40代に多い癌の種類は?発症率はどれくらい?アラフォーの癌についてまとめ

40代に多い癌の種類・発症率は?

40代というとまだまだ元気で、病気のことを真剣に考えないかもしれません。しかし、癌はわたし達にとってとっても身近な病気。40代の頃から癌についての知識、癌を予防するための習慣を身に着けておいて、備えをしていきましょう。

実は女性にとって癌は、気をつけておきたい病気。厚生省の統計資料に、5歳ごとの年齢別の死亡原因をまとめた資料がありました。これ見ていくと、とても興味深いことがわかってきます。男性の死亡原因1位に癌が来るのは、45歳以上。しかし女性の死亡原因の1位に癌が出てくるのは、40歳以上からになっています。女性は40代から癌に気をつけないといけないことがわかりますね。

40代の女性の癌は、どの部位が多いのでしょうか。40代女性では乳がんが一番多く、なんと全体の癌の半分近くを占めています。次に子宮がん、卵巣がんが約2割と続いていきます。そう40代の女性は、女性特有の癌に気を付けないといけないことがわかります。

注意!40代の癌を引き起こしてしまう生活習慣

40代からぐっと癌のリスクが上がることがわかりましたが、どんな生活習慣が癌に良くない影響及ぼすのでしょうか?ここではいくつかの生活習慣を挙げてみます。

40代女性に多い乳がんの原因とは?

まず40代女性に多い乳がんの原因をみてみましょう。その原因はどこにあるのでしょうか?はっきり原因がわかっていないのですが、乳がんは女性ホルモンが関係しているといわれています。

女性ホルモンの1つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が、乳がんの癌細胞を増殖させることが知られています。食生活の欧米化で全体的に女性の体格が良くなった結果、初潮が早く閉経が遅い人が増えました。また、働く女性が増えて妊娠・出産を経験する女性が減ってきて、女性の生涯の月経の回数が増えているのだそう。月経中はエストロゲンが大量に分泌されることが知られていますので、これが影響している可能性があるそうです。

乳がんの原因には生活習慣よりも、日本人の食生活の変化、そして女性の社会進出が関係しているようです。

喫煙・受動喫煙

喫煙の習慣は肺がんだけでなく、食道がん、すい臓がん、胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がんなど、他の多くの癌に悪影響を及ぼすことがわかっています。自分が煙草を吸うのを避けるだけでなく、受動喫煙でも癌のリスクが高くなることがわかっています。煙草を吸う人は吸わない人と比較して、癌になる危険性が1.5倍高くなるともいわれています。

お酒をたくさん飲む

これは日本人男性を対象とした調査なのですが、1日の平均アルコール摂取量が23gの人と比べて、46gで約40%、69gで約60%、癌になるリスクが高くなることがわかっています。このように飲酒は、大腸がん、食道がんとの関連が指摘されており、特に女性は乳がんのリスクが高くなることがわかっています。女性の方がアルコールの影響を受けやすく、男性より飲酒量が少なくても癌になりやすいことが指摘されています。過度の飲酒は、癌になりやすい生活習慣であるといえるでしょう。

食生活での良くない習慣

次にあげる3つの食生活の習慣は、癌のリスクを高めるといわれています。

  • 塩辛い食べ物
    塩分の摂取量が多いと、胃がんのリスクが高くなることが指摘されています。
  • 熱い食べ物・飲み物
    ラーメンやお茶は熱々がすき、という人もいるでしょう。しかし熱い飲み物や食べ物は、口の中や食道の粘膜を傷つけてしまい食道炎、食道がんのリスクが高くなってしまいます。
  • 野菜・果物を食べない
    野菜や果物をあまりとらないグループは癌のリスクが高いといわれています。アメリカでは食べ物と癌の研究が進んでおり、癌予防に効果のある野菜も発表されています。これからすると、野菜・果物をあまり食べないと癌のリスクが高くなるといえるでしょう。

運動が嫌い

国立がん研究センターの研究報告では、身体活動量の高い人ほど癌になるリスクが低下していることがわかります。身体を動かすのが嫌い、仕事もデスクワークが多いという人は、どうしても癌にかかるリスクが高くなってしまいます。

40代の癌を予防する方法とは

国立がん研究センターがん予防・検診研究センターが「がんを防ぐための新12か条」を、2011年に発表しています。これは、日本人を対象とした調査を元にまとめられています。これを参考に、がん予防にできることをみてみましょう。

1.たばこは吸わない

喫煙は、多くの癌のリスクを上げることがわかっています。喫煙者の癌にかかるリスクは、約1.5倍ともいわれています。

2.他人のたばこの煙をできるだけ避ける

受動喫煙も癌のリスクを高めます。家庭、職場、公共の場で受動喫煙を受けていたグループが癌にかかるリスクは、受動喫煙のなかったグループより2.6倍高いという調査結果があります。

3.お酒はほどほどに

1日に飲むアルコールの量は23gくらいまで、1週間で150g未満に抑えるといいそうです。アルコール23gというと、日本酒1合、ビール大瓶1本(633ml)、ワイングラス2杯(アルコール度12度で240ml)。そして、1週間のうちに何日か休肝日を設けるといいでしょう。

4.バランスのとれた食生活を

好きだからといって同じものばかり食べていると、栄養が偏ってしまいます。バランスよく様々なものを摂るように心がけましょう。肉類は1日に80g以下に抑えて、食品は新鮮なうちに食べるようにします。

5.塩辛い食品は控えめに

塩分を控えることで、胃がんにあるリスクを減らすことができます。塩分の1日の摂取量は、男性は9g、女性は7.5g未満にします。例えば、ラーメンはスープを全部飲み干すとそれだけで塩分量が5g近くになってしまいますので、注意したいですね。

6.野菜や果物は不足にならないように

免疫学の研究で、野菜や果物には癌を予防する働きがあることがわかっています。植物が作り出す化学物質「ファイトケミカル」に、癌を抑える効果があるのです。良く知られたファイトケミカルには、ポリフェノール、カロテノイド、イオウ化合物、テルペン類、β―グルカンといったものがあります。目安としては、1日に野菜を350g、果物を100g摂取するようにしましょう。

7.適度に運動

1日の身体活動量が多い人ほど、癌の発症リスクが低いことが知られています。適度な運動は特に、男性は大腸がん、膵がん、肝がん、女性は胃がん、乳がんの予防になるといわれています。まだがん予防に効果のある運動量の明確な基準はありませんが、「1日に1時間程度のウォーキングかそれと同レベルの運動」がすすめられています。

8.適切な体重維持

日本人の場合、欧米人のように肥満が癌と強い関連がないことがわかっています。しかし、日本人に多い痩せすぎには気をつけたいものです。痩せていることによる栄養不足は、身体の免疫力を弱めて感染症の危険性を高めてしまいます。痩せすぎ、太り過ぎを避けて、適正体重を保つようにしましょう。中高年期男性のBMIは21〜27、中高年期女性は19〜25を目安にしましょう。

9.ウイルスや細菌の感染予防と治療

癌のリスクでたばこ以外に多いのが、ウィルスと細菌への感染です。例えば、B・C型肝炎ウイルスは肝がんの原因ととなりますし、HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんを引き起こします。肝炎ウィルスの検査を受けて、感染しているなら治療することが必要です。

10.定期的ながん検診を

1年に1回は検診を受けるようにしましょう。癌を早期発見することができるかもしれません。現在は医療技術が進歩していますので、いくつかの癌では早期発見して治療することが可能になっています。また、検診でまだ自覚症状のない癌を発見できることもあります。

11.身体の異常に気がついたら、すぐに受診を

体重の減少、貧血、顔色が悪い、不正出血やおりものがある、咳が続く、食欲がない、そんな症状があったら、病院に行くようにします。もしかしたら、癌などの大きな病気が隠れている可能性があります。

12.正しいがん情報でがんを知ることから

癌についてはインターネット上に色々なサイトがありますが、正確な情報を取り入れることが大切です。「国立がん研究センター」のサイトに”がん情報サービス”がありますので、こういったサイトを参考にして予防法など調べてみましょう。

40代の癌を防ぐには定期検診が大切

癌は早期発見をすると、治療ができ、完治も可能な病気です。癌の定期検診について、その種類やメリット・デメリットをご紹介します。

がん検診とは?

会社や学校で毎年1回行われるのが、健康診断。略して”健診”といい、特定の病気を対象とせず、身体に異常がないかを調べていきます。それに対してがん検診は、特定の病気を対象に検査をしていきます。

健康な人は健康診断、がん検診を受けて、癌がないかをチェックしていきます。ここで癌、もしくは癌の疑いがある、とされた場合は、精密検査を受けて、さらに詳しく調べていくことが必要になってきます。

すでに乳房にしこりがある、貧血がある、といった自覚症状がある人は、医療機関の受診がすすめられています。健康診断やがん検診は、あくまでも今健康な人のためのものだからです。自覚症状がある、ということは病院で詳しく診てもらうことが必要なのです。

がん検診の種類

がん検診は大きく分けて、対策型検診と任意型検診の2つの種類があります。それぞれについて詳しくみてみましょう。

対策型検診

集団全体の死亡率減少を目的として行われる検診で、公共的な予防対策として行われます。市区町村で行っている集団検診は、対策型検診になります。公的な補助がありますので、受診料が安い、もしくは無料のことが多いようです。

任意型検診

個人の死亡リスクを下げることを目的とした検診で、人間ドックに含まれているがん検診は、この任意型検診にあたります。基本的に検査費用は全額自己負担となりますので、対策型検診よりも費用がかかります。

がん検診のメリット・デメリット

がん検診は様々なメリットが強調されますが、もちろんデメリットもあります。その両方をよく理解したうえで、がん検診を受けるようにしましょう。

がん検診のメリット

  1. 救命効果
    がん検診は癌を早期に発見して、治療することを可能にしてくれます。これは、救命にもつながるのです。
  2. がんの早期発見ができます
    癌は初期の段階では自覚症状がない場合が多く、自覚症状が出た時には癌が進行してしまっていることがあります。がん検診は自覚症状のない健康な人を対象にして行われますので、まだ症状の出ない早期の癌を発見できることがあります。癌を早期に発見することができれば、早く治療に取り掛かることができ、治すことができる可能性も高くなります。また、身体的負担、経済的負担も少なくて済むのです。
  3. がん以外の病気が見つかることもあります
    がん検診をすることで、癌になる前の病変を発見することがあります。病変には、ポリープ、潰瘍、異型上皮などがあります。病変が軽い場合は経過観察、症状によっては治療を行うことが必要になります。これで、病変が癌になることを防ぐことができます。
  4. 安心感を与えてくれます
    がん検診を受けて以上なし、という結果が出たなら、安心して日々を過ごすことができます。しかしこれで過信せず、がん検診を定期的に受けていきましょう。

がん検診のデメリット

  1. 100%の結果ではない
    医療技術の進歩とともに、がん検診の技術、精度も進歩しています。しかし以上なし、という結果が出たからといって、これが100%正しいということではありません。がんの種類、場所によっては、見落とされてしまっている癌がある可能性もあるのです。
  2. 検査が身体に負担となることがある
    がんによっては、自然に消えてしまうもの、良性のものもあります。そういったものは治療が必要ないのですが、これは二次検診などを行って初めてわかること。結果的に必要のなかった検査をしなくてはならなくなってしまいます。

その他の二次検査も体に負担となることがあります。例えば、X線検査に必要なバリウムは便秘を引き起こすことがありますし、放射線を使った検査には被曝(ひばく)の問題があります。

しっかり予防・定期検診をして、癌を防ぎましょう

まだまだやりたいことが沢山ある40代。しかし40代というと、少しずつ体の不調も感じてくる年代で、少しずつ癌のリスクが上がっていくこともわかりました。人生を楽しむためにも、40代からのがん予防、がん検診を行っていきましょう。40代から気をつけていくことで、健康を保ちつつ人生を楽しんでいくことができます。

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