毒親育ちの子供に起こる悲劇…生きづらい原因は毒親のせい?

毒親育ちの子供は生きづらい日々を過ごすって本当?

ここ数年、ドラマなどでも『毒親』をテーマにしたものが増えてきました。それだけ、毒親育ちで悩む人が増えているという証拠かもしれませんね。

でも、自分の親が毒親だなんて思いもしなかったという人は多く、なんだか生きづらいと思っていたら、掘り下げてみると、自分は毒親育ちだったとおいおい気づく方も増えています。

子供の頃は自分の親を疑うなんて術を知らないものですから。

大人になって、知識や経験が増えてやっと気づけることもあるもので、気づくまでの間はさぞかし生きづらい日々を過ごしていることでしょう。

毒親とひと言で言っても、色んなタイプがあり、過保護、過干渉、育児放棄、ネグレクト、ハラスメントなど、さまざまなものがあります。

いずれにしても、子供の意を無視した、過剰な精神的抑圧と言えますし、自分の感情を押し殺す癖が、日常的に刷り込まれているような状態です。

言うまでもなく、これでは個性も伸びず、親の顔色をうかがいながら過ごす習慣が身についてしまいます。自分の家族は周りと少し違うかも?とは思っても、自分の親ですからね。

親がすべてな大切な時期を、毒親と共にするのですから、生きづらいと感じる過ごし方になるのは無理もありません。

今、子供がいるなら自分を振り返る参考に、今生きづらいと感じているなら、原因を探る参考に、毒親育ちの実態を一緒に考えていきましょう。

内閣府男女共同参画局「DV(ドメスティック・バイオレンス)と児童虐待 ―DVは子どもの心も壊すもの―」

毒親育ちの子供が生きづらいと感じる理由とは?

子供といえど、さまざまな理由(家庭環境・持ち合わせた性格)で生きづらいと感じていることはあります。

子供だから『これが生きづらいってやつね』とまでは思っていなかったとしても、漠然となんだか窮屈、居心地が悪い…とは感じているんですね。

今回は、毒親育ちであることが原因で、生きづらいと感じてしまう理由をいくつか紹介します。自分に当てはまるかも…なんてことはないでしょうか?

自覚がないだけで実は毒親育ちだったてこともありますからね!

毒親育ちの子供が生きづらい理由①自分の意見がわからない

毒親といっても色んなパターンがありますが、過保護や過干渉なあまり、親が率先して子供の人生や方向性、やることを決めてきた場合、自分の意見がわからなくなってしまうことがあります。

人が敷いたレールを進まされて、自分の感情を押し殺す癖がついてしまっている可能性や、自分で決める決断力が育たないままきてしまっている可能性も…。

嫌なのかすらわからず、なにをするにも人のマネをしていないと心配になってしまうこともあります。

自分の人生にもかかわらず、『人に生かされている』ような『自分が主人公じゃない生き方』を選択してしまうのです。

あなたはどうしたい?ということを考える機会が少なく、自分の意見・気持ちを考えるような習慣を持たない(持たせてもらえない)ままなので、なんとなく生きづらい…

でも、どうしたいのかも、どうすべきなのかもわからない…といった心境になってしまいます。

毒親育ちの子供が生きづらい理由②本音を言うのが怖い

ハラスメントや、夫婦不仲な関係にある両親のもとで育った場合は、子供ながらに親に気を遣いながら生活しているケースが多く、やはり、大人になってもその生き方は抜けきらず、生きづらい思いをしている状態になってしまいます。

気を遣ったり、顔色をうかがう習慣が幼い頃から刷り込まれているんですね…。

こういったケースの毒親育ちだと、子供の心にあらゆるトラブルを引き起こしかねません。

子供ながらに色んな思いがあり、感じることがあっても、『こんなことを言ったら怒られてしまうかもしれない…』と感じて、本音を言い出せなくなってしまうのです。

今は両親が揉めてるから、こんなことは言わないでおこう…、本音を言ったら両親がまた揉めてしまうんじゃないか…と、本音を言うことに恐怖を感じ、本当の気持ちに蓋をして、本音を隠して生きることが、癖のようになってしまいます。

毒親育ちの子供が生きづらい理由③常に空気を読んでしまう

毒親育ちの子供は、常に顔色をうかがう癖があることから、空気を読んで上手にやることばかり考えてしまいます。あの人はこうしたら喜ぶかな、こうしたら良いかな?と…。

一見、とっても優しい人のように感じるのですが、問題は、『気を引こうとして無理をしてでも空気を読み過ぎる』ところ。

結局この生き方って、本人はとてつもなく疲れますし、自分より相手を立ててしまうので、言うまでもなく、生きづらい生き方になってしまいます。

毒親育ちの子供が生きづらい理由④自己肯定感が低くなる

毒親育ちの場合、適切なタイミングで適切に褒めてもらうということが足りていないケースも多く、自己肯定感が育たないこともよくあるものです。

自分を褒めることや、ありのままの自分で良いんだということを教えてもらっていない状況ともいえますね。

毒親自身が、自分のことにいっぱいいっぱいで、子供にまで気が回らない…子供よりも自分…となってしまっていることも原因のひとつ。

褒めてほしいタイミング、慰めてほしいタイミングで溺愛し過ぎてしまうのも、毒親要素とはいえますが、的確なタイミングでちゃんと子供を𠮟咤激励できていないと、子供は『自分は愛されていないんじゃないか…』と思いながら生きづらい思考のまま人生を過ごすことにもなりかねません。

自己肯定感が欠落してしまうと、なにをやっても心がぽっかり…自分なんて…と考えがちになってしまいますからね…。

毒親育ちが原因で生きづらい子供がぶち当たる壁とは?

大半の人が大人になって、大きな挫折や傷を負ったタイミングで、『自分ってもしかして毒親育ち?!』と気付くことが多いものです。子供の頃は、どんな毒親だろうが、無条件に一番の存在には違いありませんから、自分の親を毒親だと疑っていませんからね…。

しかし、歳と共に周りを知り、自分の家族はなにか周りと違うかもという違和感を感じ始めることになるでしょう。そして、大人になって壁にぶち当たることに…一体どんな壁なのか。確認してみましょう。

毒親育ちが原因で生きづらい子供の壁①親を疑う罪悪感とショック

自分が毒親育ちだと自覚する、つまりそれは、自分の家族・親を疑う(最悪、嫌悪して憎む)ことになります。

いくつになっても自分の親であり、たとえ毒親だろうが、その親の子供という関係には変わりません。

これまで、大半の人格形成されてきた場所でもある、自分の家族を『よくない人』『自分の人生を悪い方へ導いた人』として見るのはつらいものです。決して気持ちの良いことではありませんよね。

おそらく、ほとんどの周りの人が、自分の親の人格を疑うなんてしていないでしょうし、親を憎むような感情を持つことはないでしょう。

加えて、世間一般としても親を悪く思うなんて感覚は持ち合わせていない人が多いため、罪悪感まで感じてしまい、自分の親を否定的に見ることに苦悩してしまいます。

これはとてもつらく苦しい感情で、受け入れがたい感情ですからね…身内を疑うって、決して嬉しくないですもの。

毒親育ちが原因で生きづらい子供の壁②周りと打ち解ける難関

毒親育ちの大半の人が、本音を言い出せない・人の顔色をうかがってしまうなどの❝習慣から抜け出す❞ことに苦労しています。

子供の頃から、『こんなこと言ったらまずいかな?』『これは言わないでおこう』『とりあえず合わせておけば難なく過ごせるから…』という生活をしてきているため、とにかく無難に過ごそうという癖がついてしまっているのです。

無理して合わせてばかりいたり、本当は嫌なことでも相手に委ねたり…。

あるいは、人との上手な関わり方・距離感の取り方がわからず、衝突してしまったり、意図しないところで人に悪く思われるような言動をしてしまったりということもあります。

感情を溜め込んでしまいがちなので、生きづらいのも当然なのですが、さらに周りの人と上手に打ち解けにくいともなると、毎日、精神的に疲れてしまいます。疲れている自覚がなくても、なんだかパッとしない毎日でよくわからないまま過ごしていることも…。

毒親育ちが原因で生きづらい子供の壁③親離れできない

溺愛し過ぎるタイプや、過干渉なケースの毒親育ちの場合は、あらゆる決断のシーンで、親に頼ってしまったり、親の顔色を気にした選択をしてしまいがちに…。

自分のことを自分で決められてない、あるいは、本当はこうしたいんだけど、『親が喜ぶから』という理由で親の好む方に合わせてしまうこともあります。

親子仲が良いように見えて、実は子供の自立心の妨げになっているわけですね。

親離れはもちろん、子離れもできていない状態ともいえます。

しかし、よほどのことがない限り、年齢的にも親が先にいなくなるにも関わらず、親にべったりともなると、果たして子供はこの先どうなるのでしょう?

あるいは、親の意向に合わせて人生を決めてきた子供は、のちのち『本当はこうしたかったのに…』と後悔する可能性もありますよね。

親のせいで…と、後悔をしながら、生きていくのは悲しいものです。

毒親育ちの子供が生きづらい日々から抜け出すために

『私は毒親育ちだから生きづらいのは仕方ないんだ!』『私の人生なんて、もうこんなものだから』と割り切って生きづらいまま諦めないでください!

親のせいにして、このままなんて悲しすぎるじゃないですか?!まだできることはあります♪

子供の頃つらかった記憶を、引きずったままではなく、そんな生きづらい生き方から抜け出すために、できることを一つひとつやってみましょう!

いくつか脱出方法をご紹介しますね。

毒親育ちメンタルからの脱出①親の監視から一歩踏み出そう!

最初は勇気がいることだとは思いますが、まずは自分がその『毒親育ち』の現状から逃げ出すために、一歩踏み出すことが大切です。

たとえば、いつもなら顔色をうかがって決めていたことを、自分の意思で決めてみる、あるいは、本当はこう思っているということを伝えてみる。

そういった一歩をゆっくりでも良いので踏み出してみましょう。自分の思うように生きるためには、やはり、親離れ(子離れを促す)ことも必要です。

親子は必ず仲良しでないといけない、子供はどんな親でも一緒にいないといけないというわけではありません。

苦しい判断にはなるかも知れませんが、時には親から離れるという選択肢が必要になることもあるものです。

毒親育ちの暗い生き方から抜け出すには、その根源である場所を出る勇気が、今後の自分の人生を好転させる場合も多々あります。

今の世の中、毒親育ちが原因と思われるような、悲しい事件も起きていますからね…。

毒親育ちメンタルからの脱出②ありのままの自分を褒めよう!

悪いところも含めて、ありのままの自分を好きでいられているでしょうか?

これまで、親に散々心を振り回されるような生き方しかできてこなかったり、自分の意見を伝えるのが怖かったりしてきた人にとっては、ありのままの自分を『これで良いんだ』と受け止めることが難しく感じるようになっているのも事実です。

毒親のもとで、空気を読む習慣ができていたので、ありのままの自分を出していいということを知らないで生きてきたのも原因のひとつ。

これまで、親に否定されてきたという場合は、自分を無条件にダメな人と思い込んでいる可能性もありますが、自分は自分で良い、親は親、そういった気持ちを育成してくようにしてみませんか?

自己肯定感を養うために、自分を褒めてみる習慣をつけてみるのもいいですね。

『これしかできなかった』ではなく、『これはできた!』と、達成した方に目を向けて、自分ってできるじゃん!という感情を増やしていきましょう!

毒親育ちメンタルからの脱出③専門の窓口に相談してみよう!

もしかしたら、『そこまでするのは…』と考えている人もいるかもしれませんが、政府が運営する心の窓口への電話相談も侮れませんよ!

メンタルクリニックなどに行くことが怖い、不安…という感情はある方や、面と向かって話すのは緊張して逆に疲れそう…なんて方には、電話窓口の方が気楽に相談できることもあるでしょう。

あなたの心の声をしっかり聞いて受け止めてくれるので、生きづらい日々から抜け出すきっかけになることもあるものですよ♪

こころの耳 働く人の メンタルヘルス・ポータルサイト「相談窓口案内」

毒親育ちの子供は毒親になる?!

自分で毒親育ちを自覚した人の場合、今度は自分が親になった時、同じことを自分の子供にしてしまうのではないか?と不安になる方もいます。自分も毒親になってしまわないか?中には、気をつけたとしても、本当にそれが正しいやり方なのかわからない…と気にかけすぎてしまう場合も。

毒親育ちの子供が、親になった時…。蛙の子は蛙、毒親の子は毒親になってしまうのか?気になるこの先を考えてみましょう。

毒親育ちになる教育をされてきた結果どうなる?

親の見本は自分の親ですから、親がやってきたことをベースにした育児をする可能性はゼロではありません。

たとえば、毒親に『勉強をしたら必ずあなたの人生が報われる』と言い続けられて、勉強ができないと不幸になるというよなイメージを植えつけられてきた子供は、『勉強ができない子=ダメな子・失敗する』と本気で思っているため、我が子にも同じ方針で教育をしてしまうこともあるでしょう。

子供のためを思ってそうしているのでしょうが…

ただ、もし、自分が子供を持つ前に、『そうでもないんじゃない?勉強できても、仕事できない人もいるじゃん?』と気づけたなら…勉強だけが人生決めるんじゃないと気づけたら…?

その親に植えつけられた学歴主義的な思考を、我が子に受け継いでしまうリスクはなくなるはずです。

技術あってこその仕事もありますし、個性を活かした方が良い芸術肌の仕事だってあります。そんな子に勉強を押し付けていたら、かえって才能を潰すこと考えられるわけです。

自分が子供を持つ前に、自分の親がすべてではないということに気付けていれば、『毒親育ち=自分も行く末は毒親』という負のループは断ち切ることができます。

あの親にしてこの子ありというような見方もあるかもしれませんが、毒親の呪縛をしっかり克服でき、自分が楽しく生きられる道に修正ができれば、毒親の連鎖は必ず止められます。

ですから、諦めてしまうにはまだまだ早すぎるんですよ。

生きづらいまま子供を持つ身になるとどうなる?

生きづらい生き方を克服できないまま子供を持った場合は…子供に同じことをしてしまう可能性も否めません。

だって、自分が生きづらい気持ちを引きずったまま、生きているわけですから…。

言うまでもなく、そんな親のことを、子供はしっかり見ています。その姿は子供にも影響してしまうんですね。

子供を持つ前に、❝毒親育ちの自分というレッテル❞から解放されている方が、育児も楽しめることでしょう。

ただ、誤解してほしくないのですが、生きづらい感情を引きずったまま子供を持ったとはいえど、決して手遅れではありません!これからでも十分、取り戻せます!

まず、自分の生い立ちに向き合って、自分を否定的に考えてしまうことなく、毒親ナイズされた思考から解放されさえすれば大丈夫。

自分を大事にする術を身につけましょう。

毒親からの毒を抜くために、まず自分に素直になること・自分を受け入れることから始めてみませんか?

毒親育ちとすら気づいていない…毒親育ちを断ち切れない場合…

毒親だと気づいていないまま、漠然とした生きづらい感情を引きずっている場合や、毒親とわかっていながら、我慢し続けている場合は…毒親になってしまう危険はさらに高くなってしまいます。

ハラスメント的な毒親によくあることですが、『自分もこうやって教育されてきた!』なんて言葉を武器に、子供にも同じことを平然としてしまう方もいますし、むしろそれが教育だと思っているケースも…。

本来ならあまりよくない両親の関係を、子供の頃から一番身近で、『それが当たり前』として見てきたのですから、抜け出せない・中毒のようになってしまっていることもあるものです。

自分の両親のようにはなりたくないとは思っていても、『そうなってしまう相手』と恋に落ちてしまい、繰り返してしまう…。

自分の心が生きづらい状態にあると、相手選びさえも上手にできなくなってしまうんですね…。

たとえ、毒親だろうが、毒親育ちの自分だろうが、誰かに『自分を変えて欲しい』と求めたり、『恋愛を介して生きづらい自分から解放される幸せ』を求めたりしている以上、変わることはありません。

まず、自分が自覚して、一人の人間として精神的にも経済的にも自立して、そして生きづらい根本原因に向き合う。

大変な作業かもしれませんが、それをできない場合は、残念ながら抜け出せないまま、毒親の連鎖は続いていくことでしょう…。

毒親育ちの代償…生きづらいと感じるの子供を増やさないために

毒親育ちだと自分で自覚があるなら、一番にすべきことは、親からの自立と、自己肯定感を高めることが鍵になりそうですね。

生きづらいと感じながら生きていくことほど悲しいことはありません。

親が子供に与える影響は、子供の人格形成に大きくかかわってきます。子供と言っても一人の人間。

そのまま大人になって、そんな自分を変えられるかどうかは自分次第です。毒親の連鎖で悲しい思いをする子供を減らすためには、まず自分の幸せに向き合ってみるのも良いですね♪

タイトルとURLをコピーしました