傷つけるのが嫌だから嘘をつく…そんな断り方はあり?
断る良い言い訳が見つからないから…と、嘘をついたことってありませんか?
気分がのらない…この人とは距離をおきたい…他のやりたいことを優先したい…など、断り方といっても相手に伝えにくい本音があるケースもありますし、「どう伝えれば相手を傷つけることにならないのか…」と悩んだ挙句、とっさに取り繕う嘘をついてしまうこともあるでしょう。
かといって明らかに相手を傷つけるような場合、正直に言えばいいということでもないですしね。
しかし、断るといっても色んなパターンがありますよね?
- 誘いを受けた時(予定があって無理?その人との誘いは無理…?)
- 頼みごとをされた時(相手の願いに応えられない)
その状況はビジネスシーン・プライベート双方で起こりうることです。
でもここで、「断り方次第で相手を傷つけるかもしれないし、本当の理由なんて言う義務もないから」と、嘘で逃げ切ったとしても…あなたはモヤモヤしないでいられるでしょうか?
嘘の言い訳は余計に人を傷つける!ダメな断り方の最悪パターン!
断る時の理由が正当なものであれば、決してみんな悩まないはずです。
たとえば、ご飯に行こうと誘われた日にすでに予定がある場合などは、嘘をついてまで断る人はいません。「その日は予定があって、ごめんね~!」と断れますよね。
でも、そうじゃなく、自分の”感情的な理由”で断る場合、相手を傷つけることなく断れるのって、一種の【人間力】でもあるのではないでしょうか?
嘘をついた時って、本人もあまり気持ちよくはないですよね。自分を守るためだったとしても、「バレたらどうしよう」「こんな嘘をついて良かったのだろうか…」と多少なりともモヤモヤが残ります。
嘘をつくことに慣れて、ピノキオのように鼻が伸びてしまう前に…、”こういう断り方の嘘は相手を傷つけるだけ”というケースを考えてみましょう。
ここでご紹介するようなこと、あなたもやってしまっていませんか?
嘘の言い訳で人を傷つける断り方①嘘がバレている
容易にバレる嘘や、隙だらけの嘘での断り方は、相手を傷つけるだけではなく、自分の信用度も落としてしまう最悪な言い訳です…。
嘘をつく理由は心理学などでも大きく2つに分けられるとされているのですが、
- 自分に不利にならないように(面子を保ちたい・嫌われたくないなど)
- 相手を不要に傷つけることのないよう(相手を不快にさせたくない)
という理由が根本にあります。
でも…その嘘がバレるということは、そのどちらの目的も叶えられない結果になってしまい、最悪の言い訳になってしまうのです。
自分も人から”嘘をつく人”として嫌な印象を抱かれるでしょうし、相手も”本当のこと言える関係だと思ってたのに…”とショックを受けることでしょう。
バレないから大丈夫、用意周到にやってるからと高を括っていると、後から大目玉を食らうことになってしまうかもしれません。
嘘の言い訳で人を傷つける断り方②思い遣りゼロ!
嘘の理由・言いにくい理由で断る場合であっても、相手への配慮がない態度がにじみ出ていれば台無しです!
人が嘘をついたり、本音をオブラートに包んで誤魔化したりしている時って、本音を隠すことにいっぱいいっぱいになって、相手への思いやりが抜けてしまうことがあります。
世の中には、何食わぬ顔で平然と嘘をついているように見える人もいるでしょうが、内心はバレないようにするために必死なのではないでしょうか?
人間はそんな器用にできていないので、ボロが出ることもありますから。今回の断り方でいうと、自分の嘘の言い訳に必死なあまり、たったひと言の「ごめんね!」を言いそびれること。
自分は正当な理由の断り方をしているのだから、謝る筋合いはないとでも言いたげです。”断る=謝る”ということではありませんが、そのひと言があるかないかで、相手が快く「わかったよー」と言えるか不快に感じるかの分かれ道になってしまいますからね…。
嘘の言い訳で人を傷つける断り方③断って終了!
とりあえず嘘をついて断って、その後一切のフォローなし。これも敏感な相手だった場合、結果傷つけることになってしまうことは否めません。
このお話は賛否あるでしょうし、あなたが相手と今後どういう関係でいたいのかということが鍵になるのですが…。
あなたが「嫌いだし、距離起きたいからもう関わりたくないし…嫌われたっていいや」「この人私に必要ないし…」と、誠意のかけらもない嘘の理由で断ったとします。
もちろん、無理して自分が不快になったりストレスをためたりする必要はありませんが、そういう感情って相手にじわじわ伝わるものです。
よく、「本当に気持ちがあればその時断っても追って穴埋めをしようとする」なんていいますよね?代替案を断った方が示してくるとか。
実際は、そんなわけにもいかないこともありますが、かといって「断ったんだから察してよ」感を出すのはいかがなものでしょう?
「中途半端な態度をとったら一層、相手を思い上がらせてかえって失礼でしょ?」って思うかもしれませんが、だったら最初から本当の理由で断っていたら良い話。中途半端に逃げて嘘の断り方をするから、ややこしくなるんですから。
相手を傷つけることを避けたい・自分の立場を守りたいとの思いから嘘の言い訳で断るのであれば、断って逃げたもん勝ち!ではなくて、最後まで徹底してあげることも相手への配慮のひとつではないでしょうか。
傷つけるのが嫌なら嘘じゃなく素直になるのが最良の断り方
結論から言いますが、嘘を理由にした断り方って、嘘をついた本人もそんなに気持ちいいわけはないでしょうし、万一その嘘がバレた時の相手との関係・相手の心情を考えると、やはりあまり推奨できるものではありません。
どんな理由であろうと、嘘をつくわけでもなく、かと言ってストレート過ぎず、本当の気持ちをちゃんと伝える断り方の話術がある方が、お互いのためにも良いのではないでしょうか?
その方が今後の人間関係としても、生きやすくなるはずです。嫌なことがある度に、嘘をつくことでやんわりその場を逃げていても、最終的には自分を傷つけることにもなりかねません…。
逆に考えてみるとわかりやすいと思うのですが、自分の誘いや依頼を人から断られた時に、「んん?」という理由の断り方をされたとします。
あるいは、その時は信じてたものの、何度もあれこれ微妙な理由や言い訳で断られてきたら…。どうでしょう?
平等な関係でいるために必要な素直な断り方
「その言い訳って嘘じゃない?」と察した時点で、関係に境界がうまれませんか?
そこまでの仲と思っても良いのでしょうが、もし素直な理由を伝えられていたら、もっと違ういい関係・平等にいられる関係を築けたかもしれません。
嘘をついた断り方をすればするほど、理解し合える機会はなくなります。そして双方に壁ができるだけです…。自分が友人と思っている人にそうされたら…どう思うかということ。
ストレートに断ったら相手を傷つけるから…と思うのであれば、”嘘ではない傷つけることのない伝え方”を素直にした方がよっぽど好感がもてませんか?
もし、断り下手で本当は嫌なのに合わせてくれていた…というのが後からバレたり伝わったりしたら…。その方が、よっぽど相手を傷つけることになります。
なによりも、嘘で断り続けていることも、自分としても良い気持ちで過ごせませんしね…。
嘘で相手を傷つける前にあなたができる上手な断り方
今の時代はスマホやSNSの利用で、対面でのコミュニケーション能力が乏しくなってきていたり、それゆえの人間関係のトラブルが多くなってきたりしています。
対面でちゃんと顔を見て真摯に伝えれば誤解を生まなかったであろうことも、スマホひとつで済む時代…。断り方が下手になってきている・嘘をついても罪悪感を感じなくて済むようになってきているのかもしれません。
でも、相手を不快にさせない断り方や傷つけることなくお断りするって、プライベートであろうが、ビジネスシーンであろうが誰しも必ずあること。
しかも断り方が上手な人って、不思議と人から嫌われることも少ないんですよね!つまり、このスキルはないよりある方が、人生の幅が広がるといっても過言ではありません!このコツをご紹介しますので、無理のない範囲で採用してみませんか?
相手を傷つける前にあなたができる上手な断り方①素直♪
素直でいるのが一番です!
あまり興味がないことを熱心に友人から「これマジ良いよ!」「参加してみなよ」なんて誘われた時、素直に「ごめんね、私それは興味ないかな」と、はじめの時点で伝えるようにしましょう。相手が熱弁するほどに、断りにくいかもしれませんが…。
「ちょっとその日は予定があって…」など、変に保身の嘘をついて断るから「じゃあいつは?」「次の機会に誘うね」と、話がややこしくなってしまいます。
特定非営利活動法人アサーティブジャパン「ウソの理由で断る」ということ
そりゃそうです、そういう展開になるような返し方を自分がしているわけですから。で、結果やっぱり嫌になって友人を敬遠するなんて、相手を傷つけること間違いなし!
嫌いな人からの遊びの誘いだとしても、イヤイヤ付き合う、なんかしら言い訳をつけて断る、嘘でかわす…など、今目の前にある不快なことへのさまざまな対処法はあるでしょうが、早めの時点で意思表示さえしていれば、いざこざを起こさずに済みますよね。
相手を傷つける前にあなたができる上手な断り方②感謝・配慮を伝える
角が立たない断り方の鍵は、相手への配慮・思いやりを示すように心掛けること。ですから、断る際に傷つけることを避けようと下手な言い訳や嘘で誤魔化すよりも、丁寧な配慮ある言い回しをするようにしてみましょう。
今の時代、特にビジネスシーンでは「断ると不利になるかも…」という不安から、無理してでも・嫌でも断れずに自分の中に溜め込んで、心のバランスを保てなくなっている方は少なくありません。
ただ、この時「すみません、やりたい気持ちはあるんですけど今手一杯で…手が空いたらお手伝いします」と言えていたらどうでしょう?
あるいは、乗り気のしない誘いであっても「気に掛けてくれてありがとう。でも私、それは好まないのですみません」と、ひと言相手に配慮する言葉を加えて自分の本音を嘘なく伝えていれば、きっと双方これ以上の関係悪化は生み出しません。ほんと、たったひと言なんですよね。
相手の意にそぐわない返答のニュアンスを和らげる、”クッション言葉”の有無でかなり印象は違ってきます。
ダイレクトに無理・嫌と返答せず、相手に配慮するひと言、「お気持ちはわかるのですが…」「できればお役に立ちたいのですが…」「誘ってくれてありがとう、でも…」といった前置きがあるだけで、相手が善意を否定されたという受け取り方をするリスクは、幾分下げられるはずですよ。
相手を傷つける前にあなたができる上手な断り方③主語は私!
相手を一番傷つける断り方は、嘘と相手を否定する言い回しをすることです。
嘘の言い訳は自分にも相手にもよくないとは言いましたが、本当の気持ちを伝えていたとしても言い回し次第で、配慮の甲斐なく、結果的に相手を傷つける言い方になることもあります。
断り方のおすすめは「あなたがこうだから」という伝え方ではなく「私がこうだから」という伝え方をすることです。
たとえば、「あなたは〇〇だから」という断り方をすると、相手にとっては自分を主語にして否定された・拒まれたという伝わり方になってしまいます。
しかし、「(あなたが悪いんじゃなくて)私が〇〇だから」という言い方にするだけで、相手に理解を求める響きになりませんか?この言い方であれば自分の気持ちも伝えているので、こちらも我慢する必要はありません。
ちゃんとした相手であれば、このように本音を伝えられたのにゴリ押ししてくることはないでしょうし。
もし、それでも諦めることなく依頼や誘いを続けてくるようであれば、それはあなたのことよりも自分のことしか考えていない相手と判断しても良いですし。
2人の関係を対等に考えている・大事に考えている相手であれば、こちらが本音を言って断っているのに、執拗に追い回すようなことはしないはずですよね?
体裁上の嘘ではなく、本音を言ってみてもダメだったら、本当に単純に合わない人なのでしょうし。
断り方として最悪な嘘…最終的にあなたさえも傷つける展開に…
断り方が上手ではなかったがために、人からの信頼を失ってしまった…誤解させてしまって今さら言っても手遅れ…そんな状態になって、最終的に自分自身を傷つける結果になってしまった方の、実際に起きた事例をご紹介します。
相手のことを自分も好きじゃなかったから、嫌われようが誤解されようが良いという考えもありますが、上手な断り方を知っていたら、ここでご紹介するような展開は起きなかったのかもしれません…。
断る際の嘘が招いた自分を傷つける結果①オオカミ少年
いつも「仕事が忙しくて…」という言い訳で、学生時代から長い付き合いのある友人からの誘いを断り倒していたAさん。
確かに仕事は忙しく役職もある身でしたので、仕方ないよねと周りからはその理由を受け入れられていたのですが…ある日、やってしまいます。
これは女子特有のことかもしれませんが、散々これまで誘いを断っていたのに、意中の男性との予定に関してだけは、無理してでも時間を作っていたことが発覚しました。
たまたま男性といるところを、いつも誘って断られている女性が見かけちゃって…。
男性を優先しがちな女性って結構いますし、自分の時間をどう使おうが、どう予定を決めようが周りからとやかく言われる筋合いはないのですが、誘っていた女性としては心中複雑です…。
Aさんはまだ付き合ってもいない相手だから、言いづらかったという言い分ですが、毎回男性だけ優先されていた嘘を知って、ショックに思うのはまっとうな感情ではないでしょうか?
結果的に、これまで何年も続いていた友人関係に亀裂が入ってしまいました。
しかも部活で一緒にやってきた友人だったので、部活メンバーの集まりも断って参加していなかった彼女の嘘は、他のメンバーにも知れ渡ってしまい…二度と声がかからなくなったのです。
最初から仕事という体裁の良い嘘の断り方をするのではなく、大事な友人だからこそ、男性との時間を取りたい旨を伝えていれば、ここまでにならなかったのではないでしょうか…。
断る際の嘘が招いた自分を傷つける結果②信用を失った
断るのが苦手なBさん。友人と会う約束があったのですが…
友人がBさんを楽しませるためのプランを企画しました。友人は逐一Bさんの意見も聞いて、一生懸命考えたプランだったのですが、実はBさんは自分でプランを決めたかったようで…。
要は友人の提案が余計なお世話だったのですが、せっかく考えてくれてるし断ったら傷つけるかも…と、合わせて提案に乗っていたのです。ちゃんと話せばわかってくれる友人なのに…。
上手に断る術がなかったために友人を思い上がらせてしまった面は否めません。
そして…散々断るタイミングがあったにも関わらず、スケジュール前日に「そのスケジュールはしんどいので、やめておきます」といきなりドタキャンをしたのです。断り切れずに進んだプランに我慢できなかったらいく…。
逐一「ここどう?」と意向を聞いて喜んでくれるように考えていた友人は、楽しみにしてくれていると思っていたので、このドタキャンにとてつもないショックを受けました。
しかも友人は行く気満々だったのに、自分が組んだプランを最終的に全否定されたのですから。
「だったら、なんで聞いた時に言ってくれなかったの?押し付けてたのかな…」と、無理させてたのだろうかと悩んだ挙句、本音を言わないBさんが怖くなってしまい、そのまま疎遠になったとのこと。
これってBさんがちゃんと最初から断っていたら、友人がこんなに傷つくことはなかったはずですし、Bさんも我慢の挙句ドタキャンして友情を台無しにしなくて済んでいましたよね。
嘘をつく断り方は双方を傷つける…素直が一番♪
嘘をついて断ったり、我慢してストレスを貯めたりして、それゆえに相手を二重に傷つけることもある上に、その人からの信用も失うくらいであれば、素直に断るのが一番です。
嘘を重ね、我慢を重ねている自分にも生きづらさを感じるでしょうしね…。体裁を保つために保身の嘘でその場をしのいでも、結果的に必ず自分も相手も傷つけることになります。
そうなる前に、素直にかつ、上手な断り方を身につけていきましょう!愛される人になる秘訣でもありますよ♪