50代独身女性にとって、老後は不安がたくさん
そもそも老後とはいつからを指すのでしょうか。
定年退職を機に老後のスタートと考える人や年金受給が始まる65歳から老後がスタートするといった考え方など、老後の定義はひとりひとり違います。しかし確実に、平等に時間は過ぎていきます。必ず訪れる老後の不安や心配事を少しでも減らしたいものですよね。
今はまだ50代でも、これから必ず訪れる老いについて考えてみると、誰しも健康や資金面で少なからず不安はあると思います。女性の就業率も年々上昇し、働き方改革など働き方も多様化してきました。それにより男性と同様に働き同じように、またそれ以上に稼いでいる女性も多くなってきましたが、更年期障害など、体力、気力の低下から職務を全う出来ず退職や転職する女性も、残念ながらいらっしゃいます。
これからの先訪れる老いがリアルになってくる年齢
今までは時間もお金も自分のために使えて、仕事はバリバリこなし、プライベートも充実していて・・・と老後についての心配もなかなかリアルなものではなかったかもしれません。しかし50代になると、これからの先訪れる老いがリアルになってくる年齢ではないでしょうか。
今は独身を満喫していても、老後のことを考えると結婚という言葉が浮かんでくることもあるかもしれません。ただ50代独身女性の結婚率は7~10%と低いのが現状。例えば結婚相談所で相手を見つけたいと考えても、結婚相談所は決して安い料金ではありませんし、老後の資金も無駄にはできませんよね。
これから自分がどのような老後を過ごしていきたいか、じっくり考えてみましょう。
50代独身女性は老後の楽しみや趣味について考えておくべき
女性の平均寿命は87.32歳(2019/7/30厚生労働省発表)と年々延びてきています。例えば65歳が定年だとすると、仕事をリタイアした後も約20年間ほど自由な時間があるということですね。
仕事も落ち着いてこれから充実した老後生活を送るには、老後の楽しみや趣味を見つけることが非常に大切になります。
50代独身女性は老後の為に、人とのお付き合いを大切にする
今まで仕事をばりばりこなしていた方が定年でリタイアした後、誰とも交流がない状態で過ごしてしまい「うつ病」になってしまったというのはよく耳にします。そうなってしまうと、せっかくの第二の人生が楽しいものではなくなってしまいます。
そのためにも今から人とのお付き合いを大切にすると良いでしょう。特に活動範囲が狭まる可能性がある老後ですから、できればご近所付き合いがあった方が良いかもしれません。地域のイベントなど交流の場に参加してみて、楽しみを見つけておくとよいでしょう。
50代独身女性は老後の為に、今から健康に気を付ける
ソニー生命保険株式会社による全国のシニアに対し実施した「シニアの生活意識調査2019」ではシニアの楽しみ1位は、2年連続で「旅行」でした。またスポーツを楽しみにしていると回答した割合も増えてきています。
人生100年時代と言われている現在、老後を悠々自適に過ごすためにも、今から健康に気を付けていくことが大切ですね。
独身女性に必要な老後の資金はどれくらい?
独身女性に限らず誰でも不安に思っている老後の資金。
総務省「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」によると、60歳以上の独身女性で15万2,992円で持家率は79,5%となっています。賃貸の人はプラス家賃分を見積もった方が良いでしょう。
定年後に必要な毎月の生活費は、
・60歳定年の場合 ・・・
152,992円/月×12ヵ月×27年(87歳-60歳)=49,569,408円
・65歳定年の場合 ・・・
152,992円/月×12ヵ月×22年(87歳-65歳)=40,389.888円
それに対し年金受給額は、
・108,776円/月×12ヵ月×22年(87歳-65歳)=28,716,864円
となっています。
※平均寿命と年金受給は厚生労働省がまとめた簡易生命表と年金受給は政府統計ポータルサイト参考
※総務省「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」はこちら↓
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/index.html
年金に関しては働いている期間や収めた期間によって多少の誤差は生じますが、単純計算でも老後資金として約1200万~2000万円は自分で準備する必要がありそうです。
このようにざっとでも計算をしてみると、老後に向けて現実的な数字が見えてきますね。今以上に収入を増やすのは難しいかもしれませんが、無駄使いなど減らして支出を減らすのも一つの手です。自分の年金や退職金、保険、資産などシミュレーションして、自分がどのような老後生活を送りたいか目標金額を立て計算してみましょう。
長く勤めることも視野に
資金を貯めるのが難しいという人は定年退職した後もアルバイトやパートに出るなど、長く勤めることも視野に入れてみてください。各地域ごとに設置されている、通称「シルバー人材センター」では、高齢者を対象にした仕事を紹介しています。
また、クラウドソーシングといった、働く場所を選ばず、どこでも好きな時に働ける新しい雇用形態も誕生しています。また何より60歳を過ぎても元気な人が多いので、定年退職後も働く心づもりを持っておくと資金面では安心できますね。
病気や介護が必要になった時のことも忘れずに
独身者にとって、自分自身の病気や、自分が万が一介護が必要になった場合にどのように対処するのかというのは、とても心配な問題です。そこで重要になってくるのが医療保険です。医療は日々進歩しているのでそれに合わせて保険の中身も変わってきているので、その時の状況に応じて保険の見直しが必要です。
特に日本の保険は病気のリスクが低い若い世代の医療に力を注いでおり、病気のリスクが高まる50代、60代以降に保険料が高くなる仕組みになっています。人生の中で医療保険を一番使う時期は亡くなる前の5年間と言われています。その時期に医療部分が充実していないと自己負担が大きくなります。
女性の平均寿命は87歳なので、80歳以降に保険を使う機会が多くなりますが、日本の生命保険は「終身保険」と銘打っていても、医療保障の部分は終身で保障されていない場合もあるため、注意が必要です。
50代独身女性は、少しでも健康なうちに保険の見直しを
また加入時の年齢が上がるごとに保険料は上がっていきます。さらに持病があると保険に加入しにくくなったり、加入出来ても制限がかかったりすることがあるので、1歳でも若いうちに、また少しでも健康なうちに保険の見直しをしましょう。
独身者の場合は特に、病気になったり怪我などで動けなくなったりすると非常に困ってしまいます。子どもがいれば同居や近くに住むということも期待できるかもしれません。しかし子どもがいない、面倒を見てくれる人もいないという場合は、介護施設に頼らざるを得なくなりますよね。
一口に介護施設といっても有料老人ホーム、高齢者向け住宅、ケアハウスなどさまざまあり、料金もその施設やサービスによってばらつきがあります。
平成 30年3月みずほ情報総研株式会社による介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業の報告書によると、施設等に入居するにも身元を保証する人がいないと入院・入所ができない施設等は市町村社協のうち 39%、地域支援相談機関のうち 23%の人が利用できていません。
施設等に限らず賃貸や病院などもそうです。施設等や病院で身元保証人等を求める施設は9割以上となっています。そうなると身元保証サービスを使わないといけませんし、それなりの料金がかかりますのでそのことも頭の片隅にでも入れておきましょう。
できるだけ早めに、老後について考えましょう
老後についていろいろな側面をみてきましたが、いかがでしたか。老後は旅行や趣味、クラブ活動など楽しみはいっぱいありますが、不安な部分もありますよね。先日金融庁が、「人生100年時代、2000万不足」と報告しました。国は人生100年時代を見据えた資産形成を促しています。
定年退職した後、公的年金制度に頼った生活設計ではやはり不安はついてきます。昨今ではiDeCoやつみたてNISA・貯蓄性のある保険など、いろんな選択肢があるので事前に知っておくと安心。銀行に預けておくだけでなく資産形成にメリットのある制度が整っていますので老後資金対策として、ぜひ活用してみてください。
自分が100歳まで生きるとイメージし、老後に向けてしっかり生活設計してみてください。よりよい老後を楽しむために、また不安解消のために今から出来ることをしっかりと準備をしていきましょう。備えあれば患いなしです!