【40代で増加する便秘】効果的な予防・対策方法はある?

便秘は年齢とともに増加していく!

美と健康の大敵・便秘

便秘で悩む人は女性のイメージが強いですよね。最近では「腸活」なるものもよく耳にするようになりました。腸の中に同じ食べ物がずっとあると、いったいどうなるのでしょう。

腸の中=真夏の生ごみ置き場と同じ状況。食べ物が30度後半の温度で保たれている状態です。生ごみ置き場は清掃業者が回収してキレイになりますよね。腸の中は私たち自身が便秘を改善してキレイにしなくては、大変なことになります。

便秘が長く続くと腸の中で悪玉菌が増え、有害物質が発生。この有害物質は腸から吸収され全身に回ります。肌が荒れたり吹き出物が出来たりするのもうなずけます。さらに腸の中に発生した悪臭は毛穴から体臭となって、または口臭として体外に出ていくのです。考えただけで怖いですね。

いろんな不快症状を引き起こす便秘

便が長く腸の中にあると、腸のバリア機能が低下して炎症や感染症にかかりやすくなったり、お腹が張って食欲が落ちたり、精神的にもイライラしがち。日常生活に支障が出るため、生活の質が落ちます。そのストレスからまた便秘になり、イライラ…と負のスパイラル。

また便秘は肩こりや頭痛、腰痛などを引き起こすことも!便秘は身体のさまざまな不快な症状の原因です。一刻も早く改善したいですね。

便秘で悩む人はとても多い

10代から便秘に悩む女性は多く、年齢とともに増加し、高齢になると男性もそれに加わり、結構な便秘人口になります。年齢と便秘の関係性とはどのようなものでしょうか。

男性の便秘は50代から増え始め、75歳を過ぎれば男女ともに同じくらいの比率になります。食べたものを小腸から大腸へ送ったり、便を外に排出する働きをする腸の蠕動(ぜんどう)運動には、腹筋が大きくかかわっており、お腹のまわりの筋肉によって蠕動運動がサポートされているため、年齢とともにこの腹筋が衰えることで蠕動運動もスムーズに行われなくなってくるというわけです。

腹筋だけじゃない 加齢による便秘の原因

また40代以降は更年期やストレスなどによる自律神経の乱れによって排泄のリズムが狂うパターンもあります。

年齢を重ねると副交感神経の働きが低下しますが、副交感神経は腸の働きを活発にしてくれる役割がありますので、この働きが衰えると便秘になりやすくなります。

こうやって年齢とともに便秘で悩む人が増えるのです。

そもそも便秘になってしまう原因は?

便秘の定義

72時間以上便が出ない状態を医学上は便秘と呼びますが、排便回数や排便量は食事量や生活スタイルによって個人差があるため、明確に定義できません。

そのため、毎日排便があっても1回当たりの便の量が少ない場合(35g以下)や残便感がある場合も便秘とすることがあります。

便の水分量が低下したり、ガスが頻繁に出るようなら便秘のサイン。腸内環境をしっかり見直しましょう。

便秘の原因

多くの人が悩まされている便秘の原因は、先程の副交感神経や腹筋の問題だけではありません。生活スタイルや食生活、病気が原因の場合も。

あなたが便秘で悩んでいるなら、これからご紹介するいくつかの原因の中から当てはまるものを見つけ出し、有効的な解決方法を探りましょう。

【食物繊維の不足・食事量の不足】

便秘には食物繊維、と言いますが、意識して摂取するのは結構大変。何も考えず食生活を送ると、気づけば食物繊維が不足している状態に。

野菜や海藻類には食物繊維が豊富に含まれているということは分かっているのですが、ちゃんと食生活に反映させている人は少なく、忙しさで昼食の時間があまりない40代などは食事を麺類で終わらせるなどで野菜不足、食物繊維不足に陥りがちです。

こうなると食物繊維による便のカサを増したり腸を刺激する働きが失われ、便秘へまっしぐら。

また食事の量が少ないと便が押し出されず便秘になります。

【朝食を抜く】

最近多い、朝食抜きのスタイル。ギリギリまで寝ていたいから、ダイエットしたいから、朝から食欲がわかないから…理由はさまざまですが、朝食を抜いていると便秘になりやすくなります。特に40代女性の朝は忙しく、お弁当の準備、自分の身支度などてんてこ舞い。ゆっくり座って朝食という時間はありません。

排便しようとする動きは朝食後に最も起こりやすくなります。このタイミングを逃すと次はいつ来るか、サイン待ちの状態です。すると次のタイミングまで便が腸にとどまることになるので、時間をかけて水分が少なくなり固く出しづらいものになります。そして便秘になる…という悪循環。

40代女性はお肌のコンディションが急変するお年ごろ。さらに便秘で肌荒れしたら大変です。

【水分量の不足】

便の7~8割は水分です。1日に摂取すべき水分量は、およそ体重の30分の1と言われています。体重が60キロであれば2リットルということになりますね。適度な水分を摂取していないと、代わりに腸の中の便で水分を吸収しようとする働きが起こり、水分が抜けた便はどんどん固くなって排出されにくくなります。

特に高齢者は喉が渇いたという感覚が鈍くなるため、水分摂取量が減る傾向があります。意識して水分を摂るようにしないと便秘になってしまいます。

【運動不足】

腹筋をつけるためだけでなく、適度な運動は腸にとって良い刺激となります。運動不足になると腹筋などの筋力が弱り、腸の動きも鈍るので便秘になりやすくなります。

最近ではパソコンを使う仕事が増え、椅子にじっと座って同じ姿勢を続けているため運動不足になりがちです。若いときは意識して運動していたのに40代になったとたんに疲れやすくなり運動をしたくなくなる、という人も多いはず。

忙しいから、疲れやすいからなどと理由をつけて運動不足のまま時間を過ごしていれば、便秘はいつまでたっても解消されません。

【便意を我慢する】

若い女性からも良く聞かれる理由がこの「便意を我慢する」ということ。

職場や学校で便意が起こってもなかなか行きづらく、そのうち便意がおさまってしまうことを繰り返してしまうことで、いつしか便意が起こらなくなるものです。これは直腸性便秘といい、直腸にたまった便で肛門がブロックされてしまい、残便感を感じる便秘です。

時間に追われる忙しい40代女性にはありがちですが、我慢は禁物です。便意が起こったら我慢せずちゃんとトイレに行きましょうね。

【ストレス その他】

万病のもと、ストレス。ストレスにさらされると自律神経が乱れます。自律神経がつかさどる胃腸の働きもそれに影響を受け、普段のように動かなくなるのです。40代はストレスから自律神経が乱れがち。気をつけたいところです。

他には、服用している薬の副作用として便秘になる場合もあります。40代にもなれば、日常的に服用している薬の一つや二つあってもおかしくありません。40代はだんだんと身体のメンテナンスが必要になる年代なのですから。

40代での便秘の効果的な対処方法

40代の便秘の対処方法①女性ホルモンの乱れからくる場合は

40代に入り更年期になると、自律神経の乱れから便秘になる人も多くいます。また、更年期の症状のひとつ、不眠に悩む人は睡眠導入剤などを服用することもありますが、副作用として便秘が起こる場合もあります。

更年期の症状やそれにまつわる要因で便秘になっている場合は、更年期の影響を少なくすることで改善できることがあります。漢方薬などで更年期の症状を軽くしたり、減った女性ホルモンを補ったりして対応します。

40代の便秘の対処方法②やっぱりストレスをため込まない

自律神経を乱す要因の「ストレス」をためこまないようにするのも大切です。男女問わず、現代社会はストレスフル。いろんなことでストレスがたまりやすくなっています。

担う役割が大きくなってくる40代以降は特に重圧を感じやすい年代。ストレスとうまく付き合っていくことが、便秘を解消するカギとなります。

40代の便秘の対処方法③普段の食生活から見直しを

40代からの便秘は便秘の原因を潰していくことが大切。忙しさから自分の食事が手抜きになって食物繊維が不足したり、気づいたら水分を摂っていなかったり。そんな便秘を生み出す原因をしっかり把握して、排除していきます。朝起きぬけの「白湯」は腸の蠕動運動を活発にしてくれるので便がほぐれて出しやすくなります。水分補給も兼ねて、是非習慣づけましょう。

私たちの身体は自分の口から入ったもので出来ています。意識的に腸に良いと言われるものを摂取するよう心がけて、便秘対策をしましょう。

40代の便秘の対処方法④生活も見直して

食生活同様、生活の行動パターンなども見直しましょう。決まった時間にトイレに行く、朝食を摂るようにする、運動を定期的に行う、自分なりのストレス解消法を持つなど、少し気をつければ継続可能な小さなことの積み重ねで便秘は解消できるのです。

40代はそろそろ自分の身体を労わる年代。これまで多少の無理が効いたのは若かったから。意識的に身体のメンテナンスをしなければ、40代の健康は保てません。無茶はもうやめて、健康的な生活を送るよう心がけましょう。

40代の便秘の対処方法⑤お腹のマッサージもいい

お腹をマッサージする「腸もみ」も便秘対策には効果的です。慢性的に便秘になっている人は腸が動いていない状態。腸もみを行うことで腸のコリがほぐれていき、蠕動運動を補助してくれるので便秘が解消されます。

寝る前に行うと血行が良くなり入眠しやすくなる効果も。40代の女性は不眠で悩む人も少なくないので、便秘対策と不眠対策の一石二鳥になりますね。

40代での便秘を予防する方法とは?

60代以上の高齢になると、加齢による便秘が急激に増えます。腹筋の衰えとともに腸内環境が維持できなくなってくるため、便秘になりやすくなります。今便秘で苦しんでいる人も、そうでない人も後々便秘で苦しむ時間が少しでも減るように、40代の今からできることは何かないでしょうか。

腸活のすすめ

腸活というキーワードが世間を騒がせるようになってしばらく経ちます。身体の隅々まで必要な栄養素が行き届くことでさまざまな臓器がスムーズに機能することを健康とするなら、そのカギを握っているのが腸内環境。そこで腸内環境を整える腸活がここ数年で注目されるようになりました。

腸に効く食べ物

腸活のひとつに「腸に効く食べ物を摂取する」ことがあります。腸内には2割の善玉菌と1割の悪玉菌、7割の日和見菌がありますが、腸内環境が悪いと日和見菌はみるみる悪玉菌へ変わり善玉菌が劣勢になります。腸内環境を整えるためには日和見菌を善玉菌にすることが大切。

それにはまず発酵食品を積極的に摂りましょう。発酵食品にはさまざまな細菌が息づいていて、例えばヨーグルトなどの乳酸菌やビフィズス菌は腸内にとどまったり善玉菌のエサになるなど、便秘解消に役立ちます。

腸内細菌のエサになる食物繊維も一緒に摂りたいですね。水溶性と不溶性の食物繊維を理想的なバランスでとれるのがごぼうと言われています。またはちみつなどに含まれているオリゴ糖も腸内の善玉菌のエサになって腸内環境改善に役立ちます。

美味しく食べて、健康になりましょう。

腹筋を鍛えましょう

40代になり、気づけば腹筋が弱まりお腹もポッコリ。そうなってしまうと便秘にもなりがちです。筋力の衰えは年齢とともにある程度仕方ない部分はあるにせよ、少しでも筋力の老化を遅くすることが、現在を含めて後々の便秘対策としても有効であることは言うまでもありません。

階段の上り下りなどでも充分腹筋を鍛える運動になります。ウォーキングやジョギングなど適度に身体を動かすことで自律神経も整い、便秘になりにくくなってきます。

定期的に適度な運動を行うことで、腸の動きをサポートしましょう。

改善しない場合には病院へ行きましょう

便秘は病気が原因の場合も

便秘というと大変な病気であるイメージがないのですが、40代から増え始める大腸の癌やポリープ、腸閉塞や子宮筋腫、卵巣嚢腫など病気のサインとして便秘が起こる場合があります。他には甲状腺の機能が低下することによって便秘が引き起こされることも。

甲状腺は腸から離れた臓器なので腸に影響があるのは意外な気がしますが、代謝をつかさどるホルモンを出している臓器なので、むくみやだるさ、便秘などが症状として現れます。この甲状腺に関する病気は40代以上の女性に多くなる病気のひとつですので気をつけたいですね。

便秘改善で毎日快適に!

便秘は日常的になると単に排便がつらいという感覚だけになってしまいがちですが、便秘がもたらす悪影響や腸の中がどうなっているかということを想像すると、一刻も早く改善しなくてはいけないという気持ちになりますね。

自分で解決できないとき、ちょっといつもと違う気がするときなどは、無理せず早めにお医者様に相談して1日も早く快適な生活に戻りましょう。

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