初心者にジビエはおすすめできない?癖があるってホント?
最近よく聞くジビエ。
初心者の場合、食べてもいないのにジビエ肉=硬い・臭いなんてイメージがあったり、野生動物を食べることに抵抗があったりするのではないでしょうか?
しかし、それは誤解です。
ジビエの味の決め手は、捕獲された時期(おすすめな時期は冬、おすすめできない時期は夏)と血抜き・処理の技術によります。
血抜きが上手で良い時期(肉に脂がのる時期)の肉であれば、初心者であっても癖や匂いを感じることはあまりありません。
今ジビエがアツイ!初心者でもおすすめな肉は?
いくらジビエが流行っているといっても、ジビエ初心者からすると、どうしても抵抗がある気持ちはわかります。
しかし、食わず嫌いなだけってこともありませんか?
ちゃんと処理されたジビエ肉って、豚・鶏・牛より旨味があり、ヘルシーな上に、高栄養素な肉もあるのでむしろ超おすすめなんですよ!
日本で馴染みがあるジビエは鴨肉ですが、それ以外の初心者にもおすすめなジビエ肉をご紹介しますね。
初心者でもおすすめなジビエ肉①鹿
ジビエの中でも一番、匂いや野生っぽさを感じないのが鹿肉です。初心者に一番おすすめできる、食べやすいお肉ともいえます。
でも、鹿の体つきを見ると、「筋肉質で、肉自体がパサパサしてそう…」って思う方もいるかもしれませんが、それはとんだ誤解!
フレンチでは鹿肉を使った料理も多く、その味はまるで牛肉を食べているかのようなんですよ!
パサパサどころかむしろ、ヒレ肉のようなモチモチ・柔らか感がある食感。
赤ワインなどで煮込むと相性もよく、調理に関しても牛肉と同じような扱いをして食することができます。
ちなみに、鹿肉は牛肉より高たんぱくで低脂質なのに、鉄分やビタミンB群を多く含むお肉なので、ジビエ初心者の中でも、特に女性におすすめです。
美容にもよくてカロリーも低いのに、高級な牛肉のような味と食感の鹿肉。初心者でも、気楽に挑戦できそうではありませんか?!
初心者でもおすすめなジビエ肉②いのしし
11月から1月頃の猪肉は脂ののったタイミングで、上質な豚肉を越えるといっても過言ではありません!
甘い脂と硬すぎない肉。味の濃い豚肉を食べているような感覚です。
しかし、ジビエの中で誤解を生みやすいのも猪肉。
夏の発情期の時期のオスや産後のメスは、ホルモンバランスの関係で臭みが強くなることがあるので、それを知らずに食べた人の話がジビエ=臭いという印象を植え付けていったのかもしれませんね。
初心者でもおすすめなジビエ肉③キョン
鹿を小さくしたようなキョン。パッと見はバンビ(子鹿)?と思うような可愛い見た目なのですが…。
その見た目とは裏腹に意外に凶暴で、その繫殖力が高く、日本の在来動物の生態系にも影響を及ぼしています。
実はキョンは特定外来種。動物園から脱走したキョンが大繁殖し、特に、千葉県南部や伊豆大島などで大量発生し…。
守るべき在来種が危機に追い込まれているわけで、問題にもなっているわけです。
補足ですが、キョンの鳴き声は「ギャー!」という大きな叫び声のような鳴き声なので、夜に聞くとまさにホラー。
…と、そんなキョンのお肉の気になるお味は…超絶品!ラムやマトンよりも柔らかく、臭みもない上に、脂質も少ないお肉です♪
味もそこまで濃くないので、独特のジビエ感もあまり感じません。
初心者におすすめできる、癖のない食べやすいジビエ肉といっていいでしょう。
初心者でもおすすめなジビエ料理3選
最近では、ジビエを扱うお店も増えてきましたし、ジビエ肉の販売を行うお店も増え、自宅でジビエ料理をするチャンスがあります。
しかし、ジビエ肉は完全に加熱して食べないと、肝炎や大腸炎になる危険があるので、生食は絶対禁止です!そこだけは十分に注意してください。
ここでは、初心者でも自宅でも作りやすい、あるいは、お店でも挑戦しやすいジビエ料理を3つご紹介しますね!
初心者でもおすすめなジビエ料理①ぼたん鍋
ぼたん鍋(猪鍋・ししなべ)は、猪の肉を使った鍋。地方によって、出汁(味付け)は多少違いはあるものの、味噌で味を整えるケースが多く、ジビエの臭みが心配な初心者にもおすすめです。
味噌を使うことで全体的にマイルドになりますし、一緒に入れる野菜などからも旨味が出るので、ジビエならではの「ケモノ感」も反撃します。
とはいえ、出汁が濃すぎる味付けでもないので、適度に猪肉のうまさも感じられるのもおすすめのポイントです。
いのししがなぜぼたん?
ちなみに、「いのししがなぜぼたん?」「ぼたんってどういう意味?」という不思議はありませんか?
せっかくなので、豆知識としてお伝えしますと、猪の肉を薄くスライスしたものを皿に盛った時の見た目が、花の「牡丹」に見えることからぼたん鍋と呼ばれるようになりました。
猪肉の赤みは、豚肉よりも鮮明で濃い赤なので、見た目的にも花のように華やかですよね。
豚肉よりも濃い猪肉の味を堪能いただけます!
初心者でもおすすめなジビエ料理②ジビエカレー
やはりジビエ感漂うことが心配という初心者には、カレーの肉としてジビエを使うことがおすすめです。
カレーに入れてしまえば、初心者が気にしがちなジビエ肉の匂いや獣感も、カレーの香辛料で消えますしね。
ジビエカレーは色んな企業もレトルトなどでも販売していますし、初心者でも手にしやすいのもおすすめなポイント。
ただし、あまりにカレーの味に馴染みすぎて、何肉を食べたのか実感できないかもしれません。
初心者でもおすすめなジビエ料理③ミートソース
ジビエ独特の獣感が心配なジビエ初心者には、肉を細かく刻んで料理がおすすめです。
中でも一番おすすめなのが、ミートソースの肉にジビエ肉を使用する方法。ミンチ状にすることで、肉が味付けにマッチしやすくなりますし、独特の獣臭も軽減することができますからね。
特に、ミートソースにジビエ肉を使用する場合は、どんなお肉を使っても問題ありません。
猪でも鹿でも熊でもありです♪
ちなみに、イタリア・トスカーナは猪肉の料理が名物なのですが、トスカーナのパスタ「パッパルデッレ(太めのリボンのようなパスタ」に、猪肉のラグーソース(ミートソース)をあえた、”Pappardelle sul cinghiale”なる料理があります。
これも猪肉をミンチにしている料理で、猪肉と言われなければ、普通の豚や牛のミンチ肉のミートソースだと思ってペロッと間食しちゃう人もいるんですよ!
ジビエ初心者はおすすめ食材からスタートしてみよう!
「趣味で狩猟して動物を殺めた上に食べるなんて…」とジビエを誤解している方もいますが、それは違います!
ハンターは生態系・暮らしを守るために猟をしても、絶滅させるほどの捕獲はしません。
人の生活を脅かす鳥獣を殺める代わりに、せめてもの供養として食べる。それがジビエの発想でもあります。
初心者にとってはこの誤解から抵抗がある人もいますが、正しく理解して、おすすめなジビエ食材からリアルな「食育」を経験してみてくださいね!