我慢してない?「誰か助けて」と言える自分になる方法

誰かに助けて欲しかった時はどんな時?

「助けて」ほしいと感じたことは、誰にでもあるはず。常に周りに助けを求め、いつも助けられてきた、と堂々と言える人は少ないかもしれません。

あなたはどんなときに、「助けて」と言いたかったですか。

職場での「誰か助けて」

女性の社会進出が進み、共働きで毎日忙しく過ごす女性はとても多いです。会社によっては、時短勤務が認められているところもあり、さぞ働きやすいかと言えば、そうでないことも多くあります。

例えば、子供の迎えの時間が迫っているのに、仕事が終わらない。子供が急に熱を出して、保育園からお迎えの連絡が来てしまった…。

誰かに仕事を頼みたいけれども、ただでさえ、時短勤務で、周りに仕事を負担してもらっているから言えない。仕方なく、保育園からの連絡を留守電にしてしまった、仕事を持ち帰る、という経験のある方もいるはずです。

「誰か助けてほしい」と思っても、時短勤務で周りに負担をかけていると感じているならば、さらなる助けを求めづらいときがあります。仕事も子育ても大切なのに、私は欲張りなのか…。まだまだ女性への負担の多い社会です。

家庭内での「誰か助けて」

夫や子供との関係に問題を感じたとしても、気軽に親や友達に相談できないときもあるでしょう。

夫が育児を全く手伝わない、家事に協力しない。友達に愚痴を言って、スッキリできる人もいるでしょうが、夫とうまくいってないことを口にするのが恥ずかしいと感じたり、心配かけたくないと親にさえ、相談できない人だっています。

また、耳を覆いたくなるような幼児虐待のニュースに触れることがあります。母親が「誰か助けて」のSOSを発せられたら防げたのでは…と感じられる事件もあります。家庭内がうまくいってないことを他人に知られたくない。

自分が失敗しているように見られたくない。そんな気持ちから、助けを求められない人がいます。

子供の不登校、ひきこもり、または介護などでも、誰かに助けを求めるのにためらいを感じたり、また恥ずかしいことだと思い、じっと我慢を続ける人がいます。

人間関係での「誰か助けて」

周りに寂しい人だと思われたくないから、気の合わない人とでも一緒にいる。他人との摩擦がうまれるのがイヤで、自分の思っていることを言わずに、他人に合わせることが多い。そんな毎日を過ごしている人もいるでしょう。

でも、他人に合わせ続けていると、自分の意見をますます言えなくなり、苦しさが募ってくるはずです。「本心は違う」「誰か助けてほしい」本当は心の中でそう感じていても、周りに合わせることを優先してしまう人がいます。

また、恋愛での苦しさも一人で抱えて、苦しむことが多いかもしれません。失恋、不倫の恋。どれだけ苦しいか、他人には分かりづらいこともあり、「誰かに助けてもらいたい」と思いつつも、苦しい時間だけが過ぎていくことが多いかもしれません。

誰かに助けて欲しいのに言えないのはなぜ?

「誰かに話せたら気持ちが軽くなるかも?」「吐き出してしまいたい悩みがある」そんな気分なときでさえ、「誰か助けて」と言えないときがあります。どんな気持ちが壁になるのでしょうか。具体的に考えていきましょう。

【誰かに助けて欲しいのに言えないのは】迷惑をかけたくないから

人は一人で生きているわけではなくて、支え合って生きている。だから助け合う。頭では分かっていても、そう簡単に「助けて」と言えないことがあります。人に頼ること=迷惑をかけてしまう、と罪悪感に襲われる方が多いからではないでしょうか。

人に迷惑をかけてはいけない、と小さい頃から親に言われて育った人。幼い頃から、自分の意見よりも、周りの人に合わせてきた人。このようなタイプの人は、自分から助けを求めることが難しいかもしれません。

【誰かに助けて欲しいのに言えないのは】恥ずかしいから

助けを求めることは、恥ずかしい。そう感じている人もいるでしょう。

「こんなことで助けてもらっていいの…」「弱い子だって思われるかも」と真っ先に感じてしまうのです。人の性格はいろいろで、悩みもいろいろ。だから、自分が悩んでいることが、他人からしてみれば、「なんでそんなことで悩んでいるの?」と感じることがあって当然です。

何に悩もうが、恥ずかしさなんて感じる必要はないのに、相談できない。そんな気持ちで過ごしている人がいるはずです。

【誰かに助けて欲しいのに言えないのは】弱みを見せたくないから

自分が困っている姿を見せたくない。下に見られたくない。そう感じている人もいるかもしれません。

例えば、職場で。自分の能力以上の仕事内容なのに、周りに助けを求められず、ミスしてしまった。分からないことがあるけれども、相談するとバカにされそうだから、できない。

自分のプライドが邪魔をすることがある上に、自分の弱みを見せることに抵抗のある人がいます。

【誰かに助けて欲しいのに言えないのは】周りが察してくれるのを待っているから

職場にこんな人いませんか?何か不満を抱えているとき、わざと受話器をガチャンと置いたり、扉を思いっきりバタンと閉めたり。言葉では不平不満を言わずに、態度で示す。

それを周りが察して、何か声をかけてくるのを待つタイプの人。自分から他人に助けを求めることができないのでしょう。素直に「誰か助けて」と言えない苦しさを抱えています。

【誰かに助けて欲しいのに言えないのは】過去にトラウマがあるから

子供の頃、父親に怒られてばかりで、母親に助けを求めたけれども、助けてくれなかった。友達に悩みを相談したのに、その悩みを周りに言いふらされた。誰かに助けを求めたのに、助けてもらえなかった。余計に傷ついた。そんな過去のトラウマが、助けを求めることにブレーキをかけていることがあります。

「誰か助けて!」と言えるようになるために

他人に助けを求められずに、我慢し続け、自身の体調を崩してしまったら、事態はより深刻になってしまうだけです。悩みを抱えこまずに、「ちょっと聞いて」と言える勇気、「あの人に相談しよう」と思えるような心を手にいれませんか。具体的にどう考えればいいのか、ご紹介します。

ストレスから逃げることが大切!

困難に直面したとき、「逃げてはいけない」「逃げるのは弱さの表れ」なんて考えてしまい、ストレスを目いっぱい抱えてしまう人がいます。そして頑張れば頑張るほどに、精神に不調をきたしてしまう…。そんな悪循環に陥ってしまわないようにしなければいけません。

例えば、職場での人間関係がどうしてもうまく行かないときは、早めに異動を申し出たり、在宅勤務をお願いするなど、環境を変えることをしましょう。

それは決して逃げ、ではなく、ストレスから離れる、と言い換えることができます。そして、「誰か助けて」と言いたくなるようなストレスの原因は、どこにあるのか考えてみましょう。

ゆっくり頭を休め、原因を探しましょう。そうすれば、おのずと対処方法も見つけやすくなるはずです。

「誰か助けて」と言える自分を目指そう

「困難から逃げるな」「逃げるのは恥」という精神論と肩を並べる「人に頼ってはいけない」「人に頼ることは甘えだ」という概念も、根強いものがあり、私たちを苦しめます。小さい頃からこう言われて育ってきた人は、少なくありません。

けれども、この考えは生き方が多様になった現代では、人を追い詰めるだけです。頼れる親が近くにいない中、共働きをしつつ子供も育てる。そんな家庭も珍しくありません。近くに頼れる親がいないと、ただでさえ、子育ては大変なのに、その上、仕事もある。そんな大変なことを続けていれば、いずれ困難にぶつかってしまうでしょう。

事態が深刻になる前に、自分から助けを求める。それが生きていくのに必要な力だと、気づくことが必要です。自分が助けられたら、今度は、自分が助けてあげればいい。そう考えてみませんか。きっと助けを求めやすくなるはずです。

相談できる友達はいますか

普段から付き合いのある友達はいますか。誰かに助けて欲しいと思ったとき、思い浮かんだ人はいますか。他人に迷惑をかけたくないと思うかもしれませんが、勇気を出して、相談してみませんか。なぜなら、本当の友達というのは、あなたが頼ってきてくれたことを喜ぶはずだからです。そして一緒に考えてくれるのではないでしょうか。

その友達が悩みを抱えたときは、きっとあなたに相談に来るはずです。その積み重ねが信頼関係につながり、本当の友達となっていくのでしょう。もし真剣に話しを聞いてくれなかったら…残念ながら、本当の友達ではなかった、と思うしかありません。

「助けて」といえる人を求めよう

気軽に相談できる友達なんていない。そんな方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、同じ悩みを持つ人同士がつながるオンライン上での出会いはどうでしょうか。似た悩みを持つ人はあなたの周辺にいなくとも、ネット上にはたくさんいるはずです。発言に気をつけなければいけないのは、もちろんですが、ネット上での緩いつながりだと、自分の言いたいことが言いやすいと感じることもあるはずです。

また、行政やNPO法人も心強い存在です。職場の悩み、対人関係、家族の悩みなど、悩みに合わせて、さまざまな団体があります。メールでの無料相談を実施しているところもあります。誰かとつながることで、解決に向かうことがあります。「助けて」と言える場所、人をぜひ見つけて下さい。

相談窓口案内|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)

どんな自分になりたいのか想像してみよう

苦しい状況にあるとき、周りが真っ暗で、どこをどう行けばいいのか、分からない。そんな状況に置かれるときもあるでしょう。しっかり休みを取り、頭が冷静になったときに、考えて見て下さい、自分がこの先、どうなりたいのかを。

もう会社で働くのはイヤだ、という結論に達したならば、どうやって在宅で仕事をするか、前向きに考えるだけです。育児で手がいっぱいになってしまったら、誰に何を頼めば楽になれるのか、考えてみませんか。

未来のうまくいっている自分を想像してみて下さい。その自分に近づくためには、どんなことを始めたらいいのか、または止めたらいいのか、計画を立ててみましょう。きっと、前向きな気持ちになれるはずです。

小さなことから頼ってみよう

今まで自分で何とかやってきた人が、いきなり人に助けを求めるようになれるとは思えません。小さなお願いからチャレンジしてみませんか。

例えば、ワンオペで育児をされている方。夫が協力的でない、と腹を立てる毎日かもしれません。夫が変わってくれるように、お願いすることも大切ですが、すぐに期待できないことも多いでしょう。

そんな時は、地域のファミリーサポートを利用してみませんか。登録している年配女性は、若い人の力になりたい、そう思っておられます。そして、子供の相手をしてくれる以上に、あなたの話を聞いてくれるはずです。

子育ての相談から始まり、親しくなれば、夫の愚痴まで聞いてくれることだって。どんな人が来てくれるか分からないから不安、そう思う方もいると思いますが、まずは出会ってみなければ分かりません。

子供が小学生になってからも、交流が続くこともあります。頼れそうなことから、始めてみませんか。

受援力を高めよう

受援力という言葉、聞いたことがありますか。なじみの無い方がいらっしゃるかもしれません。

もともとは、災害被災地で、ボランティア活動などを他の地域から受け入れるとき、必要としている援助はなにか、どこでどんな援助が必要かなど、現場で必要な助けの求め方を指していました。

そして、その知恵は、人が悩みを抱えてしまったときも、使えることが分かりました。

つらいときは、一人で何とかしようと思わず、人に頼ることが大切です。だれにどんなことを相談しようか、をまず考えるのです。一人で抱え込むこと。これが、一番やってはいけないことです。「誰か助けて」と言えば、必ず応えてくれる人がいます。

今必要なのは、そのひと言を言える勇気かもしれません。

「受援力」って何?上手に頼って子育てを楽しく|ベネッセ教育情報サイト (benesse.jp)

心療内科を受診してみよう

心療内科と聞くと、他の科と比べて、何となく行きにくいと感じる方がいるかもしれません。カウンセリングなんて受けたことはないし、話を聞いてもらったとしても、どんな効果があるの?と疑問に思っている人がいるかもしれません。

心療内科医は、身体だけでなく、人間のこころを診るプロフェッショナルです。勇気を出してカウンセリングを受けに来てくれたあなたの気持ちを最大限尊重し、「話せてよかった」「すっきりした」と感じてもらえるように、あなたの話にじっくりと耳を傾けてくれます。

誰にも相談できそうにない。知人に知られたくない内容だ。そんなときは、心療内科を受診してはいかがでしょうか。プライバシーにも配慮されており、待合室では番号での呼び出しになっているところが多いはずです。ただ評判の心療内科ですと、予約がいっぱいで、1ヶ月以上待つこともありますので、注意が必要です。

ストレス解決方法を持っておこう

つらいこと、逃げ出したくなること、面倒なこと。私たちの周りには、さまざまなストレスがあります。それらを上手に解消できるような、楽しみや喜びがあると、心が軽くなります。

特別にこれというものがなくても、カフェでコーヒーを飲むのが好き、音楽を聴くのが好き、など自分と向かい合ってみると、何かしらあるものです。

また、あなたの悩みは、先人の知恵を借りることで解決することがあります。過去の人も同じようなことで悩んで来ているのです。古典に触れてみてはいかがでしょうか。

お気に入りの本を探すことも、ストレス解消になるはずです。ぜひ、つらい気持ちを和らげてくれるようなストレス解消法を持っておきましょう。気の合う人と、ただおしゃべりをするだけでも、立派なストレス解消になるはずです。

「互いに助け合える」関係を作っていこう

「誰か助けて」というつらさに耐える必要はありません。自分から助けを求めに行き、助けてもらいましょう。そして、助けてもらえたことに感謝の気持ちを示す。とても、シンプルなことなのです。その後、状況が回復して、元気を取り戻したならば、今度は自分が助ける側にまわればいいだけのことです。そんな環境は、とても生きやすく、生活しやすいはずです。

さらに、互いに助け合える環境は、誰にとっても生きやすくなるものです。あなたの「誰か助けて」というひと言が、あなたをよりより環境へと導いてくれるはずです。

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