【動悸や息切れを感じたら】更年期障害による不整脈の原因と対策方法

更年期障害と不整脈の関係性は?

不整脈とはなんぞや?


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/GREEN_heart_TP_V.jpg

不整脈と聞くとちょっと怖いイメージがありますよね。実は不整脈には怖いものと怖くないものがあるようです。仕組みをよく知り、起こりうるさまざまなケースを理解し、備えや治療をしておけば、不整脈を必要以上に怖がることはありません。
不整脈とは言わば心臓のリズムが崩れている状態。中年以上の人であれば1日に1~2回は不整脈が見つかります。ストレスや睡眠不足、疲労などでも不整脈が起こりやすくなりますから、誰にでも起こるものなのです。

不整脈の自覚症状


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/pp816IMGL0995_TP_V.jpg

不整脈は脈の打ち方がおかしくなることを指すので、通常と違う状態、例えばドキドキとした動悸がしたり、脈をとった時に以上に速かったり遅かったりというときに気づきます。会社の健康診断で「不整脈がありますね」と言われるまで全く分からなかったということも。運動や精神的な負担を感じているとき、興奮したり不安になったりしているような状態で起こる不整脈は一時的なもので、落ち着きを取り戻すことで元に戻ります。
怖いタイプの不整脈の場合は、急に意識がなくなったり失神する、脈拍数が40回以下で身体を動かすとめまいや息切れがする、突然動悸が始まるなどの症状があります。こういった症状が出たら専門の医師にしっかりと診てもらう必要があります。

更年期にはよくある動悸

更年期の女性はよく「ドカンドカンする」動悸に悩まされると言います。あまりに胸のあたりがドンドンと響くので「もしかしたら心臓の病気なのかしら」と不安に思う人も多くいます。全力疾走したわけでも運動をしたわけでもなく、部屋でリラックスしているときなどに突如として心臓がドカンドカンと激しく鼓動を打つのですから怖くなってしまいますよね。
更年期とは閉経前後5年の計10年間を指し、多くの女性が40~50代に迎えます。卵巣の働きが衰えることで女性ホルモンの量が減り、それによって精神的、肉体的な不調があらわれます。ホットフラッシュや冷え、肩こり、頭痛、関節痛、不安、うつ、吐き気、めまいなどの症状がありますが、その中のひとつに不整脈による「動悸」があるのです。

更年期障害による不整脈の症状

更年期の不整脈は期外収縮


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/ookawa12249V9A2967_TP_V.jpg

不整脈の中でも、正常な規則正しいリズムの中にときどき不規則な鼓動が入るものは「期外収縮」と言い、健康な人にも起こりうる不整脈です。脈が時折飛んでしまうことで不規則なリズムになるのです。胸がドキドキするような動悸、一瞬だけ胸がつまずく、胸が詰まったり胸に空気が入ったような不快感がある、という自覚症状があります。
この期外収縮は自律神経の乱れによって引き起こされます。アルコールやカフェインの摂りすぎ、大量の飲酒、睡眠不足やストレス、疲労などにより自律神経が乱れ、それによって期外収縮が引き起こされますが、ほとんどの場合は「怖くない不整脈」です。
更年期障害として起こる不整脈はこの自律神経の乱れによるものです。過度な心配は要りません。

更年期障害は甲状腺ホルモンの病気と似ている

とはいえ、不整脈の中には心筋梗塞や心筋症、心不全や心臓弁膜症などが隠されている場合がありますので、動悸を感じたら一度医師に相談をしましょう。
20~40代の女性に多く見られる「バセドウ病」など甲状腺ホルモンに関わる病気は更年期障害の症状とよく似ています。甲状腺ホルモンは身体を元気にするホルモンであり新陳代謝を活発にする、交感神経や心臓の活動を高める、汗や脈拍を調節するなどの働きがあります。甲状腺ホルモンが過剰になるのがバセドウ病で、動悸、息切れ、疲れやすい、暑がり、イライラして落ち着かないなど更年期の症状とかぶります。
一方、甲状腺が慢性的に炎症を起こす「橋本病」もあります。これは40代以上の女性によくみられ、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなるため、新陳代謝が悪くなる、肌が乾燥する、寒がり冷え性、無気力で疲れやすい、食欲はないのに体重が増えるなどの症状が。こちらも更年期の症状と同じですね。
甲状腺の病気の場合は血液検査でわかりますので、放置せず早めに対策をとりましょう。

不安になったら一度医師に相談を


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/PASONAZ160306150I9A1901_TP_V.jpg

更年期の症状かどうか調べるには痛い辛い検査があるのでは?と思っているあなた。ご安心ください。血液検査など、通常の健康診断程度の検査でも十分わかります。ホルモン量を調べることで更年期の症状が出やすくなっている状態なのかを探ることができますし、いろいろなケースを見ている専門の医師にアドバイスを仰ぐことで気が楽になりますよ。更年期障害にはさまざまな不定愁訴がありますので、なんとなく調子が悪いと思い込んでいた部分も実は更年期障害だったということもあります。原因が更年期にあるのであれば、それに見合った対策をとることで不調が改善され、あなたの毎日が穏やかなものになるのです。

更年期障害による不整脈の原因

更年期に起こる不整脈のメカニズム


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/pp816IMGL0968_TP_V.jpg

更年期の動悸、息切れなどには、自律神経が大きく関与しています。自律神経がうまく働かなくなり、コントロールが出来なくなって動悸や息切れになってあらわれるのです。
更年期には女性ホルモンのエストロゲンが減少します。老化により卵巣がエストロゲンをつくれなくなってくると、エストロゲンが足りない状態を察知した視床下部から「もっと頑張れよ!」というサインが出ます。でもどんなに励まされても指示を出されても出来ないものは出来ない。エストロゲンは増えません。その状態に対しても視床下部は「なんで出ないんだよ!頑張れよ!」とさらに指示を出します。今まで指示を出せばちゃんとホルモンが出ていたのになぜ出なくなったのか。視床下部はとてもパニックになります。
卵巣にホルモンを出せと指示をしている視床下部は、自律神経にも指示を出す役割を持っています。そのため、この混乱の余波は自律神経にも。自律神経のコントロールが出来なくなってしまうのです。

自律神経と不整脈の関係

自律神経はやる気モードの交感神経とリラックスモードの副交感神経を交互に切り替えながら、私たちの生活を支えてくれています。朝起きて活動を始めるときには緊張モード、夜寝る前にはリラックスモード、と上手く切り替えることで睡眠や内臓の働きをつかさどってくれているのです。
エストロゲンが出来にくくなったことで混乱した視床下部は、その混乱のまま自律神経にも指示を出します。ところが、これまで通りの的確な指示ではなく、混乱した状態で指示を出すのですからさまざまなところでこれまでと違った動きを見せます。それが更年期障害の症状となってあらわれるのです。
しかしこの状態がしばらく続くと、視床下部も「あ、ホルモンがなくてもいいんだ」と気づき、混乱した状況も次第に落ち着きを見せ、それにともない更年期障害の不調が治まってきます。いつ落ち着くかは人それぞれ、個人差があるので何とも言えませんが、いつかは治まる症状なのです。

更年期障害による不整脈の対策方法

ホルモン補充療法(HRT)など医療機関でのケア


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/010stockphoto_TP_V.jpg

検査の結果、更年期障害による不整脈と分かったら、更年期障害を引き起こしている要因に働きかければいいのです。女性ホルモンの分泌低下によって更年期障害は引き起こされますので、減った分を補えば自律神経のパニックは治まり、身体や心の不調が改善されるでしょう。減ったエストロゲンを補充する方法、つまりホルモン補充療法(HRT)を用いるのです。ホルモン療法は乳がんや子宮体がん、心血管系の病気がなければ使えます。飲むだけでなく貼る薬もあり、医師と相談しながら決められるので、最初に検討される対策のひとつです。
ほかにも当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方を用いさまざまな更年期障害の症状を緩和する方法、カウンセリングを受け心理的な負担を軽減して改善を試みる方法、症状によっては睡眠薬や抗うつ剤を使うこともあります。

市販のサプリメントでも


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/NKJ56_okusurij_TP_V.jpg

市販のサプリメントでは、大豆イソフラボン含有のものを飲むといいでしょう。大豆イソフラボンがエストロゲンと同じような働きをしてくれることが分かり、納豆や豆腐、豆乳などで盛んに大豆を摂取する人が増えましたが、毎日続けるにはやはりサプリメントが気楽で簡単。大豆イソフラボンには摂取制限があるため上限を守って利用しましょう。

生活改善


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/SAWA_saikyouteisyoku_TP_V.jpg

更年期障害の症状としての不整脈は自律神経の乱れが原因。そこで、自律神経が正常に機能してくれるように生活改善をオススメします。
まずはバランスのいい食事。ヘルシーな和食がいいでしょう。豆腐などの大豆製品も積極的に摂ります。そして運動不足を解消するために、楽しく無理なく続けられるストレッチやウォーキングなどで身体を動かしましょう。体力維持、筋力維持、生活習慣病の予防効果もありますから毎日少しずつでも続けられるものを探しましょう。
十分な睡眠をとることも大切です。睡眠不足は症状を重くしてしまいますので、速やかに睡眠に入ることができ、ぐっすりと眠れるようにコンディションを整えていきます。更年期障害の症状にホットフラッシュなどのほてりがありますが、身体がほてってしまい眠れないようなときは、氷枕などを利用して寝つきを良くしましょう。お風呂に入ってリラックスするのは良い睡眠のためには良いことですが、寝る2時間前までに入浴を済ませておかないと身体がほてるので気をつけます。夜はカフェインの摂取を控えて、テレビやパソコンもできる限り使わずゆったりとした気持ちで過ごしましょう。睡眠の質を向上させることが大切です。その日のうちに疲れがとれるようにしっかり眠りましょう。

アロマでストレス解消

ストレスによる負担も自律神経を乱す理由のひとつです。日々、ストレスのない人はいませんが、それをうまく自分で消化できるかによって更年期障害の症状の強弱は変わってきますので、自分なりのストレス解消法を探しておきましょう。
美味しいものを食べること、友達と悩みを共有すること、趣味に没頭することなど何でもいいのです。ストレスからうまく心を切り離せるツールがあれば、思い悩むことも減り、心の負担も減ります。
アロマテラピーなど香りを利用したものも有効です。精油にはさまざまな効果がありますがラベンダーは不安を抑えてくれるので、ハンカチに垂らしたりしていざというときに香りが嗅げるようにしておきたいですね。
クラリセージは更年期障害の症状を和らげてくれると言われます。甘くスパイシーなハーブで、アロマで更年期対策と言えばこの精油が真っ先にあがります。女性ホルモン様作用のあるスクラレオールという成分を含んでおり、リラックス作用もあるので更年期のイライラや不眠にも大活躍です。
またイランイランも更年期障害の辛さを和らげる精油として有名です。香りがかなり濃厚なので好き嫌いが分かれるところですが、ある意味女性らしい香りでジャスミンにも似た雰囲気があります。好きな香りを使って落ち着きを取り戻せば、動悸も治まってくるでしょう。
上手くストレスとつき合って、ストレスに振り回されないようにしましょうね。

ほかにも簡単にできることが


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/OMG0I9A6352261135435_TP_V.jpg

更年期障害の症状として動悸が起こった場合、すぐにできる対策が深呼吸。まずゆっくり深呼吸をして動悸を静めましょう。息を吐くことに時間をかけて深呼吸をすると効果的です。腹式呼吸も有効と言われています。ストレスがかかったときには落ち着いて腹式呼吸をしてみましょう。ゆっくり息を吐く動作を繰り返しているうちに気持ちや動悸が落ち着いてくるはずです。
また手のツボを押す方法もあります。「内関」「神門」など動悸対策のツボが手首にあります。そのツボを押したり、お灸で温めたりすると次第に気持ちも落ち着いてきます。
こうして副交感神経を優位にしてあげることでリラックスしストレスや不安が軽減され、動悸や不安、イライラがおさまるのです。道具を使わずにできるので便利です。覚えておきましょう。

不安の悪循環


https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/IMARIC20160805310323_TP_V.jpg

ホットフラッシュや不眠、のんびりしているのに心臓が突然バクバクとし始めたりするなど更年期障害の症状を経験すると、次はいつ出てくるのか何が出てくるのか不安になってしまい、それが余計に症状を悪化させるケースがあります。日常生活に不安を抱えることになると精神的な面でも影響を及ぼし更年期うつになることも。
周りの人に理解してもらえないという孤独感も症状が悪化する原因のひとつです。あまり我慢をせず、無理をせず、更年期の症状と向き合っていきましょう。「いつかは終わる!」と前向きに、そしてあまり思い込まず不安に思わずに過ごしましょう。

ストレスを溜めず、しっかり休みましょう

更年期でも楽しい10年にすることができる!

女性に生まれたからには避けて通れない更年期障害の症状。その強弱と期間には個人差があります。前向きで明るくあまり思い悩まない人は更年期の症状が軽いと言いますから、それを心がければあなたの症状も軽くなる可能性があります。
更年期の自律神経の乱れによって引き起こされる不整脈は、いつ起こるかわからない怖さがありますが、深呼吸や手のツボなど、何もなくても即座にできる対策を知っているだけでちょっとしたお守りを持っている気分になりますよね。そんなちょっとした安心が、あなたの不整脈を改善していくかもしれません。
病院やサプリなど利用できるものを上手に使って、この10年間を楽しく過ごしましょう。

タイトルとURLをコピーしました