老後のお金の不安を無くすために、家計簿がおすすめな理由とは

老後のお金の不安を解消するには、家計簿がおすすめ

公益財団法人、生命保険文化センターが令和元年に行った、生活保障に関する調査(速報版)を見てみると、老後の生活についての不安の有無では、

  • 老後の生活に不安感あり ・・・ 84.4%
  • 老後の生活に不安感なし ・・・ 13.2%

と、8割以上の人が老後生活に対して不安を抱えています。

また何に不安を感じているかの調査によると、

  • 公的年金だけでは不安 ・・・ 82.8%
  • 日常生活に支障が出る ・・・ 57.4%
  • 退職金や企業年金だけでは不十分 ・・・ 38.8%

となっています。

毎年、フィデリティ投信が実施している「サラリーマン1万人アンケート」では、老後難民予備軍は会社員の4割と言われています。

老後難民とは「老後に経済的に生活が困難になった者」を指しています。自分自身の老後の貯蓄が尽きてしまったことが原因でこういった事態に陥ってしまわない為に、また老後のお金の不安を解消するために、家計簿をつけてお金の可視化をしておきましょう。

まず、老後の貯金はいくら必要かを把握すること

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老後と言っても一概に何歳からとは定義がないので、ここでは一般的に年金を貰い始める年齢の65歳としておきましょう。自分自身のライフスタイルによって老後の貯金額は大きく変わります。老後は家でまったりと映画でも見て過ごしたい人と、半年に1回は旅行に出かけたい人とでは支出に大きく差が出ます。

総務省「家計調査報告(家計収支編)平成30年(2018年)」の夫婦高齢者世帯での一か月の支出が
261,109円で、2018年の日本人の平均寿命は84歳として、

毎月の生活費は、

  • 261,109円/月×12ヵ月×24年(84歳-60歳)=75,199,392円
  • 261,109円/月×12ヵ月×19年(84歳-65歳)=59,532,852円

年金受給額は、

  • 146,831円/月×12ヵ月×24年(84歳-60歳)=42,287,328円
  • 146,831円/月×12ヵ月×19年(84歳-65歳)=33,477,468円

となっています。

※厚生年金保険 受給権者の平均年金月額(厚生年金保険計、厚生年金保険新法)平成30年3月の平均受給額。
※総務省「家計調査報告(家計収支編)平成30年(2018年)」はこちら↓
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei07_01000164.html

また単身世帯になると、

毎月の生活費は、

  • 162,027円/月×12ヵ月×24年(84歳-60歳)=46,663,776円
  • 162,027円/月×12ヵ月×19年(84歳-65歳)=36,942,156円

年金受給額は、

  • 146,831円/月×12ヵ月×24年(84歳-60歳)=42,287,328円
  • 146,831円/月×12ヵ月×19年(84歳-65歳)=33,477,468円

となります。

これはあくまでも平均的な数字です。年金は男女別で見ると、6万円ほど差が出ており、単身者の生活費は家賃が1.5万円程度とかなり低く、住宅ローンの返済がないか、公営住宅に入れてる人のケースになっていると思います。

今現在、自身の家の支出がどのようになっているかを家計簿にて確認してみましょう。実際に家計簿をつけことで自分自身のお金の流れがわかるはずです。

目標貯金額に届くよう、毎月の貯金額を設定する

あなたの年齢、家族構成、資産などによって、当然ながら貯金出来る金額や貯金すべき金額は変わってきますよね。今から定年まで勤めた場合、毎月いくら貯金が出来るのか、定年後も再雇用で勤めた場合の給与はいくらなのか?退職金は出るのか?退職金がいくらになるのか等、把握していない方も多いです。今のうちに把握し、計算してみると良いでしょう。

このように、毎月の生活費を書き出して、貰えるであろう年金の計算をしていくと、思っていたよりも老後の生活にゆとりがない!と感じる方も多いと思います。収入がなくなったり、減ったりする分、家計を見直し生活費のコスト削減を図り支出を減らすのも一つの手です。

例えばお子さんがいる場合は、子供が自立したタイミングで車を燃費の良い軽自動車に買い替える等、細かいことを見直すだけで、出費はかなり違ってきます。

また貯金といっても現金が全てではありません。銀行に預けておいても利率は微々たるものです。昨今では、iDeCo・つみたてNISA・貯蓄性のある保険など、いろんな選択肢があるので事前に知っておくべきでしょう。銀行に預けておくだけでなく資産形成にメリットのある制度が整っていますので老後資金対策として、ぜひ活用しましょう。

上手な家計簿の付け方・ポイント

家計簿をつける目的は、

  • 毎月の支出額を把握したい
  • 不明な出費を洗い出したい
  • 年間の貯金額を知りたい

こういったものが多いと思います。

目的があってつけ始めた家計簿なのに、「めんどくさい」という理由で続かなかったという人も多いのではないでしょうか。家計簿ってどうしても手間になってしまって、段々とつけなくなってしまいがち。

家計簿が面倒な理由の一つに「しっかり管理しようとして項目を事細かく分けすぎて、管理するのが大変になった。」があげられます。一見しっかり管理されてるように見えますが、項目が多すぎると管理が大変になってしまい、続かない原因に・・・。

特に毎月決まって出費がある訳ではない、医療費や冠婚葬祭、クリーニング、交際費等は、「その他」「雑費」「特別費」等、まとめて分類してしまいましょう。続かないと意味がないので、少しぐらい大雑把にしてしまっても良いかもしれません。

また家計簿といっても、スタンダードなノートタイプはもちろん、アプリで管理している人も多いのではないでしょうか。レシートを写真で撮るだけといった簡単な家計簿アプリもあるので、自分にあった家計簿を探して、家計簿をつけることが苦にならないようにしたいものです。

老後にも家計簿を付け続けることで、老後破産を防ぐことができる!

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最近「老後破産」という言葉を耳にする機会が増えてきましたよね。

老後破産とは、

  • 1か月の収入が13万3千円以下
  • 年収が160万円以下

と定義されており、生活保護を貰っている人よりも低い収入で生活している高齢者のことを指します。仕事をしている今はある程度貯金があり、定年退職後もそれなりに退職金を貰えたとしても、今までと同じ生活レベルで生活をしていると、次第に資金が不足し、生活が困難になってしまうことも。

生活が困難になってくると、持家で家賃がかからなくとも病気や怪我の際に貯蓄が減り、次第には年金や家を担保に銀行でお金を借り生活するようになり、最後には家や車といった資産を手放し、泣く泣く生活保護になるといったケースも考えられます。

厚生労働省によると、生活保護受給者数は平成29年2月現在で214万1881人、生活保護受給世帯数は約164万世帯。生活保護受給世帯数の45.5%は65歳以上の者となっていて、年々増加しています。少子高齢化社会が進みますます高齢者が増え、若者だけでは支えていけなくなる日が来るかもしれません。

今から家計簿をつけて老後の貯金をしっかりと蓄えたからといって老後に家計簿をやめるのは危険です。老後もしっかりと家計簿をつけ、健康でゆとりある老後を送りましょう。

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