よく聞くけど意外と知らない…薬膳とは?
薬膳とは中医学(中国伝統医学)の理論に基づき、健康でいるため・未病の状態から健康になるためを考えた食事のこと。
すべての食材に、
- 陰と陽
- 五行(木・火・土・金・水の5つの性質・属性)
- 五味(苦味・甘味・酸味・辛味・かん味)※かん味=「鹹味」、塩けのこと
- 五性(寒・涼・平・温・暖)
- 五臓・帰経(心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓)※五臓六腑の五臓
の意味(役割)があるとされています。
それらを効率的に体に取り入れられる食事を「薬膳」とよんでいるのですね!
もっと掘り下げて説明しますと、食材の陰と陽は、
- 陽:ナトリウムが多いものや寒い時期や土地に育つもの、動物性のもの
- 陰:カリウムが多いものや暑い時期や土地に育つもの、植物性のもの
で分けられています。
これだけではわかりにくいので、いくつか食卓にあがりやすい食材で例をご紹介しましょう。
- 鶏肉は陽・土・温・甘・肝・腎・脾
- 豆腐は陰・涼・土・甘・脾・肺
といった具合です。
このようにそれぞれの食材に、中医学的な特徴・意味があります。
薬膳とは、これらの考えをもとに、体の不調に合わせて食材のバランスを取る・悪い部分をデトックスする食事のことをいうのですね。
薬膳とは食材・食事のこと!漢方=薬膳ではない
薬膳とは、漢方とイコールの関係ではない、似て非なるものです。
広域で言えば、どちらも中医学で同じルーツではあるのですが、漢方はあくまで生薬のこと。自然にある植物や花の成分・効果を活かした「自然のお薬」といえばわかりやすいですね。
反面薬膳とは、薬という観点ではなく、食事のことを指します。食事で悪いものをデトックスして体質を変えるイメージです。
無論、薬膳でも漢方に当たる食材は使用されますし、薬膳だろうが漢方だろうが効能が同じように解説されるものもあるため、「薬膳とは漢方のこと」と勘違いしやすいのですが、根本的な考え方は別物なんですよ♪
それに、薬膳には季節も関係しています。食材を旬なタイミングで食べるという観点が薬膳にはあるからです。
薬膳とは、自然の恵みである食材を食事で体に取り入れ、体質を改善・悪いものをデトックスするという考えから成り立っています。
「旬な食材=自然の恵みが最大限に発揮される時」という考えです。反面、漢方は薬膳とは異なり、「この季節にこの食材を食べましょう!」という概念はありません。
そのため薬膳を取り入れたい場合には、食材の意味だけではなく、旬の栄養価が一番高い季節も考慮しておくようにしましょう。
薬膳とは体が喜ぶ食事!どうやって取り入れる?
薬膳とは、今抱えている症状を解決するため、それぞれの食材の属性に基づいて考えて作られた料理のことです。
簡単にいうと、今ある不調に対して体が喜ぶ食材の力を、食事として取ることを意味します。
具体的に「薬膳とはこういう考えがある食事のことで、こういう食材を取り入れるんだよ!」と説明できる人はあまりいないかもしれませんね。
なんとなく体に良いイメージはあっても、「薬膳とはなんぞや?」と聞かれたら、精進料理的な…漢方みたいな…とアバウトな答えになる人は多いものです。
という私も最初はよくわかっていませんでした。
しかし、薬膳の定義がわかったにしても、問題はどうやって日常に取り入れるかです。ここで取り入れ方にも少し触れておきます。
たとえば、風邪をひいた時。
薬膳の考えでは、
- 悪寒、熱の出始めには発汗を促すため「温」の食材を食べる
- 発熱ピーク時には体を冷やす「涼」の食材を食べる
- 咳などの不快感には「肺」に属する食材を食べる
などをします。
このように不調と食材の属性・特徴を考えて食事に取り入れていくだけでOKです。それで悪いものをデトックスしていきます。
薬膳の考え方を取り入れるとデトックスできる?!
薬膳とは、体の不調のみならず、心・ビューティー・アレルギーなどにも対応が可能なものです。そのため、薬膳の考え方を取り入れて、心身のデトックスをすることもできます。
これまでの説明で薬膳とはどういう考えがあるのか、どう取り入れていけば良いのかはわかりました。あとは、デトックスのために食材をどう組み合わせて取り入れていくかだけです。
不慣れなうちは、食材がどの属性があるのかを知る(調べる)必要はありますが、自分を労わる食事ができると考えると、やってみて損はありませんよね!
食材の効果を活かしたデトックス薬膳とは?
ここからは、デトックスにいい薬膳食材をご紹介していきます。
デトックスはマッサージやアロマなどプラスアルファなことをしなくても、日々の食事でも十分可能です。普段の食事で正しく食べて、心身をデトックスできるなんて最高ですよね♡
薬膳は食材の意味を理解したら、簡単に取り入れられます。
心、肌、腸内、あらゆる方面からデトックスして、健康的な毎日を過ごしましょう!
食材の効果を活かしたデトックス薬膳とは?①芹(せり)
むくみなど老廃物の原因をデトックスするのにおすすめなのが、芹です。春の七草にもなっている芹には冬に溜め込んだものをデトックスする作用があります。
また、血がのぼるのを抑える効果もあり、更年期によるほてりや、PMSのイライラのデトックスも可能です。
芹の旬は早いところで2月、遅くても5月までとオールシーズン食べられるものではありませんが、旬の時期にしっかり取るようにして、心身ともにデトックスして素敵な春を迎えましょう♡
食材の効果を活かしたデトックス薬膳とは?②菊花(きっか)
心のデトックス…女性ならではの苦痛のデトックス…みなさん、できているでしょうか?
こういうのって多忙や日頃の疲れから、放置してしまう人も多いもの…。そんな、心と女性ならではの不快感(PMSや更年期)のデトックスには菊花がおすすめです。
菊花は体内の熱を取り、炎症や痛みを抑える効果があります。
また、血圧を下げ、老廃物をデトックスする効果、疲れを取る効果もあるため、疲労やストレスをため込みがちな人にもおすすめ♪
「疲れたなんて言ってられない!」と心のデトックスを疎かにしたせいで、心がポキッと折れてしまう人もいます。
ストレスが多くて血圧が上がってしまうことも…PMSや更年期に悩まされている人もいるでしょう。
しかし、女性ホルモンの関係で起こる症状に、薬を使いたくないという女性も多いものです。だったら薬膳を取り入れましょう♪
食用・無農薬の菊もありますが、あまり好んで食べる人はいませんよね…。
そこで、食用菊に抵抗がある方は、菊のお茶なんていかがでしょうか?
中国では花を使用したお茶はたくさんあります。菊花茶の見た目の美しさにすら、デトックス効果を感じられるかもしれません!気になる人は、チェックしてみてくださいね。
食材の効果を活かしたデトックス薬膳とは?③黒豆
アンチエイジング(老化防止)におすすめなのは黒豆です!
血の巡り・体内の水分量・リンパの流れ、老化の原因となる原因は、黒豆のデトックス効果を利用して解消しちゃいましょう♪
とはいっても、黒豆を毎日食べると考えるとなかなか簡単にはできないと思いませんか?
しかし最近では、黒豆の煮豆、黒豆茶、黒豆納豆、黒豆ココア、黒豆味噌などさまざまなものが販売されています。
これらを上手に日常に取り入れて、飽きずに食べながらも、悪いものはデトックスしてしまいましょう!
食材の効果を活かしたデトックス薬膳とは?④クコの実
薬膳界のスーパーフードといっても過言ではないクコの実。杏仁豆腐の上にのっている、あの赤い実です。薬膳では不老長寿の実とも呼ばれています。
- ダイエット
- 美肌
- 血流改善
- 眼病予防
- 免疫力アップ
など、あらゆる不調のデトックスに効果が期待できる食材です。
乾燥のクコの実は、味にクセもありません。
非常に食べやすいので、ヨーグルト、サラダ、スープなどにトッピングして食べれば、無理なく摂取できますよ♪
できれば1日10粒〜20粒を目安に食べてみてくださいね。
薬膳の考え方や食材を取り入れてデトックスしてみよう!
薬膳とは、薬(科学的なもの)に頼らない、心と体を作る基礎を根本的に整える食事です。
サウナで「整う」と言いますが、薬膳の場合は食事で心身を整える感覚ですね!
薬に頼り過ぎてしまっている人、あるいは、薬を飲もうとしなくて自力で治そうと我慢をしてしまう人は、薬膳で治癒力アップをしてみてはいかがでしょう?
最初は面倒に感じるでしょうが、食べてデトックスできるのであれば、何よりの健康法じゃありませんか♪
毎日の食事にちょっとだけでも薬膳の考えを取り入れて、健やかな暮らしを送ってくださいね!