・彼女持つことをOKとするのですから、もちろん肉体関係もアリです。大好きだでも、年齢や心境の変化によって、性欲もなくなってくることはあります。
そういった場合にも、お互いに我慢や無理をしないでいられ、拘束されることもなく、【らしさを保つ】という意味ではメリットと言えるのではないでしょうか?
セックスレスも大いに夫婦関係に暗い影を落とす原因になりえますからね。
オープン・リレーションシップをする夫婦のデメリットとは?
多くの方が、「そんな関係デメリットだらけに決まってるじゃない?」と感じたり、理解不能と感じたりしていることでしょう。
実際に、デメリットももちろんあります。オープン・リレーションシップの夫婦の場合、デメリットも考慮しないといけません。
具体的によくありがちなデメリットをいくつかご紹介しますが、彼らはそのデメリットを話し合った上で、この関係に合意ということは念頭に置いておいてください。
オープン・リレーションシップをする夫婦のデメリット①信頼関係がないと続かない
夫婦という関係を壊すためにその関係性を選んでいるわけではない、つまり、それだけの信頼関係があるからこそ成り立っているというわけです。
ですが、その信頼関係がないとたちまち、夫婦という関係にも影響は出てくることでしょう。
どちらかがオープン・リレーションシップのルールを破ったら信頼関係も崩れます。お互いを人として信頼できていないと、関係がおかしくなってしまうというのですね。
オープン・リレーションシップをする夫婦のデメリット②恋人との将来はない
彼氏・彼女を作るといっても、もちろん夫婦間のみではなく、その恋人自身にも理解してもらわないといけません。
ただ、皆さんもお察しのように、好きで認め合って付き合うんですから、時間が経つと共に、いつかは結婚したい…という気持ちが湧いてくるのは否めませんよね。
しかし、何度もお伝えしているように、オープン・リレーションシップの夫婦になったとしても、離婚前提ではないのです。
つまり、その彼氏・彼女との結婚は原則的にナイということになってしまいます。
それを相手が理解してくれるかどうか?とても重要で、繊細なポイントといえるでしょう。
結婚を相手が望まない、心のつながりを重視する派で、オープン・リレーションシップに理解がある人でないと成り立ちません。自分の生き方のビジョンを持っている人同士じゃないと、この関係は難しくなってきます。
オープン・リレーションシップをする夫婦のデメリット③周りの理解を得られない
オープン・リレーションシップの夫婦・カップルが増加しつつあるとはいえ、メジャーな交際関係というわけではありません。
ですから、周囲の人から理解してもらえないこともあります。
オープン・リレーションシップだと公言する必要はないのですが、なにかあった時に否定的な意見を言われてしまうことも。
とはいえ、日本のように空気を読む・常識に従うという感覚よりも【自由】な生き方をしているともいえるのですが…オープン・リレーションシップが増加している国の方でも、この関係に対してアンチな人は、もちろんいますよ!
オープン・リレーションシップな夫婦の掟とは?
オープン・リレーションシップにはデメリットもあるとお伝えしましたが、それを加味した上で、夫婦(カップル)独自の掟・ルールを決めている場合が多いものです。
離婚前提ではない以上、やはりこれも、信頼関係があるからこそ、その取り決めたルールに基づいてやっていけているということでしょう。
2人の仲を維持するために、夫婦カウンセリングやカップルカウンセリングが欧米にはあります。
日本ではカウンセリング自体、敷居が高いと感じたり、抵抗を感じたりして、自分からは積極的に利用したいと思わないかもしれませんが、欧米では良い関係を継続させるために、お互いに努力をするということを❝生き方❞や❝メンタリティー❞からも考えている一面があります
。ですので、オープン・リレーションシップも関係維持の洗濯のひとつになるのでしょう。ただ、関係を壊さないために掟を設けるわけですね!少し詳細を確認してみましょう。
オープン・リレーションシップな夫婦の掟①夫婦関係は壊さない
大前提として、夫婦関係を保つため・お互いが自分らしくいることを尊重し合える関係でいるということがあります。
そのため、もちろんお互いの合意があってこそですし、話し合いを大切にしておいり、万一どちらかがやってみたものの気が変わった・やっぱりダメだったとなれば、オープン・リレーションシップの関係はやめるといったルールを決める夫婦も多いです。
これも信頼があってこそではないでしょうか?
ですから、どちらかが彼氏・彼女のために離婚をするという考えも、根本的にはありません。
仮に彼氏・彼女に本気になってしまったということがあるのであれば、信頼の元、また別途話し合うケースが多いですが、根本はあくまで❝2人は認め合っている❞という絆があってこそできること。
日本人には理解しがたいでしょうが、愛しているからこそ、お互いを尊重して生きやすく結婚生活を送るという発想がポイントです。
オープン・リレーションシップな夫婦の掟②子どもは巻き込まない
2人の関係維持のためとはいえ、子どもがいる場合は、子どもを巻き込んだり犠牲にしたりしないようにするということもルールにする夫婦も多いです。
むしろ、子どもの前で仲良し夫婦でいたい、いがみ合う夫婦でいないようにという意味もオープン・リレーションシップにはありますから。
ですので、子どもには彼氏・彼女が別途それぞれいるなんてことは、わからないようにしますし、家庭に彼氏・彼女との事情を持ち込まないのもルールといえるでしょう。
オープン・リレーションシップな夫婦の掟③恋人とは避妊する
家庭を壊すためのオープン・リレーションシップではないため、それぞれがパートナーを持ったとしても、避妊は必須にするケースも多くあります。
これは、オープン・リレーションシップを採用している夫婦側に、子どもがいる・いない問わずです。
もし、子どもができてしまうと、このオープン・リレーションシップの関係は崩壊する危険が高いから。それこそ罪のない子どもを巻き込んだトラブルになってしまいますもんね。
オープン・リレーションシップな夫婦の掟④既婚であることを隠さない
彼氏・彼女になる人を騙すようなことをするつもりはないため、それぞれのパートナーにはしっかり既婚者であることは伝えるということも、よく採用されるルールです。
既婚者とわかった上で、理解し合える・尊重し合える人と、彼氏・彼女と認めて合う関係になります。
お互いの立場をわきまえた上で、パートナーとも合意を得てこそのオープン・リレーションシップ。少しずつ、「本人同士が認めているのなら、できることなんだ」という認識になってきませんか?
オープン・リレーションシップな夫婦が注意したいこと
メリットもデメリットも、存在するオープン・リレーションシップの夫婦関係。たとえルールを決めていたとしても、やはり注意しなくてはならないこともあります。
なんせ、解説のように、アンチな人もいますし、理解されないことだってあるわけですから…。
つまりリスクもゼロではないということ。関係維持のために注意しないといけないことって、どんなことがあるんでしょうか?確認してみましょう!
オープン・リレーションシップで注意したいこと①恋人・夫婦間での線引き
夫婦関係は崩さない、お互いに対等に信頼し合うとはいっても、パートナーの理解を得ていたとしてもです。パートナーとの関係が続くほど、心の線引きってとても難しくなってきます。
だって、オープン・リレーションシップを続けられる関係って、本当にお互いの考えをリスペクトし合っていないとできないことです。
何度も言いますが、オープン・リレーションシップって別に遊び人という意味ではありません。
ですから、夫婦としても恋人に対しても真剣な関係には違いないので、自分の心はもちろん、夫・妻・彼氏・彼女、登場する全員の感情のバランスが鍵です。
つまり、このうちの誰かがお互いの線引きを超えてしまったら…。
自分がパートナーと結婚したいと思ったり、パートナーが結婚を望むようになったりしたら、この関係は保てなくなることでしょう。人間ですから、状況によって感情が出てくるのは、当たり前のことですからね。
オープン・リレーションシップで注意したいこと②嫉妬が出てきたら危険
オープン・リレーションシップを合意していたにも関わらず、やっぱり夫婦間で嫉妬してしまう…あるいは、パートナー(彼氏・彼女になる人)に嫉妬してしまう…そういう心境になってきたら要注意です。
先ほどの線引きの話でもありましたが、相手ばかり幸せそうで…という嫉妬心、あるいは、パートナーに本気になってきて、パートナーの自由を尊重できないような感情や独占欲が出てきてしまったら、この関係の維持は不可能。
お互いの生き方を尊重した結果、そういった合意を得て始まったわけですから、嫉妬や独占したいという感情があってはバランスが崩れてしまうことでしょう。
パートナーから嫉妬されても、「最初から既婚って話してあるよね?」となりますし、パートナーに嫉妬したとしても「結婚する気はないっていってるよね?」という、食い違いが出てきてしまいます。
好きな人は独占したい…自分だけを見ていて欲しい、そうなってくると維持はできません。
オープン・リレーションシップで注意したいこと③パートナーとの関係を持ち込まない
基本的に、別のパートナーをそれぞれが持つことを了承しているとはいえ、その別のパートナーとのトラブルを家庭・夫婦間に持ち込まないというのは大切なポイントです。
たとえば、パートナーと口論になってしまった…パートナーと破局してしまった…そんなイライラや愚痴、悲しさなどの感情を、夫婦間に持ち込むというのはご法度。
そりゃそうですよね、自分には関係のない・干渉しない合意の範囲外でのトラブルなんですもの。
パートナーを夫婦の住まいに呼ぶ・招き入れるなども基本的にはNGにしているカップルが多く、パートナーを家に連れてくるのも論外。あくまで2人の関係・2人の空間は守る、その他の関係の揉め事は持ち込まない、それは徹底的に守るべきことといえるでしょう。
稀に、双方のパートナー同士とも仲良くでき、うまくやってけているという人たちもいますが、それはかなりの上級者たちかもしれません。
新しい夫婦の関係性オープン・リレーションシップをどう思う?
夫婦の関係にも、色んなあり方があっても良いのではないでしょうか?理解できる・できないは、育った文化や考えも人それぞれですから、賛否分かれるものです。
しかし、もしオープン・リレーションシップという関係で、もっと夫婦仲も安定したり、いい関係を保てるのであれば、アリなのではないでしょうか?
多様性が受け入れられるようになってきている昨今です。今後、事実婚も増えることでしょうし、オープン・リレーションシップを受け入れる夫婦も増えてくるかも?しれませんよ♪