幼児向け絵本選びのポイントは?
絵本が知性や心を育てるのはわかりますが、あまりにも種類が多すぎて困ってしまいますよね。1〜3歳ごろの幼児の知性を育てるには、一体どんなことに気をつけて絵本を選んであげれば良いのでしょうか?
幼児向け絵本選びのポイント①言葉が美しく心地よい
絵本に使われている言葉のシンプルさ、リズミカルさは重要です。この点に配慮されている絵本は往々にして言葉選び全体が美しく、子供に寄り添った内容のものが多いです。幼児の知性と語彙力を育てるのにおすすめと言えるでしょう。
また、子供にとってリズミカルで覚えやすい言葉で綴られていることは、子供からのアウトプットのしやすさ(暗唱や真似っ子)にもつながります。これも幼児の知性と心を育てるのに役立つ要素です。
幼児向け絵本選びのポイント②子供が自分の生活感を元に共感できる
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2〜3歳ごろになると、お散歩や美味しい食べ物、お着替えなど、自分の生活の経験が蓄積してきます。そのため、子供が自分自身の経験を元に、登場人物の気持ちになって絵本を楽しめるようになってきます。身近な題材が選ばれた絵本は、幼児の想像力や知性の育ちを助けてくれることでしょう。
幼児向け絵本選びのポイント③繰り返しが楽しい
3歳頃からは、接続詞などが使われた少し長めの文章でもよく理解できるようになるため、ストーリーを楽しめるようになってきます。フレーズの繰り返しが多く、展開が予想ができ、さらにその予想を裏切るてん末が待っているような絵本は、子供の知性と心を大いに刺激してくれます。
幼児向けおすすめの本10選
いよいよここからは、1〜3歳の幼児の知性と心を育てるおすすめの本を紹介していきます!
どれも間違いありませんが、子供の反応を見てから購入したい方は図書館で借りるなどして様子を見てみてもいいですね。
幼児向けおすすめの本①だるまさんが
シンプルかつユーモラス。1歳前後からでも楽しめる”ポストいないいないばあ”的な、おすすめの一冊です。「だるまさんが…」のページをめくると起きる意外な変化に子供は大ウケ!「次は何が起きるのかな」というワクワク感は、元・子供の私たちでも思わず顔がほころんでしまいます。シリーズにもなっているので、気に入ったら何種類も揃えられますよ。
幼児向けおすすめの本②大きなかぶ
小学1年生の教科書にも載っている本作。日本を代表する彫刻家である佐藤忠良の、ダイナミックな挿絵でもお馴染みです。元はロシア民話ですが、私たちに親しみ深い福音館の絵本は、トルストイが書いたものの翻訳。美しくリズミカルで子供が真似しやすい繰り返しのストーリーが、最後にカタルシスを生みます。うんとこしょ、どっこいしょ!は子供と声を合わせて読むのもおすすめですね。
幼児向けおすすめの本③ぞうくんのさんぽ
ある日お散歩にでかけたぞうくんが、行った先々で友達を背中に乗せていきます。ぞうくんの背中にかばくんを乗せて、かばくんの背中にワニくんを乗せて…まるで子供たちが日頃遊んでいる積み木のようです。積み木といえば子供が最後にすることといったら…?さて、絵本ではどうなりますことやら。オチに子供と一緒に思わず笑ってしまう、楽しい一冊です。
幼児向けおすすめの本④もうぬげない
お着替えが自分でできるようになり始めた小さいお子さんに大変おすすめの作品!脱ごうした服が引っかかって抜けなくなり、困り果てる「ぼく」。それでも粛々と試行錯誤してみたり、「このまま生活したら…」と奇想天外な想像を巡らせたりと、奮闘する「ぼく」の姿が可笑しくてたまりません。子供も親も「あるある!」と一緒に吹き出してしまう1冊です。
幼児向けおすすめの本⑤コんガらガっち どっちにすすむ?の本
いるかとモグラがこんがらがってできた生物「いぐら」が、友達の家に遊びに行ったり、美味しいお昼ご飯を食べたり。読者は絵本のページを指でたどって、いぐらのお散歩についていきます。いぐらの行く先にはいくつもの選択肢があり、子供はそれを自分で選んで様々なストーリーを楽しめます。
Eテレのピタゴラスイッチを制作しているグループの作品なので、ユーモアたっぷりに知性を育んでくれる作風には納得です。気に入った方は、同じいぐらのシリーズが何種類も出ていますので、探してみてくださいね。
幼児向けおすすめの本⑥びっくりゆうえんち
イマジネーション溢れる絵にリズミカルで楽しい言葉遊びは、大人でも目を見張るほどです。「びっくりゆうえんち」でなつきちゃんが乗ったジェットコースターは、砂漠や海の中や果ては宇宙まで走り抜けていく大冒険の乗り物でした。驚くほど緻密に描き込まれた絵は、読むたびに新しい発見があります。長く楽しめるおすすめの絵本です。
幼児向けおすすめの本⑦ぐりとぐら
説明不要のロングセラー!55年以上読み継がれている、のねずみのぐりとぐらのシリーズの一作目です。リズミカルな言葉が素朴で温かく、繰り返し読み聞かせるのに最適。
ぐりとぐらが見つけた大きな卵で作られる巨大なカステラには、子供心に憧れたものでしたよね。(これを読んでくださっている方も、子供時代に心をつかまれた覚えはないでしょうか?)最後に森の動物たちと分けあって食べているシーンにも心が温まります。
幼児向けおすすめの本⑧めっきらもっきらどおんどん
3歳頃の幼児におすすめです。神社のご神木に吸い込まれた「かんた」が、異世界で妖怪たちと出会って遊びます。ちょっぴりぞくっとして、でもユーモラスで可愛い妖怪たち。言葉や歌がリズミカルで耳に残り、スピード感のある展開が楽しく、何度も読み返したくなる絵本です。子供がこの絵本を読んでもらうとき、心は「かんた」と一緒に大冒険をしています。ぜひ連れて行ってあげてください。
幼児向けおすすめの本⑨でんしゃでいこう でんしゃでかえろう
電車で山を抜け、田園地帯、雪道や菜の花畑を走り抜け、海へ。その旅路を丁寧な絵と耳に残るやさしい言葉で描きます。電車の音が走っている場所によって「デデン ゴゴー」「デデ ドド」などと変化するところにも丁寧さが現れていて、ゆったりとした電車の旅に子供と一緒に揺られているような気分になれます。
反対側の表紙から読めば帰り道になり、一粒で二度美味しい絵本です。電車が好きな子はもちろん、そうでない子にもおすすめです。
幼児向けおすすめの本⑩どうぞの椅子
うさぎさんが作った小さな「どうぞの椅子」。そこにひょんなことから乗せられた食べ物を、やってきた動物が食べては他のプレゼントを置いていく、優しさの連鎖の物語です。ほのぼのとした絵柄に繰り返しの言葉が耳に心地よく、子供の優しい心を育ててくれます。最後のオチもユーモラスで可愛いです。お友達との関わりが少しずつできてくる、3歳頃のお子さんにいかがでしょうか。
大人も一緒に絵本を楽しもう♪
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1〜3歳の幼児の知性と心を育てる絵本10選を紹介してきました。なるべく大人も一緒に楽しく味わえるものをチョイスしてみましたが、いかがでしたか。絵本を子供と一緒に楽しむと言っても、子供の楽しみ方と大人の楽しみ方は少し違います。
子供は大人に読んでもらいながら絵をじっくりと眺め、想像をめぐらせます。体はここにありながら、心は絵本の世界を旅していると言っても過言ではありません。
大人は別の楽しみ方をしてみる
一方大人は無意識にストーリーの面白さを追いかけるため、同じ絵本を毎日読み聞かせているとどうしても飽きてしまうものです(私も身に覚えがたっぷりあります)。
ですから、大人は別の楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか?
その楽しみ方とは、「変化をつけて読んであげる」ことと「子供を観察すること」です。絵本の世界を邪魔してしまう恐れもあるのでやりすぎは禁物ですが、気持ちを込めて読むところや声色を読むたびに変えるなどすると、子供の反応を引き出せて楽しめます。
また、何度も読んだ絵本でも、子供自身が日々成長しているので、不意に新たな発見や気づきがあります。子供の反応の変化や、集中している眼差しをそばで見られるのは、やりがいを感じる瞬間ではないでしょうか。
ひょっとすると、子供の成長をそばで目撃できることこそが、読み聞かせの一番の醍醐味なのかもしれません。絵本を読み聞かせる時間は、子供にとっても大人にとっても、必ずや大切な宝物になることでしょう。