【余生の過ごし方】やることがない…そんな退屈な老後を避けるためやること

老後は自由な時間がたっぷり!

老後の準備は完了ですか?

老後、ということばは今ではほぼ「退職後」を示すようになりました。退職をしたら、毎日のんびり、楽しく生きよう。

これまでのように、営業成績で一喜一憂したり、終電まで頑張って働く毎日とはお別れして、のびのびとした日々を送ろう。そんな風に思っている方もいるかもしれません。

たっぷりとした時間がある老後。しかも今や日本人の平均寿命は男性、女性ともに80歳を超えています。退職が60歳だとすると、20年間もあるのです。

ではその20年間を「夢の老後生活」にするためには、何が必要でしょうか。心構え、資金の準備、何よりも家族関係。あなたはもう準備完了ですか?

老後が来るのはあっという間です

学校を卒業後、私たちはおよそ40年にわたり社会で働くことになります。40年、と聞くと気が遠くなるような長さのように感じますよね。特に会社で働き始めた20代や働き盛りの30代の頃は、今日の仕事を処理するのに手一杯で、自分もいつかは歳をとり定年退職をする時期が来るなんて、夢にも思わないはずです。

社会で働いてみると、学生時代と比べて急に時間の流れが早くなったように感じたことがある人はいませんか。

休日の朝、ついさっき起きたばかりなのにもう夕日が沈んでしまっている、というレベルではありません。1年前のことが昨日のように感じてしまったなど、数年単位でぽっかりとワープしてしまったかのように、いつの間にか時間が経ったことをふと実感することが多々あります。

それを毎年繰り返していくうちに、定年を迎えてしまっていた、という日がいつかくるかもしれません。

1年がまるで数ヶ月のような短さに感じてしまうのは、年齢を重ねるごとに自分の人生に占める1年のウェイトが、相対的に軽くなってしまうからだと言われています。20歳の人にとって1年は20分の1の重さがありますが、40歳の人にとって1年は40分の1と、20歳の頃と比べて1年の重みは半分になってしまうのです。

つまり、20代や30代だからと言っても、老後というのはあっという間にやってくるということです。

定年退職後は毎日が休日になります

60歳になり会社を定年退職した人を待ち受けるのは、毎日が休日という人生です。朝起きて慌ててスーツを身につけ、満員電車に揺られて会社に向かう、そのようなライフスタイルを40年間ほぼ毎日続けていた人にとって、老後の生活は180度違うものに感じるはずです。

毎日が休日と聞くと、現在会社で連日連夜働いている若者からしてみたら、なんと羨ましい生活だろう、とおそらく思うでしょう。

若い時は休日なんて滅多に取れない貴重な時間で、喉から手が出るほど欲しいものだからです。あれほど欲しくても取れなかった休日が毎日続く老後の生活は、さぞかし素晴らしいものなのだろう、と若者は感じるかもしれませんね。

しかし実際は、毎日が休日という生活は、イメージのように必ずしも楽しいものではないようです。

毎日が休日=毎日が暇

 

学校を卒業してからずっと働き続けて、ようやく訪れた老後。何をしようか、あれもしたい、これもしたい、と既に「やりたいこと」が頭の中にある人は大丈夫です。好奇心のアンテナを張って、自分のできること、やりたいこを端からやることができます。

ただし「誰々と○○する」はやめておいた方がいいでしょう。相手にも都合というものがあり、生活があります。

男性の場合、よくある老後の夢が「妻と一緒に旅行」ですが、妻にしてみれば「旅行先でも夫の世話をするなんて冗談じゃないわ」という声もあがります。

つまりいくら「やりたいこと」でも、老後に必要なのは「自分一人でもやりたいこと」なのです。

そして「老後?考えている暇なんて無いね」と思っている方は要注意。会社はあなた無しでも十分仕事がうまく行きますし、取引先も新しい担当者とうまく関係を作っていくでしょう。

つまり会社生活での経験は、一旦全て清算されて、まっさらの「あなた」という個人が立ち向かうのが老後の厖大な時間なのです。

今からでも好奇心のアンテナを高くあげて「仕事以外に自分が好きなこと」「やりたいこと」「昔やりたかったこと」などをリストアップしていくことを今すぐに始めた方がいいでしょう。

家族関係の微妙な変化

退職して老後生活に入った本人にとっても、生活上で大きな変化がある老後。けれどもその大きな変化は、そのまま家族にも当てはまります。今までは、毎朝会社にでかけ、夜帰ってくる夫が、毎日朝から晩までずっと家にいる。実はこれは家族、特に妻にとっては大きな変化です。

今までだったら、日中の時間は自分のものでした。習い事や友人とのランチなど気兼ねなく出かけられました。

ところが老後になると、夫が24時間365日一緒にいるのです。しかも大抵の夫は「これまで俺が頑張って働いてきたから、今の生活がある。だからこれからは、何もしなくても大切にされるだろう」という思い込みがあります。

今までと変わりなく出かけようとする妻に「どこへ行くんだ」「何しに行くんだ」「俺のメシは」という3つのことばが、呪いのように聞こえる、という女性も多くいます。

老後にしたいことを男女別にアンケートをした結果、男性の1位は「家族と旅行」で女性の1位は「友達との旅行」でした。

このように男性は「老後は当然家族が大切にしてくれる」という思い込みがあります。けれども女性はもっと冷静に「これまでの生活をどうして180度変えて、夫に付き合わなければいけないの?」と思っています。

このあたりの「期待値」「思い込み」を理解していないと、お互いの存在がストレス、という寂しい老後になってしまうこともあり得るのです。

今から準備しなければ、退屈な老後になってしまう場合も…

とにかく暇を持て余す老後生活

もう朝早起きして、会社に行かなくてもいい、毎日が休日である老後生活を楽しみにしていた定年退職したサラリーマンを待ち受けるのは、イメージしていたような毎日が夏休みのような生活ではなく、とにかく暇を持て余す毎日です。

 

 

具体的な計画を立てることなく、ただ休日をのんびり過ごせればいいと考えて退職した人は、老後生活を楽しく感じるのは初めの間だけ、長くてもせいぜい数年です。そのあと彼らを襲うのは、「今日は何もすることがない、そして明日も何も予定がない」というような手元のスケジュール帳が真っ白な生活なのです。



40年間会社員として働いてきた人が、老後の生活の過ごし方がわからなくなってしまうのは、無理がないのかもしれません。働いていた頃は、たとえ忙しくても、仕事という目の前にやるべきことが常にありました。たまの休日もせいぜい数日という短さであり、特に仕事以外の趣味がなくてもそれほど退屈を感じることもなかったかもしれません。

自分の人生の生きがいを仕事としてきた人は、老後になりその仕事がなくなってしまうと、急に生きる目的がなくなってしまいます。ある意味他人から押し付けられた、仕事という生きがいを何十年もこなしてきた人は、それ以外の生き方ができません。

また、自分は「仕事以外」で何が好きか、何がしたいのかという問いを考えることを、忙しさから怠ってしまっていた人は、退職後に仕事に代わる生きがいを見つける術も持っていないのです。

無計画な老後生活は避けましょう

人生でやることがなくなった、という宙ぶらりんな状態は、想像以上にきついものがあります。人生に張りがなくなり、何もせずにボーッと過ごす毎日を繰り返す生活は、私たちの心と肉体をあっという間に老化させます。

定年退職をした後の死亡率というのは非常に高くなっており、会社を退職した後も仕事に代わる生きがいを見つけられるかどうかで、その後の寿命や健康状態、人生の充実度は全く変わってくるのです。

老後の生活を本当に楽しいものにするためには、今からでもいいので「どのような老後生活を送りたいのか」という具体的な計画を立てましょう。そして、趣味といった仕事に代わる人生の新しい生きがいを探さなければいけません。

生きがいは向こうからやってこない

老後でも何か打ち込めるもの、生きがいを持つと良い、と言われてもなあ・・・。とため息をつく方もいるでしょう。でも生きがいは向こうからやってきません。自分で探し出すしかないのです。

趣味、と大きなくくりで考えずに「自分は何が好きで、何が嫌いか」「何なら時間と情熱を傾けられるか」と小さな枠組みで考えて、自己分析をする必要があります。

身体を動かすことが好き、と気づいたら、老後にフィットネスクラブに入って体を鍛えることもできます。読書が好きであれば、テーマを決めてとことん本を読むこともできます。

何かを学ぶことが好きな場合、カルチャーセンターや、各大学のオープン講座で知的好奇心を満たすこともできるでしょう。

また、あまり知られていませんが「放送大学」も体系だてて学びたい人にはお勧めです。高校卒業の人なら1学年目から、大学を既に卒業している人でも「学士入学」制度があり、2年目もしくは3年目から編入できます。

テレビによる放送とテキストを用いて勉強し、中間試験もあり、期末には全国にあるキャンパスで試験を受ける、という「大学」なのです。学部は「教養学部」1つだけですが、専門が4つに分かれています。入学から卒業までは10年間かけられるので、自分のペースに合わせて学ぶことができます。

中には90歳代で4つの専門分野全てを卒業する「グランドスラム達成」というツワモノもいます。体系立てて何かをもう一度学びたい、長期間それに時間をかけたいと思った場合には「放送大学」という選択肢もあります。

老後を楽しむため、貯金はできるだけするべき!

年金だけでは苦しいのが現状です

老後生活を充実させるためには、やはりお金というのはどうしても必要になってきます。衣食住を維持するための費用を捻出しながら、趣味に使うお金を用意するとなると、それなりに金額はかかってくるものです。

定年退職後は、アルバイトをするという選択肢もありますが、基本的に年金生活になると思います。しかし、年金だけでは生活は苦しいのが現状です。今後支給される金額も徐々に減っていくと言われていることから、年金だけに老後生活の資金を頼るのはリスクが高いと言わざるを得ません。

老後の資金として、年金に加えて、いかに現役時代に貯金を作ることができるかがポイントとなります。

1人あたり5000万円の老後資金は欲しいところ

一般的に、老後資金に必要な金額としては3000万円と言われていますが、実際にはその額でも生活の維持は難しいでしょう。最低でも、5000万円は老後資金として必要です。

現代の日本人の平均寿命を見ると、2016年に時点で男性が80.98歳、女性は87.14歳となっています。60歳で定年を迎えたとしても、その後も20年〜30年と生活は続いていきます。

現役時代に貯めた老後資金が3000万円の場合、定年後30年生活していくと考えると、1年あたり使える金額はわずか100万円しかありません。とてもではありませんが生活を維持できる金額ではありません。老後資金としては1人あたり最低5000万円、夫婦で暮らす場合は1億円が必要になります。

注意してほしいのが、「最低」5000万円です。その金額でも正直、生活していくのは厳しいかもしれません。

老後の生活を充実するためには、現役時代に可能な限り貯金を用意しておきましょう。

貯金に加えて資産運用を

老後の資金にしよう、と思うお金は、いわば「すぐには使わない」お金。これは長期間かけて運用するのがおススメです。

資金もリスクマネジメントが必要です。リスク分散は、資金運用でも同じことです。ハイリスク・ハイリターンのものから、ローリスク・ローリターンのものまで、様々な金融商品があります。

超低金利が続く昨今。普通預金に預けておくと、金利はほぼゼロですが「もしかして病気になった時に・・・・」など、急に必要な場合もあります。多少はそこに入れておく必要もあるでしょう。

意外と親切で使いやすい!地元の信用金庫

資産運用、と聞くと「大手の信託銀行とか、とにかく都市銀行系が安心」と思われるかもしれません。

けれども穴場は、ずばり地元の信用金庫です。「小さな信用金庫なんて、資産運用を手掛けているの?大丈夫なの?」と心配かもしれませんが、金融商品は都市銀行系と遜色なく揃っています。そして信頼性としても大丈夫。

バブル崩壊時期のような銀行の倒産は、現在の金融政策上、そして超低金利から不良債権を抱えないようになっていますので、倒産の心配はありません。

何よりも「顔の見える関係」であることが、地元の信用金庫の良いところです。小さな信用金庫にとっては、年金受給だけのお客も大切です。ましてや資産運用をしよう、という客はさらに大切です。

その大切な客に営業目標のため、と無理な商品を売ってうまく運用できなかったら?もしかすると顧客がそのことを地元で言いふらしてしまうかもしれません。

このように金融機関と顧客が「顔の見える関係」だけに、信用金庫はリスクの高い商品を無理に勧めたりしません。また資金の運用方法についても、リスク分散をしつつ、効果的な商品を勧めてくれるでしょう。

地元の中小企業を相手にコツコツとがんばっている信用金庫。顧客の数もそんなには多くなく、顔を覚えて親身になったアドバイスをしてくれるので、ある程度まとまった資金がある場合は、信用金庫に移すことも視野に相談をしてみることをおすすめします。

ちょっと敷居が高い都市銀行系

退職金も含めた資産運用、と考えるとこれまで給与の振り込み先だった銀行で、となるのが自然な流れでしょう。

ただし大手都市銀行は、やはり大手です。顧客も大手、つまり会社そのものだったり、個人でも会社経営者や資産家をメインにしています。

そこへ老後の資金運用の相談に行くと、メインの顧客ではなく、セカンド以下の扱いになることも覚悟しなければなりません。一個人としてお付き合いをするには、少し敷居が高いのが大手都市銀行系なのです。

老後におすすめの趣味特集

膨大な時間を利用して旅行にいきましょう

老後生活の膨大な時間を利用して、サラリーマン時代には仕事が忙しくて行けなかった、旅行をしてみてはいかがですか。日帰りではなく、ある程度まとまった期間の旅行がおすすめで、国内はもちろん、海外もいいかもしれませんね。



旅行先でこれまでの生活とは異なる風景、文化、人に触れることはいい刺激となり、何歳になっても好奇心を持ち続けることで精神を若々しく保つこともできます。

老後生活は会社に通勤しなくなることで社会とのつながりがなくなり、孤立しやすくなってしまいます。定年後は家の中で引きこもるようになってしまうと、体も心もあっという間に衰えてしまうのです。

未知の体験による刺激で心に弾力を与えてくれるだけでなく、老後の引きこもりも防ぐ旅行は、老後の趣味としておすすめですよ。

ボランティアもおすすめです

定年退職をしてしまうと、急に生気を失ってしまう人が珍しくありません。

これまでの人生の生きがいであった仕事がなくなってしまったことの虚無感に加え、「自分はもう社会に必要ない人間なのかもしれない」と、社会とのつながりがなくなってしまうことで精神的に辛くなってしまうからなのです。

人間は社会的な動物であり、「だれかの役に立っている」という感覚は大きな喜びと幸せを与えてくれるのです。

ボランティアに参加することで、たとえそれが無給だとしても、「自分は社会に貢献できている」「自分は社会の中にいてもいい」という喜び、安心感を得ることができるのです。

習い事を始めて新しいスキルを身につけましょう

「生涯学習」が注目されているように、定年退職をしたからといってそこで勉強や成長が終わってしまうわけではありません。人間は何歳になっても新しいスキルや知識を身につけることができるのです。

新しいスキルを身につけ生活を充実させる、そして社会とのつながりをつくる意味でも、習い事を始めてみましょう。料理教室やスポーツクラブなど、シニアに向けた教室は数多く開催されているので、自分にあった、楽しみながら継続できる習い事を探しましょう。

習うだけでなく教える

習うという受け身の立場から、教えるという積極的な立場も視野に入れることができます。

「ストリートアカデミー」「カフェトーク」など、ネット上のいわばカルチャーセンターがあります。「スキルシェア」という理念で「自分が教えられることを人に伝える」というものです。

会員登録は無料。教える「先生」になれば、自分でつけた代金ももらえます。もちろん利用者はシビアに「どの講座を受けようか」と考えていますから、自分なりの切り口や持ち味で、他の人との違いを出さなければいけません。さらにレビューを書かれますから、部下に対して教えるのとはまた違う「顧客目線」で教えるというハードルもあります。

けれども自分が会社生活で培ったスキルを教えて、さらに報酬までいただける、というのも老後のやりがいになるでしょう。

退屈しない老後を目指しましょう!

現役時代の忙しさが嘘のように、膨大な時間がある老後生活を、何もしないで過ごすのは勿体無いと思いませんか。第2の人生のスタートラインでもある老後生活を充実させるために、今からでも準備を始めましょう。

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