自律神経の乱れによる厄介な下痢の症状。原因や改善方法は?

自律神経と下痢の関係性とは

人間の身体のあらゆる機能は自律神経によりコントロールされています。この自律神経には、日中活動している際やや緊張している際に働く交感神経と、休息している際やリラックスしている際に働く副交感神経の2つがあります。

胃や小腸、大腸などの消化器官は、副交感神経の働きにより動いています。この交感神経と副交感神経がバランスよく働いていれば、腹痛や下痢を引き起こす心配はありません。

また、自律神経は脳の視床下部によってコントロールされています。実はこの視床下部は、本能的欲求や感情にかかわる大脳辺縁系の影響を強く受けています。

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そのため、大脳辺縁系で生じたストレスや不安、緊張や焦燥、怒りなどの感情が視床下部に影響を及ぼし、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れると、腹痛や下痢を引き起こしてしまいます。

このように、脳にコントロールされている自律神経と腸はお互いに影響し合っており、腸内細菌のバランスを整い腸の働きを良くなると自律神経が整い、また自律神経のバランスが整うと腸の働きも良くなります。

つまり逆に言えば、どちらか一方のバランスが崩れてしまうと下痢を起こす原因となってしまいます。

自律神経の乱れによる下痢の原因は?

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では、自律神経の乱れによる下痢の原因にはどんなものが挙げられるのでしょうか。以下で詳しく見ていきます。

自律神経の乱れによる下痢の原因①ストレス

自律神経の乱れによる下痢の原因としてまず挙げられるのがストレスです。身体的、または精神的なストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、腸が過敏になり、腹痛や下痢などの症状を引き起こす場合があります。

例えば、仕事のプレッシャーや人間関係などに悩みがある場合、授業やテストの際など、ストレスを感じやすかったり、強い緊張を受けやすかったりする場面では、自律神経の乱れを引き起こし下痢になるケースが多く見られます。

下痢の症状が現れた時には、もしかしたら身体が何からのSOSを発信しているのかもしれません。

ですからそんな時には、最近仕事や家事などで無理をしすぎてはいないか、頑張りすぎてはいないかと一度自分の生活を振り返ってみましょう。

自律神経の乱れによる下痢の原因②生活習慣の乱れ

夜更かしして昼夜の生活が逆転していたり、食生活における栄養バランスの偏りなどの生活習慣の乱れも、自律神経の乱れによる下痢の原因となります。

人間の身体は、昼間には活動的になる交感神経の働きが活発になり、夜にはリラックスする効果のある副交感神経の働きが活発になります。

しかし不規則な生活が続くと、ずっと交感神経が活動的になり副交感神経への切り替えがうまくできなくるため自律神経の乱れが起こり、さらには下痢を引き起こします。

自律神経の乱れによる下痢の原因③ホルモンバランスの乱れ

実は自律神経とホルモンにも相互関係があります。 特に女性の場合は毎月の月経や妊娠·出産、また加齢などにより、ホルモンバランスの乱れが起こりやすくなります。

ホルモンバランスが乱れると自律神経のバランスも乱れやすくなり、下痢をしやすい状態となってしまいます。

自律神経の乱れによる下痢の予防・改善方法

ここでは、自律神経の乱れによる下痢の予防方法や改善方法についてご紹介していきたいと思います。

自律神経の乱れによる下痢の予防①消化の良い食べ物を摂る

普段から体質的に下痢をしやすいという方は、消化の良い食べ物を摂るようにしましょう。

消化吸収のよいご飯やうどんなどの炭水化物中心に、キャベツや大根、ニンジンなどの野菜を使った料理や、りんごやバナナなどのフルーツがおすすめです。

逆に脂の多い食事や香辛料をった料理、冷たい食べ物や飲み物などは、腸に刺激を与えぜん下痢を起こしやすくするため控えるようにしましょう。

また水やスポーツドリンクなどを飲む場合は、腸の粘膜を刺激しないよう、常温のものを少しずつ摂取するようとよいですよ。

自律神経の乱れによる下痢の予防②ストレスを溜め込まない

ストレスは慢性的な下痢を引き起こす直接的な原因となります。ですから毎日しっかり睡眠を取る、またゆっくり休息する時間を設けたり趣味を見つけ楽しむなど、上手にストレスを発散させるように日頃から心がけましょう。

自律神経の乱れによる下痢の改善方法①早起きして太陽の光を浴びる

 

早起きして太陽の光を浴びると、身体の中では幸せホルモンと呼ばれているセロトニンという物質が分泌されます。

このセロトニンには、自律神経のバランスを整える働きがあります。さらに腸に多くのセロトニンが分泌されると、腸内の環境を改善してくれます。

自律神経の乱れによる下痢の改善方法②毎朝コップ1杯の水を飲む。

睡眠中には、実は体内の水分が多く失われています。朝に水を飲むと、睡眠中に失った水分を補うとともに、副交感神経の働きを高め自律神経のバランスを整えることができます。

またコップ1杯の水を飲むと自然な便意を促すことができるため、下痢を防ぐことが可能となっています。

自律神経の乱れによる下痢の改善方法③朝食をしっかり食べる

 

朝食を食べると一時的に交感神経の働きが高まりますが、その後は副交感神経が働いて胃腸を活発に動かし、消化吸収を促します。

このように自律神経が正常に働くことで、下痢を引き起こすリスクを避けることができます。

自律神経の乱れによる下痢の改善方法④適度に運動する

太陽の光を浴びて自律神経のスイッチを入れ、無理のない範囲で体操やウォーキングなどの運動を生活の中に取り入れることで、自律神経を整えることができます。

さら軽い運動を行うことで、副交感神経の働きを保ちながら良質な血液が体の末端までしっかりと流し、酸素や栄養を末端の細胞まで行き届かせることができ腸を正常に働かせることができます。

自律神経の乱れによる下痢を放置するとどうなる?

たとえ下痢を起こしても、少し安静にしていたり下痢止めを飲んだりするとすぐに治まるので、特に対処せずに放置しておくという方もいらっしゃるかと思います。

しかし自律神経の乱れによる下痢を放置すると、慢性化して過敏性腸症候群を引き起こすきっかけともなるため可能性があるため注意が必要です。

過敏性腸症候群とは

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過敏性腸症候群は、腸が精神的ストレスなどの刺激に対して過敏に反応し、急にお腹が痛くなって下痢をしたり、逆に便秘が続いたりというような状態を慢性的に繰り返す症状のことをいいます。

主な症状としては、急な下腹部の痛みや不快感、腹部膨満感、吐き気や食欲不振などがあり、さらに、めまいや頭痛、動悸や不安感、不眠などの症状が見られる場合もあります。

特に20~40歳代の方がに多く発症すると言われており、近年増加傾向にあります。

生命にかかわる病気ではないものの、悪化すると日常生活や仕事などに支障をきたすケースもあります。

過敏性腸症候群の症状

過敏性腸症候群の症状には、激しい腹痛を伴い軟便または水のような便が出る下痢型、硬い便またはウサギのフンのようなコロコロした便が出る便秘型、下痢と便秘を交互に繰り返す混合型などがあります。

特に下痢型は男性に、便秘型は女性に多く見られます。下痢を放置しておくとこのように過敏性腸症候群となり、結果的に長く苦しむことになる可能性があるため、早めに対処することが大切です。

しっかりと対処をして、症状が酷い場合には病院へ

下痢の症状は多くの方が一度は経験することであり、ほとんどが一時的な症状で治まるため軽く見られがちです。しかし慢性的な下痢は、体力を消耗するだけではなく日常生活にも支障をきたす場合もあります。ですから体質的なものだとあきらめずに、バランスの良い食事を摂ったり定期的に運動するなど、下痢になりにくい健康な身体を作るように心がけましょう。

また下痢が起こる背景には、潰瘍性大腸炎のような炎症性疾患や、大腸がんのような悪性腫瘍などの重篤な病気が隠れている可能性があります。下痢が長く続き、便に血が混じる、体重が減少する、熱が続くなどの症状がある場合は、必ず病院で検便や大腸内視鏡などの検査を受けてくださいね。

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