食育・スローフードな食材は子供のために良い?
人間の体を作るのに必要な食事。当たり前のようにしている食事ですが、生きる上で欠かせないものですし、誰しも『楽しく・美味しく食べて健康な体でいたい』と思いますよね♪
特にお子さんがいるご家庭では、『自分が作る食事が子供の体を作るんだから、食べ物には気を付けてあげたい!』と考える方も多いのではないでしょうか?
バランス良く・偏食にならないよう、多種多様な食材を使用した食事をすることはとても大切なことです。
しかし…わかっていても毎日のことだからこそ、食事がおろそかになることはありませんか?
『疲れたし今日は手抜きしよう』『ファーストフードで済ませちゃおう…』という日が、たまにはあっても良いのですが…。
子供に添加物や防腐剤がたくさん使われている食材を食べさせる危険を考えると、少し躊躇してしまいます。
手作りの❝スローフード❞や、食の原点を考える❝食育❞というのは、子供のみならず、食事が当たり前になり過ぎている大人にとっても、必要なことといえそうですね。
そもそも『スローフード』ってなに?
スローフードとは、イタリアから始まった❝ファーストフード(ファストフード:Fast Food)❞に対抗する、食に対する理念のこと。スローフードを直訳すると、ゆっくりな食べ物となるので、『どういうこと?』と思われるかもしれませんが、Fast(早い)に対してSlow(ゆっくり)という言葉を使用しています。
簡単にいうとアンチファストフード、広い意味では『安心できる食を大事にしよう』という考えのことです。
スローフードの食事に対する根本理念は、❝美味しく・キレイに・正しい❞であり、当たり前のように食べているものについて、しっかり考えていこうというものです。
今ではオーガニック食材・有機野菜などの言葉が定着していますが、スローフードでいうとこれは❝キレイ❞に該当します。
農薬がすべて悪とはいいませんが、農薬不使用のキレイな食材という意味ですね。また、遺伝子組み換えではない食材などもこの❝キレイ❞のひとつ。
❝正しい❞は、フェアトレードなどを指します。❝美味しい❞は食事に関しては言うまでもないことですが、新鮮さや素材そのものの旨味・風味のこと。
人間が利便性を求めた結果、あれこれ手を加えすぎてしまい、ありのままの食材のよさが壊れてきてはいないでしょうか?
そういったことを踏まえて、食材・食事の原点に戻って、自然にも体にも優しく、食べることを考えようという考えがスローフードのポイントです。
そもそも『食育』ってなに?
食育とは、意味は広域になってしまうのですが、食に対する正しい知識のことを意味します。食材選びから、食事そのもの、健康維持の食事、フードロスについても考える、つまり、❝食べること全般への教育❞といったところでしょうか。
たとえば、野菜の葉っぱや花を見てなにの野菜かわかりますか?魚をみて、なにの魚かわかるでしょうか?あるいは、今食べた、肉は一体どこから来たものか…どう加工されてきたのか。
今の日本では、スーパーに行けばなに不自由なく買える食材ですが、どういった人が作り、どうやって流通しているのか、考えたことはあるでしょうか?
当たり前にあり過ぎて、食べ物への意識が薄らいでいないでしょうか?
最近では生産者の顔がわかる食材も増えていますが、その食材があなたの手元に届くまでの流れを考えるのも食育のひとつです。
『お金を払えば買える』、その認識を掘り下げる教育が食育ともいえますね。
無論、その食材の栄養、食事の栄養バランス、健康の意味での食に対する教育(食育)の意味もありますが、子供の好き嫌いをなくさせるという意味でも、食育って重要なものではないでしょうか?
その証拠に、最近では田畑での農業体験をさせたい親御さんも増えていますし、作り手の苦労をしることや自分で育てた野菜を食べることで、嫌いな食べ物を克服できたなんて子もいます♪
家庭菜園なんかも食育につながりそうですね!
政府広報オンライン|「食べる力」=「生きる力」を育む 食育 実践の環(わ)を広げよう
食育とスローフードの発想は人生の活力になる!
子供の頃から、食育やスローフードになじみがある生活をしてきた場合、生涯を通して❝食❞を大事にすることができるようになります。
食事は人間の三大欲求にも入りますし、生きることに直結するものでもあり、言い換えれば生きる活力といっても過言ではないんですよね。
しかし、『買う=食べられる』という発想って寂しくないでしょうか…。美食家になれというわけではありませんが、自然と共に生きる食生活ができるって、一種の人間力でもあります。
特に子供の頃から、しっかりとした食育やスローフードを受け、食材に対する興味を持っていれば、食を楽しめる❝舌❞にもなることでしょう。
逆に子供の頃から添加物に慣れてしまうと、食材本来の旨味のわからない子になってしまうかもしれません。
SDGsが言われる昨今、もっと自然や、それに由来する食を今一度考える(つまり食育をする)機会にするのは、子供の将来にもつながることなんですね♪
食育・スローフードな食材の子供にとってのメリット
食育やスローフードは子供の心も体も育てることができます。
食べることを楽しむって、本当に大事なことですよね。具合が悪くてあまり食べられない時や、風邪をひいて味覚が薄れている時なんかにも、そう痛感したことはありませんか?
食べることは、人間の生命に直結するのはもちろんですが、子供にとってもメリットはたくさんあるんですよ♪
いくつかそのメリットをご紹介します。
添加物・防腐剤の不要な摂取を避けることができる!
旨味や見た目をよくするための食品添加物。あるいは、腐るのを抑える防腐剤。こういったものは、今やスーパーに並ぶ食料品に当たり前のように入っていますよね。
商品の詳細まで確認していないという方もいるかもしれませんが、いくら国で認められているとはいえど、添加物や防腐剤の中には摂取過多してしまうと、発がんリスクを上げてしまうものや、皮膚疾患のリスクを増やすものがあるのも事実です。
『取りすぎなければ良い』『国が使ってOKって言ってるんだから』と思うかもしれません。それに今は添加物などが入っていない食べ物を見つける方が難しいくらい、至極当然かのように食料品に使用されています。
しかし、子供にリスクのあるおやつや食品を与えることを考えると、できれば避けたくはありませんか?
食育のためにも、手作りのおやつ・添加物不使用食材などを使用すれば、そんなリスクは軽減することができますよ♪
『食』のありがたみをわかる子供に育てられる!
お金を出せばどんなものでも食べられる時代ですが、食育をすることで、食材を無駄にしたり(平気で残したり)、食べ物で遊んでしまったりすることは減らせるのではないでしょうか?
子供の頃からスローフードになじみがある人の場合、大人になっても塩分過多になってしまったり、食をただの❝パワー補給❞として捉えたりするようなことも減ってきます。
ある意味、味音痴にならないでいられるともいえるのかもしれませんね。
食育が不足していたり、スローフードの考え方を知らないでいると、食事に対するありがたみを忘れてしまいます。
すると、とりあえずの栄養補給・バランス取れたら良いやと、体を大事にしない食生活をしてしまいがち…。
忙しいから食事は適当でいいや、お金出せば美味しいものなんて食べられる…こんな発想では、食べることの楽しみが激減してしまいます。
子供の頃からの食の感覚って、生涯付きまとってくるんですよ!
食育・スローフード食材は節約にもなる?!
子供ってお菓子がとっても大好きですよね。でも…毎回買い続けていると、そこそこ家計を圧迫するものになっていないでしょうか?
ただ、ケーキやクッキー、ポテトチップスなどは家庭でも作ることができる上に、コスパも良いもの。
ケーキやクッキーは一度材料を揃えてしまえば、アレンジも可能ですから、長期的に考えたら断然安上りなはず♪それに、子供と一緒にお菓子作りをしてみるというのも一種の食育。
お菓子以外でも、外食や即席の簡単にできる料理やスーパーなどの惣菜もたまには良いのですが、やはりどうしても高くついてしまいますよね。
食材を無駄にすることなく計画的に使用し、家で家族と食事をした方が、家計としては助かるのは間違いありません。
しかも、せっかくの外食といっても、ある程度のお店へ行かない限り、どんな食材を使われているかもわかりませんし、レンチンしただけのものもあるでしょうから…。
食育・スローフードな食材の子供にとってのデメリット
自然や地球、子供の健康にも心にも良い食育や食材、スローフードといっても、❝目先❞のことだけ考えるとデメリットに感じることもあるのは事実です。
きっと、みなさんもこれまでの食育やスローフードの解説で、『確かに言っていることはわかるし、大事なことなのはわかる…でも…』というモヤモヤがあるのではないでしょうか?
そのネックになる部分について、具体的に少し考えてみましょう!
子供のためとはいえど…手間がかかってしまう
たとえば、出汁ひとつにしても今では顆粒だしがあり、『毎回ちゃんと昆布やかつお節、煮干しなどを使用して出汁を取っています!』という方は、相当食にこだわりがある方でもない限り、少ないのではないでしょうか?
時間も手間もかかってしまいますし、味がある程度になるのであれば、『そこまでやってらんないよ…』という気持ちになるのも、もちろんわかります。
今は即席のスープや味噌汁だろうが、美味しいものもありますもんね!
働いている方・子育てに追われている方などからしたら、ご飯を作る時間は極力短く済ませたいという本音もあることでしょう。スローフードや食育を追及していくと、食事作りがとんでもない手間になってしまうはずです。
もちろん出汁から全部やれという話ではないのですが、ある程度のクオリティーを保とうとすると、必然的に炊事に対する時間が増えてしまうため、プレッシャーになってしまうこともあるかもしれませんね…。
料理が苦手な人・多忙な人には苦労が多くなってしまう…
いくら子供のためとはいっても、料理が苦手な人や共働きで多忙を極めている人からしたら、手料理にこだわるというのは酷な話かもしれません。
ただでさえ料理が苦手ともなると、料理のレパートリーを増やすこと自体が、苦痛でしかないなんてことになる可能性もありますし…。
料理が苦手ではないとしても、仕事で忙しいという方は、休みに作り置きというのも骨を折る作業でしょうし、ゆっくりもしたいですよね。
食育や食材選び、スローフードの考えを大事にすることは、子供のためにもなるとはいえ、いつでも手作りのご飯、いつでもオーガニック食材をと頑張りすぎて、親御さんの負担になり過ぎてしまっては困りもの…。
無理やり親御さんに強制できるものではないので、そこにこだわるあまりストレスにしかならないのであれば、できる範囲でも構いません。
意識を少し変えてみる、そういったところから始めてめると良いですね♪
子供のためとはいえ…オーガニック食材は少し割高
オーガニック食材や、健康的に育てられた国産肉などはどうしても高いんですよね!あえて❝健康的に育てられた国産肉❞と記載しましたが、食育やスローフードの学びを深めていくとある事実を知るはずです。
それは、海外と日本の精肉の違いです。たとえば牛肉。なぜ国産牛より海外産の牛の方が安価なのか考えたことはありますか?
同じ牛肉ですし、輸送費などを考えると海外産の方が高そうなものです。海外の方が牛がたくさんいるからでしょうか?
…答えは実は、飼育方法にあります。発達を促すため肥育ホルモン剤を投与し、通常より早く発育させているので大量に輸出できているんですね。
日本では肥育ホルモン剤を使用することは認められていないにも関わらず、輸入は認められています。
言うまでもなく、国産牛の方が手間暇がかかっているので、海外産のものより単価が上がるわけです。
日本での販売が許可されている以上、体に害があるというわけではないのですが、スローフード運動が活発なヨーロッパでは肥育ホルモン剤は禁止されています。
オーガニック野菜なども、農薬や化成肥料を使用しないとなると、虫にくわれたり、収穫までに時間がかかったり、いびつな形に仕上がったりして、出荷できないこともありえます。それだけ手がかかるので、相当大規模な農園でもない限り、単価は上がってしまうのは必至。
補足ですが、遺伝し組み換えで変形しにくい品種なんかも出ていますが…スローフードに重点を置きすぎると、エンゲル係数は高くなってしまうのは否めません。
家庭でできる♪子供のための食育・スローフード食材
食育に関して先ほど軽く、家庭菜園や農業体験などを例に挙げましたが、他にも気軽に家庭で食育やスローフードの考えを取り入れる方法はあります。
住まいの環境などによっては偏りはあるかもしれませんが、ちょっと意識を変えるだけで、案外子供にも良い食育ってできるものなんですよ♪
難しく考えすぎずに、できる食育やスローフード食材、料理そのものを楽しんでみましょう!
地産地消の食材選びを目安にしよう!
安いと思っていた海外食品も、新型コロナの関係で、輸入が不安定になったり、先ほど例に挙げた輸入肉についても、単価が上がったりすることがあります。
それであればこの際、地産地消の食材選びをしてみましょう。お近くに地元産を扱うお店はありませんか?
もしドライブなどに出かけるのであれば、道の駅などで地物を購入してみるのも良いですね。旬の食材や、地元ならではの鮮度。これを楽しむのもスローフードの考えのひとつです。
市場などの物流を経てスーパーに並んだ食材と、朝取れ食材。鮮度や風味を考えたら、断然、後者ですよね。そう考えると地産地消って、とても贅沢なことではないでしょうか?
また、産地が身近な存在の食材を選ぶのもアリ。それってあなたが支払った金銭が、身近な生産者の利益になるということですよね。
縁もゆかりもない生産者に支払うより、身近な人にお金が回ることを考えると、少し嬉しくなりませんか?地域活性にも貢献できますしね♪
ご当地メニューやご当地食材を取り入れよう!
ファストフードの進出で、日本の郷土料理や、ご当地メニューが圧迫されつつあります。中には人知れず消えてしまっているものもあることでしょう。
いつでも食べられると思っていたら、知らないうちに消えてしまうものもあるんですよね。
しかし、ご当地食材・ご当地メニューには、それならではの歴史や文化があります。そういった背景も楽しみながら、家庭の料理に活かしてみるのはいかがでしょう?これも立派な食育です。
日本の食文化は、今や海外の有名シェフですら学びたいと志願する方がたくさんいます。出汁なんかも昨今の海外では『Japanese Dashi』として高い評価を得ているほどです。これってすごくないですか?
ファストフードに押されている中、日本の食事は認められる存在になっているんですよ!
そう考えると、ご当地メニューや食材は守っていくべきですし、それをご家庭で楽しんでみるというのは、素晴らしい食育といえますよね♪
人工の添加物・調味料を少しずつ減らしてみよう!
いきなりすべてを変える必要はありません。ただ、できることから少しずつ❝意識した食材選び❞はできるのではないでしょうか?
たとえば、砂糖はてんさい糖に変えてみる。市販の上白糖よりは高いかもしれませんが、使用量や頻度を考えれば、決してハードルは高くないはずです。
食べ盛りの子供がいれば国産肉を買っているわけにもいかないでしょうが、肉の金額に比べれば、てんさい糖に変えるくらいなら、さほど家計を圧迫させる贅沢ではないことでしょう。
顆粒だしを使用しているなら、出汁を一から取れとは言いませんが、だしパックに変えるだけでも構いません。慣れてくると、顆粒だしとの風味の違いがわかってくるはずです。
子供だって友達とファストフードに行くこともあるでしょうし、親から子供が離れるにつれて、食育もこちらの思惑通りにできなくなってしまうかもしれません。
しかし、だからこそ、家庭でのご飯くらいは、食育になるものを食べさせてあげませんか♪
子供だけじゃない!大人にも嬉しい食育・スローフード食材
健康寿命ってご存知でしょうか?ざっくりいえば、人が健康に活動できる年齢のことを指します。
もちろん、先天的なもの、遺伝的なもの、習慣的なもので健康を害することはありますが、やはり、健康な体を作るのは食事です。
普段から食育やスローフードに気をつけていたら、おそらく化学物質や人工的なものを取り過ぎてしまうことは少なくなるでしょう。
実際に、化学調味料を減らしたら体質が変わったなんてこともあります。
食材選びに気をつけていたら、健康メニューにたどり着いたというのもよくある話。
食べ物・食事そのものを大事にしようという発想は、理想論や宗教的なものではなく、自分や未来を考えた理にかなった発想ではないでしょうか?
忙しい大人だからこそ、ちゃんと食べないといけません。
大人の意識が食の重要性に向いていない限り、子供に正しい食育はできるはずもなく…。
お腹を満たせたら良いやという考えは、将来的にあなたの健康を害することもあります。それを忘れないようにしたいですね!
食育・スローフード食材で子供の心も豊かにしよう!
日本は海外から見たら、驚くほどさまざまな国の飲食店が多い国。海外の食文化も柔軟に受け入れて、食の選ぶ楽しみはある反面、日本にも誇るべき和食文化もあります。まずはそういったところから、食育やスローフードについて考えてみるのもひとつです。
子供が食を大事にできる子に、かつ健康的に育つよう、楽しく美味しい食事を提供できる家庭にしてみるのはいかがでしょう♡未来につながる、良き食生活を目標にしてみませんか?