更年期と記憶力の関係性
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最近物忘れが目立つなと自分で感じる事は有りますか?心配になりますし、自分が嫌になってしまいます。更年期が始まると物忘れが多くなる人もいますが、更年期と記憶力には、何か関係が有るのでしょうか。更年期で良く耳にするのは、女性ホルモンのバランスが崩れるという事です。実はこの女性ホルモン(エストロゲン)が、関係していると言われています。女性ホルモンが大きく揺らぐ更年期。更年期には、イライラしたり、気持ちがふさぎ込んだりと、不調に感じる事が出てきます。物忘れも更年期の症状の一つです。更年期の時期の女性なら普通に起こる事ですので、更年期のことで診てもらっている先生にも一度相談をしてみましょう。
更年期による物忘れの原因
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物忘れの原因1:女性ホルモンが減少しているから
女性ホルモンと記憶力が関係していることはお話ししましたが、女性ホルモンはアルツハイマー病の原因となる物質(アミロイドβタンパク質)による脳の損傷から神経細胞を保護する働きが有ります。これは今ある脳の神経細胞を守るという意味だけではなく、新たな脳の神経細胞を生みだし成長させることにも女性ホルモンは必要なのです。
物忘れの原因2:脳への血の流れが減少しているから
女性ホルモンには血管の柔軟性を保ち、血の流れを促す作用が有ります。脳血流を増やし、脳の機能を活性化させるので脳への血の流れは重要だと言えます。しかし更年期に女性ホルモンが減少する事によって、血管が硬くなり更に脆くなるのです。更年期ではなくても、年齢を重ねるごとに「あれっ私最近なんだか忘れっぽくなったわ」と少しずつ物忘れの症状は出てきます。しかしこれは誰だって経験する事であり、そこに更年期が加わることによって、物忘れに拍車がかかってしまうのです。
物忘れの原因3:更年期障害による質の悪い睡眠
不眠は更年期障害の症状の1つです。ほてりなどで夜中汗をかいて目が覚める、なかなか寝付けない、眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めてしまうということが起き、ぐっすりと眠れる日が少なくなります。女性ホルモンが減少することで自律神経が不安定になる事が、関係しています。
記憶力と、睡眠の質は関係が有るのですが、1日どのくらい眠れていますか?物忘れが進行し怖い時でアルツハイマー病になる可能性もゼロではありません。このアルツハイマー病の原因の物質アミロイドβが何故溜まるのかは今のところ分かっていないようですが、このアミロイドβが処理されるのは実は睡眠時なのです。日中に増えたアミロイドβを減少させるには、6時間以上の睡眠が必要です。そのためたっぷりと睡眠時間を取り、浅い眠りではなく質の良い睡眠を取ることが必要になります。
物忘れの原因4:更年期によるストレス
更年期ではイライラしたり、憂鬱な気もちになったり、心が不安定になりやすくなります。そんな不安定な心から、いつも以上にストレスを感じやすくなります。上手に向き合って発散できれば良いのですが、更年期ではふさぎ込みがちで、誰にも会いたくないという気持ちから外に出る事が減る人もいるでしょいう。それではずっとストレスが溜まったまま、どんどん追加されていくだけです。
人間の記憶の仕組みを少しお話ししましょう。出来事や新しい情報を整理するための海馬(かいば)という器官が、脳の奥に有ります。整理された情報は大脳に広がる大脳皮質に蓄積され、人間は記憶を繰り返していくのです。物忘れは海馬の神経細胞の数の減少や、機能の低下によって怒りますが、海馬はデリケートな器官です。血流が不足すると働きが鈍り、強いストレスを感じたりストレスが溜まった状態だったりすると壊れてしまう可能性が有ります。
更年期による物忘れの予防方法
物忘れの予防方法1:食事を改善してみる
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物忘れの予防として、積極的に食べて欲しいものが有ります。それは青魚!!青魚には『DHA』と『EPA』という成分が多く含まれています。この2つの成分は物忘れの予防にとても必要です。まず『DHA』は、情報整理を担当する海馬に多く含まれる脂肪酸です。続いて『EPA』は、血の流れをスムーズにする成分です。脳に血液と酸素を十分に行き渡らせるためには必要で、とても大切です。2つの成分を摂取することで、海馬の働きをよくし、脳を悪い方向へ進行させることなく、良い状態の脳を保つことが可能になるでしょう。
また研究によると、これらを90日間摂取したことにより「即時記憶」と「注意・集中力」が改善したという結果が出たようなので、希望の光が見えてきましたね。魚を食べることが難しい人や苦手な人は、サプリメントで摂取するのも良いでしょう。
物忘れの予防方法2:適度な運動
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年齢を重ねるごとに体を動かすことが億劫になり、自然と運動量が減ってしまいます。しかし運動をすることによって、物忘れを予防できます。運動をすると血流を促すので、必然と脳への血流も増加させるのです。また更に年を重ねた時、運動をしていない人より運動をしている人の方が認知力の低下が少しで抑えられています。激しい運動までは無理をしなくて良いですが、朝のウォーキングや、午後のお散歩など、歩く習慣を付けるだけでも効果的です。
物忘れの予防方法3:脳のトレーニングをする
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脳のトレーニングとは、「考える・思い出す」ということです。「考える」というのはオセロですとか簡単なゲームをする、クロスワードパズルなんかも考えますので脳のトレーニングには良いでしょう。また本を読むのもオススメです。例えば小説であったら、読みながら主人公の気持ちや風景など考えるので脳を使います。「思い出す」というのは、例えば日記を付けてみるのも良いでしょう。夜にその日1日あった出来事を振り返ることが思い出すという事になり、脳をしっかり使います。また書くという作業が良いのです。この日記を付けるのは数年後、思い出にもなりますし、物忘れの予防にもなりますので習慣づけると良いでしょう。
物忘れの予防方法4:料理や家事は、なるべく自分で行う
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更年期では家事をするのが億劫になるとは思いますが、なるべく自分でするよう心がけましょう。体調が優れない時は無理をする必要はありません。しかし、家事の中にも物忘れの予防が隠されているのです。一番いいのは料理。料理は手順を考えながら行いますし、鍋を火にかけている間にもう一品と同時進行で料理は進んでいきます。年を重ねていくと危ないからと若い人がしたり、娘が大きくなってお母さんはゆっくりしてと作ってくれるようになったりするケースも有ります。しかし、物忘れの予防になりますからさせてあげて下さい。
物忘れの予防方法5:質の良い睡眠を習慣づける
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物忘れは睡眠も関係していることは、先ほどお伝えしました。そこで質の良い睡眠を取れるよう努力しましょう。最低でも1日6時間以上の睡眠を取ることが理想です。夜は早く寝て、朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びましょう。これで体の内部も、あっ活動時間だと認識します。可能ならば毎日同じ時間帯に寝て起きるという、規則正しい生活を送れると良いでしょう。時間帯がバラバラですと、体の調整が追い付かずバランスを崩すことも有ります。
認知症による物忘れとの判断方法
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認知症と物忘れは別もの
認知症と物忘れは、別ものです。そこはシッカリと理解し、ちょっと忘れっぽくなっているからといってすぐに「認知症だ」と決めつけないで下さい。人間とは怖いもので本当は違うのに、本当にそうかもしれないと思い込むことで本当にそういう方向へ進んでしまう時が有ります。周りが「もしかしてそうじゃないか」と心配する気持ちは分かります。でも言われた方は必要以上に気にしてしまって、不安になります。家庭で決めつける前に、病院へ行って専門家に相談し診断してもらいましょう。その結果ならば信じられますし、違うと診断されても皆安心して受け止められるでしょう。
物忘れとは?
・忘れている事を自覚している
・ヒントがあれば思い出す
・日常生活に支障はない
・判断力は低下しない
物忘れとは、例えば「待ち合わせをしたことは覚えている」「物をしまったことは覚えている」が、「何処に何時に待ち合わせか忘れた」「どこにしまったか忘れた」というように一部を忘れてしまうことです。ここが、自分が忘れているという事を自覚しているということになります。全てを忘れているわけではないので、ゆっくり順を追って思い出したり、何かきっかけやヒントが有れば思い出せるでしょう。
認知症とは?
・自分が忘れているという自覚がない
・ヒントがあっても思い出せない
・日常生活に支障がある
・判断力が低下する
物忘れの例と同じように言うと、認知症は「待ち合わせをしたこと自体忘れている」「物を自分でしまったことさえ忘れる」ということです。待ち合わせだと具体的な場所や時間を約束して分かったと言っていたはずなのに、「そんな約束はしていない」とごっそり記憶が抜け落ちているのです。物をしまったことも同じで、自分でしまったにもかかわらず「無い。取られたかもしれない」と、場所どころか自分でしまったこと自体忘れているのです。これではヒントを与えたところで、思い出せません。しかも判断力が低下しているため急に夜に出掛けたり、出たは良いが家の場所や帰り道が分からなくなり帰ってこれなくなるケースも有ります。周りからしたら、心配でたまりません。
症状が悪化する前に予防・対策を
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年齢とともに記憶力が低下していくのは仕方のない事です。しかし更年期による物忘れは、まだ予防や対策のしようは有ります。紹介した予防方法を実践し、忘れそうならばメモ魔になりましょう。スケジュール長やノートを買って、約束や場所など何でも大切なことは書きましょう。書くという動作は、物事を覚えやすくする手助けにもなりますし、書いていたら見返せますので良いですね。どんどん物忘れが進行しないように、気を付けていきましょう。